国政報告

平成12年5月5日(金曜日)


 私達、国会議員のこの胸には議員バッジがあります。これと同じ議員バッジを500人、私以外の人が499人持っています。
 国会議員には、大きく分けて3つぐらいの仕事があります。それは法律や予算をつくる立法という仕事、日米安保などの外交や防衛といった行政や司法をチェックする仕事、地域を活性化する仕事です。

 私は、平成8年に国会議員になって以来、35本の法律づくりにかかわりました。そのうちの7本の法律に提案者として名前を連ねています。私が力を注いできた法案は3つあります。

 1つは子ども虐待防止の法律です。暴力をなくし子どもが本当に安心して暮らせるための法整備で、今国会の私の一番大きなテーマです。この法案はおそらく今国会で成立します。
 2つめは産業廃棄物処理法の改正案です。これは、山がゴミ溜めのようになっている状況を変えるための法律です。
 3つめは日米地位協定の改正案です。外交はとても大事なことであり、アメリカの権利と日本の権利を調整するためのものです。


 月25日に総選挙との報道が各新聞でなされています。重要なことは、選挙の争点、つまり何をもって国会議員を選ぶかということです。
 今までの政治家は、どちらかといえば自分自身の政治姿勢や信条や施策について論じることはあまりなかったように思われます。そのかわり「○○協会へ分配しますよ(補助金や許認可などの便宜を計る)」という『分配型の政治』をアピールしてきました。しかし、社会情勢の変化や市民の政治への関心の高まりとともに、今や完璧に行き詰まっています。
 私たちは新しい民主党をつくって、「自立できる方は一人でも多く『自立』して下さい」とお願いしています。それは、何も冷たい政治をやるという意味ではありません。政治の支援が本当に必要な人に、しっかり予算措置をする政治という意味です。つまり、難病の方やあるいは障害をもっている方、地域で頑張っている皆さんに対して、しっかり予算措置するために『自立』のメッセージを出しているのです。
 私たちはある特定の一部の人間に分配するだけのために、分配をする側としてのメッセージは出しません。多くの皆様に『公正に分配』をしていく。一部の人間のために政治があるのではありません。「一緒に社会の価値を創っていきましょう。ひとりひとりの価値を尊重していきましょう。」という意味で、『自立』して下さいとお願いしているのです。

 いま皆さんからよく尋ねられるのは「年金の話」、「介護の話」、「雇用の話」、「起業の話」の4つが一番多いです。
 年金といえば、今年3月の自民党政権が中心になって強行採決した年金法改正に関しては、改正していいところと、変えていけないところがあるのではないでしょうか。つまり国民の生活に直結するものは変えてはいけないところです。
 例えばサラリーマンの厚生年金でいうと、0歳から20歳までの人達が、夫婦で生涯にもらえる年金の総額は、今回の強行採決によって1200万円減りました。30歳の方は1100万、40歳1000万、50歳500万、60歳500万、70歳だと御夫婦で生涯もらえるお金が300万円減ります。
 年金の積み立て金は、厚生年金だけで140兆円あります。ところが今度の国会で判ったことは、年金の積立金がいつの間にか減っていたということです。140兆円から2兆8千億円も減っていました。銀行にお金を預けていて、元本が減るということはあり得ません。ところが政府に預けている積立金は減っているという現実があります。
 積立金は国民の皆様から預かった大事なお金だから、安全で確実に運用しなければいけないということが年金法に書かれています。これは年金法の大原則であり、積立金が減少するという事態は、年金法の違反ということになります。
 2兆8千億円も減っているということは、誰かが使わないと減りません。誰が使ったのかということになりますが、それは老後の生活に全く関係ない温泉センターを造ったり、天下り先で高額な退職金を貰ったり、そのような一部の人間だけに分配していることによるものです。公平な分配から多くの人たちが取り残されてしまっている。これを変えるのが私達の仕事です。

 私達は消費税については税率を3%から5%に上げてはいけないということをいいました。
 しかし、前回の衆議院選挙の時、政府・自民党は何といっていたか。「これは福祉に使うお金だから上げさせてください」ということで消費税率は上がりました。消費税率引上げを主張したにもかかわらず、選挙の時には、少なくても、私が分っている限りでも300人以上もの人間が「消費税を上げません。」と言って当選し、議員バッジをつけています。
 500人しかいない衆議院議員のうちの300人以上が消費税を上げることに反対だといえば、消費税は上がらなかったはずです。しかし、現在に至るまでにしっかり上がっている。選挙でいっていたことと国会における行動が違うということではありませんか。
 消費税が2%上がって1年間に国庫に入るお金は5兆円です。この3年間で15兆円入りことになります。しかし、こういうことをやって、景気はぼろぼろになりました。多くの会社が倒産し、多くの人が失業し、亡くならなくていい人が自ら命を絶ったりもしました。社会が荒れました。
 政府は景気対策と称して147兆円もの借金を増やしました。つまり目の前の15兆円を獲りにいって、その約10倍も損をしている。否、社会が荒れた分まで考えれば、その損失たるや10倍どころではないかも知れません。
 人を支援すべき政治が、まじめに働いている人、生活の本当に大事な部分を苦しめている。ここに今の日本の混迷があります。これを変えようというのが、私たちの大きな志です。

 私は松下幸之助さんに育てられました。松下さんは体が弱くて、背も150cmちょっとしかありませんでした。ここにいるどなたよりも多分上背がなっかたと思います。学校も小学校の途中迄しかいきませんでしたし、親が倒産されていますから貧乏のどん底にありました。
 松下さんは人をとても大事にする人です。どんなに不況でも、どんなに苦しくても誰一人として松下電器の社員を辞めさせたことはありません。私は今日本の政治に必要なのは、「人を大切にする」ということだと思います。「人が人であるために立ち上がりましょう」ということを、いろいろなところでいっています。人が人であるために闘いましょう。人が人であるためには何が必要か、ひとりひとりが大切にされているということが必要です。ひとりひとりが必要とされているかけがえのない人だということを、みんなが分かっている必要があります。
 鍋島の鍼灸師殺害事件は語ることも悲しい事件です。ひとの命を命としない事件です。今、私たちが闘っているのは、人を人でなくす力、人を人でなくしてしまう力です。私たちは、明日の日本のためにこれと闘っています。

 今日、私は新しい名刺を持ってきました。これは押し花がついています。とてもきれいでしょう。ひとつひとつ押し花が違います。この名刺は障害者のコロニーで作ってもらっています。なぜこのような名刺を配っているかというと、一人一人が大切にされている政治をやりたいからです。障害者の方々が、その思いを込めて作って頂いたこの名刺を使っています。今までは顔写真の入った選挙用の名刺でした。押し花の名刺には、生きた本当の政治をやりたいという思いがこめられているのです。
 私たちと同じような考え方で社会を運営している国があります。それは北欧のスウェーデンです。スウェーデンに半年前に視察に行った際、サムハルという会社に参りました。スウェーデンの人口は約900万人です。サムハルという会社は約3万人の社員を抱えるものすごく大きな会社です。その社員の中で2万8千人が障害をもった方々です。心に障害がある、あるいは体に御不自由なところがある、あるいは知能に発達障害があるという方々です。行く前は、その方々の賃金は安いんだろうと思っていました。しかし、実際はそうではありませんでした。
 スウェーデン人の健常者の9割の所得です。ですから所得税を払っているのです。何でこんな会社が成り立つだろうと思って訊きましたら、「組織が大事なのではない。組織より大事なものがある。一人一人の人間が大事である。出来ないことは問題ではない。出来ることが大事なのです。」というとても理想的な答えが返ってきました。そうはいっても、そういう製品が売れたり作れたりするのか、実際見てみないと分らないと思い、会社を訪問したのです。
 そして、首から下が動かない人とお話しをしました。首から下が全く動かない、お口もおききにならない方です。実は、サムハルという会社は、目線さえ動けば文字が打てるコンピュータや目線を使って音を出せる声コンピュータも作っていて、これを介していろいろお話をしました。
 私が話した方は、機械を利用して皆さんからの悩みを聞いて、それに回答して所得を得ておられました。とっても温かいなと思いました。
 その方には、こんな話も聞きました。
 「私たちが大事にしているのは、ひとりひとりの人間なんです。私たちは本当に納税出来るということがどんなに嬉しいことか初めて分りました。」

 税金を払える、本当に違うなと思いました。日本の今の社会は、「ある基準に達していない人は辞めて下さい。ここの規格に合わない人は帰って下さい。」という、上辺だけの社会です。これを逆転させることが私たちの仕事だと思っています。
 これは何も障害を持った人達だけではありません。高齢者の方や一生懸命元気で働いている人も含めてのことです。安心で心の温まるということは社会の活力なのです。今、佐賀県や佐賀市をそのような街にしようということを佐賀市長と話をしています。もちろんシルバー人材センターがありますが、そういうものをもっと活かして、サムハルのようにもっと組織的に、しかも人が大切にされるように創り変えようじゃないかということを市長にいっています。
 4月1日、皆様にお声を出して頂いて、佐賀市は子ども緊急病院、夜間や緊急時に安心して診てもらえる病院がいよいよ立ち上がりました。私たちが目指しているのはそういう政策です。一部の人間が享受するのではなく、多くの人間の心が温まる、一人一人が自立できるそういう政治を目指しているわけです。

 私は国会議員になって、国会で39回質問をしました。その中には『供応』をする役所を糾す質問をいっぱいしてきました。情報が公開されない。警察の不祥事にしろ何にしろ、今までは情報を公開しないから、何をやっても分らないだろうという奢りの体質が出来てしまっている。しかし、役所は国民に対してどのような行政をやっているか説明する義務があるのです。
 この前、私は大蔵省、国税庁に質問しました。驚いたことに国税庁長官はこの20年間、国会に1回も呼ばれたり来たことがないのです。国税庁長官がです。では何故、国税庁長官は来なかったか。ロッキード事件の時には、参考人という形でいろいろなことを国会で発言しているんです。国税庁長官が、このように税金のことを公式の場でしゃべられたら堪らないと古い政治が思ったのかどうかは良く分りませんが、とにかく国税庁長官に国会へ来てくれと言ったのは、私が20年ぶりの代議士です。これ一つを取ってみても、とってもビックリすることなんですが、本当に税金の問題についても手心を加えてみたり、警察に言って違反をモミ消してみたりということなんです。
 人は人の何なのか、みんなの前で平等で法の中でも平等でなければいけないのにかかわらず、それが担保されていない。私たちは国に背筋を作るために、もう一つの政党を作ろうということで、若手で立ち上がりました。
 松下さんは「一つの政党しかないと奢ってしまう。一つの政権しかないとそれが失敗したときに国全体が沈没する。だからもう一つの勢力を造ってくれ」ということを望んでおられました。ところが私が当選した時に所属していた新進党は2年前に解党しました。小沢さんがどういうつもりで解党したのか未だもって分りません。それで政権を担うもう一つの政党は出来ないのだろうかという声が出ました。新進党の何人かが自民党に戻りました。自民党の方が楽だからです。
 しかし、私たちは絶対に諦めまい、絶対にもう一つの民主主義を、日本を前に進めるための民主主義を作ろうという気持ちで一杯でした。そして、そういう勢力を作ろうと7人の代議士が集まり、私が事務局長をして、『ダッシュの会』というものを作りました。それは新しい民主党の基礎をつくりました。
 私の名刺に衆議院予算委員と書いてありますね。予算委員は50人しかいません。国会の委員会の中で最高の委員会です。自民党の場合は5回生以上の人しかなれません。私が2年前予算委員になった時には、「あなたは誰の代わりに来たのか?欠席の議員の交代要員だろう?」といわれました。「いいえ私が本物の予算委員です」っていったら、「民主党はそこまで人がいないんだ。」というんです。そうではないのです。
 私たちの民主党は若い政党だから年功序列がありません。ですから当選回数に拘らず予算委員に抜擢された訳です。それから名刺に総務局長と入っています。これは民主党の全ての政策調整と人事と予算を統括する、会社でいうと本部長みたいなものです。総務局長の上位が幹事長代理、国対委員長そして幹事長と続いて代表になります。つまり、今までの政治が当選回数や派閥の順送り人事でポストを配分していたのに対し、新しい政党、民主党は人材を活かすということが出来るんです。
 ダッシュの会が民主党を引っ張っていくとはそういう意味です。あと5年から10年ご辛抱いただければ、この国のもう一つの政党のリーダーが、この7人の中から出てくると思います。その時には日本で初めて40歳の総理の誕生となるでしょう。誰がなるかは分りません。それが自分なのかどうか今は分かりません。ただ、確実にこの中から出てきます。そのことは間違いありません。

 私達は外交も政治の重要な課題と考えています。
 外交で負けてくると、国民の生活に大きなしわ寄せが来ます。森総理が海外に行っておられますが、そこでも援助という形で政府予算を配りまくっています。多くの国民の皆さんが苦しんでおられるこの時期に、海外にだけ予算を配りまくることはどうかなと思います。
 また、先進国が貧しい国に対して貸しているお金を、つまり借金を棒引き、ゼロにしましょうにしましょうということが、去年のサミットで決りました。富める国が、貧しい国に「お金をもう返さないでいいですよ。」というのは一つの考え方です。貧しい国が本当に、ちゃんと自立してやっていけるように、子どもたちが餓えないように借金の棒引きが必要というのならば、それはそれで大変良いことだと思います。しかし、そのやり方の中身をよく見てみると素直には喜べないものがあります。むしろ、こんなことで良かったのかなとさえ思います。
 サミットに参加する先進主要国は8ヶ国あります。そのうち日本を除く国々が貧しい国にどれ位お金を貸しているかと申しますと、日本円にして、約10億円から50億円位です。それをゼロにしましょうといっている訳です。一方、日本はいくら貸しているかと申しますと、実は約7千460億円貸しています。他の先進国と違い、日本だけが7千460億円をゼロにするよう求められているわけです。7千460億円あれば医療費を上げる必要はありません。つまり外交で負けてくるということが、医療費の値上げや増税という形で私達の生活に跳ね返って来るわけです。
 今までは、先進8か国にしても内向きの政治ばかりやってきたのではないでしょうか。この前も、大蔵大臣と日本銀行総裁が先進7か国の蔵相会議に出席し、「超低金利は止めます。」といっていましたが、日本に帰ってきた途端「超低金利政策やります」と、負け犬となってしまいました。
 私たちは日本の国益を背負って国会へ来ています。このようなことを終わらせ、日本と諸外国の真に対等な外交関係の構築を前に進めることが私の仕事です。

 日米地位協定の改定案も提出していますが、これは何かというとアメリカと日本の「主権」のバランスで、日本の「主権」をもっと強くする法律です。
 例えば日本においてアメリカ軍が駐留していまが、100%アメリカ軍のミスで何か事故が起こった場合、日本は補償する必要はあるかないか。私達日本人の税金の中からアメリカ軍の事故を償う必要があるかないか。…答えは『償う』です。
 こんな理不尽な話があるでしょうか。誰かが100%悪い事故を起こしたら、その人が責任を取る。これが国際法のルールです。国際法だけではありません。日本の国内法においてもです。
 ところが、アメリカ軍ということだけで4分の1は日本が賠償しなければいけない。そういう規定が沢山あります。そして、そういうものに今までの内向きの政治は、問題提起すら怠ってきた。国際政治と法に照らして、「正しいことを正しいものへと変えるべきだ」ということを申し上げているのです。私もアメリカの政治家に友人がいます。「こんな協定を結んでいることに皆さんは恥ずかしくないのですか?不公平ではないか?」と議論しましたら、彼らは日本同様、民主主義の国ですから、「それは恥ずかしい、変えなければいけない。」ということをちゃんと言います。
 それではなぜ今迄このようなことを放置していたかといえば、政治が内向きの、そして富の分配だけをやって来たからです。弱い者には圧力を加え、強い者には怯える、そういう政治をもうやめたいと思います。卒業したい。そのような政治にさよならしたい。そして私たちの国を、そして国民をもっと自分の国に誇りをもって、確信をもって暮らせるように変えていきたい。

 市長といろいろな話をしながら前に進めています。私は歯を食いしばってこの国を立て直したいと思います。ドアを開けているだけでナイフを持ってくる高校生が入ってくるのは正常ではありません。そういうものを、人間ひとりひとりが大切にされているのか、政治が範を示すこと、リーダーシップをとること。本当の日本の姿に戻して行きたい思っています。

 自民党の政治と民主党の新しい政治とは、どう違うのかよく聞かれます。一言で言いますと、古いしがらみ、今までの常識に囚われているか囚われていないか。日本の独立を目指しているか目指していないか。そこがはっきり違います。
 自民党の議員と民主党の議員は平均年齢が15歳違います。民主党と古い政党を比べて、自民党が悪いとは一言もいうつもりはありません。自民党の中にも良い政治家は沢山います。ただし、農家の方は良くご存知だと思いますが、同じ畑の中にトマトやきゅうり等毎年続けて植えると養分が偏ってしまい連作障害を起こします。今の政治は連作障害に陥っているのです。もうひとつの土壌を作ってこれを育てる。よその国は全部その形になっています。
 イギリスでもアメリカでもオーストラリアでもフランスでも2大政党なんです。片一方が失敗したら、もう一方が政権を担当する。その政策は重なる部分が多いです。よく似ています。違うところは、アメリカの民主党と共和党のように、共和党が大きな企業を代弁しているのに対し、民主党は農家や働く人たちや女性や障害を持った方々を代弁しているということです。今迄日本は全部自民党が包含していた。しかし、自民党が失敗した時にもう一つのものが必要です。私達も是非そういう状況の中で頑張っていきたいと思います。
 また、民主党と自民党の違いとして、もうひとつ簡単な例として医療改革があります。自民党は医師会から沢山の献金を貰っています。医師会からどっさり応援してもらっているから医療を改革しようと思っても、ここにメスは入りません。むしろ医療を改革するより皆様の負担を増やす形になります。個別名を出すと悪いけれども医師会の利益を代表する人もいるんです。その団体を代表する人なのか患者の利益を代表するのか、この違いです。銀行もそうです。今の古い政治は銀行に60兆円のお金を入れました。それは銀行協会から100億円献金してもらえるからです。銀行協会の思惑と違うことが出来ない訳です。そのことを大事にする人もいるのです。
 しかし、そうじゃない人もいるんです。例えば長期信用銀行にいくら税金が入ったと思いますか。7兆円です。23兆円あった長銀の資産に7兆円の税金を足し30兆円にして海外の金融機関に10億円で売却しています。それは30万円のモノを10円で売ったのと同じです。こういうことをやる政治なのか、やらない政治なのか、それが大きく違う。誰を代弁しているのかが違う。私たちはそういう企業を代弁する気はない。むしろ働く人たちや女性や農業で頑張っている皆さんを、しっかりと生きることを大切にしながら支えていくとういのが私の政治です。そこが全く違います。

 外国に巨額の援助ばっかりしていて、国内の貧しい人達にもちゃんと援助しているんだろうかという声もありますけど、確かに必要な海外援助もあります。しかし、野放図に海外援助をして、裏金を取っているものもあるのも事実です。これからは、分配の政治は無くなります。何故かというと情報公開で全部公開しなければならなくなるからです。
 例えば1億円の農業予算をつけた。今どうなっているかというと、「この1億円は適正に使われています。」という報告の決算をします。正しく使われていればそれでいい。それで終わりです。これからはそれに政策評価という視点が入ります。どういうことかというと、単に1億円の補助金がついただけではだめ。実際に農家だったら、「このように農業の足腰が強くなりました、効果がありました。」ということまで立証しないといけないということになったのです。ですから海外に野放図に出していた援助が、これが本当にその国のためになっているか分からなければ出せないということになっていく訳です。
 来年の1月1日からまた法律が変わります。国会では、大臣と私たち議員しか話しが出来なくなります。今までは、大臣がいろいろ知らなければ代わりに官僚が答えてくれました。今度は政治家が国民の声を代弁して議論するわけです。そうすると年功序列とか派閥の順送りでなった大臣はいられなくなります。ですから政治は変わるのです。政権が変わります。もうひとつ、なぜ古い政治が強かったかというと皆さんの税金で選挙をやっていたからです。
 私も自民党の青年局長でしたから良く分ります。税金で橋を造る。与党の議員は「これは私が建ててやった」とよくいいます。これは嘘です。自分のお金ではありません。税金です。人のお金でやっている。そのような政治が変わるということです。

また、介護保険について教えてほしいとも、良く訊かれます。それでは、介護保険の前にまず、介護制度というものが何故導入されたかということをお話します。
 佐賀の人でも60代の方が80代の方を支えている。介護しているケースが非常に多いです。例えば、ひとつの家族で介護に1か月30万円のコストが掛ったとします。退職金が1千万あっても3年で無くなります。だから皆で支えていこう。みんなで広く薄くお金を出し合って支えていこうというのが介護制度です。
 もう一つは、一人が一人に付きっきりだとその人は働けませんから社会がどんどん、どんどん弱っていきます。ですから何人かの方をヘルパーやプロの人が看ることによって多くの人達で支えましょうというのが介護制度です。このようなことを保険でやりました。みなさんから保険金をとって支えるという形にしています。
 私は、この制度はいくつもの矛盾をかかえていると思っています。まず消費税ですが、介護の為にお金がかかるから3%から5%に上がっています。にもかかわらず、今年の9月から介護保険料の負担が来るのです。これがひとつの矛盾。
 2つ目は認定が6段階に分かれている点です。要介護とそうではないのとでは1段階違うと一ヶ月6万円給付額が違うので、出来るだけ重くなった方がいいと思う人すらいますが、これも矛盾なのです。給付額の1割は自己負担ということを忘れてはなりません。このほかにも、まだ制度の矛盾は一杯あります。介護度認定コンピューターの審査で、痴呆が軽く判定されてしまうんです。動きだけでは判らないからです。そういうのは国会で審議している時にちゃんと整理しなければいけないということだったのですが、審議を打ち切り、強行採決してしまったのです。
 ものすごく混乱しています。自民党の政調会長がめちゃくちゃにしてしまいました。欠陥があるけれど、みなさんで一生懸命この制度をやろう、という時に家族が看るのが当たり前ということをいうのです。それは、家族が看るのは当たり前です。しかし、家族で看られない状況だからこの制度を作ったのです。もう少しすれば70歳の人が90歳の人をお風呂に入れられますか?それは不可能です。だからこの新しい制度を今からやろうといっているのです。それをガチャガチャにしてしまった。
 これを平静にもどすために佐賀は広域でやっています。佐賀の介護制度というのは、日本全国の中で相当進んでいる方です。認定作業には公正公平を期しています。それでも欠陥は出ています。いま訂正しなければいけないところだけお話ししています。介護をする側のヘルパーが安い給料で働くなど劣悪な条件だと、今度介護される側に跳ね返ってきます。そういう問題を一つ一つ解きほぐしていこうということです。
 佐賀市の方は安心して頂いて結構だと思います。ただ、それが何々村、何々町になると、どこまでいけるかなということが疑問です。介護の問題点があれば是非おっしゃていただき、この制度を少しずつ良くすることが大事です。と言いますのも、国の中にもこの制度が悪かったと思って変更することが出来るんです。それは、法律のなかにも附帯決議というものがあります。政府が提出した法律などで、「国会はこういうところを心配しているから何年以内に見直しをして変えるところは変えないといけない」ということを盛り込むことが出来ます。介護保険法は全部で180時間位審議しました。審議すればするほど矛盾が見えてくる。だから、介護保険法にも附帯決議を盛り込んでいます。
 私たちは佐賀市で考えていることは、一軒一軒看護するのもいいけれども大きな施設を中核に持ちながら、片方で地区毎に数ヶ所グループホームを建てていこうというのがあります。地区で気の合った人達があんまり遠くに行かないで、しかも地元の大工さんが作れるような20人とか30人集まれるようなホームを作ろうということを提案しています。
 例えば、特別養護老人ホームに入居して1週間、2週間すると元気でなくなるんです。何故なら人間は無意識に弱い人に合わせてしまうからです。とても元気だった方が元気が無くなってくるということが良くあったんです。何故なら人間は無意識に弱い人に合わせてしまうからです。大部屋で既に入っておられる、御体の弱い人に合せてしまう。日本の施設のような大部屋はあまり良くないと思います。これは介護の専門家の人がよくおっしゃいますけど、むしろ、一人一部屋にしながら、みんなで支えながら、そして、みんなで話せるスペースを持つということが望ましいと思います。そんな予算がどこにあると言う人もいますが、こっちの方が逆に医療費が少なくて済む。横になっている時間より、座る時間も長くなる。今は、親孝行のあり方も変ったと言われます。「おじいちゃん、おばあちゃん、家でゆっくりしていれば」と言うことでしたけども、今はむしろ逆に70歳になっても80歳になっても、90歳になってもちゃんと服を着て頂いて、外に行って社会の役に立つようなことやゲートボールをやってもらう等、例え外に行けなくても家の中で座って頂く時間を長くするということが親孝行と言われています。私も足にひびが入った時、1週間歩かないとリハビリに2週間かかるとお医者さんに言われました。やはり、1ヶ月歩かないと筋肉が30%減るそうです。今からの高齢化社会は元気で健康で健やかに老いるというやり方が必要ですね。それを支えるのが行政の務めだと思います。
 農村においても、ほんとに農地を小作に出して、2俵か3俵貰っても生活には充分ではないし、だからといっても他に仕事といってもそう簡単に無いという切実な声を良く聞きます。そんな状況で若い人達に自信を持って農業を勧められるだろうかとさえ言われます。そして、一人で何ヘクタールもの大規模農業をしようにも、誰もが出来るということではない。そういうことを政府が言っても本当に出来るのかどうか分らない。確かに一時期は農業もよかったけどもいつまでもそういう状況は続かないという実感がない。これこそが古い政治の失敗だと思います。ただ、そうは言っても選挙の時になると自民党しかないということで、農家の方はしっかりとまとまれる訳です。だから、私は考え方としてこれだけははっきりと申し上げたいことは、農家を潰して農業を残すということはありえないんです。今までの古い政治のやり方は、農家はある程度減っても仕方が無い。その代わり大規模化しようというものでした。そして農業を残そうというものです。わたしも農協青年部として川の清掃をする時、4軒で1.5kmするんです。それは無理なんです。だから、農業・農村を丸ごと残す政策をしなければならないんです。その為には私達は農業・農村の最低基準値を定めて「これ以下に農業・農村は落ちては行けない」そして、米の所得補償をすることです。今のように米の値段は下がり、農機具の代金は上がる。そして、3割減反を強いられる。そんなことでは農業を維持することは出来ないと思います。