2011年10月05日(水)
TPPの本質とあるべき政策の姿勢について

 
 自由貿易体制・各国共通ルールの創造は、大切な世界の繁栄と安定の仕組みです。

 しかしTPPがそれにあたるかと言えば極めて疑問です。交渉に向かう情報開示・姿勢ともに問題です。10月5日、山田正彦元農相から呼びかけ人を依頼された集まり(TPPを慎重に考える会)で政府からヒアリングを行いましたが、あまりにも情報が不足していて、国民に得心していただく材料がほとんどありませんでした。

 日本は、最も市場開放の進んだ国の一つです。その一方で安全や安心のための高いレベルの規制を採用している国の一つでもあります。ルールにおける競争・参入撤廃が巨大資本の論理だけで行われるとすれば、それは国民の安全をも脅かすことにつながりかねません。

 日本が主体的にTPP参加を検討してきたとは言えません。同盟国、アメリカの発案に沿って極めて受動的に引き摺られるようにして「参加の検討」を行っていることも不利な現在の立場につながっているとの指摘もあります。


 欧州の金融危機・ソブリンマネー危機の背景には、人間の尊厳を支える経済の仕組みの破たんがあります。一部の巨大資本・金融資本だけが経済の果実を独占する仕組みを放置することを自由主義とは言いません。

 社会の安定と人間の尊厳を守るルールまでをも破壊する協定には反対です。