2011年10月25日(火)
人間の尊厳を保障する改革を~ TPP・経済ブロック化の危険性

 
「TPPを慎重に考える会」の顧問・役員として政府のTPP交渉参加に反対の論を展開しています。衆議院委員長の立場からTPP参加反対請願の紹介議員になることは、許されていませんが、国権の最高機関に席を置かせていただく立場からも明確に政府に再考を促したいと思います。

 民主党TPP問題PTには、関係する省庁関係者大臣経験者が顧問として名前を連ねれています。郵政・情報通信・政府調達・地方自治体調達・自治ルールなどTPPの影響を強く受ける可能性のあるものが総務省所管でも数多くあります。鉢呂座長・執行部に公正なPTの人事を求めています。

 
「APECまでにTPP参加に関する意見を集約。それを発表する。」これを聞いて違和感を覚える人も少なくないと思います。APEC加盟国がTPPに参加するわけではありません。域内の共通の課題を議論する会議にそれを分断するかのような「ブロック経済化」の交渉参加を表明する。矛盾しています。


 「TPPに参加しなければ世界の流れに乗り遅れる」という人もいますが、世界がブロック経済化して帝国主義が自国のエゴのみを主張した結果を思い起こしてほしいと思います。 
 
 TPP賛成派の方の中にはTPPを誤解してWTOなどの世界的な貿易自由化の一つとしてご覧になっているのではないでしょうか?TPPは「自由化」のことではなく、ルールの統一・急速な規制緩和・経済のブロック化の側面から懸念の多い試みです。


 冷戦後、急速に自由経済圏が拡大。同時に格差も拡大しています。一握りの資本家に多くの富が集中する。そこで必要なことは公的な空間を広げて人間の尊厳を守ることです。官から民に。民の力を引き出すことは大切ですが、拡大した民間セクターへの資金が海外投資にのみ向かえば国内は空洞化します。


 民であろうと官であろうと働く人たちの賃金を下げる一方でデフレから脱却できるでしょうか?新自由主義・市場至上主義では、人間の尊厳も暮らしを守れません。「新しい公共」こそが必要です。貪り搾取する一握りの金融資本が必要なのではなく、人々の尊厳と雇用を守るための社会的マネーが大切です。