風に向かって走る

春の嵐が

黒雲を引き連れ

緑の丘を駆け上がる

風に向かって走る

春の嵐が
木々を揺らし
大急ぎで
通り過ぎ

風に巻かれて
槙の木が
ビューン
ビューンと
枝を鳴らしている

風に向かって走る

春の嵐にも
黒雲にも

動じない
楠の巨木が
笑っている

風に向かって走る

高木八幡さまの境内の入り口には、大きな楠の木。中には、うろがあって小さな子どもでもかなりの高さまで昇れます。大きく広げた逞しい腕のように巨大な枝が伸びていて、優しい木陰の光を集めます。どっしりとした楠の木です。