2011年06月30日(木)
玄海原発再稼働問題・慎重な安全確認と責任明確化を

 
 28日の海江田大臣と佐賀県との会談に不信と不快感を隠せません。
報じられているものを見る限り27日の私との会談とは違う部分があります。

 そもそも再稼働要請にいくなどという言葉は聞いていません。
丁寧に地元の意見を聞いて結論を急がない。理解と納得を大事にすると言う姿勢を確認したはずではないかと不信感が募ります。

 原発担当大臣と経産大臣との職務上の権限も曖昧です。再生エネルギーを争点に解散さえ辞さない構え?の内閣が何故、佐賀だけ前のめりなのか?理解に苦しみます。九州電力の企業風土は東電と違いオープンだという理解もありますが、福島第一原発事故前の経営体力を比較しても東電や関電のそれとは開きがあります。

 プルサーマルにしても再稼働にしても佐賀県・九電が先鞭をつける形になっていることに私は警鐘を鳴らしてきました。一度事故があれば、取り返しがつかないことになります。そもそもそれを補償する経営資産についても限界がある中で巨大な財政赤字を抱える国も賠償や補償の能力に財政的制約要件が増えています。

 佐賀県から海江田大臣の来訪について要請があったとのことですが、それを前日に聞かされるのであれば佐賀県連の代表としての責務を果たせません。県民の不安を徒に煽る結果になることは、原子力発電の信頼性確保にも障害となると考えます。

 私は、エネルギー生産における原子力発電の占める割合を減らすべきだという考えを持っています。 しかし、それを直ちにすべて行うことは、現実的に考えても無理があるし、安全確保のために高度な技術を維持し続ける仕組みが必要です。

 菅民主党政権が原発依存度をます方向に大きく舵を取ることに所管は違いましたが私は国務大臣としても危惧を表明してきました。再生可能エネルギー法案の基礎となるものを議論した時もまだ不十分だと異論を唱えたのは、当時の外務大臣と私が中心でした。

 そもそも再エネ法案は争点にするような法案ではありません。
再生エネルギー法案は、電力会社や経済産業省などが反対している法案と言うのは間違いです。一部に反論があるものの、これからのエネルギー政策のためにも重要な法案です。事業仕訳で自然エネルギー関連の補助金を切っていますので同法案が成立しないと自然エネルギー推進に大きな空白が生じます。

  私は自然エネルギー促進の補助金を復活させるべきと言っているんど絵はありません。 補助金をなくして全量買い取りにもっていくという方向性は間違っていません。ただしその固定価格での全量買い取り(FIT)が成立しなければ、自然エネルギーの推進力そのものに赤信号がつくと言うことに大きく警鐘を鳴らさなければならないと考えています。


 発送電分離、原発の位置づけの見直しも重要です。スマート化・クラウド化のための規制改革法案を指示を大臣時代にしておりましたが、この菅内閣では法案から抜け落ちています。

 再生法案は、官邸でしょうか?総理が企業経営者やお仲間と絶対に通すのだと怪気炎をあげられてから俄然、世間の注目を浴びるようになりました。「自分の顔を見たくなければ、早く法律を通せ」などという言葉を総理が言うこと自体、どうかと思います。
 総理がことさらに争点化しようとしているように見えますが本来は、与野党の違いを乗り越えて早期成立できる案だと考えています。 . .