2010年01月05日(火)
変革の実現に向けて
『官僚主導の三重構造』
これは北海道大学の宮本太郎先生の言葉です。
これから出版予定の「地域主権改革宣言」の中でも宮本先生と対談。
先生は、「官僚と族議員が業界と会社を守り、業界と会社が男性稼ぎ主の雇用を保障し、そして男性稼ぎ主がその妻と子どもを養うという『官僚主導の三重構造』についてお話をされました。これは問題のある仕組みです。『官僚』の匙加減で生活までもが左右されてしまうからです。
しかし一方で、この構造は問題のある仕組みであったけど日本社会の安定を支えてきたのも事実です。それがこの20年で揺らいできていて、格差が広がり人々が不安をいだき出口を探しているのが現状です。
私は十把一絡に「官僚」だけを批判するつもりはありません。問題は、それを許してきた政治にあると考えるからです。かつて「成功した統治構造」が破綻したという認識に立ち私たちは政権交代を志し実現させました。私たちが目指すものは、「民主主義の手続きにそって選ばれた者がその責任を負う」という当然の仕組みを再構築するところにあります。官僚任せの政策決定や官僚任せの国会答弁も無くそうとしているのはその一環です。
今年初の政務三役会議を行い、これも初めてですが全面公開にしました。
事業仕分けと同様に政策の決定過程をわかりやすく国民に公開して変革への理解と協力をお願いする狙いがあります。
今後もこの原則を貫き、インターネットでもリアルタイムで見ることができるように工夫を重ねます。
政策決定過程に『官僚』の姿はありません。政策の選択肢や論理構成を補強することはあっても主導することはありません。「依存と分配」の統治構造の元で官僚が直接、「陳情を受ける」こともありません。癒着構造にパラサイトされていた官僚機構から「政治の毒」を抜くことで官僚機構も本来の国民・国家に奉仕する公僕としての輝きを取り戻します。
今年初めての総務省大臣訓示では「人を生かす国家経営」についてアティチュードナル・ヒーリングの考え方を交えてお話をさせていただきました。政策背番号制導入の検討を指示しました。これができれば誰が作ったかわからない、誰が責任を持つのかわからないという行政の政策決定文章はなくなります。
政治主導というのは、政権政党が権力を欲しいままに振るうためのものではありません。責任の所在を明確にして衆知を集め、国民との協働により国家を運営するための仕組みです。
多様な働き方や生き方を保障し活力ある安心な社会を築くために、今日も一歩一歩、変革を実現していきます。これからインドに出発。ICT分野等で日印協力・連携関係を一層強化します。
アジアの成長力を日本の発展と世界の平和に生かすことが大切だと考えています。