2011年06月16日(木)
「新しい公共」を支える税制改革~公益の「自由化」「市民公益」を目指して
中央集権的手法の限界は早くから指摘されてきました。
依存と分配の政治から、自立と創造の政治を目指すために。私たちは、新しい公益の在りかたについても模索を続けてきました。
税についても同様です。税を官に集中させてサービスも独占させれば、依存と分配の「癒着」さえ生まれます。国民が指示待ちになり、公益を創造することを忘れ、社会に参加をできなければ共同体も弱まります。公益の官による独占の弊害は、巨大な公益法人と天下りの例を持ち出すまでもなく国民に広く知られることとなりました。
公益を自由化・市民化して公益における官民の競争と協働を目指すという考え方を私は民主党市民政策議員懇談会事務局長という立場からも積極的に発信してきました。
「市民公益」というのは、新しい概念です。
外務省不祥事で外務省と国会が大揺れに揺れた2000年代の初め。衆議院予算委員会で初めて「市民公益」という言葉を説明する質問を準備していました。あの時には、残念ながら目の前で外務大臣と外務次官との答弁の不一致と言う事態が起きて質問をそこまで継続することができませんでしたが、NPO立法・NPO支援税制は、長年、追及してきたテーマです。
私が起草に携わった公共サービス基本法原案にもこの市民公益の考え方を盛り込んだ条文を入れていましたが、当時与党であった自公との協議の中でこれも削除されてしまいました。市民公益の重要さを認識しながらも国会では、それを具現化した立法は、なかなか実現しませんでした。もちろんNPO法などが、不十分ながらも成立していたことはきちんと記述しておかなければアンフェアだと思います。
「新しい公共」という概念を鳩山内閣で提唱し、新しい公共のための税制改革を政府税調で提唱しました。「市民公益税制」が本格化するためには、長い時間と強い抵抗をはねのける政治力を必要としました。公益の「自由化」は、どうしても成し遂げなければならない課題であり、そのためにも政権交代を実現しなければならないと私は考えていました。
6月16日 衆議院総務委員会で審議をされ本会議で可決された地方税法の一部改正案。この中に新しい公共の考えを盛り込まれ「市民公益」税制に道を開く条文が入りました。