2009年10月30日(金)
「ICTタスクフォース」始動

 
 いよいよICT政策に関するタスクフォースの初会合を今日、開催します。

 パラダイムそのものを変革して希望社会を創るための知恵の結集の場ができました。
問題対処型の従来の枠組みではなく、未来を引っ張る理念そのものを議論します。4人の座長予定者の皆様はじめとして素晴らしい方々に参加いただいたことに心からの感謝を捧げたいと思います。


 ICTは、言論の自由、民主主義を確立していくためのインフラでもあります。
全ての人のコミュニケーションにおける権利を保障し、あわせて情報通信を通して世界の教育や民主化に貢献することで、貧困や紛争の問題解決の基礎となる人間の安全保障を実現していきたいと思います。

 アマルティア・セン博士は、人間の安全保障の中で、「幸い基礎教育を普及させ、その効力を拡大すれば、人間の安全を脅かすほとんどの危険にたいして、おおむね強力な予防効果を発揮することができます。教育に関する矛盾点や怠慢をなくせば、世界各地で人間の安全を脅かしているものを減らせるという点について、少し考えてみるもの悪くないでしょう。最も根本的な問題は、識字力や計算能力がない事自体が一種の不安であるという、根本的な事実とかかわっています。基礎教育が人間の暮らしにもたらす影響は容易にみてとることができます。教育の恩恵は、どんな貧しい家庭にももたらされます。」と述べておられます。

  「人間」を中心に据え、すべての人間に等しく降り注がれる「太陽」のようにコミュニケーションの権利が保障される社会の実現に向け、今後のICT政策の在り方について検討していくことが、本タスクフォースの目的です。


CI(Consumers International:世界消費者機構)は、「消費者の8つの権利」を規定しています。
 ①基本的ニーズが満たされる権利、②安全の権利、③知らされる権利、④選ぶ権利、⑤聞いてもらう権利、⑥救済を受ける権利、⑦消費者教育を受ける権利、⑧健全な環境を享受する権利


 複雑化・高度化するICT技術。あっという間に多くの世界中の人に情報が伝達する「瞬時に無限大」のインターネットの性質。情報リテラシーの格差が広がれば、教育や民主主義の基本そのものも揺るぎかねません。プライバシー保護の問題や「情報による囲い込み」の問題なども大切な視点です。

 ICTを提供する側に立った議論に優先して、ICTを活用する国民の側に立った議論を深めたいと考えます。


  現在、我が国は、少子高齢化の急速な進展、地球温暖化、経済・社会のグローバル化等の諸課題に直面しています。ICTの利活用やICT産業の活性化により、これらの経済的、社会的課題等の解決に、国内のみならず国際的にも貢献していくことが必要となっています。

 私は、総務大臣に就任後、まず、南米4か国の大臣と共に、ISDB-T方式の更なる普及・発展に各国が協働していくことなどを盛り込んだリマ宣言に署名しました。
また、米国FCCのジェナカウスキー委員長と会談し、知的財産権の保護やオープンインターネットなどの4分野について、政策協力を推進することについて合意したところです。さらに、ラオスで行われた日・ASEAN情報通信大臣会合において、我が国のASEANに対するICT分野の協力施策を含む作業計画を取りまとめました。
このように、グローバルな貢献・協力により一層取り組む必要があると考えています。

  本タスクフォースでは、「過去の競争政策のレビュー」、「電気通信市場の環境変化への対応」、「ICT産業全般の国際競争力強化」、「地球的課題等の解決への貢献」についてご議論をいただきたいと考えています。



  地域主権改革顧問も発表します。大臣室と知事室等を結んだテレビ会議システムで初懇談も行います。