2009年10月12日(月)
治安と秩序、安心を守る
自らの身を盾にして暴力と戦い市民を守る。
警察行政を司るトップまで一気に駆け上がろうとした親友がいました。18歳の浪人の時に知り合ってからずっと一緒でした。大学時代に過激なセクトに浚われそうになったときにも、私を救い出してくれたのもその親友でした。
彼は、佐賀県警にも警察庁から出向。キャリアの中には鼻持ちならないエリート意識で壁を作る人もいると言いますが、温かな人柄でいく先々で大きな輪ができるような大人でした。
限られた資源をフルに活用して国民を守る。瞬時の判断を求められる場面でも、常に冷静で、答えはいつも適確でした。親子2代の警察人生。警察官の高い誇りと使命。日々の実践に多くの人が学ぶという人物はそう多くはありません。
しかし、突然の訃報が届いたのは総選挙の最中でした。もう7回忌が近づきます。
閣僚として多くの警察官の皆さんに警護をしていただくことになりました。守ってくださっている方に、思わず彼の名前を言いました。
なんという偶然でしょう。
「私たちにとっても先生です。」との答え。
大きな体で人を温かく包み込む親友の姿がまぶたに浮かびます。
親友がお弟子さんを警護に差し向けてくれたのかと思うとありがたさでいっぱいです。
彼とのお別れの日。私の前には凶刃に襲われるも、奇跡の復活を遂げられた国松長官のお姿がありました。親友の仲人さんでもありました。
まっすぐ伸びた背筋。凛としたその姿には、神々しいほどの威厳を感じました。どんよりとした鉛色の空。体を震わせて悲しみをこらえました。
国民の生命・財産、治安と秩序を守り安心を守る。
崇高な理想のもとに活躍していた親友の志。彼は、もういませんが、その志は多くの人々に引き継がれています。
「ここだけは、こう変えんといかんな。」と言っていた彼の目線に先にあったものを私は忘れません。