2009年09月26日(土)
日米同盟は最も重要な同盟関係 ~アメリカかアジアか 単純な二分法の落とし穴を塞ぐ
アメリカかアジアか
この2分法が与える影響についてアメリカでも多くの友人たちと議論しました。
「日本はアジア重視というけど、アメリカとの関係はどうなるのですか?」
「同盟国を無視してアジアに引っ込むつもりなのですか?」という懸念さえ出ているというのです。
総務大臣という立場からしても日米関係について所管外などと逃げることは許されません。鳩山政権の日米同盟に関する姿勢は一貫しています。私は日米同盟の重要性とさらなる緊密化について多くの友人たちに説明をして回りました。
「日本にとってアメリカとの同盟関係は、最重要の同盟関係です。同時に日米同盟は世界で最も重要な同盟関係であるという認識の上に立ち、さらなる同盟の強化に努めていきたいと考えます。」
日米両国にとっても重要であると同時に、世界にとっても大きな意味を持つ同盟関係であるとの共通の認識に揺らぎはありません。
「揺らぎない日米同盟を基礎に起きながら、日本はアジア地域における信頼をさらに増進したいと考えています。日本がアジア地域の平和と安定・発展に対するプレゼンスを増すことは、日米同盟にとっても、アメリカの国益にとっても、大きな意味を持ちます。
自らの位置するアジアから最も大切な同盟国を締め出そうという愚かな選択はありえないし、世界に対して平和の貢献を誓う国がアジアに引っ込むことなどもありえません。」
アメリカの日本専門家の意見もほぼ一致していました。
「しかし、これは国際関係を冷静に分析しているプロの見方なのかもしれません。」「単純な二分法をことさらに強調する識者もいないではありません。さらなる緊密な対話と連携を重ねていきたいと考えます。」
「日本とアメリカは、長い時間、会話のない老いた夫婦のような関係になってしまった。いざというときに話ができない。」
アーミテージ・レポートが発表されて10年近くの歳月が流れました。
「4年の間に4人も総理が変わる国とどう対話すればいいのですか?」
「政権担当の力を失った政治が続き、日本の相対的プレゼンスも落ちました。」
友人たちの意見は率直でした。
しかし、だからこそ、大きな政治の指導力とさらなる対話の努力が必要です。目に見える形で日米同盟の強固な絆を深めていきたいと考えます。
私の所掌分野で言えば、情報通信の日米協力がそれに当たると思います。アメリカが導入を考えている高速鉄道にも日本の技術が大きな貢献をできると思います。日本の鉄道は、単なる輸送の手段ではなく、まさに情報通信の集積といっても過言ではありません。
アメリカかアジアかという単純な二分法に惑わされ、同盟関係の重要性を見失うことはあってはなりません。私たち日本は、アジアとの歴史を背負っています。それはアジアに対して負うべき責任・義務と言い換えるべきものです。
私たちは、日米の強固な同盟関係を基礎にアジアに対する責任を果たしたいと考えます。