2009年08月09日(日)
64回目の長崎・原爆の日に
64回目の長崎・原爆の日。
自著「平和」で親友の枝野幸男さんと以下のような対談をしています。
=====自著から引用===
原口 核の抑止力についても、核の廃絶に向かうことこそが最大の抑止力ですよね。国対国の脅威ではなくて、相手がテロリストというような非対称性の脅威になってきた21世紀に、果たしてこれまでの核の抑止力という概念が通じるのか疑問です。むしろ、核が世界に2万7000発もあることが、核のリスクを高めています。2000年のミレニアムサミットでも、核の廃絶をつぶしたのは核保有国でしたし、2005年もそうでした。インドの核保有をアメリカが認めてしまいましたけど、核保有そのものが悪であるということを、言わなければならないと思います。
枝野 まったくその通りです。この60年間、人類は何とか核をコントロールしてきたけれども、おそらくもう限界に近い。北朝鮮の核実験などはまさに、その限界を象徴する事例です。いつどこで誰が核を持つかわからないという状況は、核をコントロールできない時代を意味します。
核をいかにして管理するのか。これをきちんと議論すれば、アメリカだって核拡散を防止するコストを負担しきれないとわかると思います。イラク戦争は実際、ものすごいコストを払っていますよね。当面はアメリカがコントロールの責任を負っていますが、負担できないのなら、減らしていくしかないでしょう。日本が本当に同盟国だったら、その提言を一番強く言えると思いますし、そう言うべきだと思います。
原口 核管理のコストという概念が初めて出てきましたね。今、2万7000発も核があって、どこかでこの核を使った攻撃が起こっていないことのほうが、レアな偶然、幸運が重なっていると見るべきでしょうね。やはり軍事力で解決できるものはほとんどないということからスタートすべきだと思います。
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あれから3年。アメリカも変わりました。
オバマ大統領が核の無い世界に向かって進むことを明言しました。
私たちの生きる知恵が試されています。「怖れ」や「憎しみ」を手放して、お互いを認め合うことができるための勇気が試されています。