2009年08月07日(金)
何故、基礎教育が必要なのか?

 
何故、基礎教育が重要なのか

 アマルティア・セン博士は、その著書の中で「基礎教育を普及させ、その効力を拡大すれば、人間の安全を脅かすほとんどの危険にたいして、おおむね強力な予防効果を発揮することができます。教育に関する矛盾点や怠慢をなくせば、世界各地で人間の安全を脅かしているものを減らせるということについて、少し考えてみるのも悪くないでしょう。
 最も根本的な問題は、識字率や計算能力がないこと自体が一種の不安であるという根本的な事実とかかわっています。読み書きや計算、あるいは意思伝達ができないことは、とてつもない困窮状態です。不安な状況の最たるものは、生きるのに必要なものが確実に欠乏しているのに、その運命を回避する機会がないことです。学校教育を充実させることが何よりも直接的に役立つのは、こうした根本的な欠乏状態をじかに改善できるからなのです。」(人間の安全保障)と述べておられます。

 命を守り、人間の尊厳を守る。政治の役割は教育の機会を保障することと考えてもいいと私は考えます。