国づくりの基礎は教育にあり~明治の近代的学校制度構築に学ぶ
明治5年(1872)8月2日、「学制」が頒布されました。
これは、我が国初の近代的学校制度を定めた基本法令です。全国を8つの大学区に分け、その下に中学区、
小学区を置き、各学区にそれぞれ大学校・中学校・小学校を1校ずつ設置することとされました。「人々を
自ら其身を立て其産を治め其業を昌にし以て其生を遂るゆえんのものは・・」という書き出しで始まる太
政官布告が発せられました。学制頒布に当たり発せられたこの文章を読むと、明治政府が教育の目的をど
のように考えていたか、人生や社会、国家の基礎となる教育の重要性をどのようにとらえていたかがわか
ります。
http://www.archives.go.jp/ayumi/photo_flash.html?id=13_2
国会図書館・国立公文書館に残る資料を見ると明治の近代化の礎となった教育が、どの様な理念のもとで、
どう進められていこうとしていたのか、詳らかに知ることができます。
間違いなく明治政府は、教育を最重視しています。
国民皆学を目指して、標準となる言語を定め、瞬く間に日本全国に「学びの基礎」を普及していった、明
治の力に学びたいと思います。今とは比較にならないほどの識字率。迷信や偏見から人々を啓蒙し解放する
必要性。階層・身分や性別、所得による「差別」。それらを乗り越えて国民全てに教育を普及していくことが
できたからこそ、列強の帝国主義の侵略を跳ね返し独立を守り、近代化を遂げることができたのだと考えます。
国づくりの基礎は人づくりです。
明治の国づくりのすごさは、そのダイナミックな手法と瞬く間に実践に移す実行力によく現れています。
政権交代の日まで、長い坂を上ってきました。その坂にもようやく一つの頂が見えてきつつあります。教育
に投入する資源を一気に拡大して国づくりの基礎を再構築したいと思います。