2011年05月17日(火)
真実を隠し続けてきたものの正体
東京電力福島第一原発事故でメルトダウンが起きている危険性を指摘していたジャーナリストの上杉隆さんは、番組を降板させられ巨大マスコミの中には東電に対する質問を遮る記者さえいました。事故後、この2か月前から続いてきたことです。
政府の一部も知っていたことが明白になってきました。メルトダウンの関する原子力安全委員長の助言は3月末とのことです。発災直後から上原先生と復水器による冷却を提言してきましたが、放射能濃度が高いことなどを理由に実現を阻む壁がありました。
メルトダウンを起こしていると知っておきながら汚染水を増大させる意味がわかりません。私たちが直接、東京電力に出向いた4月3日には、メルトダウンを少なくとも菅首相は知っていたと推察されます。
繰り返し繰り返し求めて、3月28日に発表されたプルトニウムの数字もこれを裏付けているものと思われます。
信じてきた司の責任者に「あなたも知っていたのか?」と聞きました。
「私も知らされていなかったのです。3人くらいではないでしょうか?」との答え。それでどうして未曾有の危機を救えるのか理解に苦しみます。
メルトダウンが起きたのは事故直後だから工程表の進捗にも放射能の影響・危険性にも関係ないとどうして強弁できるでしょうか?溶けて落ちた燃料が再臨界に達しないとする根拠は、どこにあるのでしょうか?
上杉さんらを邪魔をしてきた巨大マスコミも今頃、メルトダウンを認めたとどのスタンスで報じるのか?怖ろしささえ感じます。隠蔽と先送り。「大本営発表」を繰り返した責めは、誰が負うのでしょうか?それをそのまま報じて国民の命と世界の安全を危険にさらしている責任をどうとるのでしょうか?
震災復興は一枚岩での合言葉の中で胡坐をかいているものを打ち破らなければ、国民を守れません。
20mSv/yの無茶苦茶さについても昨日、多くの民主党国会議員と話をしました。あれでいいなどという議員は少なくとも私が話した中にはいませんでした。日々、被曝が進んでいます。妊婦、乳幼児、子どもたちだけでも避難させるべきだという声が政権に届きません。
覚悟を決めて行動しなければ、多くの健康被害をもたらしてしまいます。それを招いた人たちは、後世の人たちから大きな責めを負います。与党である私たちは、より強い責任があります。時間だけが失われていきます。その責任を果たせないと判断すれば、国会議員としてしかるべき行動を行います。
真実を隠し続けてきたものの正体。
それは、一企業の経営者の問題だけではありません。
為すべきことを為さない。自らの保身と怠惰のために行動しない者、全てだと言っていいと思います。誰かがやるだろうでは、大切な命を守れません。