2009年07月12日(日)
世界から見た佐賀 ガムランの響き

 
世界から見た佐賀   
 ガムランの癒しの響き インドネシア・バリから見た佐賀

 ガルーダ・インドネシア航空は神の翼と呼ばれています。南半球の楽園、バリ島の時間の流れはゆったりで、故郷、佐賀の時の流れに似ています。ガムランの響き、花のお供え物。生活の全てが自然とともにあり、生きることに対しての感謝に満ちています。大きな森の大きな木。精霊の住む森の空気は、澄み切っています。
 
 唐津出身の乗田貞勝画伯は100回以上バリ島に渡り「光」の絵を描いておられます。
「自然の大地を草の上を素足で歩き、自分を信じ、足の裏で考える。それが「道」の発見の一歩である。光は色そのものであり、光は命である。」とおっしゃる画伯の絵は、自然の大いなる慈悲、感謝に溢れています。都市化する日本の中で本当の故郷の姿を精霊の森に見出されたのかもしれません。

佐賀県の基山町に「きびっとの杜」というNPOの皆さんがいらっしゃいます。大都会と隣接するような町にも少子高齢化の波が押し寄せ、集落のほとんどが高齢者で限界集落になっているという所がみられるようになってきました。基山のこの地区もそんな限界集落寸前の町でした。その町を蘇らせたのが地域の皆さんの力をあわせた「杜の復活」です。四季折々に美しい花が咲き乱れる里で、心温まる催しが開かれます。手作りの産品の温かさと心からのおもてなしは、訪れる人たちの心に灯火をつけていきます。

 森がもつ癒しの力。宮崎駿監督の「ととろ」が出てきそうな生い茂った緑。胸いっぱいに深呼吸すると、生きる力が体の中を満たすのが感じられます。大事に育まれてきた文化が学ぶ喜び、教育の大切さを教えてくれます。
 観光地として人々が訪れたい場所の傾向も大きく変わってきました。年間500本しかつくらないワイナリーの貴重なワインを求めて、なぜ遠くまで人は旅するのか?大都会の大空港からでは行けない場所に、どうして人は惹きつけられるのか?
 
 暖かな絆を育み、自然に手を合わせる営みが、高速で回る現代の生活で疲れた心を癒してくれます。便利さと引き換えに、飲み込んでしまった毒さえも、浄化してくれるようです。
 夏の強い陽射しから守ってくれる木々のように佐賀には、たくさんの癒しの空間が満ちています。木々の中に分け入って、森林浴をしてみてはいかがでしょう。佐賀の杜探し。蝉時雨の中でととろに出会えるかもしれません。