2009年07月04日(土)
劇場政治よ再び?政権への執念
「もう既に決まっている。」「東国原知事は、すでに自民党の衆議院候補として内定している。」「話は水面下で既についている。」
昨日、偶然、会ったある与党議員のこの言葉は衝撃的でした。俄かには信じられませんが、もしこれが事実ならば、自民党別働隊として、要求を吊り上げるだけ吊り上げてテレビをジャック。小泉劇場の再来というところだと思います。
「どんな風でも風をおこさないよりはいい。」
ほとんどの人が顔をしかめ、「虚仮にされた。」「顔を洗って出直してこい。」とまでいう今回の東国原劇場。それでも耳目を集めるほうが集めないよりずっといい。人の評価などというのは、一気に変わる。
たった20人の街角アンケート。それでも次の総理にと言われれば、なるほど人がそう思っているのかとなります。橋下大阪府知事が具体的な分権改革について言及しているのに対して、東国原宮崎県知事は「知事会のマニュフェストを丸呑み」することと、自らを自民党総裁候補にすることの二つを挙げています。知事会の分権マニュフェストは、霞ヶ関解体なくしてはできないもので、天下り禁止ひとつできない与党に本当にできると考えているのでしょうか。
如才ない知事のことです。「自分が総裁になれば、自民党を負けさせない。」と言っているのも、あながち絵空事とばかり片付けられません。「賞味期限の切れた自民党を延命させた。」小泉元総理の「偉業」よ再びというところを狙う人物が出ても不思議ではありません。
政権与党のガバナンスは崩壊しています。首相が目論んだことは、ことごとく覆されていて、誰が見ても政権末期の様相です。しかし、選挙がこのままという訳ではありません。
政権を離さないという自民党の凄まじい執念。それを軽く見ているととんでもないことになります。民主有利の下馬評ですが、下馬評はあくまで下馬評に過ぎません。選挙はやってみなければわからないもので、一瞬にして風向きなどというのは変わるものです。
10兆円近い年金の運用損を政権が出そうが、それが国民に伝わらなければ、選択のしようがありません。2回連続で総理が政権を投げ出していようが、先進7カ国蔵相会談で閣僚が醜態を晒していようが、それも忘れられれば同じことです。
「自民党も民主党も同じ。」などと言って同じにされてしまえば政権交代など夢のまた夢となります。民主党の危機管理能力や総務能力に足らざるところはないのか?全体の戦略や戦術は誰が書いて、どう実行されているのか?ガバナンスそのものが問われているのは民主党も同じです。
8月2日に投票を行うためには、少なくとも首相がサミットにいく7月6日には解散を宣言して7月13日に衆議院を解散する必要があります。しかし、大派閥の元総理の説得でそれも潰えたようです。となるとその一週間後。8月9日は長崎の原爆記念日です。それを越せばお盆をはさむ事になり、投票日は限りなく8月30日に近づきます。その場合は、この延長国会の会期末解散ということに。
それでも解散をできないということであれば、麻生おろし、総理と総裁を分けて戦う変則的な場合も考えられます。いずれにせよ、麻生内閣の支持率は低下の一方ですが、劇場にかき消されて民主党の浮揚が阻害されることも考えられます。3分の2の議席を割り込ませることを目標に、多段階で政権を取りにいくというシナリオを言う識者も出てきました。
一寸先は闇の政界。これ以上、予想しても何の得にもなりません。
マニュフェストをきちんと整理して愚直に活動を広げていくこと以外に道はありません。
次期解散総選挙・地方分権をめぐる橋下知事の一連の発言を精査してみました。
極めてまっとうな指摘だと思います。私たちの分権改革も独りよがりではできません。分権の担い手である改革派知事のご意見を積極的に取り入れたいと思います。橋下知事、中村市長、中田市長らの地域主権改革首長の連合に期待したいと思います。