2009年07月01日(水)
生かしていただくことへの感謝 40代最後の日に

 
今日で最後の40代です。

 10代が終わるとき・・・これで青春も終わりなのだと
 20代が終わるとき・・・これで挑戦は終わりなのだと
 30代が終わるとき・・・これで若いと言われるときは終わりだと
 40代が終わるとき・・・そろそろ仕上げをしなければ間に合わないと


 なんて思う必要もないし、思っても切り替えて・・・。
全ての人に時は訪れます。よく考えてみれば、歳を経れば減るほど価値がないなどと考えるのは、とても愚かなことです。
半世紀も生かせていただいたことを深く感謝します。

 10歳のときに、この子はこの峠を乗り越えられないかもしれないという声が聞こえました。重い肺炎で50日もベッドの上でした。それを切り抜けることができたのは、本当に幸運でした。神様の奇跡だと思います。
 
 20歳のときに、都会のアスファルトの上で枯れそうになりました。大学に近づくとお腹が痛くなって教室にさえ入れませんでした。法学と心理学と社会学。欲張りすぎて「頑張る糸」も切れていました。暖かい土に教授や友人たちが植え替えてくださったのは、本当に幸運でした。あのまま人としての営みを終えていてもおかしくない状態でした。
 
 30歳のときに、政権党の若い県議という仮面の驕りに自分を失いました。地方政界の醜い現実。急速に適応していく自分。「自分の顔をみてみなさい。」とだけ言って、親友が僕を殴りつけました。生まれながら大きな十字架を背負った同僚議員が「自分は歪んだ醜い木だけど、君は真っ直ぐな大木を目指しなさい。本物になりなさい。本物は、長ずれば長ずるほど澄むんだ。」と諭していただきました。大きな地平を見るための土台を、多くの先輩、友人が教えてくださいました。濁った目、鼻持ちならない権力の走狗。大きく醜い落とし穴から抜けることを教えていただきました。本当に幸運でした。天を通して仕事をすることを初めて教えていただきました。

 40歳のときに「平和」という自分の原点を本や法律の形で残そうと決めました。教育を中心とした安全保障・・・人間の安全保障という考えにも出会いました。核廃絶の先頭に立つ方々と具体的な行動を起こすことが出来ました。「隠されたヒバクシャ」の実態を世に問い、差別や抑圧と戦う決意を固めました。全ての人たちの人間の尊厳を保障するための活動の基盤を作り上げるコアを形成することができました。
 障害者基本法、消費者基本法、医療法改正案・・・・。命を守る政治の基盤となる法律をつくることができました。患者の権利法は未だに成立していませんが、障害者基本法、消費者基本法、公共サービス基本法は起草者として成立させることができました。
 著書「平和」で世に問うたことが少しずつですが実現しています。スタッフや政策インターンの仲間も議員や首長になり、民主政治の学校も姿が見えてきました。


  ここまで生かせていただいたことは、本当に神様の恩寵です。
いただいた恩寵は、それをさらに大きくしてお返ししなければなりません。
国の内外で素晴らしいリーダーの皆さんに育んでいただきました。
 松下幸之助塾長、稲盛和夫塾長、・・・・。多くの素晴らしいお導きをいただきました。なんと幸運なことか。
 私は、この半世紀でいただいた幸運のご恩返しをしたいと思います。世界に、社会に、多くの人々に。