2009年06月24日(水)
官僚丸投げ骨抜き法案の問題点

 
国家公務員制度改革のために基本法を与野党で修正合意して成立させたのに、なぜそれを政府与党は自分の手できちんとしたプログラム法にしないのか。
 政府与党が出してきた法律は、まさに官僚制度の既得権益を温存するための「官僚丸投げ骨抜き法案」になってしまっています。政策を官僚にお任せしていては、こと官僚制度の改革については絶対に改革できません。

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国家公務員法等の一部を改正する法律案等の問題点


○ 労働基本権の付与についての確約が全く行われず、何より制約の代償措置の使用者への移管を措置しているとともに、労働基本権以外の事項ばかりが具体化されている。基本権の付与の明確化又は確約が前提である。
○ 政府原案と一部自民党案の二つの案が存在するもと、法案審議においてはその矛盾追及が必要であるとともに、法案の修正協議は政府・与党の一本化が前提である。

1 労働基本権関係(給与法第8条等)
自律的労使関係制度を確立するための労働基本権の制約の見直しを一歩も進めることがないどころか、これまで勤務条件として人事院が代償機能を担ってきた給与の基準(級別定数)を一方的に管理運営事項として使用者である内閣人事局が定めるとするなど不当労働行為といってもいい内容。

2 内閣人事局関係(内閣法第19条等)
  与野党協議で成立した基本法は、幹部職員の一元管理の実現を基幹としているにもかかわらず、一般職員まで含めた級別定数管理、採用試験、任用、研修に加え、人事制度とは関係のない組織・定員管理まで内閣人事局に一元化しようとしており、基本法の枠を超えた肥大化である。

3 全体の奉仕者関係(国公法第3条、第33条等)
政策の政治主導を確保することと、行政の担う公務員の公正・中立性を確保することは別の問題。一般公務員の採用試験や研修、人事制度などを人事院に代わって内閣人事局が定めることは何ら関係ないし、むしろ人事への政治介入の危険を疑わせるだけ。
幹部人事については、政治主導の強化が第一義ではなく、内閣を忠実に支える専門家集団とするにはどういう制度がいいかという本質論から考えるべき。

4 幹部公務員制度(国公法第78条の2)
幹部公務員について一般職公務員としつつ、降任降格の特例を設け、大臣の自由度を増加させる場合には、恣意的な人事を排除するため、公務の公正・中立性を確保する措置をより一層強化する必要がある。