2009年06月08日(月)
米雇用情勢の改善を好感?債権売りと円安

 
5日のニューヨーク債券市場は、債券売りが加速し、長期金利が急上昇(債券価格は下落)した。指標である10年物米国債の利回りは、前日終値比0.11ポイント高い3.83%と08年11月以来、約7カ月ぶりの高水準で取引を終えました。
 一方でニューヨーク外国為替市場では、利上げ観測が広がりドルが買われ、円相場は1ドル=98円台後半に急落した。午後5時現在は、98円60~70銭と、前日午後5時(96円62~52銭)比2円08銭の円安・ドル高でした。

 
 米雇用情勢の改善を示唆する景気指標を受けてのことか、それとも金融不安解消にさらなる国債増発が不可避と見られるために、「量的緩和下の金利上昇」が起きているのか、まだ見極めが必要ではないかと思います。

 
 「国債暴落による金利上昇でドル高が起きるのが、国際通貨ドルの通貨発行権を持つ米国の強み。」と友人が指摘しています。
 「米国債暴落で米国債を裏付けにしたキャリートレードの巻き戻しでドルが上がったというテクニカルな動きでしょう。「胴元は負けない」というギャンブルの鉄則の通りです。」とも。

 基軸通貨を持つ国の政策がいかにフリーハンドを持たされているか彼我の差を痛感します。どこかで円とドルをペックしながら共通通貨として溶け込ましていく戦略を実践する時がくるかもしれません。円ードルの為替リスクを逃れた企業は、経営に集中することができます。