2009年04月30日(木)
豚インフルエンザ対策・危機対応と報道について

 
 様々な危機に対しても冷静な対応が求められます。
各国政府とメディアの対応を比較して友人から以下のような指摘がありました。新型インフルエンザについてWHOがフェーズ4からフェーズ5に引き上げたことによって、右往左往することは、却って危機の本質を見誤る結果となり、不必要かつ有害なパニックすら引き起こしかねません。
 今日の厚生労働大臣の緊急記者会見を聞いていても、「対策とよべるような対策には着手していないことを糊塗するために官僚がアリバイつくりで書いたような原稿です。」という指摘を受けました。

 この危機はコントロールできる危機であること。危険性はあってもきちんとした情報と対応があれば押さえ込める危機であること。事実と対応策をきちんと政府は述べるべきです。


_________________以下、友人のメールを一部改変して掲載

「豚ウィルス対策」と「豚ウィルス騒動」=「豚ウィルス便乗策」の境界を不明になる政治を展開するのは危険です。

 
 まだ感染者も出ていないのにいち早く総理大臣を本部長とする対策本部を立ち上げ(感染者が出ている欧米各国で同種の対策本部を立ちげた国はこれまでの処ありません)
実際にやることは現場で当たり前に対応するだけのことをいかにも国民の安全のために最善を尽くしているがごとき言動を続けています。

●NHKをは含め大手メディアも大げさに、お祭り騒ぎのように報道しています。

先ずは麻生総理の声を聞かせ、次いで厚生労働大臣の声を聞かせます。
次のニュースでは麻生総理、厚生労働大臣、農水大臣、文部科学大臣らがあたかも適格な指示を出しているような声を聞かせます。

感染者が豚ウィルス発生地メキシコに次いで多い隣のアメリカ政府は
ナポリターノ厚生長官が定例会見で方針を述べただけ。後は入国管理局や公衆衛生の現場の対応に任せています。
勿論オバマ大統領が出てきて大げさに発表することなどありません。

メキシコからの帰国者に感染者が見つかったスペイン、イギリスでも政府の対応は同様でメディアの取り上げ方も冷静なものです。

両国とも首相が出てくることはなく、担当大臣が一度記者会見しただけです。また空港や病院など関係する現場が想定通りの対策を取るのを報じただけです。

公共放送も発生地メキシコの現状や世界各国、及び国内の現状とWHOの発表を伝えた後、豚ウィルスとはどのような特徴があり、他のインフルエンザ・ウィルスとどう違うのか、個人に出来る予防策、対策は何かなどを報道します。

これまでの処、悪戯に大げさに報道することはありません。

各国メディアの冷静な報道ぶりとの違いを
問いただして行くのも必要でしょう。

ただ幾ら政権側が選挙を念頭に置いた大げさに見える対策をしても
こういう伝染病対策、災害救援対策については「人命を守る」という大義名分が立つだけにやるなとは中々批判しにくいところです。

だからといって政権側がウィルス対策を理由に事実上のキャンペーンをしているのをただただ黙って見ているのは無能以外の何ものでもありません。

民主党としては
こういう事態に備えるためにも

*国民が安心して加入できる皆保険制度の充実、
*アメリカのCDCのような伝染病研究予防センターの設立
*保健所機能の拡充
*隔離病棟の拡充
*学校、子供達の予防医療対策

などの方針を発表していくことが肝心であると考えます。