2009年03月17日(火)
消えた年金を回復するために・総務委員会参考人質疑(かんぽの宿等の問題)
【消えた年金を回復するために】
第102回 総務・厚生労働・年金合同部門会議
長妻ネクスト挨拶
連日お疲れ様です。我々の会議の前に、前の日の午後に記者発表がある。2万件の訪問調査も昨日、発表されたようだ。
ねんきん特別便に肝心要の国民年金の未納期間が書いていないということで苦情。初めから書いていれば済むことなのに、加入期間と未納期間のくべつ
原口「次の内閣」総務担当挨拶
今日は総務省からも第三者委員会におけるあっせん状況について報告を受けますが、あっせんの中身に入る前に各社会保険事務所で受けつけた時点から、各都道府県社会保険事務局を経由して各地方第三者委員会へ転送するまでにかかった日数の平均が出ています。千葉、190.3日、神奈川182.4日、東京 173.6日など時間がかかっています。それに対して島根25.5、秋田は25.8、(佐賀32.5)と約6倍の差があります。消えた年金の被害だけでも耐えられないのに、これだけ待たされるというのはどういうことなのか?年金の信頼はまさに国家に対する信頼そのものです。私たちの提案を受けいてればここまで深刻にはならないと考えます。責任を明確にして解決を急ぎたいと思います。
年金利息の基本 国は記録をきちんと保管整理しておくということ
職務怠慢・管理杜撰で探せないという国の責任
年金に関する利息の支払いの検討状況についてヒアリング 厚生労働省 社会保険庁
給付に遅延利息を付すことについて
記録訂正に伴う年金の至急が遅れた場合に、遅延利息、加算金などを付すことについては年金記録の誤りの発生原因については様々なものがあり、国の責任の有無を認定することは容易ではないこと
年金制度の他にも多くの給付制度があるが、それらの制度において給付が遅れた場合についてどう考えるかなど、どのような波及があるかを精査する必要があること。
○ システム開発についてどれくらいの経費がかかるか
実際の具体的内容が決まらないと答えられない
日立との日常的打ち合わせの中で、システム開発には膨大な経費と時間がかかると言った
○ それは日立がそう言ったと開示していいのか?膨大な費用がかかると
いや、相当な費用ということで
○ 過去のシステム変更はどうなっているのか 給付のシステムを前回の年金改正でいじっているはずだが、そのときのシステム変更の工程表を開示してほしい。制度設計をして実際のシステム変更にいたるまでにどのような手続きがされているのか。どれくらいかかっているのか
もともと、このシステムはいつ出来上がったシステムなのか レガシーを近代化することをしているのか?
年金記録確認第三者委員会における審議状況 総務省からヒアリング
社会保険事務所等の受付件数 94,361件
内訳 厚生年金 46,464件
国民年金 47,897件
第三者委員会への送付件数 79,599件
内訳 厚生年金 36,016件
国民年金 43,583件
あっせん件数 2 1,519件
内訳 厚生年金 8,516件
国民年金 13,003件
訂正不要件数 32,335件
内訳 厚生年金 13,857件
国民年金 18,478件
申立取下件数 2,492件
釧路、岩手、秋田 山形、山梨、広島、鳥取、佐賀、高知、熊本、宮崎など23委員会が19年度事案については処理を終了した
脱退手当金に係る申立・処理件数
約6割強が処理が終わっている
特例納付に係る事案(中央委員会案件のみ)
申立件数 70件
記録の訂正が必要と判断した事案 45件
事業所全喪後に訴求して標準報酬月額又は資格喪失日等に係る記録訂正を行う等の社会保険事務処理が不合理とされたもの
160事案
各社会保険事務所で受けつけた時点から、各都道府県社会保険事務局を経由して各地方第三者委員会へ転送するまでにかかった日数の平均
質疑
○ 大阪と中央で群を抜いて斡旋が多い理由は何か
一括申立で従業員分をまとめて申立がされる例があったため
○ それでは、一括を一件とカウントして同じ表をいただきたい
○ 社会保険庁の職権訂正される対象者がすごい数になっているが、すぐ訂正して差し上げることができるではないか
閣僚会議の資料の中にも書いていて手続きを進めている
○ 1593人のうちどれくらいか
16事案以降もあっせん事案が積み重なっているので作業を進めていく
しかし、十分な対応がなされていない
○ 年金記録回復促進法を民主党として出して、原点を大きく逸脱した現状を変えていきたい
2万件の戸別訪問について第三回目の中間報告
平成20年12月21日までに15,502件実施
遡及訂正処理が行われた期間における事業所での立場
事業主のウェイトが52%と高い
年金記録の確認状況
事実と相違あり 55%
不明 13%
年金記録の遡及訂正処理に関し、社会保険事務所職員の関与を疑わせるような内容の回答をされた方
1,056件
うち具体性のある内容の回答をされた方 159件
(職員が特定でき、関与の内容が具体的に示されているもの)
不適正な遡及訂正処理の可能性のある記録の抽出について
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総務委員会参考人質疑 2009年3月17日
郵政事業に関する件(「かんぽの宿」等問題)
慶応大学商学部井手秀樹教授
簡保加入者福祉施設は「日本郵政株式会社法」付則第2条で平成24年9月30日までに、譲渡又は廃止が定められているなかで、日本郵政株式会社が暫定的に保有している
かんぽの宿等の取得価格と売却価格との乖離が大きすぎることに対する批判がある
国鉄の赤字とは性格が違う
早急に売却しなければ赤字がどんどん積みあがるというものでもない
日本郵政株式会社法付則第2条を改正して日本郵政の判断に任せることも
民営化を成功させるために、どういう措置をとるか
郵政ネットワークを通した公共性
経営の柔軟性・自由度を拡大することが必要
このようなインフラを持った会社の民営化ビジネスモデルはいずれ大きな問題を引き起こす
インフラ会社(窓口ネットワーク会社)とオペレーション会社(郵便事業会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)を切り離した場合
イギリスの鉄道事業、アメリカの電力事業の教訓
東京国際大学理事経済学部長田尻嗣夫教授
人間は利益のみを求めるのではない
ピーター・ドラッガー
今ほど〒マークが利用者国民から遠く見えているときはない
未だに
国民負担だけが先行する形で株式上場が急がれている
1兆円の国庫納付金を 民営化直前に公社から
民営化のための看板の書き換え 6千億円
年間、200万人から250万人も利用されている施設が無造作に売却されようとした
いわゆるラスト・ワンマイル
郵政民営化委員会は4分社化の枠組みで不幸になることがない限り・・・という報告書
単なる私企業だけでなく公共性の高い日本郵政会社がこれでいいのか
収益面 グループから資本関係を絶って離脱していく
株式上場は手段 自己目的化してはならない
何を目標にするか
国民に安心と信頼・交流の場を提供すること
官から民にお金を流すこと
かんぽの宿問題の最大の問題は何か
年金・福祉施設問題の反省から機構をつくって官業を地元密着型の民業に
なぜ、郵政民営化だけが一括売却なのか
ルールも定められないままに5年間の期限がついたのか
郵政民営化委員会 株主の規律を打ち出した
しかし、今日、株主への配当を最優先するような株主優先主義への反省
株主上場も何もさせないということでは生殺し
そこに方向性が必要
地方自治体の声 地域の声を株主に
個人株主は長期保有すればするほど議決権だけが増えていく
期間対応型の議決権を付与するというフランス型の制度の検討も
売却で得られた資金を何につかうのか これまで政府は国民に説明をしていない
これまでNTTなどの資金 その半分ないし3分の1は赤字国債の償還資金として雲散霧消
国民への道筋を示した上で売却されるべき
国から地方へという掛け声とは別に資金還流に関する方策が民営化法には何も書かれていない
主体的に積極的に地方にお金を流すということは全く書かれていない
ゆうちょ銀行 83%が国債に
地方からお金を吸い上げ、国と海外に持っていく機関に郵便局がなりかねない
現行法制でも日本郵政グループは地方にまわすことができる
300兆円ものお金
地方債・投資対象拡大・地域別ファンドへの投資・地域自治体・地域金融機関への資金
住宅担保年金(通称リバースモーゲージ)
持ち家を担保に一定額を毎年受け取ることができる
居住権は保障される
もちろんこれには金利変動・価格変動・長生きリスクがある
アメリカ政府はこの保険制度を自ら運用することでヘッジ
町田徹経済ジャーナリスト
そもそもかんぽの宿はどのように規定されているのか
なぜ、本則ではなくて付則なのか
簡保加入者福祉施設は「日本郵政株式会社法」付則第2条で平成24年9月30日までに、譲渡又は廃止
旧法を読まないとメルパルクを読み込めない
廃止になった法律を読むとわかる施設に
姑息な書き方
日本郵政公社時代の業績の推移
わずか2年で赤字が半減
わずか4年で赤字が4分の1になっている
郵政民営化関連6法
2005年度の途中
元々営利事業でなく赤字でなくてよかった事業
劇的な改善ができるということで判断したのではない
かんぽの宿はどういう事業でどういう収益力を持っているか考えられたとは思えない
今回の全国70施設の一括売却 なお残る7つの疑問
今回、既知の事実以外は公表するなと日本郵政から閂をかけられている
まだ応募した企業のほうは言いたいことを何も言えていない
勧誘資料で2011年には黒字転換とされていた
竹中氏の著書「簡保の宿など、本来の仕事つまりコア業務ではないものは、資産を処分して徹底するべき」西川社長「持ち続けると累積赤字が大きくなる。年間30億円とか40億円という赤字が出れば、無視できない。」
メルパルク
「大手不動産会社が既に決まっているので入札手続きは行われない」という情報
よくわからない賃貸を将来、売りやすいためにかましているのではないか
横山専務
退職出向という表現
いずれ民営化に目処がついた段階で三井住友銀行に戻ってくる
平社員ではなく専務ということで仕事をしている
クレジットカード業務
40数社と提携していたものを全部解消して新たに三井住友カードに
元々、住友にいた方がこんなことをしていいのか
提携会社が払っていたものを、三井住友銀行に
元のファミリー会社から買うよりも値段が上がった備品
三井住友の資本関係の会社
会社の中でどういう意思決定をしているのか
この説明が何一つなされていない
過去の民営化企業
重要な資産の売却を所管大臣が認可
しかし、日本郵政の場合、資産の売却はチェック対象ではない
JRでは3億円以上のものが日本郵政は10億円以上でいい
ディスクロージャーはこれでいいのか 法規制はこれでいいのか
自民党議員質問
郵政省内部の古い体質
3つの呪文
国営維持 独立採算 3事業一体
コンプレックス
NTTは監督官庁だがいうことを聞かない
通産省コンプレックス
労働組合コンプレックス
雇用を仲良く維持しないといけない
郵政については番犬型族議員
郵政の私物感覚が残っている
普通の企業であれば背任になるかどうかわからないが現社員の給与の減を反映しなければならない 郵政の体質が克服されないままに続けられるとすると何がおきるか
民営化により価格が高くなる、サービスが低下するということをウォッチしていかなければならない
日本郵政グループは純粋の私企業でも上場会社でも、公社でもない特殊会社である
なぜ、そのようにしたか ひとつの法律によって国民共有の資産を全て握った日本郵政は、国策会社であるにもかかわらず、私企業のように振舞っている 国が 100%の持ち株であるにもかかわらず 時代を先取りする、時代の変化を読み取れない経営感覚の限界を露呈している サービス業は製造業と違う 人と組織の有機的結合を分離 構造的問題
資金運用面では国債の塩漬け機関 官業時代よりさらに悪い機関に
ユニバーサルサービス維持は到底不可能 86%までが金融子会社からの手数料収入
収益は不安定
民主党小川淳也代議士
大・中・小の視点
利益を極大化するのみに資本主義 それに対する反省
実体経済のサイド・金融経済のサイド これをいっしょくたにして市場原理主義者が論じてきた
サービス業の分社化・製販はそもそも自己矛盾をはらむ
4つの子会社が今は並立した形 その間の利害相反が顕在化する状況
郵便局会社と郵便事業会社を分ける理由はなく害が大きい 一体化
基礎的な金融サービスについてユニバーサル・サービスを保証するのは国家の責務
そこでポスト会社の下に郵貯会社、かんぽ会社を子会社化する
中間決算で2200億円の利益
その大半がゆうちょ銀行 一見利益が出ているように見えている局会社 8,9月に手数料をもらってかろうじて黒字 事業会社は完全な赤字
この状態ではユニバーサル・サービスの維持も難しい
民営化後のディスコロージャー誌が薄くなっているのはどういうことか
赤字が急激に減っているのは公社時代
民営化後の赤字は西川さんになってから再び拡大しているのではないか
亀井久興代議士
ドイツ・ポスト 民営化を推進した竹中氏は民営化を成功した事例としてよく上げていた
ドイツ・ポスト総裁を呼んで話をしていたが、郵便局のネットワークを維持しようとすれば財政支援が必要と言われてきた。郵便局がなくなり、成功したのか?先ほどから民営化について新たな利権という話があるが、総裁自身が逮捕ということで、本当に成功したのかという疑問がさらに深くなった。
○ ドイツ・ポストを成功例というが、資産を売却して外に展開するという事例。国内で仮に競争に負けてもという事例。日本は完全な自由化でドイツは郵便事業について独占を維持してきて、独占による事業を新規事業や投資事業に振り向けた。日本では売り払うような資産はない。親書という曖昧なものを残しながら宅配事業者との競争。ドイツの改革はゆっくりやられた
かんぽの宿を中心とする資産の売却に不透明さ。日本郵政会社法に竹中氏の指示で入れた。専門家が見ても何が何だかわかりにくい条文。このようなものが入った。民間の利益を求めるようなホテルや旅館とは競合しないようにしてきた。赤字というが、本来の競争条件が違う。はじめから売却を狙っていた。コアな仕事ではないから売るんだというが、これから日本郵政はどういう方向にいくか。日本郵政の今の状況で株式上場したときの価値を持つとすれば、金融2社の企業価値で親会社の企業価値が決まっている。しかし、この2社がなくなれば、本来的に赤字を持つ会社が上場価値を持つはずがない。今、西川社長らが考えているのは全国の巨大な不動産会社ではないのか。
○ そのそもの制度設計 4分社化も含めて問題があった。表向き黒字に見せかけているだけの局会社。JRもNTTも民営化するにあたって、従来のグループの中で競争を起こして、消費者のためになるというのが制度の中に入っている。そのような枠組みはない。単に4つに分けているだけ。手数料がなくなるとどうしようもないので不動産に活路を求めるしかないということに。
郵政民営化の目的は何か 小泉氏は「貯金・保険を市場で全部市場で売却すること」と答えた。事業会社と郵便局会社は株式を売却しないのだから特殊会社。 350兆円という大きな金が公的セクターで運用されていて、それを市場に出すことが目的だと竹中氏。金融市場は本当にそんなことを求めているのか。日本経済は資金需要がなくなっているのが問題で、それなのに新たな資金を市場に出していく合理性はないではないか。国債をものすごい勢いで出すアメリカ。その引き受け先は中国と日本。国債をどう安定的に消化するかを考えていないと、長期金利に影響して住宅ローンなどにもすぐ影響が出てくる
○だからこそ金融を含めて国策会社である必要がある。国債発行残高の3分1はゆうちょ・簡保。マーケットの様々な動きに対してカウンター・パワーの役割。それに対してマイクロ金融・NPO金融・環境金融の部分など国民生活に直結している分野についてのお金の流し方が必要。ミニ公募債、お金の上に心を乗っけるものに市民は積極的な意義を見出している。
【さよなら河村代議士】
河村たかし代議士の送別会を開きました。裁判員訴追委員会の公務が入り、主役は1時間遅れて登場。10分しか一緒にいられませんでした。
河村代議士はおやじというあだ名で親しまれています。自称総理を狙う男は、名古屋市に。
まだよちよち歩きの1年生議員だった頃から、本当にお世話になりました。緊張で震えるような委員会質問で隣にいて励ましてくれたのも「おやじ」です。コーラーID法案(個人情報保護法の先駆的法律)、NPO税制法案、納税者権利憲章法案など一緒に起案した法案も少なくありません。
上田代議士(現埼玉県知事)らと不正を正す国会Gメンを結成。金融をはじめとする巨悪と戦ってきました。独特の名古屋弁。既得権益を壊すのにタブ-はありません。議員年金も廃止し、影では一部の国会議員に恨みを買ったこともありました。
寂しがりやで目を離すと、すぐにどこかに飛んでいく「おやじ」。暖かい人柄から全国でも引っ張りだこでした。4年前の名古屋市長選挙にも立候補を決意。「一博さん、うちの後援会で話をしてちょ。」という言葉を受けて名古屋で講演した後に、テレビカメラの方列の前に駆り出されて、「一博さんが河村たかしを勝手に応援する国会議員の会の会長さんです。」とそれこそ勝手に紹介され、目を白黒させたこともありました。
TVタックルをはじめとする番組にもよくご一緒しました。政党の党議拘束をなくすべきというおやじは、民主党議員の枠をはみ出して議論するので
討論でもタッグを組んで戦うには、「困った」人でもありました。
大げさな表現かもしれませんが、一緒に「死線をこえた」戦いをしたこともありました。言っている内容は素晴らしいのに、高度すぎて、ユートピアすぎて、まったく伝わらないこともありました。
「おやじ、ぜひ本を書こうよ。」と何回も申し出ましたが、やっと去年、出版にこぎつけることができました。
思い出だけが溢れてきて涙がこみ上げてきます。
もうすぐ国会を離れます。
立派な政治を、これからも目指して頑張ってくれるように祈ります。