2009年03月04日(水)
地方主権は日々の行動から

 
総務部門会議   2009年3月4日

【原口ネクスト総務大臣挨拶】
 「今日は国の地方行財政施策を分権の視点で点検する」と題して慶応義塾大学の片山教授にお話をしていただきます。部門を代表して心からのお礼を申し上げます。
 
 困難の時だからこそ、しっかりと説明責任を果たして、国民の信頼を勝ち取る努力を重ねるべきです。政権が目の前に来ているといいますが、自分と自分のチームを信じて弛まぬ自己改革を行う者だけが変革者としての資格を得ます。私たちはもう一度結党の原点を確認して公の奉仕者として改革を進めていくことを誓い合いたいと思います。この事態を受けての対応そのものも問われます。しっかりと足元をみつめながら、落ち着いて一つ一つの事態に対処していきますので、皆さん、これまで以上の奮闘と団結をお願いいたします。

 総務委員会報告

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片山教授講演聞き取り考察メモ

1. 道路特定財源問題に見られる「官主・護送船団型地方財政システム」
  福島県相馬市 暫定税率分を差し引いて予算を組んでいた
  自治体は「あらゆる資料に基いて正確にその財源を捕捉」(地方財政法3条2項)
  国会の議決を無視して総務省の指導で予算を組む
  これこそ国会軽視 
予算に穴が開くのは自業自得なのに、民主党も財源を補填することに手を貸した
国会の動向と国の官僚の指導をどちらを重視すべきかー自ら判断すべき

歳入に穴が開いた 自治体に対する国の財政補填の愚
 当てのない財源を勝手に見込み、結果として歳入不足に陥ったのは自業自得

定額給付金も法律が通る前から一遍の通達で準備をしている
勝手に法律も通らないのに官僚のいうことを聞いて準備している
 既成事実が先行してしまう
 定額給付金問題に賛成・反対というだけでなく、何の根拠もなく準備活動をさせていることを許していいか。立法に先走って執行を許している。

 2000年から地方自治体と国は対等の関係

2. 予見性のない国依存型
  交付税の臨時加算
   財源対策債及び臨時財政対策債の発行など
   今は借金で凌いでいてくださいという仕組み
   財源不足を交付税を少し増やしたり、交付税のアフターケア的な借金で埋める
   こんなことを止めるべき 

  国の本来の責務(地方交付税法6条の3第2)
   場当たり的な「年度対策」ではなく、自治体が将来を見通せるルールを変更すべき
   交付税総額が各自治体に交付すべき交付税額の合算額と引き続き著しく異なる場合には
   ルール変更
   総務省はずっと場当たり的なことを出している
   これが仕事になっている
   国会がルール変更をしないで場当たり的なつぎはぎ政策を追認してきている
   国会の怠慢
   自治体は予見可能性がない

    地方税制の改正、義務教育国庫負担金制度などの財政制度の改正
    自治体の業務として義務づけている地方行政性どの改正
    交付税率の変更

   交付税率の変更等地方財政制度の改正は国会の仕事
   地方財政計画は地方財政のモニタリングする見積もりとして国会に提出されるもの
   だから国会への報告義務を負わせている
    国会議員が国会議員の仕事をしないから、総務省のほうをみてしまう
    自立的能力が身につかない
     家計が苦しいからといって町内会長に借金を求める人ばかりでは破綻は必至
     依存を高めておいて自治とは言わない

 自治体が自ら行うべきこと
  歳出の削減
  主要な地方税の税率の変更
  自律的な年度間調整
    英米系の国 日本の固定資産税にあたるもの「レート」という 
毎年、この率を変えている
今年は学校をつくるからレートを変える
地方議員の仕事は納税者のためにレートを低くすること
税率を自治体毎に決められない
しかし、日本では自治体毎にレートを決めにくい制度に
どんなにしても1.4 標準税率
税率を下げようとするとペナルティ
        標準税率未満の自治体に対する起債の許可制度は廃止すべき
        (地方財政法第5条の4 第4項)
 
3. 地方債に対する国の関与は「自治体版成年後見制度」
   自治体は借金の是非を自ら判断できない存在か

   交付税が実質補助金化
     交付税は税の不足を補うもので使い道を特定してはならない  
    交付税による「アフターケア」付き地方債は撤廃すべき
       「地方債で整備新幹線を作ればあとで交付税でみますよ」というのは
        交付税の私物化
    自治体の財政運営に対する中立性を破壊  資源配分を著しく歪める
    
    ステークホールダーが関与し、責任をとるシステムに
     議会、住民  日常的には議会が最終決定し、大型起債の是非は住民投票で
     ハード重視、ソフト軽視に

 定住自立圏構想
  新たな補助金と借金 とんでもない構想
 レッテルの欲しい自治体 選定されたと宣伝しハードをせっせと作り借金を積み重ねる


 地方分権は特別のあ祭り騒ぎではなく日常
 日常の予算、法案をきちんと点検して分権を前に進めること。
  この10年は地方分権はむしろ後退している
  気がつかないところで毎年、反分権的・中央集権的施策が積み重ねられている
  この地道な作業をすれば分権は進む


【質疑】
  ○ 予算関連法案質疑で単位費用を初めて精査した。麻生首相の肝いりの5000億円も中身をみれば 一人当たり雇用、2000円、労働費500円と極めていいかげんな試算。勝手に根拠のない数字を並び立てて、財源不足と言っているがこれは破綻した論理だ。今までこれくらいもらっていたから次も同じにといっているに過ぎない

 答え
   そのとおり
   自動的に計算できる交付税なのに恣意的に交付税を嵩のせするだけ
   総務省の予算査定のようになっている


 ○ 来年度で過疎対策措置法が切れる 理論的には廃止すべきと思うが廃止すれば大変なことに 限界集落の自立をどう考えていけばいいか


答え
 仕組みそのものを考えるべき。これで小さい自治体でも5000万とかの予算
    しかし、ハード事業はやりつくしている 8割は国だが2割は自前
    道路は整備されたけど路線バスに対する赤字補填の予算さえなくなって病院にも行けないということが起きる
    膨大なお金を使って住民ニーズを違うことをして疲弊させている
    交付税を嵩上げて自治体に自主的に使えるお金にする

 ドイツでやっているやり方 国税の徴税権を道州に移す
 国税でやっていることを地方で行うことができれば

○ 日本一人口の小さい村 合併をして1年で200人が135人になった
    稲武町 豊田市と合併して口が出せなくなった
    限界集落問題に対してどう考えればいいか スウェーデンの施策
 答え 今までも過疎対策、辺地対策は限界集落対策 しかし、そのほとんどがハード事業 やりすぎて疲弊 ハードではなく人づくりにお金を回すべき
    合併した村が疲弊する
 どんなに規模が違っても同じことをしなさいという仕組み
     小さな自治体もフルセットで行わせる 総合行政主体(総務省)
     自治体はできることをすればいい 
      できないことは補完自治体が
 
○  地方議会ではハード業者の代理人、あるいは本人がなっていて地方自治体の意思決定をしている これをどう崩すか

答え  暫定税率 地方議会は堅持 ものすごいギャップ 土建業界から応援されている人が多い 税率が固定化されていて下げられないから、本来、議会は税をめぐって攻防があるというのが議会本来の姿 国王の横暴に対抗することで生まれた
    日本の地方議会は税率の操作という大事なことを奪われている
    納税者のために税負担を減らすという一番大事なことを奪われている
    小人閑居して不善をなすではないが、一番大事なことをできないので口利きをする

○ステーク・ホルダーの責任 債務保証のない中で金融機関が貸し出す


答え

  担保をとる
  デフォルトになれば、自治体はつぶせないので会社更生法の世界に
  何の仕組みもないのに銀行はとりっぱぐれるのだけど、そこで総務省が介入して
  全済させる計画を作らせる 住民生活は犠牲になっても完済させるという介入
  ここを変えるだけで自動調節作用が効く

○ 交付税は複雑な計算式 簡素化すべきだか、簡素化すると文句も

答え 交付税は複雑な仕組み 結論を決めて割り返すからΣが出てくる
   人口や面積、高齢化比率などで計算すべき 財政力の弱いところは1割り増し

   細かな事業ごとに積算するのは止めるべき
   起債をしてあとで交付税がくることにすれば負担感がなくなる
   あとで誰かが面倒を見ると言うことでは気が多くなる

○ 日本の人口が減る
   地方自治の対象者が減っていく
   コンパクト・シティが多くなっている 夕張 坑道ごとに町 中心都市がない
   これをどう考えるか
答え これからは都市の撤退が起きる
   コンパクト・シティというと違和感があるがこれまで、高度成長時代には外部に伸ばしてきた 広大なインフラを維持するにはコスト 今まで伸びきったインフラを収縮させ、維持管理費を減らす
    今の市街化地域を維持したまま行おうとするといけないが、都市区域を収縮させる作業が必要。


【原口ネクスト お礼の挨拶】
 国会議員が国会議員としての仕事をする。今日の先生のお話は、私たちに分権について目を新たに開かせていただくものでした。私たちは政権をとった後の分権政策については精緻なものをだしています。しかし、今でも変えるべきだし変えることができる地方財政法や地方自治法、役所の集権行政については、まだ努力が足りていないと反省しています。これも責任者である私の非力のなすところでございます。
 「地方分権は日々の立法作業から」を合言葉に一歩一歩、自主自立の仕組みを作り上げていきたいと思います。真に大切な地方自治の精神と実践について教えてくださった片山先生に心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。


【小沢代表記者会見】
小沢代表が記者会見をいたしました。
内容は、以下のビデオでご覧いただけます。
これから代議士会ですが、執行部からの説明を受けます。

<ビデオ>10:45頃~
 300k
 http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090304ozawa_v300.asx
 56k
 http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090304ozawa_v56.asx


【河野太郎代議士とMOX燃料移送ヒアリング】
自然エネルギーを進め、原子力政策を正しく導く立場から連帯をして勉強を進めてきた自民党の河野太郎代議士とMOX燃料移送について国土交通省からヒアリングを行いました。

 過去、MOX燃料が日本で使われたことはありません。しかし、日本に持ち込まれたことは過去、2回あります。1回目が平成11年に小名浜、2回目が平成13年に柏崎。いずれも東京電力の原子力発電所です。
 1回目はトラブルがあり、送り返しています。2回目も様々な問題があって
MOX燃料が置かれたままになっています。

 国土交通省は先週、私たちが出した意見書に対する答えのようなものを用意して、できるだけ丁寧に答えようという姿勢でした。その姿勢は評価するものの、未だに「どうして」というところが消えません。

【古川知事と】

  玄海町の中間貯蔵施設問題で大きな波紋が広がっています。
古川知事から電話で県としての立場を説明いただきました。県としての立場を聞いて少し安心しました。

 核燃サイクルとMOX燃料移送についての話もあわせて知事にいたしました。日曜日に三重県の北川元知事らと鹿児島でシンポジウムがあります。古川知事も私もパネリストとして招かれています。そこで自然エネルギー政策、特にFITについて原子力政策等についても意見交換しようということになりました。


【江里口市長さんと】
「遠縁」にもなる江里口小城市長さんが訪ねてくださいました。
雇用促進住宅の問題、国道203号の問題などを提案されました。私からは「ひがしおうみ」市の例を出し、FIT導入を提案しました。地方自治法を変えて、真の分権国家を目指していることもあわせてお話をしました。
 20代の頃から佐賀青年会議所などでも、ご一緒させていただいている「シュウジ」さんと久々に話し込みました。

【ジャーナリストの友人と懇談】

今後のあるべき教育のあり方、放送と通信の融合法制などについて、議論をしていました。

 インターネットの普及で既存メディアは厳しい立場に立たされています。
特に新聞は、深刻な不況ともあいまって、経営的にも厳しい現実です。
 一方、 新聞社が放送局など他のメディアも持つということを規制することをクロス・メディア規制といいます。他国では厳しいクロス・メディア規制があります。言論における資本による独占、支配的立場を規制しようという考えからです。

 放送ネットと新聞を現に持っている人たちの経営の責任は重いと考えます。 ジャーナリストという視点からも興味深い話が聞けました。