2011年10月10日(月)
世界から見た佐賀  「歌」の力~ バルーンが取り持ったご縁・エストニア

 
佐賀平野の空に熱気球が飛ぶ季節になりました。秋の澄んだ空にボォーというバーナーを焚く音が長閑な佐賀の暮らしにアクセントを添えてくれます。

 佐賀インターンナショナル・バルーンフェスタの取り持つ世界とのご縁は、本当に有難いものです。世界の様々な地域から訪れるパイロットやクルーの皆さんの多くが佐賀の民家にホームステイをします。

 あれは、まだベルリンの壁が崩れる前のことでした。ソ連で深刻な食糧不足が起こりました。エストニアから来ていたバルーンの友人の窮状を心配した佐賀の人達がお米を送る運動を始めました。

 まだ冷戦まっただ中のソ連、しかも独立前のバルト三国の一つであるエストニアにお米を送ることは、多くの困難を伴いました。私は佐賀県議会議員でしたが、中にはどうして共産圏にそうまでするのかと脅迫めいた電話さえありました。

 エストニアはその後、歌う革命(禁じられていた祖国の歌を皆が集まって歌う独立革命)によって独立します。自分たちの歌を大事にして非暴力・無血の独立をソ連から勝ち取ったのです。

 今年は、独立20周年の年。20周年の節目の年にエネ エルグマ国会議長が私達日本/EU議員連盟の求めに応じて訪日してくださいました。大震災の心からの支援もいただきました。


 その時にも「ご縁「歌」の持つ力について話をしました。自分たちの歌を皆で声を合わせて歌うと体中に力が沸き起こるのが実感されます。

 今年は、私の期が高校同窓会の当番回でした。佐賀中学から脈々と流れる栄城の伝統の歌。毎年、秋には電燈のファイヤーストームが行われます。同窓会で私もストームリーダーの衣装に身を包み母校の歌を歌いました。

 「日本の栄求めつつ、世界の平和祈りつつ、力試さん、この命」
自らを育んでくれた佐賀の暖かい絆に包まれて勇気をもらいました。 .