2009年01月27日(火)
原口一博国会通信2009年6号☆
「澄んだ瞳に託したい」
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新憲法下で初の予算案の修正議決
両院協議会は、衆参の議決が異なる場合に開かれるもので、国会の正式
な議事そのものです。衆議院から10人、参議院から10人が選出され、
異なる院の意思にどういう一致点を見出すか、妥協点を見出すかを議論し
ます。議事もしっかりと記録され国民に公開されるべきですが、1党支配
が長くメディアの中にはその意義さえ理解していないのではないかという
報道もありました。両院議会の議長は記事引きで決定されます。
くじで参議院側が勝ったので民主党の北沢さんが議長になりました。
27日は、両院協議会の議長が衆院側になりますので、一方的に議論をう
ちきって「成案が得られなかった」と宣言する危惧もあります。そこで両
院議長への報告の際に、議事継続と両院協議会への差し戻しを求める必要
があります。
ここが勝負です。
マスコミの中には参議院における「新憲法下で初の予算案の修正議決」の
歴史的な意味とニュース性の大きさが分かっていない報道も少なくありませ
ん。予算案について、組み替え動議が可決した場合と予算案そのものが修正
議決された場合の違いを理解することが大事です。26日の手続きでも、組み
替え動議なら、政府が予算の組み替えを拒否して両院協議会という流れです
から、衆院本会議は開かれません。
修正議決は、国会の中で予算案について衆院と参院の院議が異なるわけで
すから、両院協議会で両院の意見を調整する必要のある歴史上初めてのケー
スなのです。前例がないので、今回の手続きが先例になります。
江田参院議長がメルマガで、「国会に予算修正権があることを示した歴史
的な日」と書いておられます。後世、この日から財務省のいいなりでない本
当の民主主義が再機能し始めた日、「民主主義の歴史が変わり始めた日」とし
て記されることになるのだと思います。
予算修正権という「国民の権利」が行使されるのか、それともこれまでの
悪しき慣例で官僚予算が通った日になるのか、大きな分かれ目となります。
憲法を無視して、与党が本予算案の審議を強行するなら、不信任案と問責
決議案を出す十分な理由になります。いうまでもなく、直近の民意は参議院
にあります。政府案のごり押しは、一党独裁時代の与党ボケそのものなので
す。政府与党が衆議院も参議院も多数をもっていた時代とは、もう違うので
す。政府が出した法案には一切国会に手をつけさせないと言うことが、何を
生み出してきたのか考えていただきたいと思います。
景気対策といっていますが、説得力がまったくありません。第2次補正予
算は、2ヶ月も提出されませんでした。麻生政権そのものが政治空白です。
衆議院を解散して民意を問うことが何よりも大切です。思い切った景気対
策も民意の支えがあって初めて有効となります。新しい事態に対応できない
で右往左往する政府では取り返しのつかないことになります。
「なんだかわからないけどゴタゴタしないで」などとおっしゃらないでく
ださい。議論とゴタゴタは違います。憲法にそって議論を重ねていくことな
しに、社会の建て直し策も経済の復活策も成案を得ることはできません。
国民自身が自らが国会を通して持つ予算の修正権というものを初めて行使
するのかどうか。国民にもかかっています。
自ら学び、自ら行動する このことが民主主義の基本です。
権利だけ主張して、果たすべき義務を怠るならば民主主義は機能しません。
新しい時代の扉が開くときには、不安も伴います。しかし、その不安に打ち
勝ってこそ、新しい時代を迎えることができます。
リーマン・ショック以来の経済危機もそうですが。かつてない事態にどう
対応するかが問われています。それをかつてと同じ手法で対応しようとして
いるところに政府与党の大きなあやまりがあります。
逆転国会で衆参の多数はの意思が異なるというのも「新しい事態」です。
予算を修正するということが憲政史上初のことをしっかりと認識し、与党も
この事態に正しく対応してほしいものです。
日本国民の力、民主主義の力を信じています。
今日も頑張ります。