2009年01月11日(日)
原口一博国会通信2009年4号☆

「澄んだ瞳に託したい」
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年越し「派遣村」~格差を拡大し、差別を助長する政治にNOを!

これまでの市場万能主義の非情な規制緩和によって社会の屋台骨そのも
のが揺らごうとしています。
現政権は、リーマン・ショック以来の金融経済状況について「100年に
一度の危機」と言いながら危機に機敏に対応して世界の中でのリーダ
ーシップを発揮するどころか、国内的課題にも立ち竦んで、定額給付
金など方向違いの政策を提示する始末です。

 この大きな政治空白により、派遣切りや雇用止め、大量の解雇の問題
がさらに深刻化しています。「年越し派遣村」をニュースなどで知った
人が、続々と集まりました。中には遠くから歩いてたどり着いた方や、
自殺寸前で思いとどまって派遣村で人の暖かさに触れて活力を取り戻し
つつある方もおられました。

ところが仕事始めの式で総務省の政務官が「本当にまじめに働こうとし
ている人たちが公園に集まっているのか」と全く筋違いのとんでもない
発言をしました。この年末年始、寒空の中、仕事と同時に住まいを失い、
つかの間の暖を求めて集った人々の苦悩はもとより、心身の健康を思い
やる気持ちのかけらも感じられない発言です。麻生政権内部から、この
ように無神経な言葉が出されるとは、怒りを通り越して、ただあきれる
ばかりであり、信じがたいことです。

 雇用環境の悪化に対する政府与党の認識がこの程度のものであるとい
う証左です。私が筆頭理事を務める総務常任委員会理事懇談会で政務官
を呼び事実関係と発言の真意を質しました。

 そもそも、こうした派遣村を民間NPOやボランティアの方々が派遣村
を設置しなければならない状況が生じたのは、政府が雇用のセーフティ
ネットの確保も十分しないまま、ひたすら規制緩和を進めてきた結果で
す。多くの人たちが様々な違いを超えて命の危険にさえさらされている
方々をささえているのが派遣村であって、「アピールの場」などという
認識は根本から間違っています。政務官は地方の厳しい現状を言いたか
ったといっていますが、その地方から仕事に出てきて住むところさえ奪
われた方々のことがどうして理解できないのでしょうか?数多くの方々
が集まってくださったことで行政の支援も効果的にできたはずです。

 あたかも失業に追い込まれた人々の責任であるかのごとき発言は、政
府の一員はもとより、政治家としての資質をも疑わせるものです。民主
党として麻生内閣に政務官の罷免を求めました。

 この年末年始を不安と寒さの中で過ごした方々は派遣村にとどまりま
せん。労働法制そのものを改革して雇用と生活を守らなければなりません。

 非正規労働者の中途解雇や内定取り消しをはじめ、金融危機を契機と
する雇用失業情勢は年末年始をこえて、さらに急激に悪化しかねない情
勢です。派遣労働者や期間労働者で解雇や契約打ち切りになる人数が約
8万数千人と見込んでいる政府の現状認識はきわめて甘く無責任です。

 民主党は昨年、補正予算すら提出できない政府・与党にかわり、派遣
労働者などの解雇防止や住居を失った失業者等に対する住居と生活支援
金を給付することなどを盛り込んだ「緊急雇用対策関連4法案」を提出
しましたが、与党が否決して成立しませんでした。今後とも、仕事や住
まいを失った人々の支援を含め、雇用のセーフティネットの強化、はた
らき方の抜本改革に全力で取り組んでいきます。