2009年03月14日(土)
原口一博国会通信2009年16号☆
「澄んだ瞳に託したい」
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かんぽの宿等の問題の追及~衆議院総務常任委員会質疑
総務常任委員会で質疑に立ち、西川日本郵政社長はじめ執行部の皆さんに
売却の不透明さを質しました。翌14日の新聞各紙にもこの質疑は大きく取
り上げられています。これまで入札は公正だと主張してきた西川社長です
が、不適切な経緯を認めて陳謝されました。
以下、質疑の概要を記します。
委員会配布資料を11枚用意しました。
11番目は予算委員会で提出を日本郵政・政府が約束したのに、ようやく提
示されたかんぽの宿等の売却に関するオリックス不動産とHMIの最終提案書
審査結果です。
そもそもどうしてバルク売却は決定されたのでしょうか?バルク売却を決
めた議事録は、どう探してもありませんという答えでしたが、数字にわたっ
て求めてようやく火曜日に提示された1枚の文書を見て驚きました。委員長
不在で開催された日本郵政公社の第一回不動産売却委員会ではバルク売却
の疑問が様々な委員から出されて、次回の委員会の持ち方についても検討
するとのことでした。これが平成16年10月19日のことです。その後、事務
方だけでバルク売却を決定するまでに委員会は一度も開かれていません。
バルクがなし崩し的に決定されたとの疑いが益々濃くなりました。
私の後に質問にたった川内代議士が指摘したように、そもそも収益事業で
ないかんぽの宿の事業に対して数字にわたり減損会計処理を入れたのは、
極めて違法な処理の疑いが濃厚です。違法な処理の疑いは金融庁の減損会
計についての答弁でも、益々、深まりました。
平成19年のバルク入札については、2社が応じています。
この平成19年2月26日のバルクも大問題だと思います。入札者はコス
モスイニシアと駿河ホールディングスの2社です。駿河の代表者はN氏です。
コスモスイニシアのSPCであるCAM6(スティルウォーター・インベト
メント)の登記にもN氏の名前があります。CAM6はすでに、コスモスイ
ニシアのSPCであることは日本郵政が認めていますので、コスモスイニシ
アが1つの入札に2社を使って札を入れた疑いさえあることになります。
N氏は、CAM6の代表にはH17年3月に就任し、駿河ホールディングス
にはH18年6月に就任されています。ということは、すでにCAM6の段
階で、N氏がコスモスイニシアの関係者であることは日本郵政は把握できて
いたはずです。
この入札時はN氏は、CAM6と駿河の両方の代表者だったのです。
日本郵政は会社登記を入札に当たっては求めています。これを見逃したとし
たら明らかな怠慢です。おそらく、2社がないと入札成立せずとなるからで
しょうか。同じ頭で右手と左手が入札に手を出したようなものです。胴体は
同じで、右手があとで辞退して左手がとっていますが、どちらにしても同じ
ことなどというのは、とんでもないことです。競争入札妨害にも匹敵するも
のではないかと懸念します。
質疑の中でもっとも衝撃的な事実は、平成20年のかんぽの宿売却について
最終段階での経緯でした。オリックス不動産の最終提案書に売却の審査員で
ある宿泊事業部長が副社長として迎えられるという提案内容があったことで
す。自分で決めて自分で役職につくなどということが許されていいはずはあ
りません。総務大臣も、これでは出来レースと言われるという答弁をしまし
た。日本郵政の専務は、問題はないという趣旨の理屈の通らない答弁を繰り
返しましたが、日本郵政の西川社長は問題だとの認識を示しました。
「雇用を勘案してオリックス不動産に決めた」と何度も国会で答弁してい
ますが契約書や提案書を労働側に見せたわけでもりません。最終の提案書審
査についても、実際の提案書に書かれていることがHMIからは除かれています
し、オリックス不動産については、正社員全員を受け入れるかのような書類
になっています。やはり結論ありきであった疑いが濃いと言わざるを得ません。
27社から22社に絞り込む段階でも雇用について特記した基準は立てられてい
ないはずです。疑問がさらに深まりました。