2009年03月01日(日)
原口一博国会通信2009年15号☆
「澄んだ瞳に託したい」
★ 〃。☆〃。☆〃。★〃。★〃。☆〃。☆〃。★
国際援助におけるルール・オブ・ゲームにどう「勝利」するか
国際社会での交渉は、国益をかけた大きな戦いです。国際社会でご活躍の
ブレーンと政策懇談をさせていただきました。
イギリスやアメリカはいわゆるルール・オブ・ゲームをどう差配するか
に一番の力をいれています。それに対して日本の国際援助は、個々のプロ
ジェクトがどう役に立つかという近視眼的見方が主流です。
ワールド・エコノミック・フォーラム(ダボス会議)を見ても、アジェ
ンダを実行するには、運営委員会を立ち上げて中身をつめて報告書や提言
を行うというやり方をしています。ここに日本は静かに関われるかどうか
ということが一番大切です。
圧倒的にアジアにおける日本のプレゼンスは少なく欧米が差配している
現状。欧米投資銀行や国際機関がルール・オブ・ゲームを静かに作っている
のに、日本は蚊帳の外に置かれてお金だけを要求されるというのでは、た
まりません。
アジェンダつくりから、参加するかしないかの決断の問題なのです。
この決断を多とする意識を持っているかどうか政治の意思自身が問われて
います。各国がどのようにルール・オブ・ゲームに参加しているか日本で
はあまり議論されていません。
アジアの大都市における気候変動のインパクト調査についても例示をし
ていただきました。これから50cmくらい地球の海面が上がるだろうとIPCC
第4次勧告で言われています。それでは自分のところはどうなのかというこ
とが問題です。
これがないと対応できないし、対応しようともしません。
たとえばアジアのメガシティにどのような影響が出るか。マニラ、ホーチ
ミン、バンコク、カルカッタの水位はどう変化するのか?
実施主体は、JICA、世界銀行、 アジア開発銀行となっています。
東京大学連携サスティナビリティ機構の住明正教授 が主導されています。
海面が上がると一番打撃を受けるのは貧しい人たちです。
きちんとシミュレートして対応策を練る必要があります。
危ないところに住んでいる人のデータ 中小零細企業のデータ。
途上国はほとんど持っていない野が現状で、それらのデータをNGOが一番持っ
ています。
貧困からの脱出も飢餓の撲滅にしても、これからのプロジェクトは地球シ
ミュレーションなしにはできません。
個々の案件別の対応も大切ですが全体の戦略性に基づいた支援を行うべき
です。
ルール・オブ・ゲームに参加できるためには過去のトラックも大事です。
インドネシア気候変動プログラムローンなど日本だからできる対応もたくさ
んあります。トラストや過去のトラックレコードがしっかりしている国だか
ら信頼の援助ができます。
日本は今こそ、「過去に蓄積した信頼の活用」が大事です。