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○逓信委員長 これより会議を開きます。
放送法第三十七条二項の規定に基づき、承認を求めるの件についてお諮りいたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。
○原口委員 新進党の原口一博でございます。
私は、二十一世紀の私たちの目標は、民族や宗教、国家、これを超えた意識をつくることだと思います。その前に、私たちは国のアイデンティティーをつくらなければいけない、そこに放送が、メディアが果たす役割は大変大きなものがあるというふうに思います。
私は、NHKさんの報道を拝見しておりまして、大変感動したことがございました。それは、中東から、若い記者さんでございました、たしか出川さんという方だったと思いますが、戦火の中を、大変厳しい中を、冷静な報道そして事実の報道をなさっていた。あのペルーの民放のようなスタンドプレーに走ることもなく地道に報道をなさっていた、その姿勢を拝見すると、公共放送の役割の大きさというものを痛感するわけであります。
そういう観点から、私は二点、郵政大臣そして参考人の川口会長さんあるいはほかの参考人の皆さんに御質問したいと思います。
まず一点目は、先ほど川口会長もお話しになりましたが、二〇〇〇年の地上波のデジタル化、このことは大きな意味でNHKの経営に即影響を与えてくるというふうに思います。何となれば、デジタル化をするとすれば、MPEGの技術、すべてのデータが通信だけではなくてさまざまなメディアでもって映像が手に入る。とすれば、今までの受信料という考え方そのものが果たして成り立つのだろうか。見ただけをお金を払う。ここに私は郵政省さんから資料をいただきましたけれども、新たな衛星デジタル多チャンネルの放送事業者の状況をいただいていますが、ほとんどの基本料は二百九十円、そして視聴料は二百円ですとか三百円という安い値段で見られる、そういったところと競合していかなければいけない、そのときに今までの受信料という考え方そのもので果たしてNHKさんの経営が成り立つのだろうか、そのことについて、問題意識をお尋ねしたいというふうに思います。いかがでしょうか。
○日本放送協会会長 おっしゃるとおり、地上波デジタルが実現した後の放送界というのは大分変わってくる。それから、もちろん今衛星でもって既にデジタル化が行われて大きな大きな渦巻きになっているわけですね。そうすると、二〇〇〇年がちょっと進んだ段階では、NHKの経営形態がこのままではおかしいのではないか、あるいは今の時代に合わないのではないかという考え方が当然出てくるだろうと思います。
この前も規制緩和委員会の中で、NHKの受信料の問題も、特に衛星について、民放のWOWOWと正常な競争状態に置くべきだという考え方から、そういう考え方を問題点として指摘されたということがございました。ですから、私どもは、そのことに対して今からいろいろな準備をしなければいけないと思っております。
先ほどから申し上げておりますように、公共放送としてのNHKの存在が本当に必要であれば皆さんが喜んで拠出してくださるだろう、それはNHKの経営を非常に安定したものにしていくやはり第一の要件だと思いますから、私どもは、中身をすぐれたものにしようということが第一番になるのです。
ただ、そうやっていっても、どこかである時期考え方をちょっと変えないと、このままでは経営ができないということが起こるかもしれません。そのことに対しては今から十分に準備をしていこうと思っておりまして、まず、私どもは、視聴者への信頼できる回路をつくっておこうということを今一生懸命やっておりまして、そして、視聴者の皆様がどのような形でNHKのことをお考えいただくのか、そのことによって制度も変わっっていってもいい、あるいは変えていくことが妥当かもしれない、そういう非常に柔軟な考え方で今後に対応していこう、こう思っております。
○原口委員 大変御丁寧にお答えいただきまして、ありがとうございます。
私はもう一つ、経営の面からお話をするとすれば、やはりこれからデジタル化になれば、日本はカーナビゲーションが一番発達していますが、車の中でもテレビが見られる、あるいはコンピューターにももうテレビが入っている。とすれば、私は、ソフトそのものも、例えば、きのうのNHKさん、私が大好きな放送の中で「生きもの地球紀行」という番組があります。この番組を、同時的に放送されているその日、その時間に見なくても、あるNHKのデータベースにアクセスすれば、ペイ・パー・ビューと申しますか、料金を払ってそのソフトを見ることができる。さまざまな著作権の問題はあると思いますけれども、最大のソフトメーカーはNHKさんだと私は思います。ソフト化して、この財産を外に開く準備をなさっていただきたいと思うわけでございますが、御検討いただけますでしょうか。
○日本放送協会会長 ただいま申し上げましたことについて、ちょっと誤解されるといけませんのでつけ加えておきますが、私は別に受信料体制はもうだめだと言っているわけでは全くないのです。これは実に世界に冠たるいい制度だと思っているのです。それで今支えられているので、受信者にきちんとお返しをする回路をつくろうというのがまず第一でございます。それでもなおかつ時代の推移で新しい考え方をしなければいけないことがあるかもしれないので、検討しておこうというふうに申し上げておるのです。
そこで、ソフトの売買のことですが、実は、この前もBBCのフィリスという副会長が日本に来まして、いろいろ話をしたのですけれども、BBCもまさに同じような問題に直面していまして、彼らはやはり英語のそれこそ元締めでありますから、たくさんの作品あるいは回線を通じての全世界放送というふうなことをやって、つまり、ソフトを売買していろいろな収入を上げようということを非常に大きく考えております。NHKは、不幸なことにというのか、日本語が主でありますから、BBCと同じような展開はとても無理ですが、今つくり上げるものがよければ、先ほど「映像の世紀」のことを申し上げましたが、若い人でもやはり見てくれるのです、それはいいと言ってくださるのです。ですから、いいものをつくって、そのソフトをできるだけいい形でもって皆さんにお分けして収入を得るということは、やはり必須の条件だと思っています。
ただ、残念ながら、今までの経過を見ますと、外国になかなか売れませんので、結局、副次収入というのが何十億という単位でとまって、百億を超えないのですね。この辺が非常に悩みでございますから、何とか突破口を開こうと、その方面についても格段の努力を続けていこうと思います。
○原口委員 大変前向きの御答弁をいただいて、ありがとうございます。
もう一点私が指摘をさせていただきたいのは、番組審議会の話であります。
NHKさんも、番組審議会は中央と地方両方お持ちで、多士済々の方々が審議委員になっておられます。大体年間十一回ぐらい開かれているというふうに聞いておりますが、その内容はどういう内容なのでしょうか。
そして、時間が限られていますから、もう一つ、私NHKさんの審議内容についてお尋ねすると同時に、民放さんの審議内容については、これは審議会の報告の資料を私の手元にもいただいていますが、日本テレビさんで十回、TBSさんでも十回、さまざまなテレビ局で大体年間十回ぐらいされている、ところがその中の諮問はゼロである、そして意見もゼロである。実質的には審議会が果たして機能しているだろうかというような状況でありますが、NHKさんの場合はいかがなものでしょうか。
○日本放送協会専務理事 私どもの番組審議会、中央と地方ともう一つ国際番審と三つございます。おっしゃるように毎月一回開催しておりまして、放送番組全般にわたって活発な議論をしていろいろ御意見をいただくという場にしておりますけれども、もう一つ大事なことは、今諮問ということをおっしゃいましたけれども、私どもは年度がわりに当たって、新しい年度にどういう番組をどういう方針で編集していくのか、この基本的なことについて番審に諮問をいたしまして、答申をいただいて、私どもがそれを生かしていくという形を行っております。
それから、いわゆる審議の内容そのものは実は非常に活発に行われておりまして、これを現場へフィードバックしてなるべく生かすシステムを私どもは考えております。委員の方は、学識経験者の中からお選びして、経営委員会が同意して会長が委嘱するという形でございますけれども、委員の選任につきましても、なるべくオープン化という今の時代の流れに沿って、番審の委員の方の堤案とか御意見もなるべく酌み取りながら委員の選出をして、オープン化していきたいというふうに思っております。
いずれにしても、この番審をさらに強化していくという方向でつい最近改めて取り組みを見直しておりますけれども、倫理に関する問題とかいいろいろ、視聴者からのたくさんの意見を番審の場で私ども報告をして御意見を求めるとか、あるいは番蕃の審議をオープン化して放送で取り上げるなり、これまでもやっておりますけれども、きちっと議論の内容をオープンにするというようなことも含めて一層実質的な内容強化に努めております。
○原口委員 私は、その中で一番問題になるのは、やはり報道というのは、一度メディアで放送されてしまえば、そこの中で扱われた人権の侵害については、長い間裁判をしてそして人権の救済をしなければいけない。私は、さまざまな苦情や人権の侵害について受け付ける、そういう機関をメディア独自でもおつくりになるべきだというふうに思います。今NHKさんと民放さんの間でそういう機関についておつくりになるというお話でありますが、いつごろまでにどんな機関をNHKさんとして、あるいは郵政省として、まあ郵政省は監督官庁でありますが、おつくりになろうというのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
○日本放送協会会長 苦情処理という言葉で今言っていますけれども、これは正式名称としては、人権のような言葉を冠した委員会にするのかなと思っております。
それで、当初、郵政省でおやりになった多チャンネル時代における視聴者と放送に関する懇談会の中で出てきた問題、たくさんの委員の方から第三者の苦情処理機関をつくるべきだという非常に強い御意見がありました。それで、放送事業者側は、それについてはいわゆる放送の自由、報道の自由と関係するところがあるから、できたら我々の自主性に任せてくれというふうに申し上げたのですが、その後、私も出ましているいろお話を伺っている中で、民放の方もそれじゃそういうのをつくろうということになりました。したがって、この機関は純然たる第三者でつくろう、その委員を人選するのも評議委員会みたいな外部の人たちで選んでもらおう。つまり放送事業者の何らかの息がかかっていないという形で今つくろうとしております。
そして、各放送事業者、NHK、民放に年間何百万という御意見、苦情等が来ますので、その中から特に人権とかあるいは放送法にかかわるとか大きな問題があった場合にこの委員会に訴えていただいて、そこで、第三者の機関でそのことを審議して、そして勧告という形で放送局にその答えを出すか、あるいは見解と称して出すか、どちらかにまとめてもらう。そして、そういう勧告なり見解は放送事業者側は重くこれを受けとめて、いろいろまた話し合う。それでもどうしても話し合いが分かれたら裁判に持っていっていただくことが最後的にはあるだろう、こういうふうな形になっております。
今細かい詰めをやっていますから、できたら四月の頭にでも発表して五月からスタートというぐらいになればいいなと思っておりますが、ここは民放連と細かい打ち合わせをこれからやります。
○郵政大臣 ただいま川口会長から詳細については御報告があったとおりでありますが、多チャンネル化時代に当たりましてメディアの与える社会的影響というのは極めて大きいわけであります。そういう多チャンネル化の放送を考える懇談会でしたか、名前をちょっとしっかり覚えておりませんが、その懇談会の答申によりまして、第三者機関によって苦情処理機関を設置すべきだ、こういうことになりましたが、現在、NHK、民放連の皆さん方が積極的にこのような第三者機関をつくっていただきつつあるわけでありまして、今後この処理機関の将来を我々郵政省としてもしっかり見守っていきたい、こういうように考えております。
○原口委員 終わります。ありがとうございます。
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