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○逓信委員長 これより会議を開きます。
日本放送協会平成六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書、日本放送協会平成七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書の両件を議題とし、審査に入ります。
この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
両件審査のため、本日、参考人として日本放送協会の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○逓信委員長 原口一博君。
○原口委員 新進党の原口一博でございます。
本日は、海老沢会長初めNHKの皆様に決算にご参加いただきましてありがとうございます。
数点質問をさせていただきますが、まず、六年度の決算で指摘をしておかなければいけないことは、阪神・淡路大震災に対して、地震の発生当初から、NHKさんが大変なその被害の実体、生活情報、復興への働きを克明にお伝えになったことであります。ともすればこの大災害のパニックに陥りがちなところを正確に、しかもそれをあまねく報道をされた。そして、避難所にテレビ受信機やさまざまな機材を速やかに設置されて、被災地における受信の確保にお努めになった。このことは高く評価をしなければいけないというふうに思います。
また、平成七年度の決算については、これは中長期の計画に基づいて、新しい情報通信の時代に中長期でNHKをどうやって開いていくのか、ハイビジョンを中心とし、あるいはデジタル技術中心とするメディア界のリーダーとして大変な役割を果たされた、このように評価をしています。
そういう中で、先日新しく会長に就任された海老沢会長は、改革と実行を掲げて、そして、視聴者の意見、聴取者の意見を真摯に聞いていこうということを前面に出されています。2000年までに受信料を上げない、このことも私は明確なメッセージとして評価をしたいというふうに思っています。そして、特に海老沢会長が指摘をされているのは、NHKの意識改革をやるのだということも伝えておられます。
そこで、会長に、新会長のその決意と、意識改革というのは、どういうところをどのように改革をなさろうとされるのか、お尋ねを申し上げたいというふうに思います。
○NHK会長 私、就任に当たって改革と実行というのをスローガンとして掲げました。それはやはり職員に対して、日本は、世界は今どういう時代なのか、十分に時代認識を持ってもらうということが大事だろう。
つまり、今の経済情勢下において、バブルが崩壊し、不良債権が非常に解消されない、そして株が安くなる、倒産がふえる、そういう状況の中で、我々公共放送も、もう一度、こういう時代をきちっと認識をしておかなければだめだということと同時に、我々放送業界も、単なる国内放送ではなくて、外国の資本も日本の放送に参入する、そして国際化、ボーダーレス化で、いろいろな世界の放送局が日本の空に電波を流してきている、そういう新しい時代を今迎えているんだ、そういう時代認識をきちっと持ってもらうということが大事だろうということであります。
それと同時に、この経済情勢の中で、先ほどもお答えしましたけれども、NHKの受信料、日本の経済成長も一%なり二%、あるいはマイナスというような状況と言われている中で、私ども、おかげさまで二%台の伸びを持っているわけでありますから、これを維持しなければならない。これを下げてしまえば、NHKの縮小再生産になってしまてそういう面で、この二%以上の受信料収入を確保しなければならない。
その中で、国民に負担をかけないで事業展開するというためには、やはり経費の節減、、コストの削減、いわゆるリストラをしなければならぬだろう。私は、ただ単なるリストラだけではだめなので、そういうデジタル化時代、マルチメディアを迎えて新しい仕事をしていくんだ、と同時にまた、NHKもこういうデジタル時代をきっかけに大改革をして、きちっとした機構にもう一度積み重ねていこうではないかということを今意識改革ということで言っておるわけであります。
御承知のように、NHKも大正十四年に発足して、七十二年の歴史を持っております。そういう七十二年の歴史の積み重ね、重みがあります、夢もあります。また、マンネリ化になってしまった面、あるいは、やはり仕事が非常に安易に流れている面、いろいろな面が七十二年の中にはあると思います。その辺を一つ一つ検証して、新しい時代にふさわしいNHKに立て直そう、そういう意味での意識改革ということを言っておるわけであります。
○原口委員 その歴史認識を新たにして、その中からNHKを改革していくんだ、大変評価すべきことだというふうに思います。
また、番組内容についても、「ハッチポッチステーション」だとか、創造的な教育、子供のための創造的な番組や、あるいは報道についても、この間も予算のときも私指摘いたしましたけれども、中東の危険な地域から、自分の大変な危険な状況の中で冷静に報道を伝えてこられる若い記者さんの姿に私も感激をしておるところでございます。
さて、この決算書を見ておりますと、監事が三名おられる。この監事の三名というのはどういう方なのか。そして、意見書についても、しっかりとNHKのさまざまな活動を評価する形で意見書かつけられていますが、まず、この方々がどういう身分なのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
○NHK理事 お答えします。
三人の監事の身分はどういう身分かということでございます。
ただいまNHKの監事、三名おりまして、NHKのOBがお一人、それから郵政省出身のOBの方がお一人,それから学識経験者お一人というふうになっております。
○原口委員 そうですね。今お話しになったように、お一人は郵政省の方であり、お一人はNHKさんの方であり、もう一人が大学の名誉教授をなさっている方だと思います。
やはりこういう監事についても、特殊法人について会計監査院や国会でのさまざまなチェックもございますから、NHKさんは大変オープンな財務内容であるし、しっかりとしたことをなさっているというふうに思いますが、この監事についても、私たちは、中からの方がお一人おられ、あるいは郵政省の方がおられる、このことについても、もう考慮をしていくときが来ているのではないだろうかというふうに思います。
また、資産並びに損益の状況というのを見ておりますと、平成五年度で有価証券資産というところを見ますと、百三億もの減額があるのですね。これは平成五年度でございます。それに対して、平成七年度は三百三十六億も有価証券資産がふえている。一体これはどういうわけなのか。そして、この有価証券の区分というのは一体どういうものになっているのか。そして、だれがどのように判断して、これを運用されておられるのか。また、運用益というものがあるのかどうか。その辺についてお尋ねをしたいというふうに思います。
○NHK理事 お答えいたします。
有価証券による資金運用につきましては、受信料前受け金等、一時的な資金の運用でございまして、先生御指摘の有価証券並びに貸借対照表に計上してございますが、預金、主に大口定期預金でございます。これと一体となって運用しておりまして、一時的な運用ではございますが、時の金利動向あるいはNHKにおきます資金繰りなどを見きわめながら、運用に当たっております。
御質問の百三億円の減少についてまずお答えいたしますと、五年度末の有価証券につきましては確かに減っておりますが、先ほど申し上げましたとおり、預金と一体となって運用しております。預金と有価証券を合わせた増減を出してみますと、受信料前変け金などの増によりまして、百五十三億円の増になっております。
こうなっておりますのは、五年度末におきます金利情勢、債権の金利が一時的ではございましたけれども向上する、上向くという見通しでございましたので、年度末での有価証券による資金運用を見合わせまして、定期預金で一時的に運用した。このようなことによりまして、有価証券だけ見ますと、五年度末では対前年度減少ということになっております。
一方、七年度では、御指摘のとおり、三百三十六億円増加しております。
この増加要因につきましては、繰り返しますが、受信料前受け金等の負債の増によるものでございまして、これも損金と有価証券の合計で申し上げますと、七年度末では対前年比百九十七億円の増加でございます。でありますが、現金・預金の項を見ていただきますとおわかりのとおり、この当時、七年の九月に公定歩合が1%から0.5%に引き下げられまして、短期金利が急激に低下いたしました。このために、預金との比較で高い金利でありました有価証券の方に、持っている預金も組みかえた。このようなことによりまして、預金が三百三十六億円増加したということになっております。
受信者からお預かりしました大切な資金でございますので、資金運用に当たりましては、安全、確実ということを基本にいたしまして運用しております。この運用は、NHK経理局の財務部に資金運用グループを設けておりまして、部長を配置して、部長以下九人で資金の運用に当たっております。
なお、お尋ねの受け入れ利息を六年度、七年度で申し上げますと、六年度は八十一億九千三百万円、七年度は八十一億八千万円の運用益を上げております。
以上でございます。
○原口委員 御丁寧に御説明いただいてありかとうございます。
これでもってわかることは、大変なビッグプレーヤーだということですね。資金の運用、運用益も今八十一億九千三百万円。私たちのお金も預かっていただいて、NHKさんに運用してもらった方がはるかに運用益が出るのではないかと思うぐらいビッグプレーヤーでございます。
私たちは、公共放送としてのNHKの基本的な役割は一体何なのかということをもう一回ここで考え直すときに来ているのではないのかというふうに思うわけでございます。
先ほど石崎委員の方から、川口会長が政府の行政改革会議の委員に御就任になった、そのことについての基本的な認識を問う御質問がございました。
私も、きょう総理府の方から政府の行政改革会議の議事録をもらいました。こんなに厚いのです。この議事録の速記録を出していただいたわけですが、これにNHKの会長さんがお入りになって、そしていろいろな意見を御開陳になっている。この委員になられた経緯というのを御説明いただきたいというふうに思うのです。
○NHK理事 お答えします。
経緯の詳しいつまびらかなところまでということは承知しておりませんけれども、川口会長が述べられておられるところを、推察はしてはいけないと思いますけれども、就任につきましては、内閣の方から、行政改革推進に当たっては各界の幅広い見賞を集めて推進する必要がある、そういうことで、マスコミ界の方から有識者の一人として個人の立場で参加してほしいと要情があった、こういうふうに川口会長から私じかにお聞きしております。そういうことで引き受けたよ、こういう御返事がございました。
そのほかの、それを超える詳しい経緯についてはつまびらかではございませんけれども、私はそういうふうにお伺いいたしております。
○原口委員 この政府行革会議は、きょう結論を出す。ただ、これは来年の六月まで存続するのですね。
NHKが受信料でその経営が維持されている、このことをもう一回私たちは深く考えなければいけない。この制度は、私は、今日極めて正しいし、今後そうあるべきだというふうに思いますし、公共放送として、国民の皆様から広く広く受信料をいただくことによって、政府からの距離をしっかりと確保して、言論の自由をあわせて守る、そしてNHKの自主自律、これを担保する、このことに大きな意義があるというふうに思うわけであります。
政府の行革会議録、こんなに厚いので読むだけでも大変なのですが、この中には、先ほど石崎議員が御指摘のように、郵便事業の国家独占を定めた郵便法五条の削除、郵便貯金を完全自主運用するというようなことも議論をされています。
NHKさんは特殊法人でありますから、本来であればこの行革会議の対象であるはずであります。その対象であるところのトップがここにお出になって、そして大変国民的議論があるところの郵便事業の議論もこの中でなされている。あるいは、郵便事業だけではありません、国立病院・療養所についての一つの結論も出ています。大変政治的な、右や左あるいはこれを是とするか非とするかという大きな大きな問題がある。
ですから、この行革会議の間についての政府・与党の中でもかんかんがくがくの議論があるし、私は、こんなことではだめだ、郵政省は電気通信政策をやるためにもしっかりと独自性を持つべきだし、先ほどお尋ねがあったように、総務省の内局の中にこういうものを入れていかがなものかというふうに思うわけでございますが、そういう大変政治的なものの中にNHKの会長さんがお入りになっているということを、私は、先ほど海老沢会長が意識改革というお話をされました。意識改革の一つは、メディア自身が権力である。メディア自身が媒体であるけれども、それはただただ意見をそのまま伝えるのではない。例えば、NHKの視聴率が1%上がれば百万人ですかね、2%だと二千万人の人がこれを見て、そしてNHKブランドというのは大変国民からは信頼を得ている、このトップがある会議に参画することによってその会議をオーソライズしてしまう、このことの恐ろしさ。
本会議の中で、ある議員が大政翼賛というお言葉をお使いになりました。国家の権力とそれにメディアが一緒になってきたときに、私は非常に不幸なことが起こってしまうのじゃないかというふうに思うわけでございますが、この委員会でも私どもの同僚の河村委員の質問の中でただされていました。そのことに対して会長は、一個人としてのお願いだというふうに言われています。
私も、行革会議の名簿を出してくださいということで、今名簿をいただきました。しかし、ここにはしっかりNHK会長ということで書いてあるわけですね。また、ここは厳しく、だれもが、一個人としてこれに参加しましたなんということは公人としてはあり得ないことである。
これは、なぜこんなことを言うかというと、メディアの独立性、受信料で成り立っているんだということ。私は、民放のある社長さんがここにお入りになったこと、これとNHKさんの会長さんがお入りになったこと、これは同列ではないと思う。民放の会長さんはそれぞれの営業努力の中で自由に御発言なさって結構だし、政府・与党の行革会議を支えられる、これも一つの態度でしょう。しかし、受信料で賄われている−例えばある政党の支持の方、国立病院は維持すべきだと一生懸命運動している人たちもいらっしゃる、あるいは郵便局は残すべきだ、ネットワークとして二万四千六百のネットワークが大事だと思っておられる方々もおられる。それなのに、こういうものに力をかすということはどうう考えても私は納得がいかない。
今の会長として、前会長のことをお尋ねるのは非常に忍びないです。しかし、NHKさんとして、僕は大事な岐路に立っているというふうに思います。.このお答え次第では、私たちはこの公共放送に対する態度を変えなければいけないかもわからない。こんな巨大なものが政府のある審議会の中に入って御発言になるのだったら、分割しなければいかぬという議論が出てくるかもわからない。お答えを待ちます。
○NHK会長 NHKは、御承知のように放送法に基づいて運営されている企業体であります。そういう面で、いわゆる受信料もいただき、国民の支持を待て運営される会社でありますから、当然私どもは、時の政府から直接かかわることなくて距離を置いて、いわゆる不偏不党の立湯で放送するというのがきちっと規定されております。
御承知のように、NHKは、予算、きょうの決算もそうでありますけれども、事業運営については国会が中心になって規制を受けている企業体であります。できるだけ時の政府からのかかわりというものを少なくしようというのがこの放送法の趣旨だろうと思っております。そういう面で、NHKは不偏不党の立場から自主自律ということが大事だということは、もう言うまでもありません。先生御指摘のとおりであります。
そういう中で、今行革委員の問題が指摘されておりますけれども、私は、やはりそういう政治から中立を保ち、そして不偏不党の精神に基づいてNHKの事業運営をするのは当然だろう、その精神で今後も引き締めやっていきたいと思っております。
○原口委員 今後のことについて、今会長の御決意を述べていただきました。
今国会のメーンテーマ、これはやはり何といっても財政構造改革であったわけです。その財政構造改革の会議の中で小泉は厚生大臣がこんなことをおっしゃっています。これは、財政構造改革と行政改革を今パラレルに橋本総理は進めておられます。僕は、これは結構なことだと思いますが、財政構造改革会議に出てこいという会議がありまして厚生大臣としてその会議に出席しました。その時に、政府歳出を削減しなさい、しなさいというのをみんな賛成しているけれども、厚生省予算というのは大変なんですよ。みんな総論賛成というけれども、もし来年の予算を一般会計歳出マイナスするということで各省庁マイナスにやるんだったら一番反対が出るところは厚生省予算だと思う。本当にできるのですか?厚生省関係予算を前年度マイナスにするのは容易ではないというかほとんど不可能ですと申し上げました。どうしてもやるんだというのでみなさんが決めて一番反対するのはおそらく与党ではないかと言ったことがごさいます。
しかし最終的に恐らく私のそういう発言も取り入れてくれたのでしょう。来年度予算は、九年度に比べて一般歳出はマイナスにするけれども厚生予算は、マイナスにしない。三千億円増を認めるという結果がでました。これでみんないいですね。いいというならやりますけれども、やって、後で驚かないでくださいよということは申し上げておきました。
というふうに厚生大臣は、ちょっと長い引用になって恐縮ですけれども、おっしゃっています。
これは、政府・与党や私たち政治家が結論が出て驚く、この分は私たちの責任ですからしょうがない。しかし、この予算が通ってしまって一番驚き悲しむのは一般国民の皆さん。難病の四百億についても削るんだという審議会の答申が出たり、本当に病気の人やあるいは障害で困っておられるような皆さんあるいは文教の予算まで削るというような、こをこの改革会議、この方は財政構造改革会議ですね、で議論をされています。極めて政治的なものの中に飛び込んでいるんだということを認識していただいて、自分たち自身が一つの権力であるということを忘れたときに、そしてそののりを越えたときに大変な不幸なことが起こるということを指摘をいたします。
そしてそういう中で、私たちはこの逓信委員会で、極力政治からのメディアに対する圧力を排除していこう。ただ、メディア自身も御自身を自主規則する必要がありますねということで、放送と人権等権利に関する委員会というものをおつくりいただきました。NHKさんと民放さんがそれぞれお知恵やお力をお出しになってできたわけでございますが、この委員会が今どのようになっているのか、そして取扱基準というのをお決めになりましたけれども、そのことについてこれから少しお尋ねをしたいというふうに思います。
委員会の運営方法、それから人員あるいは予算がどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
○NHK理事 お答えします。
この放送と人権等権利に関する委員会機構というのは六月から仕事を始めたわけですが、これをつくる過程におきましてはNHK並びに民放等が入っていろいろな形で議論をしたわけですけれども、ここの運営については独立する形で、放送と人権等に関する委員会が運営規則をみずからつくってやっております。
そして、予算は一年間一億九千万円ぐらいの予算でやっているというふうになっておりますが、三分の二を民放等、それから三分の一をNHKが負担をしてやっておりまして、その委員を選出する評議員会というものをまず理事会が選んで、それでその評議員会の先生方五人程度が委員をさらに選出して、その委員が独自に運営規則をつくって、放送と人権に関するさまざまな仕事をしているということになっております。
○原口委員 私は、もう少しこのことについてのPRを国民の皆様にするべきではないかというふうに思いますし、今、規約を手元にいただきましたけれども、この規約についても、これはNHKさんが出資されたところですから、本来だったらその委員会に聞かなければいかぬことでございますが、まだ立ち上げの時期ということで、郵政省さんそれからNHKさんにお尋ねをしたいのです。
この規約が「放送前の番組にかかわる事項および放送されていない事項は、原則として取り扱わない。」ことになっている。あるいは、申立人の範囲が、当分の間でありますけれども、直接利害を有する者、「当分の間、その放送により権利の侵害を受けた個人またはその直接の利害関係人を原則」としている。
どうしてこのような原則になったのか。当事者ではございませんから、お知りになり得る範囲で結構です。1お尋ねをしたいというふうに思います。
○NHK理事 原口委員のただいまの御質問にお答えします。
先ほども申し上げましたけれども、運営規則の制定に当たりましては、NHKとしては関与しておりませんので、具体的にどういう理由でそういうふうになったのかは述べる立場ではございませんが、これまでの記者会見等の内容から見ますと、放送前のものとか直接放送したもの以外にはかかわらないということは、やはり当事者の申し出を待って審議するということから、放送することによってそれが周知されるということになると思いますから、そういう面で当事者の申し出を待って審議するという大原則に立っているということだろうと思います。
それから、苦情を申し立てることができる者は、当分の間、それに被害を受けた個人または利害関係人を原則とすることについても、スタートした直後のことでありますから、まず個人のレベルから救済していこうという考えではないかというふうに受けとめております。
○原口委員 私たちは、この委員会については大変な期待を持って受けとめておったわけでございます。
先日、ある民間放送局でございましたが、Aという男性、タレントさんなんですが、ビルの十階からパラシュートで飛びおりるというような放送をしていました。
これを子供たちが見たときに、その放送があって、私のところにほっと電話がかかってくる。テレビを見たわけですけれども、ビルの十階からパラシュートで人が飛びおりればどうなるのか。これは、ある章味では殺人にも等しいようなことを映像でもって流している。後で、まねをしないでくださいと。そんなもの、まねするどころか、そんなことを企画すること自体が大変な非見識であり、非常識であります。そういったものについての苦情というのは、一体どこでやるのか。
また、先ほど国際放送の話がありましたけれども、これからメディアが、電波が国境の枠を越えて世界に忍んでいく。そのときに、私たちは、私たちの国の誇りやあるいは私たちの国のアイデンティティーや私たちの国の文化をこの電波が、例えば今お話したのは大変極端な事例でございますが、こんなものが外に出ていくことによって著しく国益を損なうのではないかというふうに私は考えます。
この人権の委員会で一番最初の審理が行われています。これは、アメリカのサンディエゴの日本人教授の親子が射殺されたという大変痛ましい事件でございますが、これに対して、人権は侵害を受けたとされるその奥様から苦情が入って、それに基づいて審理が行われています。
この中に、NHK、がこの四つの苦情を受けた放送局の中の一つとして入っておりますが、どのような審理が行われて、またそれはNHKのどの取材、どの報道について言われているのか、お尋ねをいたします。
○NHK理事 この放送と人権等権利に開する委員会については非公開でありますので、具体的にどのような審理が行われているのかについては不明でございますが、九月九日にこの被害者の教授の夫人から権利侵害の申し立てがございました。
法律関係で争われていることについては、この放送と人権等権利に関する委員会では取り上げないということになっておりますから、法廷に持ち込まれない範囲で、NHKと民放三社が権利侵害の申し立てを受けたわけですが、既にNHKは十月三日にそれに対する答弁書を委員会に出しておりますし、それから十月二十八日に教授夫人から答弁書に対する回答、が出されまして、それに対して再答弁書を十一月十七日に出しまして、現在、この放送と人権等権利に関する委員会で審理が継続されているというふうに聞いております。
○原口委員 要するに、どのような内容、どのような報道が不服申し立ての対象となったのかということをお願いします。
○NHK理事 失礼しました。
この事件は、平成八年五月に大学教授とそれからその娘さんが殺害された、アメリカのサンディエゴで起こった事件でございます。
それで、このことについてはNHKとしても、現在のアメリカの銃規制の問題等、いろいろなことが言われている中で報道に値するニュースだということで放送をいたしました。
放送に当たりましては、NHKは、現地の警察当局、それから今回申し立てを行っている被害者の夫人本人及び被害者の知人の関係者に直接取材をいたしまして、推測でなくて、裏づけのとれた事実関係に限って、関係者の人権に配慮をして伝えたというふうに思っております。
その異議申し立ての部分につきましては、これは警察関係の取材の流れの中で、不動産関係の取引を行っていたというふうな面もあって、そういう観点からも、どういう利害関係があったのかということも含めて警察が調べているというふうなことをお伝えしておりますが、そのような部分に対して、被害者の人権に対して配慮が足りなかったというふうな申し出を受けているというふうに理解しております。
○原口委員 これは、報道を一回してしまえば、それは記録に、私たちがそれを記録で見ることはできるのかできないのか「それが放送法で何らかの枠がかかっているのか。現物を見ないと、これはどういう人権侵害が本当に行われているのだろうか、そうでないのかというのはわからないのですね。
私が、きょう、この決算の審議の過程で、NHKさんの番組やあるいはさまざまな報道姿勢、これは高く評価すべきだし、国民の公共放送としての役割をしっかり担っておられる、このことを強調しつつも、一方で申し上げたかったのは、大きな、ビッグプレーヤーであるし、しかもまたこれはメディア自身が権力である、そのことをきょうの審議の中で申し上げたかったわけでございます。そして、これは、それがただ単にメディアを規制する方向ということに進まないように、私たち国会議員、政治家も一つの自己規制をしなければいけない。
そこで私は、メディアリテラシーと申しますか、メディアに対するさまざまなうえ方をしっかり教育していくこと、メディアが伝えていること、そのことがすべて正しいと思えるようなそういう態度、そのことについても反省的に教育していくこと、そのことが大変大暮必要なことではないか。
マルチメディアという世界になって、コンピューターとそれから放送波と、さまざまなものが融合をしてまいります。
このメディアにどう向かい合うのか。あるいはメディアから影響を受けている。私は、文教委員会でシミュレーションシンドロームのお話をしました。バーチャルリアリティーと実際のリアリティーがわからなくなっている。
私たちは未曾有の少子・高齢化社会の中に生きているわけでございますが、その少子・高齢化の時代とともに、もう一つ時代認識を持っておかなければいけないのは、パートタイム労働者の方々が一千万人を超えて、幼児期、おぎやあと生まれて育つまで一対一で親子の間で自我形成をしていた今までの私たちの人の営みが、それがお父さんやお母さんが仕事に行って、親とは違う人の間で自我形成が行われている。このことは、大変大きな社会問題、問題認識を持っておかなければいけない。
ですから、今自我形成がなくて、自分を抑える自分というものを持たなくて、欲望だけの情報がはんらんしますので、自分をコントロールできなくてぱっと殺人に走る、こんなことが起こっている。そういう中で、私たちはこの巨大なメディアに対してどういう取り組み方をするのか、あるいは何を学習をしていくのか、このことが大変大事な時代になっているというふうに思います。
各国の例を引くと、もうこのメディアリテラシーの関連のNPOというのは随分ふえてきました。メディアが子供たちに与える影響、メディアがさまざまな教育に与える影響、そういったものを多角的に分析して、メディアとどうつき合えばいいかということをNPOでもってさまざまなグループが取り組んでいます。また、メディアのその権力の部分についても、市民団体の方は一定のチェックをする、それは直接政治家がチェックをするのではなくて、NPOという形でチェックをしていく、そういう動きも広がっています。
私は、与党案だめだと今河村委員がおっしゃいましたが、本当に政府の下請的なNPOではなくて、またそれをチェックできるような、分権した、多様な価値を実現できるような、そういうNPOが必要であるというふうに思います。
この新しいメディアの時代において、私は、郵政大臣にお尋ねをしたいのは、どういう形で取り組んでいかれるのか。また、今度、省庁再編ということで先ほど吉田委員がお話しになりましたが、郵政省は私たちの思った方向とはちょっと違う方向に進んでいきそうであります。新たなメディアの時代に向けての郵政大臣の御決意をお尋ねをします。
○郵政大臣 原口委員御存じのように、この放送というのは大変大事なものでございまして、民主主義の発達に資する大変大事なものだというふうに私は思っております。
また、その中で、放送が国民に最大限普及されその効果を保障すること、これも私は放送に与えられた、あまねく公平にできるだけ国民が放送に接するということも大事であると同時に、今、委員、NHKの会長も言われましたように、放送の不偏不党、また真実を報道すること、あるいは委員も何度も強調されました、事実を保障することによって放送による表現の自由を確保すること、そういったことは私は大変民主主義の発達に資する、ついうふうに思うわけでございます。
また同時に、社会が大変多様化をいたしまして、たくさんの価値観を持った人もふえてきたわけでございますから、そういった中で、やはり同時にまた、よく御存じのように、放送番組は法律に定める権限に基づく場合でなければ何人からも干渉されまたは規制されることはない、これがまさに言論の自由の保障でございます。
同時に、一方、表現の自由というものもございますが、先生御専門でよく御存じのように、放送法の第一条は、今私が言ったような原則に従って、「放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。」というふうにあるわけでございますから、それで多様化する価値観なんかがどういうふうにバランスをして、まさにマルチメディアの時代でございますが、この規律を保ちつつ、なおかつ表現の自由を保障するということは、まさに私は、最終的にはこの国権の最高機関である国会の御審議を経ていろいろな御意見をいただきながら決めていくことだろう。今後のマルチメディアの時代、民主主義国家において大変重要なものであるというふうに認識をいたしております。
○原口委員 本当に丁重な御答弁、ありがとうございます。
その中で、やはり必要なのは民間部門、私ここにカナダの行革の例を、これはもう総理にも御提出させていただきましたけれども、まずプログラムビューというものをやっている。
それはどういうものかというと、私たちが審議をしているこのNHKの予算、決算についても、国民のウイッシュリスト、国民が何を望んでおられるのか、どういったことをこの公共放送に望んでおられるのか、そのことがまず前提にあるべきだというふうに思います。
カナダの行革は、五つの点においてプログラムビューをつくっている。一番目は、国民の関心がどこにあるのか、国民のウイッシュリストがどこにあるのか。あるいはこれを公共部門でやる必然性がどこにあのか、そして民間部門やあるいはさまざまな委託ができないのか。あるい効率性を上げるためにはどうすれはいいのか。そしてこれらのプログラムをずっと継続するとしたら、その経済性は確保できるのか。こういったことを、この五つの点から行革を進めています。
私は、もう一回このNHKの公共放送としての役割についても、ここで再確認をしておく必要があるのじゃないか。それは、不偏不党の報道姿勢であり、あるいは国際放送という形で日本のアイデンティティーを世界に広げていただくということであり、また放送ソフトの振興の先頭に立っていただいて、これからの新しいメディアの時代を開くそのリーダーとなっていただくこと、あるいはデジタル技術、特にハイビジョンですね、そういったものの技術の先頭に立つことだというふうに思っています。
ですから、何回も繰り返すようでございますが、自分たちの権力性にしっかりと意識を持ち、自覚を持ち、のりを越えず、そして公共放送としての基本的な役割を全うしていただきたいというふうに思います。
結びになりますけれども、会長に、公共放送としての基本的な役割、そして二〇〇〇年にはBS4を打ち上げて、そしてテジタル化、地上波もデジタル化をやるということで大変、三千億ぐらいのお金がかかるということでございますけれども、その中で、果たしてそのBS4というようなもの、そういうハードの面をNHKさんがなさるのか、あるいはソフトの面は民間に委譲することもできるのではないか、その辺の仕分けについてもこれから私たちは議論をしていかなければいけない。
今お考えになっていることで結構でございますから、以上の二点、一点目は公共放送としての基本的な役割と決意について、それから二点目はBS4に向けたソフト、ハードの仕分けについて、お尋ねをしたいというふうに思います。
○NHK会長 今、原口委員から、公共放送の役割について御見解が述べられました。
御承知のように、私どもNHK、いわゆる放送業界の国民に与える影響というのは、本当に大きいものがあると思っています。そういう面で、こういう放送、マスコミというのは、一種の権力を持っている機関ではないかというような御指摘ありました。
御承知のように、私ども、日本国憲法において、表現の自由、言論の自由が保障されております。
その一方で、我々は、この表現の自由を守るためには、やはりそれぞれの責任があろうかと思います。そういう面で、マスコミの影響力というものを考えながら、節度を持って、そして謙虚に対応しなければならないことは言うまでもありません。
そついう面で、基本的には、我々放送事業者自身が自主自律の精神をきちっと持つこと、それを土台にしながら、やはり国民の意見を謙虚に聞きながら、国民の公共の福祉の向上に役立つ、そういう番組を提供していくのが我々の役割だろうと思っております。
それと同時に、我々、放送法に、民主主義の健全な発展に資する、あるいは国民の生命財産を守るためにいろいろな仕事をやるべきだとか、あるいは日本の伝統文化を継承し、また新しい日本文化を創造する、あるいはまた障害者等の聴取者向けの番組の技術なり、あるいは指摘されておりますように、日本の国際理解に役立つようなテレビによる国際放送の拡充と、いろいろな役割があることはもう十分承知し、それと同時に、テジタル化に向けての技術の研究開発も先導的役割として果たさなければならねだろうと思っております。
そういういろいろな役割を担って、今後とも、不偏不党をもとに、節度を持ちながら、そして国民のそういう生活に役立つような豊かな質のいい番組を提供するように努力したいと思っております。
それから、BS4後発機の問題でありますけれども、これは、ハード、ソフト分離、いわゆる受託、委託を分離するという方向が今示されております。そういう面で、BS4後発機については、我々放送事業者が一体となって運用できるようなそういう組織づくりを今現場では検討しております。ソフトについては、NHK、民間放送、また新しく参入する業者がそれぞれの立場から、やはり基本は質のいい番組をつくらなければなりませんから、そういう面で、質のいい番組をできるだけ多くつくる、そういう方向で努力しなければならぬだろうと思っております。
それと同時に、先ほど先生から指摘がありました、いわゆる人権に開する問題、私どもも、おごり高ぶらず、やはり謙虚な姿勢でいなければならないわけでありますから、そういう面で、いろいろ指摘されていますように、人権あるいはそういうものを守るために、私ども、放送倫理と人材育成の委員会を部内に設けて、やはり人間尊重、プライバシーを守っていく、そういうことをきちっとやっていこうということで、各現場ごとにいろいろな勉強会、研修会を続けております。
そういう面で、できるだけ国民のニーズにこたえるような放送に心がけたいと思います。
○原口委員 ありがとうございます。
川口前会長の輝かしい実績が私のきょうの質問で汚されることは決してないというふうに思います。陣頭指揮をとり、そして新たなNHKの基礎をおつくりになった前会長を引き継いで、しっかりと国民の期待にこたえられるように、ますますご尽力いただきますように心からお願い申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございます。
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