逓信委員会

平成9年12月24日(水曜日)

○原口委員 数点にわたり、ちょっと質問をしたいと思うのです。
 まず、先ほどテレビ東京の社長は、責任の所在は自分のところにあるというふうにおっしゃいましたが、この責任のとり方について、それはガイドラインをつくって、そして再発防止が責任をとるその道だということでございますが、果たしてそれで十分なのか、まず一点目の御質問でございます。
 二点目は、私は専門が知覚心理学なので、郵政省にお尋ねをします。
 これまでもこの委員会で何回もシミュレーションシンドロームについて、あるいはメディアリテラシーについて、メディアと子供とのかかわり方について随分議論をしてきたつもりでございます。しかし、コンテンツについては今までやってきたけれども、知覚については議論がなかったというその認識については、私は大変な不満を持っています。
 また、今回のポケモンのゲームは、ロールプレイングゲームですね。ですから、刺激の強さもさることながら、そこに対する子供たちの集中度、これが大変大きな影響を与えてきます。これは、ただ知覚の刺激だけを問題にしていればいいものではない。むしろ、逆にそこにどれだけ子供たちが集中しているのか、あるいは画面の外の自分と画面の中の主人公とをどれだけ投影しているのか、大変大事なことだというふうに思います。
 私は、郵政省が早速検討会を開かれて、六月までの期間を区切ってなさる予定で、これは開かれることは大変結構なことだと思いますが、これはまだまだスタートだというふうに思います。これからもっともっと組織的にメディアと子供たちのかかわりを検討していかなければ、また同じことが起こってくるというふうに思います。このことについて、対応をいかになさろうというのか、お尋ねをします。
 それから三点目は、山内先生にお伺いします。
 私は、被害者がたくさん出てきて、先ほど一木社長のお話にもありましたけれども、自分たちは特殊な病気なんだ、あるいは特殊な感受性を持った人なんだ、そういうふうに子供たちが思われてしまう、この人権がどのように守られるか。あるいはまた、これを特殊な事例だというふうに決めつけてしまう、その危険性は、私は十分にあるというふうに思います。
 私たち知覚心理学の世界では、ある一定のフリークエンシー、ある一定の周波数を与えてしまうとだれにでも起こる知覚障害が認められています。ですから、ここで、てんかんではないということでありますが、一つの結論めいたことで子供たち、特にこれだけ被害を受けた子供たちがさらに差別やさまざまな偏見という被害を受けることについては慎重に守っていかなければいけないというふうに思うのですが、御所見をお伺いします。

○テレビ東京社長 社会的責任のとり方の御質問でございますが、やはり私どもとしては、これを機会に一日も早く結論を出して、いい番組をつくっていく、安心してアニメ全体が見られる体制を整えていくということが最大の責任を果たすことになろうか、こう思っております。これで全く万全とは申しませんが、まずそこに全力を注ぐべきであると繰り返しております。

○郵政省放送行政局長 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御専門のお立場から大変貴重な御示唆、御指導を賜りまして、そうした観点も含めて、この検討会の中で検討してまいりたいと思います。
 それから、長期的にいかがかということでございますが、これは最終的には国会で御審議いただいてのことを待たなければなりませんけれども、十年度の予算におくまして、視聴者政策と申しましょうか、視聴者保護政策の観点から十分研究を深めていこう。特に、これは先ほどお話もございましたように、これから映像文化の国際交流の時代でございますから、我が国の中でどうかということだけではなくて、広くアメリカあるいはヨーロッパ各国との間のこいった番組交流についての、そのためのいろいろな必要な条件整備等についての研究もしてまいろうというふうに考えておりますので、この問題につきましては慎重かつ迅速に対処するとともに、平成十年度においても十分な研究体制をとってまいりたい、かように存ずる次第でございます。

○埼玉大学精神医学講座教授
 今度の事件といいますか事象を境にして、一部には自分の子供が病気ではないかといった心配、それから一方ではなにも起こらなかったので安心して見られる、そういう二分法が行われておりまして、ある意味ではこれは差別につながるということは御指摘のとおりだと思います。
 これにつきましては、症状が出た人は一体どういうことであったのかといったことを科学的に明らかにして、皆さんが納得できるように、またこれから安心してテレビを見られるような状況をつくっていくべきだというふに考えておりますので、厚生省の特別研究班ではその辺のことも踏まえて、大きな心理的効果というものを踏まえて、明快な答えを出せるように努力したいというふうに思っております。