本会議

平成10年1月28日(水曜日)

○衆議院議長 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。原口一博君。

                      〔原口一博君登壇〕

○原口一博君 私は、民友連を代表いたしまして、ただいま議題になりました平成九年度一般会計補正予算外二案につきまして、反対の対論を行います。
 本日、三塚大蔵大臣は、大蔵官僚の金融検査による汚職事件の責任をとって辞任いたしました。私は、今回の汚職事件は、単なる一部の官僚の不行跡という問題ではなく、長年にわたって培われた大蔵官僚の構造的な思い上がりと汚職であると思うのであります。景気の低迷や金融不安、橋本内閣の経済失政が相次ぐ中で、経済、財政のかなめにある大蔵省が長年にわたってこのような不祥事を平然と行ってきたことは、許されるものではありません。行政に対する国民の不信と怒りは限りなく大きいものがあり、深刻に受けとめるべきであります。
 今回、三塚大蔵大臣の辞任で一件落着とか、補正予算の成立がおくれるからとかといった次元の問題で処理されてはならないことを、私は強く申し上げておきたいと思います。

                         (拍手)

 特に、橋本総理の責任は極めて重いものがあります。また、今回の事件の真相、構造を徹底的に解明し、再発防止に真剣に取り組まなければ、国民の行政に対する信頼を回復されないことを指摘しておくものであります。
 さて、補正予算に対する反対の第一の理由は、現在の深刻な景気の低迷、金融の不安にほとんど役立つことができず、不十分のきわみであるということであります。
 橋本内閣は、昨年来、消資税を五%へ引き上げ、特別減税を打ち切り、さらには国民医療費の引き上げ等によって九兆円にも上る負担を国民に押しつけたのであります。これによって、個人消費を中心に景気は急激に悪化し、株価下落が進行いたしました。
 さらに、株価下落が引き金になって、昨年十一月には三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券など大手金融機関の相次ぐ破綻が起こりました。これを背景に、内外の投資家からいわゆる日本売りが進み、大幅な円安、株安が加速したのであります。
 さらに、景気回復への道筋が見えない中で、金融機関の不良債権処理は進まず、貸し渋りにより中小零細企業は深刻な経営危機に立ち至っているのであります。デフレ経済の渦中に緊縮財政を進めてきた橋本内閣の政策の行き詰まりは、既に明らかになったのであります。

                         (拍手〉

 我々は、三兆円の所得税、住民税の恒久化、法人税率の引き下げ、有価証券取引税の廃止、土地住宅等の政策減税で合計六兆円規模の減税を要求してきておりますが、橋本総理はこれまで、財政改革の手を緩めることによって仮に多少の刺激が可能となったとしても、それはその手を引いた瞬間にむしろ経済はおかしくなってしまうというふうに述べられました。また、特別減税の財源が赤字公債であったことも御存じのとおりであります、この特別減税を継続するために赤字国債を増発し、地方財源を含めた消費税率を引き上げずにそのままでいき、さて、それで我が国の経済にはプラスがどこまで出るのでしょうか、私はより被害が大きいという気がしてなりません、この御発言は、昨年二月四日の総理の衆議院予算委員会での答弁であります。
 すなわち、総理は、所得税減税をやれば経済がおかしくなってしまうといったことを繰り返しておっしゃってきたわけであります。
 今回の補正予算案は、明らかに橋本内閣の政策転換であります。にもかかわらず、総理は、この経済失政に対して、きちんとした国民に対する謝罪と政策転換に対する明確な説明をなさっていないのであります。
 しかも、減税は、我々の主張とかけ離れた二兆円の一回限りの特別減税であります。これでは景気回復に大きな役割を果たすとは到底考えられません。しかも、余りにも遅すぎるのであります。いわば証文の出しおくれであります。こうした補正予算の内容は、今の深刻な経済情勢に極めて不適切であります。
 第二に、今回政府が示した金融システム安定化対策は、預金者保護にとどまらず、金融機関の救済に公的資金を導入するという極めて納得のできない内容をはらんでいることであります。
 少なくとも、公的資金を投入するにしても、まず第一に金融機関の経営資任と行政の監督資任を明らかにし、かつ、不良債権や金融機関の経営内容などの情報開示を徹底することが大前提でなければなりません。
 そして、公的資金、すなわち国民の税金は、金融機関の破綻処理に伴う預金者保議のみに限定されるべきであります。しかし、政府の金融安定化対策のための緊急措置に関する法律案は、一般金融機関の優先株等を整理回収銀行が引き受けるスキームを含んだ金融機関救済のための法案であると言わざるを得ません。
 我々は、予算総則第七条二十五項に関して、預金保険機構による十兆円の金融危機管理勘定への借入金等の政府保証に係る記述を削除すべきことを主張いたしております。
 さらに、預金保険機構による借り入れ等の政府保証はできるだけスキームを単純化すべきとの観点から、「預金保険機構債権及び」の記述を削除することを要求いたし、私の反対討論を終わらせていただきます。

                         (拍手)