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○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 これより会議を開きます。
沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めることとし、小渕外務大臣、小里総務庁長官及び鈴木沖縄開発庁長官の所信に対する質疑を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。
○原口委員 民友連の原口一博でございます。
きょうは、お二人の大臣に、まず北方問題についてその御所見をお伺いしたいと思います。
昨年十月のクラスノヤルスクでの日ロ首脳会談以降、日ロ関係というのは大きく進展しているというふうに思います。また、小渕外務大臣の二月の訪ロでそれがさらに進展をして、私はこれは素直に評価をしたいというふうに思います。そのときにどういうお話を外務大臣はなさったのか、また、四月のエリツィン大統領の訪日の環境整備をどういうふうになさっているのか、御決意とあわせてお尋ねしたい。
そして、2000年までに、今世紀中に起こったことは今世紀中に解決する、これは大変大事なことだというふうに思います。そういう意味で、平和条約の締結に向けての御決意をあわせてお尋ねしたいというふうに思います。
また、二○○○年にはロシアの大統領選挙があります。そして、来年は議会の選挙です。この一年というのは大変重要な年である。一気呵成に、この日ロの北方領土問題に対する理解、そして返還に向けての努力をやるべきときだというふうに思います。総務庁長官も、大変なハーレーダビッドソンの御愛好家だそうでございますが、大きな馬力でもって一気呵成に、ビザなし交流の拡大についてももっと積極的にやるべきではないか。港を整備したり、あるいは日本語教師、聞くところによりますと一人か二人ということでございますが、宿泊施設を整備したりして、この環境をこの一年間に整えていくことは大変大事なことだというふうに私は思いますが、御決意を両大臣にお尋ねしたいというふうに思います。
○外務大臣 原口委員御指摘のように、ここ一両年は日ロの平和条約締結に向けての、ある意味では最大のゴールデンチャンスと言ってもいいという認識をいたしております。それは、過去五十二年間不正常な関係になっておりまして、この間、政府、国民も悲願を込めて、対ソ、現対ロの関係を進捗いたしめる努力をし、何回かの機会があったと思っておりますが、なかなかその実現を見なかったということでありますが、御指摘のように、クラスノヤルスク以降、橋本総理、エリツィン大統領ともに、今世紀中に解決しなければならないという気持ちは、私はかなり真実のものだというふうに認識をいたしております。
それは、先般私は、ロシアに参りましたときに大統領初め要路の方々にお話をいたしましたが、大統領自身が四月に参ることは当然ですが、その後、ことしの秋に橋本総理、あるいはまた来年は、みずからもまた九九年に向けてかなり決意を示しておられるように拝察をいたしてまいりました。
そういった意味で、これから時間は短うございますけれども、2000年までにぜひ、東京宣言に基づきまして多年の懸案を解決すべき絶好の機会と考えておりますが、ただ、この大統領の御決意だけでなくて、ロシアにおけるそうした国民的な理解も得ていかなければならないことは私も認識をいたしております。そういった意味で、これから議会人同士の接触あるいはそういうものを積み重ねることによって、最終的には双方とも議会の承認を得なければなりませんので、ぜひ、政府としては全力を挙げていきたいと思っておりますが、議会の立場からでも御支援をいただきたいと思っております。
○総務庁長官 ただいま外務大臣の方から強い方針、そしてまた決意をお述べになったところでございますが、私ども総務庁といたしましては、御承知のとおり、先ほどお話がございましたとおり、交流あるいはまた啓発事業を積極的に詰めていかなければならないと思っておる次第でございます。
殊に、日本国民と北方四島在住ロシア人との相互理解を深めるために、北方領土問題の解決に寄与することなどを目的といたしまして、御承知のとおり、平成四年以来、六カ年間におきまして約四千五百人の相互交流が行われたわけでございまして、これらの事業等をさらに積極的に進めてまいる必要があろうか、さように考えておる次第でございます。
○原口委員 この一年というものの大きさ、そのことに思いをいたして、私たち立法府も全力でこのことに取り組まなければいけない、そのことを申し上げたいというふうに思います。
次に、沖縄の問題については、普天間飛行場の返還、これは火急の課題でございます。そして、総理が決断をなさり、一つの方向をアメリカとの間で出された。これは、沖縄の長い間の基地の重圧、こういったものにこたえるという意味でも大事な決断であったというふうに思います。ところが、今、きのうもそうでございますが、大田知事の今の反対表明ということになって、私たちはこれをどういうふうにソフトランディングすればいいのか、そのことに知恵を出していかなければいけない、そういう時期に来ているというふうに思います。
まず、所信表明の中で外務大臣は、沖縄の県民の心、痛みについて思いを語られましたけれども、そのことについてどういう御認識を持っておられるのかお尋ねをしたいというふうに思います。
○外務大臣 沖縄には米軍の施設・区域が集中をいたしておりまして、そのことによりまして、沖縄の県民の皆さんが極めて大きな負担を強いられてきたということでございます。そういった意味で、政府といたしましては、その基地の整理、縮小、統合というものについて今日まで努力をいたしてまいりましたが、特に、橋本総理がクリントン大統領との間に取り決めましたこの普天間の基地返還、移設という問題について、これを実行するということは大きな弾みになるわけでございますので、政府としては、ぜひこのことを地元の御理解も得ながら実行していくように、さらにさらに粘り強く努力していきたいと思っております。
○原口委員 予算委員会でもこのことについて審議がありましたけれども、代替案のいわゆるヘリポートでございますが、総理はこのようにおっしゃっています。サンタモニカの日米の首脳会談、これは一昨年の二月二十三日だったと思いますが、そこでこの話が出た。そのときに総理はこんなふうにおっしゃっています。「当時、サンタモニカに出発いたします前、政府部内における、また、そのほかからの私に対する助言は、サンタモニカで普天間の問題を取り上げるべきではないという意見具申のみでありました。」つまり、行政当局は総理に対して、このことは持ち出さないでください、持ち出さない方がいいんだというふうなことをおっしゃった。それで、「それだけに、現地に参りますまで私自身が心の中で、取り上げるべきかどうかを自問自答」いたしましたというふうにおっしゃっています。
外務省にお尋ねします。このときに総理に対してどういう御助言をなさったのか、どういう情報を上げられたのか、そして議題として適当と考えておられたのか、外務省にお尋ねします。
○外務省北米局長 お答え申し上げます。
平成八年の一月でございますが、橋本総理は大田知事との会談において知事より、普天間飛行場について、市街地の中に存在し住民の暮らしと隣り合わせになっており危険だ、一日も早く動かしてほしいという要請を受けたことを踏まえまして、今委員御指摘の同年二月のサンタモニカにおける日米首脳会談に臨むに当たり、普天間飛行場の問題について触れないわけにはいかないと判断されて、クリントン大統領に対してこの問題を提起されたわけでございます。
外務省としては、当時、米軍施設・区域が集中していることに伴う沖縄県民の方々の御負担を可能な限り軽減するために、日米安保条約の目的との調和を図りながら、沖縄における米軍施設・区域の整理、統合、縮小あるいは関連する問題について誠心誠意取り組んでいこうという姿勢のもとで、SACOにおける米国政府との共同作業を通じて、現在最大限の努力を払ってきているところでございます。
○原口委員 質問に簡潔に答えていただきたいのですが、先日、三日でございますか、アメリカの会計検査院のレポートが出ました。いわゆるGAOがSACOの最終報告に関するレポートをまとめて議会に提出しているわけでございますが、これによりますと、移転に伴うアメリカ側の負担は十年間で一億九千三百五十万ドル、こんな巨額なものになる。また、そのときに、仮に建設費を四十億ドルだというふうに見積もったとすると、年間二億ドルの維持費がかかる。あるいは、普天間の飛行場を移す、そのときの有害物質の除去の負担をすることになれば、さらにそのアメリカ側の負担は拡大する。また、技術的にも難しいし、サンゴ礁の環境、そういったものを考えても、非常にこれは難しいということをアメリカ側のレポートが言っています。私はここで問うておかなければいけないのは、このときの詰めが非常に甘かったのではないか。政府部内での、あるいはSACOの対応の甘さも私は指摘されるべきであるというふうに思います。
これは、三月の三日、アメリカのプルッキングス研究所がこういう指摘をしています。海兵隊はオーストラリアと韓国に三分の二を展開して、そしてこういう巨額な費用を使うべきでない。これはマイク・モチヅキさんという方の論文でございますが、いわゆる今の政権を支えている政党のメーンのシンクタンクであるブルッキングス研究所がこういう論文を出している。
これはこの院の質問の中にも何回もありました。今の沖縄の兵力、これがどうして今のままあるべきなのか、そのことについての明確な判断材料を私たちに外務省は出していただきたい。なぜここに海兵隊が今のまま展開すべきなのか、そのことについての材料をお出しいただきたいと思うのですが、外務省、いかがですか。
○外務省北米局長 まず、御指摘のGAOの報告でございますが、これは米国会計検査院でございます。カリフォルニア州選出のハンター下院議員の要請により、SACO最終報告の実施、特に普天間飛行場の代替施設としての海上施設が在沖米軍に及ぼす影響に関し調査の上、三月二日に報告書を提出したというふうに承知しております。
それから、ブルッキングスのマイク・モチヅキ研究員等のいろいろ論文があることも承知しておりますし、米側にいろいろな形で意見があることは私どもも承知しているわけでございます。
GAOの報告書に関して申し上げれば、GAOそのものは連邦議会の補助機関でございます。議会の中の機関でございますが、これが独自に調査し、いろいろな試算をしたというふうに聞いておりまして、私どもも、米国防省、つまりSACOの問題を具体的に我々と協議している米国防省に確認しているわけでございますが、米国防省も、この報告書に記載されている金額についてはあくまでGAOの推計値であり、国防省としてはその根拠を承知していない、こういう回答をいただいているわけでございます。
最後の点でございますが、なぜ、海兵隊を含むと申しますか、在沖米軍部隊を維持する必要があるのかということの根拠でございます。
これは、いろいろな角度から御議論いただけると思いますが、基本的には、クリントン大統領と橋本総理がまとめられました日米安全保障共同宣言にございますとおり、冷戦後の現在の国際社会においても引き続きこの地域に不安定要因が存在するという中で、現在の米軍のこの地域の展開というものは引き続き必要であるということは日米両国政府の共通の認識であるということが確認されておりまして、その共同宣言の中にいろいろな形で、そういう前提のもとにどういう努力をしていくかということが書かれているわけでございます。
その中で最も重要な点は、沖縄県に多大な負担をお願いしております米軍基地の存在、これについて整理、統合、縮小をできる限り進めていくということで、まさにSACOのプロセスによって努力をし、一昨年の十二月に最終報告を得たということでございますので、SACOのプロセスそのものが、まず現在のこの地域の国際情勢に照らし米軍のこの地域の展開の水準そのものは前提としている、その中で最良の選択肢を考えてきたという経過でございます。
○原口委員 アメリカの連邦議会のGAOがこれを出したというのは大変な重みを持つというふうに思います。国防総省の予算も連邦議会が決めるわけです。私たちが、この立法府が行政府が出される予算を審議し、それを決定するのと同じだけの重みを持つわけであります。
私たちがこの委員会で沖縄を視察させていただいたときに、ある方がこういうことをおっしゃっていました。アメリカの軍用機と日本の軍用機と同じ音には聞こえないのです、アメリカの軍用機の音は耐えられない。これはどういうところに起因しているのか。私たちが最も大事にすべき沖縄の皆さんの主権、この主権が長い間侵害され続けてきた。沖縄の皆さんからすると、これを、国会議員を選び、あるいは地方議員を選び、そして意思を表示することによって変えることができるのであれば、その二つの同じ軍用機の音は同じ音に聞こえるだろう。しかし、そうではない。これはどんなに声を大にしても、このSACOの最終報告の中にも、確かに基地の整理縮小というものは書いてある、しかし、米軍のプレゼンス、その米軍の人員を減らす、そういったことはどこにも見受けられない。この後沖振法の審議をいたしますけれども、その前提となる沖縄県民の人権、このことを一刻も早く回復する、これが政治の務めであるというふうに思います。
外務省にさらにお尋ねをしますが、我が国に駐留するアメリカの軍隊、その皆さんの施設ごと、区域別の兵力及び日本の国が出している経費、この内訳をお出しいただけますか。
○外務省北米局長 お答え申し上げます。
突然の御質問でございますので、検討させていただきたいと思いますが、御承知のとおり、日本政府は、日米安保条約に基づく地位協定に基づきまして必要な経費負担をしております。それに加え、例えば提供施設整備等も行っております。これを具体的には防衛施設庁の方の予算で毎年計上し、国会の御承認を得て米側に提供しているという経緯がございますので、その具体的な数字については別途御説明させていただきたいと思います。
○原口委員 委員長にお願いいたしますが、理事会でお諮りいただいて、この資料を提出していただくようにお願いいたします。
○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 理事会にてまた協議いたします。
○原口委員 私は、フォーリン・アフェアーズの論文を読んで憤然といたしました。この九月、十月号でございますが、ブレジンスキーさんという外交戦略家がこの中で日本について述べています。日本は事実上アメリカのプロテクタラットである。プロテクタラット、非常に耳なれない言葉です。プロテクタラットというのはどういう意味ですか。
○外務省北米局長 適切な訳であるかどうかは自信がございませんが、通常は保護国という言葉になろうかと思います。
○原口委員 今おっしゃったとおりです。保護国あるいは従属国ということを言っているのです。
このブレジンスキーさんという方はカーター政権の大統領補佐官であります。そういう人がこんなことを言っている。これは冷静な地政学上の戦略研究の中でおっしゃっていますから、私たちも感情的な議論を返す気はありません。しかし、ここで私がぜひ指摘しておかなければいけないのは、日本の主権、日本の国益、これをしっかりと議論するためにも、そのもとになる材料を外務省は私たちに出してください。
アメリカの中の世論も随分違うと思います。あの不幸な婦女暴行事件が起こったときに、クリントン大統領はみずからおわびをなさり、アメリカの上下院でもって議決がありました。そして、おわびがあった。アメリカの世論も一つではありません。そういったことを踏まえながら、沖縄の痛みに思いをいたすということは現実に沖縄米軍を減らしていくことだということを強く訴えまして、私の質問にかえさせていただきます。
ありがとうございます。
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