沖縄及び北方問題に関する特別委員会

平成11年12月13日(火曜日)

○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。

○原口委員 民主党の原口一博でございます。
 まず北方問題について、外務大臣それから官房長官の御所見を伺いたいと思います。
 先日、当委員会でロシアへ参りました。そのときに、国境の問題について、そして四島の帰属の問題について、ロシアにある資料も拝見をさせていただきました。
やはり、こういった資料が私たち日本側にもオープンになる、これはロシアの改革が一定限の成果を見ているんだ、大変喜ばしいことだというふうに思います。
 そこで御質問でございますが、北方領土返還、日ロ平和友好条約の締結の見通し、これをどのようにお考えになるのか。今世紀中に起きたことは今世紀中にという前の橋本内閣、それからエリツィン大統領とのその会談もございました。その中で、その見通しについてどのようにお考えになっているのか。
 特に今、チェチェン問題を初めとしてロシアの状況は大変流動的になっています。このチェチェンの問題について外務大臣にお伺いしますが、どのようなスタンスで日本は向かうのか、そして今後の交渉日程をどのように詰めていくのか。
 この二点についてお尋ねを申し上げます。

○外務大臣 委員御承知のとおり、日ロ間の問題解決は、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、これが我が国の一貫した日ロ間の交渉に臨む態度でございます。
 この四島の帰属の問題を解決をするということについては、両国首脳においてさまざまな議論がございます。特に近年では、東京宣言あるいはクラスノヤルスクでの話し合い、あるいは川奈、こうした場面場面を通じまして、エリツィン大統領と我が国首脳との間には極めて前向きのやりとりが行われているというふうに私は承知をいたしております。ただ、しかしながら、まだ最終的な場面というところに到達をしておりませんことは甚だ残念なことでございます。
 考えてみますと、こうした領土問題に絡みます交渉でございますから、やはり何といっても、首脳間の会談が持たれて、首脳間で合意がなされなければ問題は解決をしないというふうに私は思います。
 ただ、考えてみますと、我々が思い出す限りにおいて、ロシア側の首脳がこれだけこの問題にかかわって、日ロ間で話し合った首脳というのはエリツィン氏しか思い出さないと言っていいと思います。したがいまして、エリツィン・橋本会談あるいはエリツィン・小渕会談、こうした双方首脳の間で話し合いが持たれました問題を、何としてもエリツィン氏を相手に我が国としては詰めたいという気持ちがあるわけでございます。
 したがいまして、我々としてはエリツィン大統領の訪日ということにこだわって、ぜひ訪日をしてもらいたい。これは先方も訪日すると言っているわけでございますから、その条件を整えて、エリツィン氏の訪日を待って、両国首脳によってこの問題についても十分な、踏み込んだ話し合いをしてほしいものと考えているわけでございます。
 御承知のとおり、年内の訪日ということを我々は期待をいたしておりましたけれども、残念ながら、エリツィン氏の訪日は来年春という、若干抽象的な言い方でございますけれども、来春ということに双方話し合いができております。この来春のエリツィン大統領の訪日に向けて、事務的には精力的に準備をしようということをお互い言い合っているわけでございます。
 それまでの間に、ロシア側からは外務大臣の訪日ということも予定をされているわけでございまして、これら一連の会談を通じまして、首脳間の話し合いの下準備といいますか環境整備といいますか、そういったことができればいいというふうに、私どもとしては強く期待をしているところでございます。
 もう一つの御質問でございましたチェチェン問題でございますが、これはまた、ここ一両日間の動きは我々にとって極めて心配な動きでございます。
 私は強い関心を持ってこの問題を注視しておるわけでございますが、極めて心配な状況、そして私どもとしては、ロシアにおいて適切な処理をしてほしい、適切な判断をしてほしい、こう申し上げていいと思います。
 と申しますのは、やはり何といってもテロに対する対応は毅然とした対応が必要だというふうに考えております一方で、人権問題というものもまた、ないがしろにはできないことでございます。何といっても、ロシア当局において適切な判断をしてもらいたいということを今申し上げていいところだと思います。

○原口委員 私はこのチェチェンの問題についても同様の憂慮をするものであります。
 この北方四島の帰属の問題は、国際法と正義に基づいて両国の民主化、これがある意味では試されている、あるいは両国の将来が一つ象徴的にそこにあらわれている問題であるというふうに思います。重ねて申しますが、両国の交流、そして法と正義に基づいて一刻も早くこの四島が日本に返ってくること、そして日ロの平和友好条約を締結すること、ここに向けて政府のさらなる努力を求めるものであります。
 そこで、総務庁にお尋ねをしたかったのは、来年に向けてのこれまでの取り組みの政策評価についてでございました。中央省庁再編基本法の中でも、数値でしっかりあらわさなければいけない、そしてそれがどのような政策効果をあらわしたのか、それを説明する義務を持っているということでございましたが、果たしてそれがどこまでいっているのか。
 運動にかかわる人たちの熱意、その努力を私は多とするものでございますが、先日、これは平成十年ですから一年ぐらい前でございます、日ロの共同世論調査、朝日新聞とタス通信とでやった中には、二〇〇〇年までに平和条約が結ばれると思うか、日本側では思わないという答えが非常に多かったわけであります。さらなる広報をこれはやらなければいけない、このことを御指摘を申し上げたいというふうに思います。
 また、北方四島の皆さんは海で生きる方々が大変多い。そういう中で、日ロのビザなしの交流、さまざまな交流が進んできました。一方で、そういう皆さんからは、海の情報、気象の情報、日本側のNHKやそういうラジオの天気の情報、そういったものもぜひ欲しいという要望もございます。そういった真摯な交流の態度がこの問題についての道筋をつけていくものだというふうに思っています。
 時間が限られておりますので、沖縄の問題について、総務庁長官はきょうおられませんが、官房長官、それから外務大臣にお伺いをしたい。
 嘉手納のRAPCONの返還の課題については、この国会で、外務大臣、一つの方向を出されていますが、沖縄県の皆さんの要望を米側に伝えるという御答弁をなさっています。私は政府としての態度もしっかり伝えるべきだ、これが第一点。 それから、第二点は、日米の地位協定、今我が党の上原委員からお話がございましたが、さまざまな改定が必要、見直しが必要な時期に来ているというふうに思います。これは、私は環境の問題についても同じことが言えると思います。協定が結ばれたときには想定できなかったようなさまざまな環境浄化の問題、こういった問題も私たちは地位協定の見直しの中で果たしていかなければいけない、その問題についてどのように考えておられるのか、そして地位協定を見直しをする、そういう意思がありやなしや、お答えをいただきたいというふうに思います。

○外務大臣 RAPCONの問題は原口委員が早くから取り上げられて、地元の事故も絡んで、一日も早く、この問題については我が国でもっと積極的に対応するようにという御指摘がございました。私どもからそのときに、分科会でいろいろ議論をしてきたけれども、今度は日米合同委員会の席上でこの問題を日本側から提
起をいたしましたということをお答えしたわけでございます。
 その当時、県民から強い要望があるということを申し上げたわけでございますが、当然、日米合同委員会は我が国政府として出席をしているわけでございまして、この問題は、我が国政府といいますか、我が国としての問題提起であるというふうに米側が受け取るのは当然だろうと思いますし、私どももその心構えで問題提起をいたしておるところでございます。
 環境浄化の問題は、確かに新しい問題として我々が相当真剣に取り組まなければならない問題であることは、申し上げるまでもないと思います。この環境問題につきましては、我が国の国内法上の基準とアメリカの国内法上の基準のうち、より厳格な方を選択するという基本的な考え方のもとに環境管理基準というものを作成いたしまして扱っているというのが現状でございます。
 こうした現状を踏まえまして、今議員から地位協定についてもお触れになりましたけれども、私どもといたしましては、環境分科会などを、これは日米合同委員会のもとにございます環境分科会でございますが、こうしたものを活用して、米軍の活動に当たって我が国の公共の安全や国民生活に妥当な考慮が払われるように対処をしなければならない、こう考えておるところでございます。
 現時点におきましては、そうしたことをでき得る限り早急に行いまして、日米合同委員会の枠組みなどを通じて適切に対処をしていきたいというふうに考えているところでございます。

○原口委員 まとめて官房長官にお尋ねしますが、今の問題、外務大臣から一定の前向きの答弁をいただいたと思いますが、アメリカ政府、国防総省は、九〇年に入ってから、随分環境に対する基準というのを明確にする動きがあります。これは一定の評価をするものです。しかし、それらは例外が多い、そして基準がアメリカ国内のものに比べてあいまいである、このことも見逃せない事実であります。
 基地の返還時の原状回復、補償義務は、アメリカとパナマの間の地位協定にはしっかりとうたわれている。また、ドイツの場合は、一九九三年にいわゆるボン補足協定というものが改正されて、ドイツの駐留NATO軍へのドイツ国内法適用を規定する条項が大幅に拡大をされています。アメリカ軍とよその国との地位協定についてしっかり入ってきていて、まだ我が国についてはそれはない、まだそれは途上である、この認識を持つ必要があるというふうに思いますが、官房長官の御決意をお尋ねしたい。

○内閣官房長官 議員御指摘のように、地位協定が締結された当時は想像できない環境汚染問題が今問題になっておるということは、私も十分承知をいたしております。先ほど外務大臣がお答えなさいましたように、我が国の国内法上の基準と米国の国内法の基準の中でより厳格な方を選択するという基本的な考え方に立って、現在そういう問題が処理されておることも十分承知をいたしております。
 日米地位協定の第四条は、施設・区域の返還に対しては、米側の義務と日本側の義務との均衡を図っているものであると承知をいたしておりまして、同条があるからといって、在日米軍が施設・区域内における活動に際して我が国の公共の安全や環境の保全を無視していいということでは決してないと私どもは考えておりまして、そういう中で、日米地位協定についても、今後環境の変化等を考えながら我々も対応していかなきゃいかぬ問題だ、そういうふうに考えております。

○原口委員 四条は、施設・区域返還の際のアメリカの原状回復、補償義務、このことについては明確に規定していません。むしろそれは免除ととれるかもわからない。こういった問題について政府が真摯に答えを出していくことが、普天間の基地の返還、これまでの沖縄の苦渋の歴史にこたえることだということを御指摘させていただいて、質問を終わります。

○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 これにて原口一博君の質疑は終了いたしました。