
■ 予算委員会 |
平成12年2月21日(月曜日) |
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| ○予算委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。 ○原口委員 民主党の原口一博でございます。 きょうは以下六点にわたり、予算並びに基本的な政策課題についてお尋ねをしたいと思います。 まず、大蔵大臣にお尋ねを申し上げます。 いよいよ現行憲法及び憲法調査会で始まった憲法論議に対して、私たち政治家の姿勢が問われています。そこで大蔵大臣、長い間政権の中枢におられ、そしてこの国を引っ張ってこられたその立場で、現行の憲法に対して、そしてこの始まった憲法調査会についてどのような御所見をお持ちか、まずお尋ねを申し上げます。 ○大蔵大臣 所管のことではございませんけれども、それを御承知の上でお尋ねであると思いますので、憲法調査会ができまして現行の憲法についての諸種の調査審議をなさるということは、私は基本的に賛成でございます。 次に申し上げたいことは、戦前から生きてまいりました、また軍隊にも参りました人間として申しますことは、日本は自衛隊を外国に派遣するようなことがあってはならないということは、今日まで続けて考えてまいりました。自衛のために何をしてもいいということは、もちろん当然のことでございます。しかしながら、そうではあっても、自衛隊を外国に派遣するということは、言い直させていただきます、日本が外国で武力行使をするということは、私はどういう理由であれ、決して国のためにいいことではない、国外で、外国で武力行使をするということは、決して日本のためにならないということは、いまだにその考えは変えておりません。 ただ、最後に申し述べますことは、そういうふうに今まで考えてまいっておりますけれども、新しいジェネレーションが誕生されて、日本の将来についてまた別の考えを持ち、別の決断をされることは、それはあり得ることでございますけれども、それは恐らく自分がもうこの世の中にいないときのことであろう、それについては私は何も申すことができませんので、ただ、私が聞かれれば、日本は外国で武力行使をすることがあってはならないということは、私はやはり大切なことだと思っています。 ○原口委員 ちょうど大蔵大臣とは四十違います。倍の年齢差があるわけでございますが、今の率直な御感想、私は、みずからの国の憲法をみずからの言葉で語る、このことは大変大事なことだというふうに思います。しかし、今大蔵大臣がお話しになりましたように、そこにも一つの、一定ののりがある、ここから先には進んではいけない、そのことを自重しながら憲法論議をしていかなければいかぬというふうに思います。 また、私は、九十九条、まずそこの部分をやるべきだというふうに思います。九十九条は憲法の尊重擁護義務でございます。幾らすばらしい憲法をまた別につくったとしても、それが守られなければ、それはまじめな議論とは言えない、国の基本法とは言えないというふうに思います。 御自身の生のあるうちは、武力行使を日本が外国でするということは、どういう理由であれ、国のためにいいことではないということでございますが、今大変な財政赤字でございます。この財政赤字を解消するまでは努力が必要です。ぜひ元気でいていただきたい、このことを申し上げます。 私は、続いてPKOについて議論を申し上げます。 PKOの、今ゴラン高原に展開をしている部隊、七次にわたり大変な御努力をされているわけでございますが、これについての評価、それからPKFの凍結解除についての基本的な見解を、官房長官、そして、きょうはまだ外務大臣がアメリカから帰ってこられている途中でございます、そういう意味で、外務統括政務次官に、同じ質問をお二人にいたします。 ○内閣官房長官 お答えをいたします。 我が国は今日、国際社会の中で重要な地位を占める国になっておることは、議員も御承知のとおりであります。これに伴い国際社会に対する責任もまた増大いたしております。このような地位と責任に見合った貢献を行うということは、国際社会の一員として私は当然の責務である、そういうふうに考えております。 また、PKF本体の業務の凍結解除につきましては、目下、与党三党・会派の中で行われております凍結解除に向けた真摯な議論がさらに積極的に進むことを強くお願いを申し上げますとともに、その上で、政府といたしましても、我が国が国際社会に対して応分の貢献を行うことは当然であるとの認識のもとにしっかりとした対応を行っていきたい、そのように考えております。 ○外務政務次官 お答えさせていただきます。 委員御指摘になりましたとおり、今外務大臣がアメリカに出張しておりますので、かわって答弁させていただきたいと思います。 御案内のとおり、PKO活動というのは、一九四八年以来五十年を超える形で、国際社会全体が平和と安全のために、ある意味で世界全体の知恵を結集して、国際社会から紛争をなくそう、そしてまた紛争があったところでも、それに対して今後平和を回復し、そしてまた復興のために全知恵を結集して活動している問題だというふうに思います。 その上で、今まで約五十三のPKO活動があるわけでございますが、現在日本が、いわゆる国際平和協力法案をここで通していただいて、そして現在十七のPKO活動が世界で展開されているわけです。そのうちの一つが、御指摘になりましたいわゆるゴラン高原での活動に日本の部隊も派遣させていただいている。今日まで九つのいわゆるPKO法に基づく要員の派遣を行い、そして世界各国から御案内のとおり多くの、また大変高い評価を受けているものでございます。 現在は、PKO法に基づいて派遣しているのはゴラン高原だけでございますが、先ほど官房長官からお話ありましたとおり、日本が国際社会の平和と安全に対してより積極的に行っていく、また行っていくようにしていく上での一つの重要な示唆を投げかけてくれているのではないのかと積極的な形で評価させていただいているところでございます。 以上です。 ○原口委員 外務政務次官に重ねてお尋ねをしますが、現地に派遣されている部隊の皆さんは、先ほどの武器の使用のことで大変な御不便と、そしてその指揮官の任に当たる人たちも多くの苦痛を感じている。そして、実際に他の部隊が、その隣に展開している部隊が攻撃を受ける、そういったときも我が国のPKO部隊は一定の制約がある、その中で私たちに何をしろというのかという御指摘がございます。 政務次官は、昨年、一緒にあるところでディベートをさせていただきましたが、そのときには明確に言い切っておられます。政治家が判断していないんです、総理大臣の諮問機関にすぎない内閣法制局長官という官僚の言葉、これがすべての判断になっている、そうではない、憲法九条で禁止している武力行使には、国連の平和活動に参加することは含まれていないという明確な判断をしている。 私は、これは逆ですね、国連の平和活動をすることを憲法九条は禁じていません。そして、今のような状況でPKOを送ることによって我が同胞の命が大変厳しい状況になっている、このことを百も承知なんではないかというふうに思いますが、政務次官、現地のPKO部隊の状況をどのようにとらえておられるか、お尋ねを申し上げます。 ○外務政務次官 私は今まで、政治家ですから、いろいろな場でいろいろな自分自身の信念、そして考え方、また国際社会の現状を踏まえた上で、この場でもいろいろと発言をさせていただきました。 ただし、昨年の十月の五日、第二次小渕内閣におきまして、政府の一員として外務総括政務次官を拝命いたしました。当然、小渕総理も外務大臣も、私が今まで言ってきている主張、意見、考え方、これはすべてわかってくれた上で登用してくださっているというふうに理解いたします。 そして、ここで、もちろん個人的にはいろいろな形でもって委員と議論させていただきたいと思いますが、今は政府の一員でございます。そして、行政をつかさどります。したがって、それぞれの具体的な活動に関しては当然その上で動いていかなければならない、したがって個人の発言は控えさせていただきたい、そのように思います。 その上で今のことに関して申し上げれば、ゴラン高原における活動についての御言及だと思いますけれども、個々の活動それ自体については、今私は掌握しておりませんので、詳細にわたっての答弁はできませんけれども、一般論として言えば、あくまでも私たちが国際平和協力法にのっとって要員を派遣するためには、いわゆるPKO五原則に基づいて派遣しているわけでございますから、当然、今御指摘なされたような、五原則に基づく任務を遂行していく上での何らかの阻害要因があるという形での報告は受けておりません。 ○原口委員 政府に入った途端に、やはりお立場はある、そこは私も認めます。しかし、現実に展開している人たちがどのような状況になっているか。もうこの法律ができてから随分な時間がたちました。そして、途中で見直しをするということもそのままになってきた。一部の改正はありました。しかし、そういうことがずっと行われてきて問題が先送りされてきたこと、しかし、現地で生身の人間が展開をしていること、これも事実なわけであります。 ある方の御報告によると、携帯する火器が限られているために、我が国のPKO部隊は、他国の同部隊からも、あるいは現地での行動も大変な制約を受けている、いつまで手足を縛るんですかと。そういう現状を政務次官は百も御承知ではないですか。そういったことに怒りを持って行動をされてきたんではないですか。 今、個々の事案を自分はつぶさに知らぬというふうにおっしゃいましたが、果たしてそうでしょうか。今政治が信頼をされていないのは、立場が変わった途端に全く今までとは逆のことを言う、あるいはメッセージが非常にあいまいになってしまう、こういうことだというふうに思います。 政務次官、御自身がおっしゃっていたことをここで全部おっしゃってくださいと言う気はありません、内閣の一員でいらっしゃいますから。しかし、現状のそご、これは、あるという報告を受けていないということだけでは私は納得ができないわけでございますが、もう一回御答弁をいただきたいと思います。 ○外務政務次官 委員、大変恐縮なんでございますが、ポイントを私がちゃんと理解しているかどうかわからないんですが、国際平和協力法案におけるどこのポイントが問題なのかということについておっしゃってくださればより議論がしやすくなるんだろうと思うんですが、もし私が誤解がなければ、いわゆる国際平和協力隊員以外の国連ボランティア、あるいはNGO等の我が国国民、あるいは外国の要員の生命等を守るために武器を使用できるのかどうなのかということについて質問されているのかどうか。その辺のことをまず明確にしていただきたいというふうに思います。 ○原口委員 いや、ポイントは御自身からおっしゃったわけですから、今の武器の使用の点についても、あるいは全体でこれまでやってきたPKOの議論、私は、このスタートについても大きなそごがあったというふうに思っています。 例えば、我が国は世界最大の貿易国であり、世界から大変大きな利益を受けている、だから、我が国は経済面だけではなくて人的な貢献もするのが当たり前だ、こういう議論がされました。この前提についても、本当にそうであろうか。あるいは、当時PKO法ができたときに、世界のPKOはまた別のステージに移っていました。そのステージに移っているときに、私たちは、まだ古い冷戦時代の枠組みでこのPKO法を議論がされていた、そういう認識をしています。 私は、この前段で申しましたことについても、本当に正しいんだろうかというふうに思います。我が国はお金だけ出して血を流さない、こんな強迫観念からPKOが出ているとは私も思いませんが、それに対しては敢然と反論をすべきだというふうに思います。アメリカを除く自由主義社会の中で、我が国の同胞がどれだけ世界の経済協力あるいは海外協力という中で傷つき、命を失ってきたか、このことを政府はしっかり言うべきであるというふうに思います。 また今、東政務次官がくしくも御指摘をされた、他の部隊に対する武器の使用、このことについてももう明確にしなければいけない、そのように思っています。 二点、PKO法のそもそもの基本の姿勢、もう一点は、今御自身が指摘をされた点についてどのようなお考えをお持ちなのか、重ねてお尋ねをします。 ○外務政務次官 これまで、約九回のPKO活動に対して日本は要員を派遣してまいりました。 その実態を踏まえた上で申し上げれば、もちろん、議員は国際平和協力法案が通ったときはまだ議員でなかったかもわかりませんけれども、ここで徹底的な議論を展開して、初めてのことでございました。当然、そのときにいろいろな議論がここでなされ、それを踏まえた上で国際平和協力法案が通り、そして、それに基づいて今日まで九回にわたる活動を展開してきている。それを踏まえた上で、多くの世界各国からも多大な評価が寄せられてきて、そして、日本は日本としてそれまでの経験を踏まえた上で今日に至っているということなんだろうと思うんです。 そして、御指摘のいわゆるPKO五原則の問題については、今現在、三党間においても、また原口委員も種々の御意見を持っていると思いますけれども、そういう議論を踏まえた上で、どうするのかということを決断していかなければならないんだろうというふうに思います。 現在までのところ、もう既に、総理そしてまた官房長官、さらにまた外務大臣がこの場でいろいろな形で答弁をしてくださってきておりますけれども、基本的には当然皆様方のこの国会における議論を踏まえた上で、その問題について決断していかなけりゃいけない、そういうときが来るのかもしれませんし、政府としては、武器の使用を含むPKO五原則に関しては、現在までのところ変更するという考え方はない、そういうことだと私は思っております。 ○大蔵大臣 先ほどお尋ねがございましたので、所管外のことでございますが、何かお役に立つかと思って、発言をさせていただきます。 PKOの法が成立いたしましてカンボジアで自衛隊が活躍をされました時代に、私は総理大臣でございました。そのときに考えましたことは、派遣された自衛隊の諸君が仮に火器を使用するということになった場合は、それは基本的に自衛のためであるから、したがって、指揮官が命令をして一斉に火器が使用されるというようなことはあってはならない、基本的には自衛の問題である、こういうふうに考えて、自衛隊諸君にも行動をしていただきました。 その後、幾つかPKF、そういう派遣の問題がございまして、この部分は私はやはり現実的でないという意見を持っております。 現実に派遣された自衛隊の諸君は、実際それでは行動ができないという経験をいたしましたし、したがって、その持っていく武器も機関銃一丁というような、その後に村山内閣のときにもございましたけれども、そういうふうに極端な制限をいたしました。そして、自衛隊の諸君は、絶えず隊長の命令に従えと教えられているのに、この場合には命令に従うのではない、君自身の自発的な意思でやれという教え方は、いかにも自衛隊の諸君に受け取りにくいことであったと思います。 したがって、この点については、私は、自衛隊の諸君がその任務を執行する上において自衛のためであるということ、これを外すわけにはまいりません。外すわけにはまいりませんが、あの部分は私はやはり改めた方がいいのじゃないかという感想を持っておりますことを御参考のために申し上げます。 ○原口委員 今、当時総理であった宮澤大蔵大臣から、やはり現実とのそごが出てきているというお話がございましたが、官房長官も同じ御意見ですか。 ○内閣官房長官 五原則を守るという政府の方針は、何ら変わりがありません。 しかし、法で定められたことと現地の状態と、いろいろ食い違ってくることが私は現場ではいろいろあろうと思います。そういうことも含めて、今後十分に検討していかなければいけない問題であろう、そういうふうに考えております。 ○原口委員 私は、国際社会が求めている日本の協力は何かということからやはりスタートをすべきだというふうに思います。外に出すものが自衛隊で自己完結をしている。そのPKOのあり方もあるでしょうが、そうでない、NGOやさまざまな緊急援助あるいは緊急救助、こういったものを中心とした外への貢献の仕方もあるだろうというふうに私は思います。隊員の命にかかわるようなことが、一部の政治の決断で、もしそごがあるとすれば、これを改めるにはばかることがあってはならないというふうに思います。 過去のPKOを見てみると、例えばカンボジアの状況を見ても、施設大隊がそこで展開をする、そういう必要があるであろうか。むしろここは民間のNGOやさまざまな人たちが有機的に協力をし合う、こういうことも考えなければいけないだろう。また、ルワンダについては、ここは医療援助を中心とした大変な貢献をしていただいたわけでありますが、三百六十八人の中で実際の医療従事者は七十人である、一日の診療に当たる人は五十人である、これは部隊の性質上当然だと思います。部隊という中には、やはり一線が倒れたときに後どうするか、つまりバッファーが設けられている。 私たちは限られた財源の中で有効な国際貢献をするために、ぜひこれはまた、与党三党で議論をしたからということではなくて、実際にこの自自公三党合意の中にも、きっちり政治・政策課題合意書としてうたわれておるわけでございます。「PKOのうちPKF本体業務の凍結を解除するための法的措置を早急に講ずる。PKO訓練センター等の誘致を図る。」これが自自公三党の政治・政策課題合意であります。 私は、これがこれで正しいということを言う気はありません。しかし、この国会ではない、全然別のところで合意がされて、そして短い審議時間でまた大変大事な問題が前に進む、こんなことがあってはならないし、特にこの海外援助については、強くここで私たちも考え方を申し上げておかなければいけない。それは、一九九二年の六月の議論とまた別のステージでもう議論をしていかなければいけない。PKO第一世代ではなくて、第二世代、第三世代とPKOも変質をしてきています。その中で、多くのNGOを中心としたPKO、私たちはその射程の中で議論を進めていきたいというふうに思っています。 時間が限られていますので、文部大臣にお尋ねをします。 今、子供たちをめぐる環境はとても厳しい。二年前の予算委員会で、フランスの刑法の二百二十二条を引きました。子供たちがしっかり守られているのか、子供たちをはぐくむ環境は一体どうなっているのか。そして、子供をめぐる陰惨な事件は続発をしています。この原因は一体どこにあるのか、文部大臣の御所見をお尋ねいたします。 ○文部大臣 子供たちをめぐるいろいろな陰惨な事件が起きていて、その背景といいますか、原因はどこにあるかというお尋ねでございますけれども、いろいろ考えられると思います。 一つは、いろいろな青少年の健全育成を阻害するような有害な情報あるいは玩具等がはんらんしているということも言えるのではないかと思います。 昨今のメディア、特にテレビ等の番組におきましては、性描写や暴力やあるいは刃物を使った殺傷シーンなどが随分多いわけでありまして、私ども大変心配をしているわけであります。放送業界においても自主的にこれらに精力的に取り組んでいただいておりますけれども、我々は、番組をつくる方はもとより、一人一人がこの問題を本当に真剣に考えなければならないと思っております。 これはテレビだけではありません、雑誌等についても言えることでありますが、雑誌であれば雑誌の編集者の皆さん方が、テレビであればテレビ番組をつくるディレクターの方々が、その番組を自分の子供に見せることができるか、この雑誌を家に持って帰って子供に見せられるだろうか、そういうような、本当に子供の行く末を考えて仕事もやっていただきたいと思っております。 また、番組等のスポンサーになる企業の皆さん方も、実は先日、経済団体を訪問いたしたときに私お願いしたのですけれども、経済団体ではいろいろ教育の問題について、いい提言をしていただいております。いい提言をしていただいている一方で、俗悪な番組のスポンサーになっているというのはどういうことなんですか、本当に教育のことを団体として心配してくださっているのなら、そういうスポンサーになる際にもいろいろ配慮していただきたいということを強くお願いをしてきたところでございます。 また、PTAの皆さん方によるこういう俗悪番組等のモニタリングも行っておりまして、今後、そういうような番組については私どもは積極的に、提供者にも通知をすることはもちろんでありますが、そういう番組のスポンサーになっている企業等の名前も公表することもやむを得ないかなと。ここまで子供たちが犯罪事件に巻き込まれ、あるいは犯罪を起こしているということを考えますと、私は、そこまで考えなければならないこともあるのではないか、そういうふうにも思っているところでございます。 そういう環境の問題がありますけれども、要は、家庭でお父さん、お母さん方が、子供さんが幼児期からいろいろしつけの面、あるいは人への思いやり、他人とのいろいろな相談事に乗って仲よくやる、お年寄りを大切にする等々、きっちりとしつけていくことが大事だ、私はそういうふうに思っております。 ○予算委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議 ○予算委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。原口一博君。 ○原口委員 午前中に引き続き、子供をめぐる環境について若干お話をさせていただきたいと思います。 文部大臣からお答えをいただきました。私は、メディアにだけその原因を求めるわけではありませんが、やはり自主的な規制。そして、アメリカでは、中学校を卒業するまでに一人の中学生が十万件の暴力シーン、一万件の殺人シーンを見ている。日本においてもほぼ同様の状況だと思います。また、サイバー化してしまっていて、その中でさまざまなゲームや多くのシミュレーションが子供の心に大きな影響を与えている。 これはおっしゃったとおりだと思います。 一方で、午前中、生方委員の方からも質問をされましたが、核家族化している、そしてカプセルの中で親と子が子育てにもがいている。 資料を委員長のお許しをいただいて配付させていただきましたが、資料の六をごらんいただきたいと思います。これは、子どもの虐待防止ネットワーク、CAPNAという団体の本の中から抜粋をしてきたわけでございますが、育児疲れで心中を図る、あるいは、先日の新潟の事件のように、長い期間親と子だけで問題をカプセルの中でだれにも相談できずに苦しんでいる。 こういう事案に対して、私たちは真正面から取り組んでいかなければいけない。精神障害の問題というよりも、私は人格障害の問題が起こっているんだというふうに思います。自分を導く自分をつくれない、あるいは自分をコントロールする自分をつくれない、こういったことに政治が真正面から取り組まない限り、同様の事案は後を絶たないというふうに思います。 そこで、国家公安委員長に御質問させていただきます。 この新潟の監禁の事案についても、警察も親権や民事介入等の問題により十分対応できていない。社会の秩序を守る立場から、こうした問題に対応するために専門の警察官あるいは専門官を増員すべきではないか。さまざまな問題についてきめ細かなカウンセリングや、私は警察の権力が介入すべきだとは言っていません。しかし、そうではなくて、これは文部省や政府に対しても、さまざまなステージでもって、二人っきりで子育てに悩んでいる人たち、また人格の障害、ゆがみでもって多くの人の人権を侵害する、こういう事案に対して総合的な対処をすることが必要だ。 橋本内閣のときにも私は、橋本総理に対して、もうパートタイムで働く人が一千万人を超えました、そういう中で子供の目の前から親が消えている、この事実に対して目をつぶるべきではないということを申し上げました。 国家公安委員長として、人格障害の深刻化から引き起こされる問題についてどのように対応していくのか、御所見をお伺いいたします。 ○国家公安委員長 今御指摘の新潟の件等については、先ほども御答弁申し上げておるところでありますが、非常に深刻に受けとめております。特に、委員が御指摘になっておられます人格障害等に基づく警察の関与ということでありますけれども、ここは非常に難しい問題を提起していると思うのであります。 それは、民事不介入と一言で言われておりますが、例えば、大変この場で申し上げにくいことでありますが、夫婦げんかをして片方から連絡があったから警察がすぐ飛んでいくというようなのはやり過ぎではないかという議論に必ずなるであろうと思います。そこのところを、どこのところに限界線を引いて警察が出ていくのかということになるのではないかと思いまして、この点は、警察庁と国家公安委員との間で一遍いろいろ議論をしてみたいと思っております。私自身がしたいと思っております。 さらに、民事不介入ということについては、ただいま申し上げましたとおり、いろいろ議論を深めてまいりたいと思っておりますが、同時に、例えば今例に引きました夫婦げんかのようなものについては、警察というところではなく、別のところでの何か相談をするという窓口をやはり設けていく必要が今の時世ではあるのかなという感じがいたしております。 ただ、少々時間をいただければ、これは非常に大きな教育問題を提起していると思いますし、子供さんの教育ということにスポットが当たっておりますが、親御さんの教育も必要である。私自身も小さいアパートで子供二人を育てた経験がありまして、家内が随分苦労をしておったのはこの目で見ておりますが、そういったこともよく念頭に入れながら、親御さんがやはりある程度我慢をする、そして忍耐強く子供を育てていく、そういう方向へ社会全体をやはり持っていく必要があるのではないか。 このことは、生涯学習とかいろいろなことを言われておるのですが、その中の非常に大事なポイントではないかな、こう思っておりまして、忍耐強く子供を育てるということの重要さというのをやはり生涯学習の中で学んでいくべきである、こんなふうに私は感じております。 ○原口委員 あわせて文部大臣にお尋ねをしますが、私は、子供をはぐくむことを親に教育すること、今国家公安委員長がお話しになりましたが、そのこともあわせて必要であるというふうに思います。 学校で、大変知識を中心とした教育、これも大事なことかもわからない。しかし、その前に、みずからをはぐくむ、あるいはみずからの子供をはぐくむ。これは核家族化でだれも教えてくれない。そういう中で文部省としてどのような御所見をお持ちか、お尋ねを申し上げます。 ○文部大臣 最近の、特に都市部におきましては、核家族化が進み、また少子化が進んでおることは大きな問題となっているわけでございます。地方の方は、まだおじいさん、おばあさんと一緒に生活していたり、あるいは子供も兄弟も多いということもありますけれども、核家族化になりますと、兄弟げんかのやり方もわからなくなってくる。兄弟で取っ組み合いのけんかをしていても、本当にぎりぎりのところはかげんをするのが兄弟げんかなのではないかと私は思っております。あるいは、おじいさん、おばあさんと一緒に住んでいないということなどによりまして、お年寄りを敬うとか、あるいはおじいさん、おばあさんからいろいろ教えてもらうとか、そういうような昔のよい慣習がなくなってきたということは大変心配されているところでございます。 子の教育につきましては、委員も御承知のとおり、家庭が基本でありますけれども、社会、学校全体が取り組まなければならないわけでありまして、子供たちに幼児期から、先ほども申し上げましたけれども、思いやりの心あるいは正義感あるいは倫理観、そういうようなものをきちっと植えつけるということが大切であろうと思っておる次第でございます。 ○原口委員 私は抽象的な施策をお尋ねするのではなくて、むしろ、さまざまな人格障害を起こしている、そういうものの原因と結果を解析する時期にもう来ているということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。 経済企画庁長官、先日は、菊の花の咲くころに景気が実感されると私の質問にお答えいただきましたが、菊の花が咲くころには私たちの衆議院の任期も切れているでしょうから、それまでにはまた別の選挙があるのかなというふうに思っています。 先日経済企画庁がお出しになった指標で、国民の間に不安が広がっている、多くの皆さんが将来に対する不安を持っている。これは一体どういうことに起因をしているのか、どのように分析されているのか、企画庁長官の御所見をお尋ねします。 ○経済企画庁長官 今委員お尋ねの、企画庁が出しましたデータで、不安が広がっているというのは、多分、九九年の六月に実施いたしました生活実感調査のことだと思うんですけれども、これは九九年の六月に実施いたしまして、現在の状況が悪くなっているかよくなっているか、悪い状態かいい状態か、それから、三年前に比べて悪くなっているかよくなっているか、それから、将来よくなるか悪くなるか、こういう調査をいたしましたところ、過去に比べまして悪くなっている、あるいは悪くなるだろうという数字が非常に多うございました。午前中もお答えいたしましたように、これは少子化の影響、景気の影響、いろいろなことが絡んでいると思いますが、特に五十代、六十代の女性の間で将来不安が悪くなっている。 これはやはり、景気をしっかり立て直すとともに、長期的に、人口問題等も含めまして、国が政策の方針をはっきり立てる必要があるなと感じております。 ○原口委員 私は、国民の間に不安が広がっているのは幾つかの理由があるというふうに思います。 今お手元にお配りした資料一、これは、平成十二年度の予算を一つの絵にしたものでございます。公債発行額が三十二・六兆円、税外収入三・七兆円、これを除いたものが真ん中のグラフでございますが、ここから特定財源関係、地方交付税交付金等を除いてしまうと、実際に、もし公債発行がゼロであるというふうに仮定した場合には、二十三・四兆円、これは、消費税の中で基礎年金や老人医療、介護、これも実際に使えるお金の中に入ってきていますから、二十三・四兆円しかない。公債発行が三十二・六兆円で、現実に政府が政策的に使うお金、これが二十三・四兆円しかない、こういう状況になっています。私は、不安に対して政治がしっかりそうじゃないんだということを示すべきだというふうに思います。皆さん、不安に思わないでいい、大丈夫だというメッセージを出すべきだというふうに思います。 しかし、現実に政府・与党の中から出てきているものは、例えば、手元に梶山元官房長官の論文を持ってまいりました。今の小渕内閣の経済政策は「“付け焼き刃”的で、患部を根本的に治療しているのではなく、上から絆創膏を貼っているにすぎない」「このままでは国が潰れる」、「国が潰れる」とまで言っておられます。一つ一つの根拠を見てみると、さすがに官房長官をされた方だけあって、的確に御指摘をされているというふうに思います。 これは梶山元官房長官だけではありません。先日までこの予算委員会の場で財構法のときに議論を交わした大蔵省の高官さえも、破局に向かう膨張政策ということを言っています。きょうのこの資料一を見ると、まさに私たちは破局に向かっているのか。私たちの税金は、将来、この五年間、十年間増税になるのか。私たちの年金でさえも、今国が借金をして賄っているような状況であります。このことに対して、私は、政治は自分の言葉で答えを出すべきだというふうに思います。 橋本内閣のときに財構法をおつくりになった。橋本総理は御自身の言葉で、大変痛みを伴うけれども、皆さん、これは必要なんですということを、この委員会でも何十時間にもわたって御議論をされました。そこで、私は逃げないというキャッチフレーズを付されました。本来であれば、国民の不安を考えるのであれば、官房長官やさまざまなリーダーがそれに対してきっちりとお答えをされるべきじゃないでしょうか。 御所見をお伺いしたいと思います。 ○経済企画庁長官 御指摘の梶山元官房長官の論文も熟読玩味させていただきました。確かに、御指摘の中には傾聴に値する部分もたくさんございますけれども、何度も繰り返し申しますように、現在の日本経済はいわば病気上がりといったところでございます。 そこで、委員お示しのこの資料でございますけれども、これは正確でございますが、まさにそういう病気上がりで、非常に税収が減ったときの状況を示しております。 例えば、平成十二年度の一般税収でございますけれども、これは四十八兆六千五百億円ぐらいを予定しております。十一年度はもっと少なかったのですが、ややふえました。ところが、平成二年度でございますと、五十八兆円ございました。それに比べますと、税収の方が約十兆円ぐらい減っている。その中には、減税による減少が約九兆円、それから消費税等を増税しているのが六兆円。景気が回復すれば、やはりここにお示しの数値も変わってまいります。また、支出の方で出しておる部分につきましても、不景気のための特別の支出もございます。 そういったことを、どういう状況になるか明確に、その時点で、日本経済がしっかりと病み上がりから立ち直ったときの状況を判断して、そして、そのときの産業構造や経済構造に向いた対策を議論していかなきゃいけない。今病み上がりの状態で、一方では医療費がかかっている、一方では働けないから収入が減っている、これをもって、将来ずっと伸ばして、日本は大変だ、孫子の代まで大変だと言うと、非常に国民が未来に対して暗い予測を持ちます。 したがって、今この議論をするよりも、日本の構造転換が行われた後にどういう形になっていくかということを見きわめてから、この議論はもう一度、全体的に、歳入歳出両方にかけてやってみる必要があるんだろう。今はまず景気を立ち直すこと、そして経済を健全化することが第一だと私どもは考えております。 ○原口委員 官房長官にお尋ねをしたのですが、経企庁長官がそういうことをおっしゃるので、資料二を持ってまいりました。 これは何かというと、税収の弾性値です。景気がよくなったときには、一・四八とか一・九六とか三・三三。昭和から平成十年にかけての税収の弾性値をお示しさせていただきました。本当に財政が組めない状況、あるときにはマイナス五・二一。今まで大蔵省の主計局からは財政の基本見通しというものが出ていましたが、ことしからはそれが財政展望という形になりました。 去年大蔵大臣と議論をさせていただいたときは、こういう数字にどんな意味があるのかというお言葉をいただいたわけでありますが、まさに税収が読めない。経済がよくなったからといって、また税収がふえるか、あるいは財政が健全化できるか。税収の弾性値が一・一ですら、この委員会の中で議論をした、年間一兆円ぐらいふえる、それぐらいの状況です。私は、こういうことについて、リーダーが、大丈夫なんだということを言うべきだというふうに思います。 前の橋本総理であれば、自分が出てきて、そうじゃないんだということを、経済企画庁長官じゃなくて御自身のお言葉で語られたんじゃないかというふうに思います。総理は、真空総理ということを言われて、たくさんの皆さんの御意見を聞く。これも大事なことかもわからない。しかし、大丈夫だというメッセージをこの委員会やさまざまなところに、集中審議にもお見えになって、そして、自分はこう考えるから大丈夫だということを言うべきじゃないでしょうか。官房長官、いかがでしょうか。 ○内閣官房長官 再三皆さんから御議論をいただいておりますように、この委員会に総理が出席すべきかどうかということが一番の今の議員の問題だと思います。 私もお答えを続けておりますように、委員会に出席するかどうかはこの委員会によって御決定なさることだ、総理はそれに従って行動している、そういうふうに考えております。 ○原口委員 何回お尋ねしても、私はこれは党利党略で申し上げているのではありません。今の国民の不安、経済企画庁長官からもお話しになったように、増大している。どこの国の政治家も、そうじゃないんだ――予算を提案されていないんだったらわかります。これが最善の予算だということで提案をされているが、この一ページ目を見ると、とてもそうは思えないのです。二十三・四兆円政府が使うお金があって、公債発行残高はそれをもう超えている。 そして、後でお尋ねをしますが、先週、御質問させていただいて、いわゆる八兆円問題、あのとき政府の皆さんは何とおっしゃったか。一週間前ですから、今でも覚えています。市中も好感しているし、格下げにはならないし、国債もそんなに上がらない、利率も上がらないということをおっしゃいました。おっしゃったその数日後に、我が国の格付は下がっているんじゃないでしょうか。 私は、もう出てこられるべきだ。あるいは、これは七割の大きな与党ですから、リーダーが決断すれば、ここにいらっしゃる皆さんに、いや、この委員会に自分も出させてくれと言えば、出られる問題じゃないですか。いかがですか。 ○内閣官房長官 再三申し上げておりますように、総理自身の都合で欠席しておるわけではありません。委員会の決定に従うのが当然総理の姿勢だろう、そういうふうに考えております。 ○原口委員 今まで真空総理というふうに言われていましたが、このままだと空席総理と言われますよ。ここ空席なんですよ。この状況は好ましくない。多くの皆さんが、今の予算について真摯な説明をトップのリーダーから聞きたいと思っている。このことは民主主義の基本じゃないでしょうか。 ちょうど二年前の予算委員会の議事録がございます。二年前、何をやっていたか。政治倫理の問題を随分やっています。二月の二十四日には、残念なことに同僚議員である代議士がみずから命を絶たれました、その問題について、これだけ議論をしています。政治改革を語り、政治改革を前に進めたいと思ったそういう人たちが、あの疑惑が、真実がどうであったか、結局は私たちにはつぶさにわかりませんでした。しかし、その中でも真摯に答えをしている。ここにいらっしゃる皆さんでも、こんなことは政治を国民から遠ざけるからしっかりと議論をすべきだ、公開性と自由討論が民主主義の基本であるということを、こんなにも多くの時間をかけてやっているわけです。 私たちは、この大事な予算が、今経済企画庁長官がおっしゃっただけではやはり納得できない。今は病み上がりだから、とりあえずたくさんの財政出動をしますということでは、納得ができない。子供たちや孫にまた同じような国債発行を続けさせるのか。もうこの一の資料が如実に物語っているんじゃないでしょうか。私は、この問題についてさらに皆さんと議論を続けていきたいと思います。 そこで、郵政大臣にお尋ねします。 資料三、いわゆる郵貯の二〇〇〇年問題、これは前から指摘をされていたことですが、ことし十年満期のお金が郵便局から大量に出ていく、この問題についてどのような見通しをお持ちなのか、お尋ねを申し上げます。 ○郵政大臣 原口委員にお尋ねをいただきまして、ありがとうございます。 平成二年度及び三年度の高金利の時期に預けていただきました定額貯金が、十二年度と十三年度で満期を迎えるわけでございます。その元利合計金額は、十二年度と十三年度合わせて全部で百六兆円と、まことに大きなお金でございます。 このうち、平成十二年度におきましては、満期の元利合計金額、五十八兆円でございますが、これから利子課税を引きますと、利子課税の方が四兆五千億円。及び、その限度額を超過するために再び預けることができない、つまり、引きおろしてもらわなきゃならないお金というのが約九兆五千億。こういうことを除いた四十四兆円の七割の再び預け入れを、今すべての郵便局で一生懸命お客様にお願いをいたしているところでございます。結果として七割、もし皆さんが再び預けていただくということになりますと、二十七兆円の流出を見込んでいるところでございます。 それで、十三年度につきましては、同じように計算をいたしますと約二十二兆円ぐらい流出が見込まれます。 そんなふうなわけでありますけれども、十年という長い間、本当にこの定額貯金に皆様方が御協力をいただいて、それがいろいろな形で国の施策にも役立ってきたということを考えますと、心から感謝を申し上げつつ、そしてなるべく、また郵便局でいろいろなメニューを出して、再び預けていただくような努力を今しているところでございます。そういうことでございます。 ○原口委員 では、来年もまた同じように、交付税のいわゆる手元の資金が足りないということで銀行から同じようにやるのか。 ここに保利自治大臣と宮澤大蔵大臣の合意書がございます。私は、今の経済状況は、タコが自分の足を食べているような状況だというふうに思います。大蔵省は、今回のいわゆる八兆円問題について、地方交付税特会の八兆円不足の問題については、今おっしゃった集中満期の問題が原因と説明していますが、私は、これの責任と結果、だれがこの見込み違いをしたのか、そしてその責任はどこにあるのか。資金運用部のトータルの見込み違いではないか。 あるいは、これは大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、今まで一体どれぐらいの金利で資金運用部から借りていたのか。その資金運用部が、今回八兆円分銀行から借りるわけですけれども、恐らく国債の金利プラスの〇・二ぐらいだった、ですから〇・二ぐらいで借りているものを、市中から借りるとしたら、もっと低い金利で借りることができるんじゃないでしょうか。その辺、どのような考えをお持ちなのか、再度お尋ねしたいと思います。 ○大蔵大臣 これからのことでございますけれども、八兆円は入札で借りるつもりでございます。今の金利から想像いたしますと、かなり低い金利でございます。 言ってみれば、銀行側としても、これは大変にいいお得意さんでございますから、入札は当然満額になることは間違いないので、その限りではそれで経済法則は成り立つわけですが、来年もそうするかとおっしゃいましたときに、諸種の条件が一緒であるかないか、まず来年地方財政がどういう状況になるかとかいろいろございますし、何よりも、私どもが考えておりますような経済の回復がございますと、そんなに安い金利は再びないかもしれない。 そういうこともいろいろ考えてみませんといけませんので、来年のことは今からちょっと何とも申し上げかねるということでございます。 ○原口委員 まあ来年のことは申し上げかねるということですが、ここに一枚の資料を持ってきました。訳文を皆様に渡していますが、大蔵大臣には、ちょっと原文を差し上げます。 資料四、「日本政府、国内銀行から直接借り入れ」、私はこれは、今回の状況は日本経済にとって正常なことなのか、それとも緊急避難なのか。あるいは、政府の財政運用にとって、本当にこういったことが常態化していいのか。あるいは、今回だけはしようがない、郵便貯金の運用、それを中心に、たまたま穴があいたからしようがないというふうに思っておられるのか。ここはしっかり明らかにしておかなきゃいけないというふうに思いますが、大蔵大臣、御所見をお伺いします。 ○大蔵大臣 いろいろ書いてございますけれども、お尋ねで申せば、少しも正常なことではございません。極めて異常なことであると申し上げざるを得ない。それは、ここにもございますけれども、第一、こんな大きな借金を日本経済がしょっているということは極めて異常なことでございますし、また、地方財政がそういう状況になっているということも異常でございます。 そして、資金運用部の金が、今おっしゃいましたような理由はあるにしても、従来地方財政をファイナンスしていたのが難しくなって、市中で借りるということも、これもまことに異常なことでございます。しかし、何よりも恐らく一番異常なのは、そんな安い金があるということ、これが一番異常なことだと思います。ですから、ここに言っていることは、まとめて言えば、ゼロみたいな金が日本にはある、そういう経済状況は極めて異常であると申し上げなければなりません。 そういう中で、しかし、政府としては、そういう安い金がございますから、それを政府のファイナンスの中に持ち込んだということ。そのことからだれかが迷惑を受けるかといえば、それは、こういう状況の中では、別に迷惑を受ける人があるわけではなくて、多分入札した銀行は、ビジネスとしては、それはもうかるビジネス。それ全体が普通の話ではないねとおっしゃれば、もうそのとおりだと思います。 ○原口委員 本当にこれが異常だというお話で、これを正常だと言われるよりよっぽどましだと思います。 しかし、ここで、本当に苦労をしている、そして将来に不安を感じている、それはだれなのか、そこはきっちり押さえておかなきゃいかぬというふうに思います。年金でお暮らしの皆さんであったり――これだけお金が稼がない。岩國委員はかつてお金が失業しているというふうに言われましたが、まさに失業している。そうすれば、たくさんのお金を老後のために積んでおかなければいけない。皆さんが幾ら経済対策をやろうとしても、私たちが消費を喚起してくださいということを申し上げても、これだけの異常な事態が起こっていれば、私はそんなに簡単に戻ってこないというふうに思います。 そこで、こういう政策の責任と結果、責任は一体だれにあるのかということを押さえておかなければなりません。 これは経済企画庁長官が大臣になられた当初のことでございますが、そのまま読ませていただきます。私は党名を言うのは余りあれですが、「自民党をこれほどの大惨敗に陥れた原因は何か、」その二つ目に挙げるものとして、「経済の不況である。 特に昨年四月、消費税の引き上げや特別減税の停止など七兆円の増税を行った失政の責任は重い。」大変明瞭に言われています。 失政をすれば、その責任をとるのが当たり前だというふうに思いますが、この考えは今もお変わりありませんか。 ○経済企画庁長官 変わっておりません。 それで、失政であったと認めて橋本内閣は退陣されたものと認識しております。 ○原口委員 私は、今の言葉を一生覚えておこうと思っています。 というのは、今回の小渕内閣がおとりになったこの財政政策、経済政策も、恐らく将来、十年、二十年、三十年後、そんな後ろからではなくて、もう目の前に破綻が来ているということを言われる。この政治責任というものを私は争点にしなければいけない。 ただ、不幸なことは、これは本委員会でございますが、またちょっと読ませていただきます。 結果責任、厳粛な結果責任でありまして、失政によって多くの国民が苦しい目に遭っている、耐えがたい状態に追い込まれている、そのような自殺をした人あるいは失業している人本人だけではなくその御家族の心情を思うときに、将来に対する希望を失い、また現在の生活において塗炭の苦しみをしていられるその人たちに対する陳謝の意が表されなかったことは非常に残念でありますが、もう一言ありますか、総理。これは今連立与党に入っておられる政策責任者が当時の小渕総理に対して言われた言葉であります。 結局、だれも陳謝しない、だれも責任をとらない、そういう中で、高齢者の方や弱い立場の皆さんが追い込まれている。 私は、今回の予算の責任、一体だれにあるのか、この政策が失敗すればだれにあるのか、ここではっきりさせておかなきゃいかぬというふうに思いますが、その責任者はここにいらっしゃいませんので、大蔵大臣、お答えをお願いします。 ○大蔵大臣 こういうふうに考えております。 そういう後を受けて小渕内閣が一昨年の夏に誕生をして、そして財政再建というものはここで一遍棚上げをせざるを得ない、とにかくこの不況を克服しなければ失業者がますますふえる心配がある、そのことが一番問題でございますから、思い切ってこういう政策をとって、補正予算、本予算、補正予算、本予算と、かなり明確な景気刺激策を現在とりつつございます。 私どもは、ことしのある時期、恐らく秋ごろになりますでしょうか、日本経済は恐らく正常な正常軌道に乗り始めるであろうと考えておりますが、ただいままでのところ、ともかく一年半続いたマイナス成長という日本経済の下向傾向が歯どめがかけられて、そして、ともかく今年はゼロポイント何がしでもプラスにはなるというところまでは、皆様も大抵そう思っていただけることになった。これまでのところは、不況の深さからいえば、私どもは失敗していると思いません。そして、さらにその次に一%程度の成長が重ねられるならば、これも私は失敗だということは多分申し上げずに済む。 他方で、非常に大きな負債を背負っておりますから、これの回復は容易なことではありません。政府は挙げて財政再建を、あるいはすべてのことの再建になると思いますが、やがてしなければならないと思っていますけれども、その前途というものは極めて極めて遼遠であると申し上げなければならないと思います。 簡単にこれだけの借金が楽になってしまうなんということはない。しかし、それだけの重い病気を克服するためのこれはコストであったわけですから、これによって二十一世紀に日本という国がもう一遍ちゃんと世界の中で雄飛をすることができるならば、これは一種の不幸中の幸いであった、みんな苦しかったけれどもというふうにぜひなってもらいたいと私どもは努力していますが、短期的に見て、しかし、日本経済がこれで回復の軌道に乗らなかったら、それは私どもは責任がございます。その責任はとらなきゃなりません。 ○原口委員 私は弁解を聞いているわけではありません。結果責任、厳粛な結果責任であります。これは今与党に入っておられる方、名前も言いましょう、冬柴委員が指摘をされている。これに対して何の陳謝もない。また、今回、本来であればその責任を問うべき人たちが、また同じような政策をやっている。 私は、例えば〇・六という数字にどんな意味があるのか、今おっしゃった一%という数字にどんな意味があるのか。多くの人たちが路頭に迷い、そしてたくさんの自殺者を出して、その犠牲の上に立ったその数字にどんな意味があるのか。これを真摯に受けとめなきゃいけないというふうに思います。 私は、一つのポイントは、一人一人を大切にするスウェーデン型の不況の克服なんじゃないのかなというふうに思います。 今、アメリカで大変職業がふえている。大変職業がふえているかもわからないけれども、こんなジョークがあります。職業はふえているよ、私自身がもう三つも職業を持っているから。一人一人の賃金は減って、一人一人の生活環境は苦しくなっている、そういうことを指摘する人もいます。 先日、衆議院の委員会でスウェーデンに行ってきました。超党派の沖縄北方対策特別委員会でございましたが、そこでサムハルという企業を訪問いたしました。 サムハル、人口九百万人のスウェーデンで三万人の雇用をしている企業でありました。三万人のうち二万八千人がいわゆるチャレンジド、障害を持った皆さんでありました。そのサムハルの社員の皆さんの、チャレンジドの平均年収は、一般のスウェーデン人の九割でした。皆さんが税金を払い、そして約五千億の補助金が入っていますが、年間六千億の収入を上げている。何でこんな会社が成り立つのかということで、与党の皆さんとも話し合って、視察に行ってまいったわけであります。 答えが返ってきました。それは、組織が大事なんではありません、人間が大事なんです。できないことが大事なんではありません、できることが大事なんです。首から下に大変な障害を持った方も、さまざまな皆さんの心の悩みを聞いて、それで所得を得ておられました。 私は、今日本を覆っているのは、数字だけはそうやっておっしゃるけれども、一人一人が大切にされていないのではないか。今そういうお話をされるんだったら、先ほど与党席の方から預金者が問題なんだというふうに言われました。預金者の中でも、なぜ年金や医療の改悪で最も苦しんでおられるところを直撃するような政策をやるのでしょうか。私たちはそこに多くの問題があるというふうに思いますが、御反論をいただければというふうに思います。 ○大蔵大臣 その部分についてだけ申し上げますならば、先ほどもそういうお話がございました。 確かに、金利生活者、預金をされている方、これはもう非常に異常な状況に長いこと置かれておられて、いかにもいかにもそれは申しわけないということは明らかでありますけれども、ここでしかし、今問題なのは、そのような低金利政策を日本銀行が、昨年の二月でございますか、もう一年になりますが、ずっととってこられて、そして、こういう経済状況に、いろいろ含めまして、なっていることのメリットと、預金者に御迷惑をかけていることのデメリット、これは明らかに御迷惑をかけておるわけですから、それについてのうまい弁解はあるわけがございません。 しかし、マクロの政策として、そのメリッツとデメリッツを比べた場合に、つらいけれども、やはり今の金利政策というものは続けていた方がいいというのが中央銀行の判断でございますし、また私どもの判断であるわけです。 それによって、その預金者にかけている迷惑の説明ができるわけではありません。そうではありませんが、しかし、それがやはり今の不況というものの実態であろう、その中での政策選択ということであろうというふうに考えています。 ○経済企画庁長官 〇・六%とか一%という数字が特に意味があるわけではなくして、それは結果として、経済政策をこのように運営し、経済動向がこうなればそれぐらい達成できるだろうという意味で申しておるのでございまして、それ自体を目的としているわけではございません。 委員御指摘のように、まず、小渕内閣といたしましては、一昨年、緊急経済対策によって下げどまりをする、とにかくデフレスパイラルから逃れるということが第一でございました。そして、去年になりまして、ようやく経済新生対策として、構造改革と景気下支え、両方の足に体重をかける状態になってまいりました。次には、これを構造改革の面によりウエートをかけて本格的な軌道に乗せていきたいと思っております。 この経済政策はもちろん内閣全体として責任をとるわけでございますが、経済政策を担当する者としてこの重責は一日も忘れたことはございませんし、十年後、二十年後、どのように評価されるか。私はきっと、このときあれだけ赤字を出してやったことがよかったと言われると信じております。 また、金利の問題でございますけれども、物価が下がっている状態でございますから、卸売物価、消費者物価まで今下がっている状態でございますから、やはり金利をこの水準にしばらく置いて、確かに預金者には御迷惑をかけておりますけれども、やむを得ない状態で、これによって、やはり景気を回復し、産業構造の改革を可能にするということが必要だと考えております。 ○原口委員 信じていると言われれば、あとはもう議論することはないわけであります。 私は、そうではない、幾つか数字を――先ほど大蔵大臣は大変誠実にお答えになった。迷惑をおかけしている。迷惑をかけているという認識があるのであれば、またそこにさらなる負担、さらなる不安を与える政策をどうしてやるのか、私はそのことについてはなかなか納得がいきません。 橋本財政構造改革のときに、なぜ七%公共事業を減らすのか、この根拠についてもこの委員会で聞きました。結局、七%というその根拠を示されなかった。これぐらいやれば何とか財政がキャップがかかって、悪化に、きょうの堺屋長官と全く同じ、あれはブレーキでした、あのときはアクセルでしたけれども、全く同じことをおっしゃっている、結果的には根拠も何もなく。際限のない財政出動、そういうふうに見ている人もいる。しかし、病み上がりのときにはあんなことをやるべきではないということを私たちも申し上げました。 しかし、一方で、それは財政構造改革を伴ったものだ、構造改革のビジョンを伴ったものだ、それがなければ、国民の多くは、また大増税が来るだろうと。単なる歳出削減だけだと、次に来るのは大増税だということを申し上げたわけであります。 信じるという先の議論をさせていただきたいと思います。 もう時間がわずかになりましたので、郵政大臣、これから財投改革があるわけでございますが、きょうの議論の中では、郵政省の資金運用、自主運用、こういったものについても、これから私たちはしっかり一つの結論を出していかなきゃいかぬというふうに思います。特に、今まで二・〇というような大きな金利で貸し出している。これが常態でないにしろ、銀行というものに対して、今回八兆円銀行から借りるということになると、そもそも財投そのものは一体何だったのか、あるいは財投債、政府保証、財投機関債、どれぐらい発行できるのか。もう二〇〇一年に財投改革が迫っているわけでございますが、基本的なお考えを、郵政大臣、御所轄の分だけで結構ですから、お尋ねを申し上げます。 ○郵政大臣 郵便貯金におきましては、現在、資金運用部から借り入れを行いまして、金融自由化対策資金として自主運用しておりますが、その運用額は、平成十年度あたりで五十五兆一千五百億円でございました。そういう中で、非常に健全な運用をしておりますので、約三千五百九十七億円の運用利益を確保した、こういう実績がありますことをまず申し上げておきたいと思うのです。 郵便貯金の資金運用につきましては、これは中央省庁再編に基づいていよいよこれから、十三年度からは全額自主運用を行うということになっていくわけですが、今国会にそのための法案というものは出すことになっております。 やはり確実、有利にかつ公共の利益になるように運用することといたしまして、具体的運用対象や運用手続を定める検討を今進めておりますが、新資金運用システムの開発とか、それから本省、地方運用組織体制の整備、人材の育成につきましても今鋭意検討いたしておりまして、この分におきましてはかなりの実績と経験がございますし、先ほど申し上げましたが、非常に健全な資金運用というものに我々は徹しておりますし、この百六兆円の大きな定額貯金も、これが二十七兆円、本年市場に出てまいりますが、それがそのまま郵便局から他の銀行へ移るのじゃなくて、債券に変わるのじゃなくて、我々はそれがより消費の中で経済の効果の中に使っていただくようなことも祈りながら、これから健全な自主運用、そしてまた郵便貯金を愛好している皆さんのそういうものに対しては信頼を裏切らないように努力をしていくことが大切だ、こんなふうに思っているところでございます。よろしいでしょうか。 ○原口委員 信じているとか祈っているとか、大変、御趣旨はよくわかりました。私は、きょう限られた時間ですから、郵政大臣にあと二点だけお尋ねを申し上げます。 一点目は、放送のデジタル化、これは多くの委員の皆さんとも議論をしてきましたが、地上波のデジタル化はNHKや民放局にとって莫大な投資と手間を強いるものであります。その割には、メリットについてどれほどお考えなのか。あるいは、放送のデジタル化が衛星放送をもって進んでくると、地上波に莫大な資金をかけて、そしてそのことが実は将来には何も役に立たなかった、こんなふうになるのじゃないかと指摘する向きがございますが、本当にこの放送のデジタル化というものが今必要であるのか、この問いに対してどのようにお考えなのか。 それからもう一つは、よく放送の中で、先ほど中曽根文部大臣がお話しになりましたけれども、国という言葉が使われます。裁判において国が敗訴をした、こういう表現の仕方をしている。私は、少しおかしいと思う。国は、国民すべての皆さんのものでありますから、何々政府、例えば厚生省だったら厚生省が敗訴をしたという表現は私は正しいと思いますが、国が負けた、国が敗訴をした、こういう使い方をしている国は、世界の中では私たちの国が非常に特殊な事例であるというふうに思いますが、この二点について、郵政大臣にお尋ねを申し上げます。 ○郵政大臣 私も、かつては放送の仕事をしておりましたので、この放送のデジタル化には大変興味を持っていると同時に期待を持っております。 ラジオが五千万視聴者を獲得するまでには三十八年かかった、テレビの場合には十八年ぐらいかかった。しかし、インターネットとか情報通信、今のモバイルのようなこういうブームというのは、あっという間の四、五年でなし遂げた。それでも、まだまだ新しい技術開発によって新しいものをだれしも好む、そういう時代でありまして、特に映像に関して、放送のデジタル化というものも、二〇一〇年度を目途に私たちも取り組んでいるわけです。 確かに、今おっしゃるように、それぞれの放送局の負担ということもいろいろ出てまいりましょう。今、NHK、郵政省、民放連等々でこれから同じテーブルに着きながら、このデジタル化というものは、既にアメリカやイギリスやスウェーデンでも実施されているように、日本でも避けられない、この方向に進むということはやはり国民の大きな期待でもあるという思いに立って、実は、このデジタル化ということを推進するために我々は頑張っているんです。 まず一つは、高品質の画像、それから、音声が多重化されていきますから、非常に音声サービスも出てまいりますし、データ放送や通信網と連携した高度な双方向サービスとか、高齢者やあるいは障害者、テレワークなんということは、一々タイムカードを押さなくても、自分の車いすの上にパソコンを置いて、雇用関係、仕事ができるというような、そういう夢のことも含めて、このデジタル放送というのは私たちはぜひ推進したいと思っているんです。 もし御懸念があるとしたら、どういう点が御懸念があるか、また原口委員の御意見を聞かせていただければありがたい、こんなふうに思っております。 それからもう一つ、今、国、訴訟の問題が出ましたが、実はこれは、国家賠償法というのがあるんです。したがって、国家賠償法では、「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する」責任があるということですから、いろいろなものが出ると、国が負けた、こういうことに、これは当然のことでなると思うんですね。 それから、行政事件訴訟法の中では郵政省とか自治省とか大蔵省とかということが出てまいりますが、しかしそれも、放送はいろいろなことを勘案しながら、それぞれの訴訟の事実、経過に基づきながら、広くその辺はそれぞれの各放送局の判断によってアナウンスしていただくことがいいのではないか、そんなふうに思っているところでございます。 ○原口委員 法律があることは私も存じ上げています。しかし、この表現が、いわゆるお上意識を醸成し、そして中央政府に対して何か事をする、そのことをはばからせる、民主主義の土台にかかわる問題だというふうに思いますものですから、きょう質問をさせていただきました。 デジタル化の問題についても、私はデジタル化がいけないということを申し上げているのではなくて、地上波を今このような時期にデジタル化して、衛星から飛んでくるその先の進んだ技術が開発されたときに二重投資になるのではないかという意味で、きょう申し上げたわけでございます。 時間が限られてきましたので、私は、資料五を最後にお示ししたいと思います。 これは、当予算委員会で、先日、西川委員が御指摘になったものでございますが、「公明党との連立内閣に関する意見書」ということで、「現在、政局は公明党との連立に向け、急速に動きつつある。参議院で自由民主党が過半数を割っている現状から政策ごとに公明党の協力を得るべく努力することは政党としてやむを得ない。 しかし、」云々というふうに書いてあります。 私は、こういう意見書をお出しになる、政治家ですから、その自由はある。しかし、西川委員が御指摘になったように、内閣の中に、私もつぶさにどなたが内閣の中にお入りかということをここで指摘する能力はないわけですけれども、お入りになっていますね。やはりこういう問題については、しっかりとした回答をしてもらわなくては困る。与党の中からでさえ疑義があるということが言われておいて、そしてあるときには別のスタンダードでもって物事が進んでいるとすると、これは問題であるというふうに思います。 また、あす戦後最大の、イトマン事件、いわゆる大きな疑獄が、司法の中でさまざまな解明がされるというふうに思いますが、二年前の予算委員会の議事録を読んでみて思いました、政治家の威を利用して、政治家の大きな特権を利用してさまざまな利益に結びつけている人たち、私たちはそういう人たちを許すわけにはいかないと。 先刻も、毎日のように報告をされていますが、脱税コンサルタントを政治家の周辺の人たちがつくっている。政治家に頼めば税金が安くなるんだ、こんなことを、この厳しい不況のときに国民の皆さんがもしも誤解されるとしたら、これは大きな政治に対する禍根を残すというふうに思います。 そこで、官房長官にお尋ねをしますが、この意見書についてどのようにお考えになっているのかが一点。 それから二点目は、いやしくも小渕内閣の閣僚あるいは過去の閣僚の中において、さまざまな、イトマン事件に関する疑獄、あるいは関連会社に名前を連ねた方はおられないというふうに思います。もしおられるとすれば、これは大変なことでありますが、その辺、おられないという仮定のもとで私は今質問をしているわけですが、今度調査を受けている秘書の多くの皆さんは、やはり古い政治の中にとっぷりつかっていた人たちだというふうに思います。代議士本人がそれを知っていたかどうかというのは、それはわかりません。しかし、秘書が、秘書がと言って言い逃れをする、こういう政治に国民が不信を持っているのも事実でございます。この巨額脱税事件については、秘書の脱税グループについてはどのような所感をお持ちなのか、この二点についてお尋ねをいたします。 ○内閣官房長官 お答えをいたします。 「公明党との連立内閣に関する意見書」、これは私も今初めて見させていただいたのでございますが、それぞれの政治家が、それぞれの立場で、いろいろな考えをお持ちになるのは、私はこれはいたし方ないことだと考えております。 ただ、内閣に入られたからには内閣の一員として、個人の意見はありましょうけれども、内閣の方針に従ってもらわなければいけないし、現在の閣僚、政務次官の皆さんはそういう方針をきっちり踏まえた上で現内閣に参加していただいている、私はそういうふうに解しております。 また、議員今御指摘ございました秘書のいろいろな不正行為、そういうものは、非常にこれは遺憾でございまして、私どもは、ただ秘書という問題じゃなくて、国会議員としてやはり一番大事な倫理はしっかりと守っていかなければならないし、また秘書も当然そういうことだ、そういうふうに解釈をいたしております。 ○原口委員 私はなぜ冒頭に憲法の問題をお話ししたかというと、ここには、憲法に定める政教分離の原則に照らし疑義があるとまで書いてあるわけです。これは、それぞれの政治家の個人的な意見と言うには余りにも大き過ぎるというふうに思います。 また、もう時間が参りましたので、これで終わりにさせていただきますが、こういった問題について説明をする、国民に向かって説明をする、このことを強く求めて、私の質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。 |
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