
■ 決算行政監視委員会第一分科会 |
平成12年4月20日(火曜日) |
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| ○谷口主査 これより決算行政監視委員会第一分科会を開会いたします。本分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(本府、総務庁、沖縄開発庁)、法務省、大蔵省所管、沖縄振興開発金融公庫、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行並びに他の分科会所管以外の国の会計についての審査を行うことになっております。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。原口一博君。 ○原口分科員 民主党の原口一博でございます。 きょうは、八、九年度決算の中から二点について御質問申し上げたいと思います。 一つは、八、九年の大蔵行政を見る上で欠かせないものが、やはり財政の構造改革、この問題であると思います。 目の前にいらっしゃいます谷口委員長に御指導いただきまして、真の財政構造改革とは何かということをつらつら勉強させていただきました。また、きょうは、自由民主党のエースであります林政務次官に御質問させていただく機会を得ましたことを、心から光栄に思います。 その中で、中期財政試算なるものを、当時大蔵省、主計を中心にお出しになって、そして我々国会に対して、どういう税収の弾性値を置き、あるいはどういう経済成長率であればどれぐらいの税収の見込みがあるんだ、あるいは要調整額はどのようになるんだということをしっかりとお示しになっていました。私は、このような資料は、政府の財政への取り組みをしっかりと説明する、そして国民の、国会も含めて多くの皆さんにその姿勢を御理解いただくということで、大変評価をしておるところでございます。 政務次官にお尋ねしますが、こういう取り組みについて、今は財政の中期展望という形でお示しをいただいておりますが、大変重要であると考えておりますが、政務次官の基本認識をお尋ねしたいと思います。 ○大蔵政務次官 御指名をいただきまして光栄に存じております。 原口委員とは、大変昔から御指導いただいているわけでございまして、こうして討論できるのも大変に意義深いものだと思っておるところでございますが、まさに御指摘のように、財政の中期展望というのは、大変お褒めにあずかって恐縮なんですが、原口先生のように重要だと言ってくださる方もいらっしゃる一方で、余りに機械的じゃないかという御指摘もあるわけでございまして、もうちょっと政策意図がこれに入ったようなものをつくってはどうか。 実は私も、この職になる前に、私が委員のときはそういうことを宮澤大臣に申し上げたこともあったわけでございますが、やはりいろいろとその後勉強したり調べたりしてみますと、財政の民主主義、要するに、では今五年間の予算を決めてしまったら、その後に選ばれてくる国会議員の皆さんの意思がどうなるのか、こういう問題がありまして、一年三百六十五日と決まっちゃっているわけで、一年ずつやるということでございますから、この一年が長いか短いかという議論はあるのでしょうけれども、どこかでやはり線を引かなければならないという意味で、そういう財政民主主義というのがあるのかな。 その上で、機械的に、今委員がまさにおっしゃったように、いろいろな弾性値を置きまして、こういう仮定でやればこういう数字になりますということを、アカウンタビリティーの一環として国民の皆様に広く議論の材料として見ていただく、その上で、ではこうしよう、ああしようということを広く議論していただく上でいろいろなコンセンサスが生まれてくる、そういう意味で大変重要な資料だと私も思っておるところでございます。 ○原口分科員 前向きなお答えをいただいたと思います。政務次官も、次官になられる前に同じような御質問を院の中でなさっていたということを私も伺っています。 また、現在、いわゆる財政構造改革法は停止をされている状況、凍結をされている状況にございますが、今、大蔵省は、この法律における財政再建方策をどのように評価されているのか。 私どもは、その当時、まだマクロ経済的に見ても大変日本経済が立ち直りの時期にある、病気で言うと予後の時期にある、一挙に、今お話しになりましたように、機械的にキャップをかぶせて景気を冷やすべきではない、アジアの金融危機の問題もこれあり、本当に必要なものは不透明な政府歳出の排除であって、単なる歳出削減ではないんだということで、重ねて申しますが、谷口委員長を中心に私たちはやってきたわけでございます。 そこで、大蔵省は、この旧の財政構造改革法における財政再建方策をどう評価されておられるのか。そして、やはり一定の景気軌道に乗ったときには、これは一つの再建方策を出していかなければいけない、今でも一つのめどを出さなきゃいかぬというふうに思っておるわけでございますが、政務次官の基本的な御認識をお尋ね申し上げます。 ○大蔵政務次官 まことに重大かつ難しい問題の御指摘だったというふうに思っております。 まず、この財政構造改革法は今停止という状況でございますが、特にアメリカなんかの例を見ますと、最初、グラム・ラドマンという、日本で言うとシーリングみたいなことをやって、なかなかできない、その過程の中でCBOなんかもつくったりして、その成果が今度はOBRAという形で生きてきているというふうに私は認識をしております。そういう意味では、この旧財政構造改革法はOBRAに近い手法をとっておるということでございまして、具体的には、当面の目標で特例公債を脱却するのは何年だということに加えて、財政赤字の対GDP比三%、こういう数値目標を設定したというところが非常に新しいところでございます。 それから、まさにOBRAのように、主要経費ごと、例えばODAは幾らとか公共事業は幾ら、七%だったと思いますが、そういう主要経費ごとのめり張りをきかす、シーリングでは一律になりますから、そこをめり張りのきいたキャップにした。それから、同時に社会保障制度等いろいろな、こういうポイントについて構造改革をやりましょう、具体的なことは書いておるわけじゃないんですが、ここをポイントとしてやっていきましょうというようなことを規定してある点で、従来のいわゆるシーリングというよりも非常に効果的な取り組みだったんだろう、こういうふうに思っております。 そして、OBRAとかなかなかうまくいかなかったんですが、日本はまじめにやるものですからきき過ぎちゃいまして、ちょっと脱線しますけれども、実は、平成七年、平成八年と、フィスカルイヤーで三・〇、四・四と、委員も御承知のように経済が上向いてきたものですから、そろそろやはりダイエットをやらなきゃいかぬなということで、実は九七年にこれを出して、九月の二十九日に提出をして十一月の二十八日に成立しておりますが、その九七年はもう既にマイナスの〇・一%だったということでございまして、皮肉なことに、ちょうど審議をしているころに実は経済がもう一度ダウンターンに入っておる。そういうことがございまして、まじめにやってきき過ぎたということがあるわけでございまして、この手法自体はやはり非常に効果のあるものだと今でも認識をしておるところでございます。 ○原口分科員 私も全く同じ認識を持っております。間違いではないんだけれども、タイミングの悪いことをまじめに突き進んでいった。ですから、この反省に立って次なる財政構造改革を考えておかなければいけない。 一つは、経済に対するセンシティブな感覚をその中にどう入れ込むか。それからもう一つは、私は、今の予算委員会での審議をする中で、最も揺らしてはならない部分というのがやはりあるんだろうというふうに思います。 それは、社会の中のセーフティーネット、年金であるとか、あるいは賃金であるとか、医療であるとか、当時の小泉厚生大臣ともこの財政構造改革法、かんかんがくがくの議論をさせていただきましたけれども、最もそこで不安に思った人たちが消費をとめてしまっている。ここだけは揺らしませんよ、改革は、ここは変えるけれども、しかしそのほかは変わらないよというメッセージも大事なんではないか。つまり、変えるべきところについては大胆に切り込む、しかし、変わらないところについてはどうぞ安心してください、特に医療の分野。 当時を思い起こしますと、難病対策費なんというものも、重点化ということでめり張りのきいたということを厚生省は当時おっしゃっていましたが、実は五%に重点化して、残りの九五%の難病の方々の医療費の補助については厳しい状況になっている。これではやはり、なかなか改革というのは進まないんだろうというふうに思います。 先ほど、お父様の林大蔵大臣、前の大蔵大臣のお話を伺っておりましても、やはり、あるべき姿と、そこに向かう現実的な道筋をしっかりと埋めることが私たち政治の役割ではないかというふうに思います。 もう一つ、当時の反省としてあるのは、やはり教育も同じように下げてしまっている。世界の先進各国でこういう転換点において教育費を削るということは、やはり非常に厳しい。今、国と地方で六百四十七兆の借金があると言われておりますが、資産は九百兆ある。そのうちの知的な財産は幾らですかと大蔵省にお尋ねすると、八十六億ぐらいと言われているんですね。実際に、本当に国の力を、あるいは国民の力を注げばもっともっと進む分野があるにもかかわらず、それを少し損ねてしまったということは、与党、野党含めて謙虚に反省をしなきゃいかぬ。 そこで、それではこれからどうするんですかということでございますが、財政再建にどのような手法で取り組んでいかれるのか。財政構造改革法の凍結を解除して財政再建をしていくのか、それとも別の手段をお考えなのか。これは大変難しい質問になって恐縮なんですが、エースの意見を伺っておきたいと思います。 ○大蔵政務次官 エースではなくてショートホープにならないように頑張ってまいりたいと思っておりますが、大変難しい御質問だと思いますし、我々、すべて考えていかなければならない問題だと思います。 そこで、もう委員御承知のように、今の財政、いろいろな数字を見ると、財政の立て直しというのは避けて通れないということでありますが、他方、先ほどちょっと私脱線しましたように、時期を間違えるとツケがかえってふえてしまうということでありますから、まずはやはり民需中心の本格的な回復にきちっと乗せていって、それから考えるということが原則としてあると思います。 大臣も、いつも、国と地方の関係をどうするのか。それから、社会保障を今おっしゃいましたけれども、どういう考えでいくのか。これはもうほとんど公共事業を抜くほどの勢いでございますから、一番大きい支出項目でございます。それから、負担と給付という問題をどう考えるのかということ等いろいろ考えて、単に歳出歳入をどう合わせるかということではなくて、システム全体を見ていくということが必要であろうということで、私もそのとおりだと思っております。 そこで、大臣の私案といつもおっしゃるんですが、マクロモデルをつくって、互いに今おっしゃったように影響を及ぼすというふうに考えられますから、単に単純計算して立ち上げるというんではなくて、マクロモデルみたいなものがやはり要るんではないかなというふうに私も思っております。 最近読んだ新聞記事だったでしょうか、新しい経済学の理論として、いかに今給付をふやしても、将来的に財政がだめになって、それに備えなきゃいけないんじゃないかという認識を国民の皆さんというか消費者の方がされると、それで消費が冷え込むというようなモデルを唱えていらっしゃる学者の方もいらっしゃるようでございますから、おっしゃったように、セーフティーネットのところをどうやってやっていくか。セーフティーネット、いや大丈夫ですと言うだけでは、むしろ本当に大丈夫なのかな。今つらいですけれども、これだけ負担をお願いして、給付をこれだけ将来の伸びを抑えるということにすればもちます、はっきりそういうふうに申し上げた方が、私はかえって将来に対する不安というものは安らぐのではないかな、それが我々の仕事ではないかな、こういうふうに思っております。 そういった意味では、先ほど来委員が御指摘のように、早くそういう問題に取り組むように景気を回復させて、そして、中期見通し等いろいろ出しておりますけれども、何よりも国民のコンセンサス、このコンセンサスの中には不安を取り除くということがもちろん入るわけでございますが、そういったことをやっていく必要があるというふうに考えておるところでございます。 ○原口分科員 今、政務次官がお話しになりましたようなマクロモデル、特に、教育に対する政府の支出を一ドル減らすと、カナダの例だったと思いますが、七ドル分の社会不安として返ってくる。 結果的には、ショートで見ると幾らか歳出削減になっているけれども、マクロで見ると、その分、警察の費用であるとかさまざまな福祉の費用がふえてしまう。やはり、時系列とそれからすべてのファンクション、これをマクロでとらえて、もう一回財政構造改革の基本に立ち返って提出し直す必要があるということを申し上げたいというふうに思います。 さて、そこでもう一つ、不安を解除するということと、もう一つ大きな材料は、不公正感を国民の中からぬぐい去っていくということで、税の問題については大変大きな問題でございますので、税の問題について、細かいところは政府参考人で結構でございますので、お尋ねをしていきたいというふうに思います。 平成八年度及び平成九年度の先ほどの会計検査院からの国税に対する指摘、特に不当事項、どういうものがあったのか、参考人の方からで結構でございますので、数点御紹介いただきたいと思います。 ○国税庁次長 それでは、お答えさせていただきます。 不当事項として指摘されたもの、平成八年度の決算検査報告では、租税の徴収に当たって過不足があったもの四百四十九件、十三億九千九百万円、それから還付加算金を過大に支払っていたもの二件、二千七百万円、職員の不正行為による損害が生じたもの一件、三千百万円の指摘を受けております。 また、九年度の決算検査報告では、租税の徴収に当たり過不足があったもの四百四十九件、十三億七千二百万円の指摘を受けているところでございます。 ○原口分科員 税務署の職員が税金の不正還付を行ってみたり、あるいは、同じく税務署職員がわいろを税務署内でもらって課税資料を抜き取って捨てるという事案も、これは当該年度というわけではございませんが、過去、散見をされています。ただし、これだけ莫大な徴税の任務に当たっておられて、そしてその中で、やはり圧倒的なマンパワーの不足の中でやっておられるということは、私たち立法府としてもきっちり認識をしておかなければいけない。 そこで、私が御指摘を申し上げたいのは、今、徴税あるいは査察、さまざまな税にかかわる職務が非常に危険を伴う、実際に警察官を伴うこともできますが。しかし、私も今、国会Gメンというものをやりまして、そうすると、あなたの子供さん、何々小学校に通っていますよねなんという、それは何々小学校に通っているのですよ。 それが別におどしだとは思いませんけれども、やはりいい気持ちはしない。あるいは、さまざまな不正事案をお調べになる中で、暴力団だけではなくて、職員の皆様の安全、危機管理についてもしっかりと考慮をしていく必要があるのではないか、あるいは、そのことに真正面から取り組んでいく必要があるのではないかというふうに思います。 警察や検察と同じように、大変厳しい中で御活動をなさっている、そこに深甚なる敬意を表するわけでございますが、システムとして、徴税の安全性、危機管理について御提言を申し上げたいと思うのですが、このことについてお考えを伺いたいと思います。 ○国税庁次長 どうもありがとうございます。 ただいま御指摘がありましたセキュリティーという点に関して申しますと、まず、調査の際、調査対象者からの暴言などによりまして調査の継続が困難になるというような場合、あるいは職員が身の危険を感じた場合などは、速やかに調査の中断をするとともに、場合によりましては警察の協力を得まして、改めて調査を行うということを指導しております。 それからまた、査察調査におきましては、調査を受ける者が暴行、脅迫に出るおそれがあるというような場合、それは警察官の実力行使の必要があると認められる場合、そのような場合には、国税犯則取締法第五条に基づきまして、援助要請をお願いしているところでございます。 これらに加えまして、先生御主張のとおり、職員のためのセキュリティー対策を講じることは極めて大切だと思っておりまして、今後とも、どのようなことができるか検討していきたいと考えているところでございます。 ○原口分科員 私ごとで恐縮なんですが、心理学を専門にしておりますと、今非常に社会が厳しい状況にあって、皆さんの心がささくれ立って、大体百人に一人くらい境界性人格障害、攻撃性を中に内包して、自分を導く自分というのを持たずに、ある突発的な事案によって攻撃性が外に出るという、俗に言う切れる、そういう障害を散見いたします。今、検討をするということでございましたが、やはり特に厳しいお仕事でございますので、職員の皆様の危機管理ということを真剣にお考えいただきたい。 そして、一方で、国税の信頼を確保するために、一生懸命そうやって活動をされておられる皆さんにとってはやるせのない事案も、この間衆議院の予算委員会で報告をされました。大臣の元秘書もかかわっているといういわゆる脱税コンサルタントの問題について、私たちは、衆議院の予算委員会で多岐にわたって議論をしてきたわけでございます。 国民の国税に対する疑念を払拭するためにも、脱税事件の調査、特に、院が必要と認めた場合は、国税職員にはより強固な守秘義務が課されています。昭和四十年代に、守秘義務と国政調査権の関係で活発な議論がされていた。それから随分いろいろな議論がされていることは知っていますが、諸外国の事案を見ると、非常にオープンになってきています。 これは、今回の事案のような政治家の名をかりた、あるいはそれを見せびらかした、そういったものから税の公正性を守るためにも、とても大事なことだ。やはりブラックボックスになっていると、そこにはカビが生える、チェックが中だけであると、そこではうんでしまう。 アメリカなどは、納税者憲章をつくって、そして議会に対して大変厳しい報告の義務を課しています。 私は、個別の事案についてきょうお伺いする気はございませんが、こういう国税庁の職員さんの名前をかたったような本当にけしからぬ事案。これは、二月の二十一日に当局はわざわざ記者会見をされて、当該職員の名前はイニシアルでしたから、どなたなのか私たちも知りませんけれども、その方の名誉を守るとともに、国税に対する信頼も同時に記者会見をして守るということまでされている。 こういう凶悪な事案については、やはりしっかりと国会に報告をすべきだというふうに思うのでございますが、基本的な認識を、政府参考人で結構でございますので、お伺いしたいと思います。 ○国税庁次長 ただいま先生から、プライバシーの問題、それに対する国税の守秘義務あるいは税制上の守秘義務、そのあたりをどう考えるかという御指摘でございます。 やはり、私ども調査に関する事務に従事します税務職員というのは、その過程で納税者の財産上あるいは一身上の秘密を知り得る立場にあります。したがって、税務職員にその秘密を他に知らせないように義務づけることが、納税者等の秘密を保護する、そういう点から極めて必要性が高いという点があるかと思います。 その上、実は、申告納税制度のもとで税務の執行を円滑に行うためには、やはり納税者の信頼と協力を得ることが必要でございまして、もし税務職員が職務上知り得た秘密を漏らすとなりますと、やはり納税者と国税当局の信頼関係が損なわれる。実は、これは一つの側面としては、情報が税務当局へ入ってこなくなる。これはある意味では、申告納税制度を基本とする税務行政に致命的な支障を起こす可能性がある。 したがって、ただいま先生が御指摘いただいたような職員の身分にかかわるような場合、それが調査に関係なければ、身分の保護のために、今回の一連の話でもそれなりの記者会見なり我々の抗議もさせていただいていますが、やはり調査に関係することは、我々はそこは慎まなければならないのではないのかなというふうに思っているということでございます。 なお、それに関連して、実はこれも、先ほど先生が言われたセキュリティー対策に非常に近い点を持っているように思っています。 要するに、暴力だけではなくて、そういう意味でのセキュリティーを我々当局としても検討していかなければならない、そんなことを思っている現実でございます。 ○原口分科員 それは、一般に個別の案件をすべて国会に報告してくださいということを申し上げているのではありません。 そうではなくて、国政調査権と守秘義務との関係であれば、国会において国政調査権を行使して、これはハウスが行使をして、国政調査権というのは当然ハウスが行使するわけですが、秘密を出してくれと決定した段階において、国政調査権の行使によって得られるべき利益と守秘義務によって守られるべき公益との比較考量がもうそこでなされているわけでありまして、私どもは、あの大蔵省の検査示達書、何でも一緒にやっていますね、それも御一緒にさせていただいたんですが、あのときも同じようなことが言えたんです。 検査示達書をオープンに見たかというと、そうではなくて、秘密会議で見ました。ですから、私たちはその中身を絶対外には出さない。あれは大蔵委員会と予算委員会で拝見をして、あの検査示達書、思い出すのもいまいましいんですが、何とかしゃぶしゃぶに行った検査官が手心を加えたということでございましたが、実際に四銀行に対する検査示達書を見てみると、まじめに書いてありましたよ、接待を受けたところ以外は。接待を受けたところは律儀に外しておられた。 私たちは、やはり三権分立の基本の考え方の中から、これは国税に対する信頼を高めるためにも、一般の人にそれを個別に言ってくださいということをここで申し上げているのではありません、しっかりと開示ができ、そして説明責任を果たせる制度をつくらないと、恣意によって、あるいはだれかの政治的な圧力によって今回のようなことを間違える人が出てきてはならぬ、これは国の根幹を揺るがすということを申し上げたくて、きょうこういう質問をしたわけでございます。 政務次官はアメリカの制度にもお詳しくございますが、ぜひ納税者、主権者の立場に立った公開、それはハウスに対して特定の事案と限るわけでございまして、あるいは、特定の職員の名前を出せなんということを僕らは言う気はありません。そんなことではなくて、余りにも国税の信頼を損なうような事案についてハウスが決議をした場合については、しっかりと説明責任を果たしていくということは、これは当然のことであるというふうに思うんですが、御所見をお伺いしたいと思います。 ○大蔵政務次官 大変お詳しい先生がまたいろいろな御経験を既にされての御質問でありますから、今から我々も考えていかなければいけない問題じゃないかと思っております。 先ほど委員から御指摘がありました昭和四十年代、いろいろ議論があって、これは昭和四十九年の十二月、参議院予算委員会で政府の統一見解というのが出されておりまして、私どもが大体中学校ぐらいのときの話でございます。 国政調査権が憲法六十二条、全部読みません、それから行政権に属する国家公務員の守秘義務というのが六十五条であって、この六十二条と六十五条の比較考量をケース・バイ・ケースでやるというのが政府の統一見解であります。学説等にはまた異なったところもあるというふうに私も承知をしておりますが、これでずっと来ておるというのが今までの政府の統一見解ということでございます。 李下に冠を正さずという言葉がございますから、余りそこを比較考量して、いつもいつも出さないと言っていると、やはり最終的には、民主主義の中でおかしいねということになって、もうちょっと出しなさいというところが多数になれば、それは当然、院の意思として出ていくものになるだろう。しかしながら、やはり憲法上の二つの権利の比較考量ですから、一方が全く意味のない利益で、一方が常に重んじられなければいけない利益ということにもならないと思いますので、究極なことを申し上げましたけれども、やはりケース・バイ・ケースでやっていく。 その中で、本当にブラックボックスだと思ってもらわないように、中もきちっとやっている、その上でケース・バイ・ケースで判断しているということをするために、我が省といたしましても、また国税庁に対してもきっちりといろいろなことを勉強してもらうように、これからもお願いしてまいりたいと思っておるところでございます。 ○原口分科員 終わります。ありがとうございます。 ○谷口主査 これにて原口一博君の質疑は終了いたしました。 |
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