○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。
○原口委員 おはようございます。民主党の原口一博でございます。公庫法の改正について、諸点にわたり御質問申し上げたいと思います。
今、上原議員の方から御指摘がありました。沖縄と言えば何でも許される、沖縄と言えば何でも公的な資金が投入される、私は、こういう考え方があるとすれば、それは間違いであるというふうに思います。そんなことは絶対にあり得ないし、今、基地の過重な御負担の中で、貸し渋りや、あるいは先般の当委員会でも御指摘させていただきましたが、自己破産の多さ、こういったことを考えると、この施策に当たる行政は、情報公開、そして自分たちが使っている国民の税金が、いかに沖縄県民の皆様の生活やあるいは暮らしに反映されているか、企業の皆様の経営に反映されているか、こういったことをしっかりと国民に説明する義務があるというふうに思います。
そこで、一層なる情報公開を求めるわけでございますが、当法案の中の貸付債権の譲り受けという項目、このことがどうして入っているのか、この政策目的は何なのか。このことについて、まずお尋ねを申し上げます。
○内閣官房長官 貸付債権の譲り受けについての御質問でございますが、金融逼迫時の資金ニーズに対応し、沖縄の金融の円滑化を図るためのものでありまして、これは決して民間金融機関の有する不良債権を肩がわりするという性質のものではないと考えております。
貸付債権の譲り受けにつきましては、償還の確実性の原則に基づきまして、当該譲り受けに係る債務の回収が確実であると認められる場合に限り行うものでありまして、借入者の信用力の対象事業について沖縄公庫において十分な審査が行われ、資産の不良化の防止に努めていただけるものと考えておりまして、そういう運営がなされることを私は信じております。
○原口委員 今、私はまだ懸念の問題についてはお話をしていないのですが、長官はその先の方もお話しいただいたわけでございますが、やはり三五%というこの公庫のシェア、これをどう見るかということは、ここできちっと議論をしておかなければならないというふうに思います。
四百億の公的資金を沖縄県内の銀行に入れて、そして、やはり先ほど長官の御答弁にありましたように、私たちはあくまで民業を補完するのだ、そして、沖縄という特殊性にかんがみて民業がなかなか育ってこない、銀行業も特殊な状況にある、こういったことを国民全体で支える、これが大きな政策目的であるというふうに思いますが、先ほど申し上げたような情報公開やアカウンタビリティーが確保されていない。今まさに長官が御説明をされたような、民間にある不良債権、あるいは非常にリスクの高い債権を公庫の方に譲り受けて、その分民間は軽くなるわけですが、そこでしっかりとした審査なり公開がないと、これはモラルハザードを起こす危険性もやはり一方で考えておかなければなりません。そこで、そのモラルハザードを起こす危険性と、そしてもう一つは、とはいっても貸し渋りやさまざまな問題に苦しんでおられる皆さんにいかに温かい手を差し伸べるか、その二つをどうやって考慮するかということにひとえにかかっているというふうに思います。
沖縄の金融情勢について、今どのような状況にあるのか。サミットを目前にした状況について、企業は金融機関の貸し出し態度が緩んだとごらんになっているのか、あるいは資金需要が少し楽になったとお考えなのか。どのようにお考えなのか、基本的な御認識をお尋ね申し上げます。
○内閣官房長官 貸し出しは最近非常に緩やかになっている、そういうふうに考えておりまして、地元の皆さんにできるだけ不便をかけないような体制で現在も臨んでいるものと私は理解をいたしております。
○原口委員 全体として見れば、金融機関の貸し出し態度DIというのは、去年の状況から比べると随分改善をしています。しかし、個々の企業一つ一つに当たってみると、まだそれは実感としては皆さんお感じになっていない。むしろ、例えば公共事業をなさっている会社などに聞いてみると、サミット前で逆にこの五月、六月の工事を控えなければいけない、そういったことも懸念をされるということで、なかなか実際の経済全体については、まだまだ厳しさを脱していないというところであります。そういう中でこういう法律の改正がある、これは時宜にかなったものであるというふうに認識をしています。
ただ一方で、もう一つお尋ねを申し上げますが、この法改正の中で、既成市街地整備改善資金、譲渡方式事業についても、今回対象資金の拡大の中に入っています。この政策目的は何でしょうか。どうしてこの時期に既成市街地整備改善資金というものを公庫の事業を拡大する中に入れられたのか、御説明をいただきたいと思います。
○内閣官房長官 お答えいたします。
沖縄県内の中心市街地の中には、戦災復興期の非常に秩序のない無秩序な開発によりまして、都市機能面で非常に支障を来しているものや、既成市街地自体が老朽化しておるものがたくさんございます。そういう中で、今後、市街地の再開発事業の進展が各地で見込まれている現状でございます。
今回導入を図ることにいたしております既成市街地整備改善資金は、このような状態に具体的に対応していこうという問題でございまして、都市機能の活性化を通じて沖縄の振興開発に非常に寄与するものだ、私はそういうふうに考えております。
○原口委員 まだあの戦争の傷跡、しかも多くの基地を抱えている、そしてそれが整理縮小に伴って日本に、沖縄に返ってくる、そういう中でこういう資金をつくるということは、私も一定の理解をするものであります。
ただし、沖縄県の市街地の開発事業、いろいろなところを見て回りますと、大変コストが高い。じゃぶじゃぶにお金をつぎ込んだ。そして、そこで何が起こっているかというと、沖縄の経済を活性化する、この効果は大変大きなものがあると思います。しかし、一方で気をつけていかなければいけないのは、沖縄県民の皆さんの公的資金への依存度が非常に高い、あるいは高コストの中でさまざまな産業の行動をされる、あるいは生活をされる、こういったことについても一定の配慮をしていかなければいけないというふうに思います。
そこで、これはぜひお願いでありますが、私は、この法律とともにこの国会に出ています軍転特措法の改正案、これは議員立法でございますが、これは委員長にお願いを申し上げたいと思いますが、我が党の上原議員を中心に、きょうは沖縄選出の議員も、嘉数議員、白保総括政務次官もそうでありますが、そういう皆さんの思いのこもった法律であります。一方で、市街地のさまざまな整備をしていく中で、やはり基地が今のような状況で、長い間厳しい状況にあるということは、これは改善をしていかなければいけない。一刻も早く当委員会で審議を、国会で審議をしていただくように委員長からもお力添えいただきたい、このことをお願い申し上げます。
さらに、これは青木開発庁長官にお願いをしたいのは、こういうハード面、資金面でのバックアップをするとともに、私たちは、沖縄県のさまざまな産業、生活全般にわたって、ソフトの面についても、やはりきっちりやるべきことをやらなければいけない、その代表的なものが私は地位協定の見直しであるというふうに思います。
先般、予算委員会で青木長官あるいは河野外務大臣と御議論させていただいたときも、環境の問題であるとか移転の問題であるとかRAPCONの問題であるとか、新たないろいろな問題が出てきているので、ここはもう運用改善で済ますわけにはいかない、ぜひ見直しをするべきだという御提言をさせていただきました。
きょうは限られた時間でございますので、特に御指摘申し上げたいのは、一体この地位協定というのはどういう過程でできてきたか、ここを当委員会で、この沖縄公庫の改正案を審議する中で、一方でやはりきっちり確認しておかなきゃいかぬというふうに思います。
これは、一九五二年に締結されました行政協定上の諸原則を大部分受け継いだ協定でございまして、地位協定が一九六〇年に締結をされておりますが、実際は、一九五二年、つまりその前の年に勃発した朝鮮戦争及びこういう事態に対応すべく、いわゆる大変な緊急事態を想定している、緊急事態に重きを置いた協定であるということ、そこを踏まえておかなければならないというふうに思います。つまり、この地位協定は、本来であれば平常時に対応するものでありながら、非常時にも対応し得る両面性を持っているわけでございますが、制定過程がこういう状況でございますので、大変非常時に重きが置かれている。
これを県民の方から見てみるとどういうことになるかというと、いつでも非常時に対応できるという性格を強く持っているために、私たち日本の国民あるいは沖縄の県民は必要以上の荷重を強いられている。やはりこのことをここでしっかりと認識しておく必要があるというふうに思うわけでございますが、沖縄開発庁長官としての御認識を問うておきたいというふうに思います。
○内閣官房長官 お答えいたします。
確かに、協定そのものの本質をどうするかという問題も大切な問題でありますけれども、私は、やはり現状においては、この協定の中で運用面において改善に努力していくのが現実的な対応じゃないかと考えておりまして、運用改善につきましては、委員御承知のように、私どもも九項目にわたって今日までも解決をしたところでありまして、今後ともそういう姿勢で、この運用改善に向けて、現状に即したような形で対応していきたい、そのように考えております。
○原口委員 先般、沖縄県の皆様がドイツに行かれて、ボン補足協定についても研究をなさって、その報告も出ているやに伺っていますが、当時、やはり一九五二年の状況と半世紀たった今とは全然違います。
この間、私も、米国の学者の方やさまざまな政府関係の方と議論をいたしましたが、しっかりと両国の日米安全保障条約を、あるいはパートナーシップを確立する意味でも、新たに生じるような問題について契約をしっかり結び直す、あるいは協定を確認する、あるいは改正すべきところは改正する、こういう態度の方が国益にかなうということを私は申し上げたいというふうに思います。
この間、改善でこられた。しかし、例えば今回のPCB、一回カナダへ行って帰ってきていますが、一体、こうやって市街地を開発しようとしても、例えば米軍基地が日本に返ってきて、沖縄に返ってきて、そこの部分が、ではだれの責任で、だれがクリーニングアップするのか、あるいはそこの環境はだれが保全するのか、こういったこともきっちり規定をしておくべきだ。それがなければ、この公庫法の改正も、ある意味ではまださまざまな課題を残してしまうというふうに思うのでありますが、前向きの御答弁を青木長官にいただきたいというふうに思います。
○内閣官房長官 議員のただいまの御質問は、一つの考え方としては私も十分理解をできますけれども、これを改善していくためには、相手の国の立場もあることでありますし、私は、作業には相当長期間を要するのではないか、そういうふうに考えておりまして、ただいま申し上げましたように、その時々の問題について、現実には運用を改善していく、それが当面の我々がなすべきことじゃないかと考えている。議員のおっしゃることも私も非常によくわかります。
○原口委員 私どもの主張に一定の御理解をいただいたということで、先へ進ませていただきますが、地位協定の中に書いてあることであれば、これは改善で、あるいはそれぞれの話し合いで対応できますが、全く想定していない、書いていないことについては、やはり盛り込むべきだということをここでしっかり私は指摘をしておきたいというふうに思います。
さて、ここで公庫の理事長にもお見えいただいておりますので、一点だけお尋ねをしたいと思います。
これは先ほどの上原委員の御質問にもありましたが、公庫の三五%という今のマーケットシェア、そして今回、私どもも財投改革ということで、財投機関債を発行したり、あるいは財投債、政府保証、さまざまなもので政策的な金融機関をバックアップすべきだ、その改革がもう目の前に来ているわけでございますが、公庫が沖縄県においてこういうシェアを占めているということについてどのようにお考えなのか。あるいは、これは拡大していくのか。あと十年後、今回の法改正で当然業務は拡大していくわけでございますが、それをどのようにお考えなのか。基本的な認識を問うておきたいと思います。
○沖縄振興開発金融公庫理事長 お答え申し上げます。
先ほど沖縄開発庁長官の方から総括的な御答弁はございましたので、私といたしましては、先生が御指摘になりました、いつ、またそれをどう認識するのかという点に絞ってお答え申し上げたいと存じます。
この数字そのものにつきましては、おっしゃるとおり、事実でございまして、ただ、この数字そのものは、最近における民間金融の逼迫した情勢、それからさらにはここ数年の政府が各種の経済対策を次々と打ってきた、その相乗効果が多分にきいてこの三五・二%という数字になったというぐあいに基本的には理解しておるわけでございますが、ただ、その前に、我が公庫の融資残高というものが沖縄経済において三〇%を超えていたという事実がございます。
こういった点から私どもは問題を認識しなければならないというぐあいに考えるわけでございますが、基本的には、沖縄経済における国民所得の水準が全国の三分の二しかない、したがって貯蓄も、これは貯蓄動向調査によるわけでございますが、全国の三二%しかないという、基本的には、沖縄においては資金原資が極めて限定されているという状況にある。したがって、その結果として、民間における預貸率が極めて高いというような状況、またそのコストがいわゆる本土に比べまして〇・五から一%くらい割高になっているという状況もある。さらには、これは先生よく御承知のことだと思いますが、沖縄におきましては、都市銀行は実質的な活動がほとんどないという状況もあるわけでございます。
こういう状況を踏まえ、貯蓄、資金残高が極めて低い中で、沖縄の振興開発を図っていかなきゃならない、企業の助成、育成を図っていくというようなことから、我が公庫は本土から資金を持ってきて財投改革になりますと、またいろいろな手法と手段を今回お願いしております法律によっていろいろ考えていかなきゃならぬということがございますが、今のところ、国民の貯蓄であります財政投融資資金を沖縄に回しまして沖縄の振興開発を図っていくという法律の目的に従って私どもが活動してきた結果、このような格好になったというぐあいに基本的には理解しております。
ただ、長官が申し上げましたように、私どもはやはり民間資金の補完機能でございますから、その辺は今後とも十分考慮に入れながら、沖縄振興開発を図っていくというのが私どもの使命だろう、こういうぐあいに考えております。
○原口委員 沖縄の置かれた立場を考えると、一定限の公的なサポート、これは大事なことだと思います。と同時に、やはり民業をはぐくむ、金融マーケットにおいてさまざまな自助努力、そういったものをはぐくむ、こういうことが大事だというふうに思います。
時間があとわずかでございますので、最後に、私は、森総理のこの発言だけはぜひサミット前に沖縄に行かれて釈明をしていただきたい。
これは、安室奈美恵さんが君が代を歌っていないことを指摘して、沖縄は学校で君が代を教わっていなかった、教組は全くの共産党が支配し、沖縄の先生も、琉球新報、沖縄タイムスもそうです、そういうふうに語っておられます。
私は、けさ靖国にお参りをし、あの大戦で亡くなった皆さんのみたまに手を合わせてきました。そういうことをやることも、あるいはやらないことも、これは自由であります。一国の総理が特定の方を指して、そして私は共産党をどうのこうのと言う気はありません。しかし、このように決めつけるやり方と私たちは闘っているんです。多様な価値観や自由な考え方を妨げるもの、あるいはそれにレッテルを張るもの、これと闘っているのが私たち自由主義の政治家の本分であります。
私は、小渕前総理が九州・沖縄サミットを決断された、これは大きな評価を国民の皆さんがされていると思いますが、しかし、今度なられた森総理がこんなことをお話しになる。五月十四日に沖縄を訪問されるそうでありますが、私はしっかりとこのことについての釈明をお願いしたい。
それから二点目は、先ほどの上原委員の質疑の中に関連して、これは委員長に後で理事会で諮っていただきたいのですが、沖縄県のさまざまな状況をかんがみて、沖縄県選出以外の衆議院議員が沖縄県内に政治団体をつくって、そしてさまざまな活動をしている、その中には、少しまゆをひそめるようなものもあるというようなことが投書で参っております。ぜひこの委員会に、沖縄県選出国会議員以外の政治団体が沖縄県の選管に届け出があるのかどうか、そのことについての資料を提出をいただきたいというふうに思います。
前段の森総理の発言については沖縄開発庁長官にお尋ねをして、質問を終わりたいと思います。
○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 ただいまの原口君の御要望につきましては、理事会において検討したいと思います。
○内閣官房長官 お答えをいたします。
先日の森総理の発言は、私は学校における国旗・国歌の指導に万全を期していただきたいという気持ちで発言されたものと思いますけれども、いろいろな誤解を生じていることは非常に遺憾でありまして、このことは森総理自身が今回五月十四日に沖縄に行かれる予定が決まっておりますので、そういうあらゆる機会をとらえて、自分の真意を沖縄の県民の皆さんにお伝えになろう、私はそんなふうに理解をいたしております。
○原口委員 終わります。
○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 これにて原口一博君の質疑は終了いたしました。 |