○予算委員長 原口一博君。
○原口委員 民主党の原口一博でございます。
総理並びに関係大臣に幾つかの点について質問をしたいと思います。
まず、先ほどインターネットのニュースで、沖縄県議会において稲嶺知事が、海兵隊の訓練のグアムへの移転、これをお願いしたいということをおっしゃったそうであります。
今、沖縄の県民はもうぎりぎりのところまで来ています。この長きにわたる基地そして訓練の重圧。一体、沖縄県民は何を怒り、何を日本政府に求めているのか、総理にまずお尋ねをいたします。
○外務大臣 私、昨日沖縄に行きまして、沖縄県内の大多数の市町村長にお目にかかってまいりました。市町村長からこもごも、さまざまな御議論がございまして、今日の、一月以来の事故の続発についてはもう正直我慢がならぬ、こうしたことが引き続き起きないようにしっかりと米側に話をするべきだというお話がございました。と同時に、県議会あるいは幾つかの市議会を通じまして、兵力の削減、海兵隊の削減、さらには地位協定の改定というような御希望がそれぞれ出たところでございます。
ただ、私といたしましては、地元の御意見、お考え、お気持ちはよくわかりますけれども、兵力の削減等につきましては、これはかねてからこの委員会でも申し上げておりますように、国際情勢というものを考えなければ、そうしたものを考えずに兵力の削減をするというわけにはまいらないので、今後、日米間ハイレベルで行われます会談等におきまして、国際情勢につきましてはより一層注意深く話し合いたいというふうに思っておりますということを申し上げてまいりました。
○原口委員 今外相がお話しになりましたが、平時において、いわゆる朝鮮半島で起こったあの有事のそのまんまの状態が長きにわたって沖縄で続いているんです。私たちは、昨年、民主党として、軍転特措法の改正案、それから地位協定の見直しということを政府に強く求めました。
総理、日米関係は世界の中で最も重要な二国間関係であるというふうに思います。そういう中でも、私は、今のような状況が放置をされている、身柄の引き渡しについても、あるいは環境条項については外相は昨年の予算委員会の私の質問に前向きの御答弁をいただきましたが、もうこの運用の改善で済む話ではない。二国間関係が重要であればあるほど、私は地位協定の見直し、これに真剣に踏み込み、検討を始めるべきだというふうに思いますが、総理の御所見をお伺いいたします。
○内閣総理大臣 前段のお話は、まだ私もそのニュースを見ておりませんので、今外務大臣からお答えを申し上げたとおりであろうというふうに思います。
在日米軍施設・区域が沖縄県民の皆さんに多大な御負担をかけている、そういうふうに集中的に御負担をかけている、こういう意味では、沖縄県民の方々のお気持ちのあらわれとしてさまざまな御意見があるということはよく承知しておりますし、先週も、我が党の沖縄県選出の国会議員が私のところにお見えになりまして、一連の不祥事等が起きたことについて、沖縄県民の怒りといいましょうか、そうしたものも私は十二分に伺いました。
私は、そういう意味で、この日米地位協定の問題は、今御指摘があって御批判がありましたが、まずは運用の改善をどこまでやり得るか、そのことはやはり日米関係を重要視してやっていくべきだと思っています。そして、個々の問題に対して機敏に対応することが重要、とりわけ沖縄の県民の皆さんの気持ちにすぐ対応でき得るような、そうしたことをすることがまず第一だろうというふうに考えます。それが十分効果的でないということの場合には、これは相手もあることでございますけれども、地位協定の改正も視野に入れていくべきであろう、このように私自身も判断をいたしておるところでございます。
○原口委員 今総理がお話しになりましたとおり、運用見直しというのはずっとやってきたのです。ですから、地位協定の改定を視野にというはっきりとした御答弁をいただいたことで、次へ移りたいと思います。
委員長のお許しをいただいて、資料を十二枚、お配りさせていただきます。
この一ページ目から四ページ目までは、私ども四野党が、この平成十三年度予算に対する共同組み替え要求ということで、私はその実務者として、自由党の鈴木委員、共産党の山口委員、社民党の阿部委員、四名で、今の政府予算にかわる、私たちが考える予算の骨子をここに出させていただきました。
その中に沿って幾つか御質問をしたいと思いますが、まず一番の内閣官房報償費及び外務省報償費の仕組み、これについては何回も議論をさせていただきました。
会計検査院、さきの十五日の委員会の質問で、私は皆さんに、松尾さんが御自身の判断でああいう官房機密費を扱うようになったのか、調査をいつまでに出すのか、上司の決裁はあったのかということをお尋ねしましたが、その後の検査の結果をお尋ねします。
○会計検査院第一局長 今回の事態につきましては、現在、会計検査院といたしまして事実関係を検査中でございます。
なぜ今回の事態が発生したのか、その原因はどこにあったかを究明しまして、再度このような事態が生じないよう、その再発防止策を図るという方策を検討していきたいと考えております。
現時点で、こういった検査結果をいつまでに取りまとめるのかということを明示することは困難でございますが、十分に検討しました上で、なるべく早期に取りまとめたいというふうに考えております。
○原口委員 さきの予算委員会でお願いをしたのは、私たちは、いわゆる暫定予算やそういったものを目指してここで審議をしているのじゃありません。期限を区切って、この予算、国民生活に大事な予算、これは与党にも何回も言われる。私たちもそうだと思う。だとすれば、はっきりしないデータでは予算の審議はできないから、今月中のできるだけ早い時期に出してくださいということを言っておるわけでございます。
委員長に求めますが、再度この委員会の理事会にお諮りいただいて、この検査結果、上司の決裁なくてどうやって官房機密費、報償費を取りに行けるんですか。松尾が、松尾が、松尾さん個人の犯罪にしようとしているが、本当にそうなのかというのは、質疑を行えば行うほどわからない。むしろ、これまでの質疑では、外務省ぐるみじゃなかったか、こんなことまで疑いをかけられているんです。政治に対する信頼を取り戻すために、一刻も早い資料の提出を求めます。
二番の公共事業の削減でございますが、資料の五ページ目をごらんになってください。
先日私は、「ムツゴロウ」という新作狂言、これは、ふるさと伝統祭りという中で演じられたものでございますが、今、有明海の状況、もう沸騰せんばかりであります。諫干の事務所に千人を超える漁民の皆さんが詰め寄って、宝の海を返してくれ、こういうことを言っている。
この劇の中で演じられたのは、鬼剣舞、岩手県北上市。高千穂の夜神楽、宮崎県高千穂。手杵祭り、福井県小浜。そして、なまはげ、男鹿市。新居浜太鼓祭り、新居浜。ここには、私たち日本人が持っていた自然に対する恐れ、自然を大事にし、つつましく生きていくという日本古来の姿が、このさまざまな伝統芸能の中にうたわれています。その清冽さ。これは御後援を文化庁と総務省がされたそうでございますが、私は改めて日本の古い営みの、自然を大事にするその心に触れた思いがいたしました。そういう意味で、御後援をいただいた各省にも、政府にもこの労を多とするものであります。
しかし、今私たちが諫早で起こしていることは、一体どういうことなのか。総理、漁家の皆さんが千人も、宝の海を返せということで干拓事務所に詰め寄っていることに対して、どのようにお考えになりますか。
○内閣総理大臣 私も、昨日また一昨日あたりからのニュースなども十分に見ておりまして、関係漁民が大変強い要望をしておることもよくニュースでは承知をいたしております。
政府は、そのためには、まず最初の調査を行って、専門家の皆さんで十二分に検討もし、必要があれば干拓湾をあけるということもやらなきゃならぬということは当然言っておられるわけでありますし、その時期が、問題は次のノリの栽培の時期といいましょうか、それが五月というふうに聞いておりますから、それまでの間にはきちっとした結論を出すように調査を進めている、こういうふうに承知をいたしております。
詳しくは、農水大臣にでもお尋ねいただければと思います。
○原口委員 資料の六をごらんになってください。この諫早湾は有明海の子宮であります。ここにすむ何億という生物をあの干拓で失ってしまいました。珪藻プランクトンは一向に減りません。この珪藻プランクトンがノリの栄養をとってしまう。その中で、この資料の六は、有明海における魚類の産卵期でございます。つまり、これはほとんどこの三月、四月、五月から産卵が始まるのです。
私は、総理に御決断をお願いしたい。調査ということでございますが、調査はこの諫干が始まったときからずっとやっておかなければいけないものなんです。その証拠を次のページでごらんになってください。
七ページの三「諫早湾干拓事業に起因し、有明海水産業に被害又は支障を生じた場合には、貴職が責任をもって必要な対策を講ずること。」四「有明海水産業への影響並びに環境の変化を把握するため引続き定期的に調査を実施すること。」これは、昭和六十二年二月十三日に九州農政局と佐賀県有明漁連の会長との間で取り交わされたものでございます。
さらに八ページ「諫早湾干拓事業に関する確認書」の三「諫早湾干拓事業に起因し有明海水産業に予測し得なかった新たな被害又は支障が万一生じた場合には、乙は誠意をもって甲に協議し、解決するよう努めるものとする。」
たくさんの資本を投下しています。ことしまた同じような状況になれば、今九月までというお話になりましたが、もうそれでは遅いのです。私は強く求めたい。それはまず、今、諫早湾の湾の中に締め切られてたくさんの物質がたまっています。これをしゅんせつしてください。そして、農水大臣は、海のことは漁民に聞けという名文句を私どもにおっしゃっていただきました。まさにそのとおりであります。海のことを漁民に聞くにも、漁民の生活は、ことしまた同じことが起こればもう立ち行かない。しゅんせつをして、できるだけ産卵期の前に水門をあけて、水門をあければどうなるんだと言う人もいます。しかし、今一日のうち二回あけているんです。
あるいは、私たちがこの事業の説明を受けるときに、干拓事業をすればあの水害に悩んできた諫早湾の人たちは救われるんだ、こういう御説明もいただきました。しかし、実際にその内容を見てみると、そのときの説明が本当に真実だったか、知れば知るほど多くの疑問がわいてきます。そのことについて、もうここで右か左かと議論をするつもりはありません。まず、しゅんせつをし、そして水門をあけ、有明漁民に宝の海を返す、この決断を早急にしていただきたいというふうに思います。
総理、いかがでございましょうか。
○農林水産大臣 先生おっしゃるとおり、水の問題は古老に聞けというふうに私のところでも言われているんですが、私は海のこともそうだろうと思いまして、きょう第三者委員会を立ち上げたわけでありますが、その中に四人の漁民の方に入っていただくということにいたしたわけであります。
そして、今この水門をあけるかどうかということでありますけれども、第三者委員会が調査の項目の中で水門をあけて調査したいということであるならば、私は水門もあけましょうというふうに申し上げているところでございます。
今、何が原因であるかということは正直言いましてまだわからないわけでありますから、総合的に調査をしてもらうことが大事だ。しかも、これを早くやってもらいたい。今お話がありましたように、総理からもお答えがありましたように、ことしの十月になりますればまた網を入れなきゃならぬ。しかし、準備ということを考えると、もっと早く一つの中間報告をして、安心してノリ網が入れられるような、原因をまず確かめてそれをやることが大事だというふうに考えております。
それからまた、水門をあけるなというふうな長崎県側の考え方もあるわけであります。先生もそういった面を踏まえて、前にそういったことについての御発言があったようでございますけれども、いろいろな御意見もありますから、私どもは、予断を持たないで、しっかりと調査を早くやっていただいて、そして万全を期していきたいというふうに考えているところであります。
○原口委員 この状況はもう数年前から指摘をされている。そして、調査は、今お示しした資料に書いてあるとおり続けてなきゃいけない話なんです。明らかにプランクトンを食べる捕食者が何億という数で減っている、この捕食者を有明海に戻さない限り、また結果は同じだ。
ですから、今前向きの答弁をいただきました。あとは委員会で細かく質問をさせていただきますが、できるだけ早くその御決断をいただきますように求めて、次の質問に参ります。
今回の予算は、一体どっちを向いているんだろうか、財政構造改革について踏み込んでいるんだろうか、あるいは莫大な長期国債の残高についてしっかりとした歯どめがかかっているんだろうか。ことし、いわゆる郵貯の大量満期に伴う税収が十二年度に三・四兆円ありました、この分が季節的にどんと乗っている。
昨年、この委員会で宮澤財相と議論をさせていただいたときには、たしか、あれはベイスターズですか、佐々木投手を一回から投入したような予算だ、ワン・モア・バジェットだ、ことし限りの予算だ、そしてその効果があらわれなければ責任をとりますというお話をされたのを覚えています。
しかし、ことしまた、皆さんから出されてきた予算は、ツー・モア・バジェット、もう一回ことしもという予算であります。あれほど、あの当時は小渕総理でございましたが、十五カ月予算というものまで組み、そしてその効果がなければ責任をとると言われ、またことしも同じような予算が出てくる。これは一体どうしてなのか。
橋本行革担当相が隣にいらっしゃいますが、橋本六大改革、特に財政構造改革を議論させていただいた、あのときになぜ貫徹をしなかったのか。私たちは橋本財政構造改革法の修正案を出させていただきましたけれども、そこの総括を一回して、そして、この資料の十一ページにあります「新たなマクロ経済計量モデルの構想」ということで、今麻生大臣のもとで、新たなディメンジョンを入れて、新たな座標軸を入れて、日本の社会と経済を分析する、そういう作業をされていますが、なぜあの財政構造改革が貫徹をしなかったのか。
そして、ことし、昨年あれほどのことを言われながら、なぜこのような予算が出てきているのか。来年、三・四兆円といういわゆる郵貯の大量満期のお金は一兆円台に減るのじゃないでしょうか。そうしたときに本当にこんな予算でいいのだろうか。総理に御質問をいたします。
○財務大臣 ちょうど昨年の今ごろであったと思いますけれども、私としては、ちょうど秋ごろには民間経済へのバトンタッチができるだろうということを申し上げました。企業へのバトンタッチは確かに予想以上にできましたが、御存じのように、従来の不況回復のパターンと違いまして、家計の方にそれが移っていかない。したがいまして、GDPの六〇%を占める消費がなかなかプラスになっていかないというのが今の現状でございます。
それは、恐らくITに伴います社会の変化に対して、アメリカはレイオフをいたしますが、我が国はやはり労働の方がそれに対応していく、労働慣行が変わっていくのだろうと私は思っておりますが、そういうふうに時間のかかる部分が見えてまいりました。
したがいまして、このたびの予算を組みますときに、ちょうど昨年の十一月ごろですが、どうもそういうことが見えますので、念のため公共事業予備費三千億円を改めて組ませていただきました。これは私は、前には、念のためという意味が、申し上げますように想像していなかった、しかしそうしておかないと家計の回復が遅いかもしれない、そういう部分が確かにおっしゃいますようにこのたびの予算にございます。それは原口委員の言われるとおりです。
しかし、他方で、国債発行額は四兆円ほど、理由もございましたが減らしまして、国税も少しふえた。ですから、本格的に財政改革をするにはまだ至っておりませんが、そういう復調の気配もございますので、それで麻生さんにもお願いいたしましてこういうマクロモデルをつくって、恐らく半年ぐらいかかるのじゃないかと専門家は言っておられますけれども、その上で日本経済がそういうふうに向かっていきますとシミュレーションを始めることができるのではないかというふうに今考えております。
○原口委員 私は、労働慣行に消費が移っていかなかった理由を求めるのは少し早いのではないか、いや議論が飛ぶのではないかというふうに思います。
橋本財構法のときに、私は二つのことを御指摘しました。一つは、世界の情勢。四月に始まるバーツの下落にスタートをする通貨危機、このことを考えるとディプレッシブな予算は厳しいんじゃないかということを何回も申し上げました。もう一つは、十二ページに書いておりますが、私は二十代のころに、松下政経塾で中曽根内閣のブレーンの皆さんに育てていただきました。中曽根内閣は、官から民に、そして思い切った行政改革をやり、むだを省く、臨調というものをもとにさまざまな改革を打ち出しました。サッチャー・レーガン革命というものも同じような文脈の中にあったのかもわかりません。
しかし、そこで、私たちは区別をしなければいけないのは、この丸の下に書いていますが、人間には満たさなければいけない最低のラインというのがある、雇用であるとか福祉であるとか、医療やあるいは年金、教育、こういったことは果たして自由競争や自己責任が第一義なんだろうか。私はそうではないというふうに思います。ここでやるべきは、むしろ社会や公的な部分がしっかりと支えるという態度ではないでしょうか。
一方で、それが満たされた人たちが、その先で自由な競争をする、規制を緩和する、この部分については市場はもっと改革をされていい。しかし、それがごっちゃに議論をされてきたのではないか。市場万能主義をやれば、日本のような均質な社会は大きなひずみを持ちます。私は、ここは人間尊重主義を入れるべきだと思う。教育についても、競争政策を言う前に協力政策を言わなければいけないというふうに思います。
人間は、四百ccでこの世に生をうけて、千四百ccまで五歳の間に脳が発展をします。その間の私たちの教育の環境、これが圧倒的に今の時代を規定している。それを考えると、総理が出された教育改革、これは一定の方向を向いていますが、ゼロ歳から五歳までの間についてもっと真剣な議論が必要である。そこでは、人間の本質をとらえた協力の理念が必要だということを申し上げたいというふうに思います。
予算の組み替えに戻らせていただきますが、「児童手当所得制限緩和による追加支出額の削除」、これは当委員会で他の委員も詳しくやりました。また、四の「ODAのあり方の見直しによる予算の節減、防衛費は前年度並とする。」
政府の対外政策予算を見ると、これは官房長官、前、小委員会の座長になって官房長官がおまとめになったペーパーがあるやに聞いていますが、対外政策経費を見ると、国際機関への拠出金やあるいはさまざまな円借款、これが重複をしてみたり、あるいは目的と現実とが乖離をしてみたり、先ごろ山田議員が外相に質問をさせていただきましたが、貧しい国々に対する援助もその報告すらももらっていないで予算案を出している、こういうこともあるんですね。
どのような改革をされようとしているのか、総理に伺いたいと思います。
○財務大臣 ODAにつきまして、このたび世間にも、また私ども連立の内部にも反省がございました。その理由を詳しくは申し上げませんが、簡単に申せば、やはり効率化、重点化であるということでございまして、このたびの予算では前年度比三%の減額を行いました。
ただ、それを行うに当たりましては、我が国が軍備をもって世界の平和に貢献のできない国でございますから、ODAこそは我が国が世界の平和に貢献できる道であるということ。また、長い経緯の中から各国間に約束のでき上がっているものがございますから、それらを変更するについては、相手方と話をしながら、多少の時間を要するといったような心組みでこのたびの編成をいたしました。
○原口委員 外相、ODAの予算については、機密費とあわせて、どのような改革をされるつもりなのか、御所見を伺いたいと思います。
○外務大臣 ODAの予算と機密費の予算とを一緒に議論するのは余り適当でないと思います。ODAは日本の外交政策上極めて有効なものでございますし、それは、恵まれない国あるいは開発途上国に対して、日本が、国際社会への参加を招請するためにできる限りこれに対して努力をするということが、これはただ単に日本の国の問題だけではなくて、国際社会の中で先進国は開発途上国に向かってそうしたことをやっていく、これは言ってみれば国際社会の中の一つのルールと申しましょうか、マナーと申しましょうか、そういったものの一つであろうというふうに思うわけです。
自分だけがよければそれでいいというふうに考えるわけにはまいりません。恵まれない人たちがこれだけこの地球上にいるということを考えれば、我々も、現在、経済的に極めて厳しい状況にはございますけれども、その中でももっと厳しい、もっとつらい生活を強いられている国というものに対して手を差し伸べる。しかし、それはできる限り有効な方法で手を差し伸べる、国民の理解を得ながら手を差し伸べるということが重要だと考えています。
○原口委員 目的そのものは、だれもODAについてこれを全部ゼロにしろなんと言う人はいないと思います。しかし、その中で、一つ一つがチェックをされない。あるいは、サンセットすることがその中に必ずしも盛り込まれていない。そして、世界的に見るとかなりの拠出金を我が国が負っている。このことを、この十年を数える不況下の中で、国民は本当にこれでいいのかなということを感じている。このことは真摯に受けとめなければいけないというふうに思います。
私は、先ほど協力政策ということを申しましたが、市場万能主義をもう私たちこれからの日本の内閣はとるべきではないというふうに思います。市場で何でもかんでも勝ちなさいということは、家庭の方からどんどん市場に行きなさい、社会の方から行きなさいということであります。社会の方はどんどん荒れる。社会の方が荒れるものだから、そこは心だのきずなだのということを殊さら言わなければいけない。
私は、心の問題については、政治はこれを扱うときによほど慎重でなければいけない、良心やあるいは思想や信条の問題を政治が扱うときには、心の発達だとかあるいは心の病理だとか、そんなことを話すのは私は大事なことだと思います。境界性人格障害といって、自分を導く自分というのを持てない子供たちが、ある調査によると百人に一人できている。このことについては、政治はしっかりとこたえなければいけない。しかし、今回のさまざまなレポートが示すように、あるいは所信の中で心の問題が大事だと言われるような形では、これは結構厳しい、きついことなんだなというふうに思います。
宮澤財相、宮澤財相は、政治が心の問題について語るときに抑制的であるべきだということをかつておっしゃり、私もそのとおりだというふうに思っているのですが、政治と思想や信条あるいは心の関係について御所見を伺えればというふうに思います。
○財務大臣 私が申し上げようとしましたのは、政治が人の心に直接に指図をするようなことをすべきではない、政治の役割は、おのおのの人が自分の心のことを大事にし、自分の心のことを自分で考えられるような、そういう環境をつくることが政治の仕事である、こういうふうに考えております。
○原口委員 私もそのとおりだと思います。
今、シンガポールでは、ITを利用して、世界一の教育にだれでもがアクセスできるような、そういう仕組みをつくろうとしています。個々の学校の枠を超えて、あるいは国の枠を超えて、それぞれの子供たちが世界の最高の真善美に、そして教育のプログラムにアクセスができる、このことこそ今私たちは必要なんではないでしょうか。
今、東西冷戦が終わって、世界はそれぞれ理想的なシステムをその国々でどのようにつくるかという競争の時代に入っています。
そこで、私たちは、教育費を今のような状況で削っていってはならない、むしろ、この教育にさらなる力を入れるべきである、そして新たなシステムを構築すべきである、こういう思いから、この予算の組み替え案、四党で随分教育に力を入れた組み替え、それでも限られた予算の中なので、まだ満足にいくとは限りませんが。
文部科学大臣、お尋ねしますが、教育にかける予算、今の状況、文部大臣の御所見を伺いたいと思います。
○文部科学大臣 教育予算についてのお尋ねがございました。
教育予算について、何か減少しているという御指摘がありましたが、それは事実と反すると私は考えております。(原口委員「減少していると一言も言っていない」と呼ぶ)減少と、さっき削減傾向にあるというお話をされましたが、私どもは、ちゃんと必要な、この厳しい財政の状況でありますから、私ども文部科学省も政府の一員としてその財政状況を認めながら、その中で最大限私どもが必要だと考える予算を今御審議いただいているところであります。
○原口委員 私は、この分野で、これも資料に出させていただきましたが、資料の九、一人当たりの国民所得額順の上位十カ国の財政状況、これを見ると、我が国はついに二〇〇一年、上位十カ国の中で債務残高、SNAベースでございますが、最悪の国になってしまいました。
この上位十カ国を見て一つ気づくことは、この十カ国がすべてアングロサクソン流の競争政策をやっている国とばかりは言えない。むしろ福祉やあるいは教育や医療といったもののしっかりとしたネットを張っている国だということは、私たちの国の改革の方向性を示しているのではないかというふうに思います。
ことしの世界経済の懸案事項は二つだと思います。
一つは、世界から五千億ドルお金を集めないと回らなくなったアメリカの経済、この経済に減速の兆しが見えていること。もう一つは、一年間に百兆もの借りかえをし、そして国債を発行する。こういう中で、その国債をこれ以上発行し続けることがまだできるんだろうかという日本の今の状況であります。
不良債権処理が遅々として進まず苦しんでいた時代、この時代を少し抜けてきたのか。整理回収機構というものをつくって、そして住専以来の不良債権についてさまざまな取り組みが行われているところでございます。
預金保険機構に伺いますが、この間の預金保険機構が把握をされている整理回収機構の回収実績、これをお尋ねいたします。
○預金保険機構理事長 お答えをいたします。
先生の資料の中に十二月までの数字が載っておりまして、それは正しいんですが、その後、一月末の数字が出ました。
十二年度の回収実績は、本年の一月末現在で、住専勘定が二千六百八十一億円で、破綻金融機関からの債権回収でありますRCB勘定は七千五百十三億円。そういたしますと、合計で約一・一兆円となっております。あと二月、三月分を織り込みますと、本年度の回収実績は過去最高の水準になる、このように考えております。
創設以来現在までの回収の累計は、両勘定でおよそ四兆円弱となっておりまして、それぞれ買い入れました簿価に対する回収率としては、住専勘定は四八・三%、RCB勘定では四七・一%、こういう数字になっております。
○原口委員 大変な御苦労があったというふうに思います。スタッフの皆さんや多くのこれにかかわった皆さんの御苦労を多としたいと思います。
ただ、その中で、幾つか不適切な回収事例も報告をされているやに聞きます。それはどういうものですか。
○預金保険機構理事長 お答えいたします。
御指摘の案件は、回収機構が、みずから厳正な事実調査を行いました上で、昨年十二月とことしの一月に、社長から記者会見で公表いたしまして、かつおわびを申し上げました事案でございます。指導すべき預保としてもこの点についてまことに遺憾であり、残念であると思っております。
その事実関係のポイントと申しますのは、旧住専管理機構当時に、大口の債務者から債権の回収を図る際に、ふくそうしてあります担保物件の売却をめぐって、同じく、住管機構よりも上位の抵当権をお持ちの二つの金融機関、ある意味での競合関係になるのですが、その二つの金融機関に対して、既により高額な売却代金が一体として設定されているのに、それを相手が、より低い金額でまとまりつつあると誤解していたのに対して、住管機構の担当者があえてそれを訂正しなかった、こういうような、この土地、担保物件の処分にまつわります数点にわたりまして、相手の、競合している共同債権者に対しまして、重要事項の的確な伝達、連絡、それらを欠いて住管機構が回収をした、こういう点が不適切な事例でございます。
○原口委員 本当は知っていたのに相手に伝えなかったというのか、最初からそのつもりで、だますつもりであったのかということについては、さまざまな資料をもとに議論をしますが、私たちは立法府として、法律をつくっただけで、それでは十分ではない。実際にさまざまな運用がどのようになされているか、厳しくチェックをしなければいけないというふうに思います。
私が聞いているところでは、今理事長がお話しになったこととは必ずしも同じじゃない。むしろ、さまざまな資料は、RCCが、その回収のノルマを果たそうということで、もともと知っていて、二重の、異なる主体に対してそれぞれ違うことを言っている、その疑いが出てまいりました。
これは、きょうもうここで詳しく取り上げる時間がなくなってしまいましたが、きっちり一〇〇%預金保険機構が株を持っていらっしゃる、そういう国策会社だというふうに認識をしています。多くの正義の人たちが集まって、そしてバブルに狂った人たち、土地転がしに踊った人たちの整理をする、もう大変な御苦労があると思います。あるいは厳しい、危険もあるんだというふうに思います。その中で頑張っていらっしゃるということははっきり私も知っていますが、しかし、だからといって何でも見過ごせるわけではない、このこともあわせて申し上げておきます。
最後に、先ほど政倫審でお話がございましたが、私は、総理、高度情報化社会において、もう情報の持つそのものの意味が違っているんだというふうに思います。今までは、自分たちの均質な団体をつくって、その団体で通用する論理、あるいはその団体でだけ行われる分配、これでよかったかもわからない。しかし、もう今や、そういうときを超えている。会社でいけば、最前線の人たちが上司に直接メールで手紙を送る。世界が狭くなって、Aという集団とBという集団との基準が違うなんということは、これも困る。そのこと自体が起こっているにもかかわらず、同じような事件が続発をする。
きょうの中でも、幾つも明らかにならないことがありました。
実際に額賀さんの秘書がKSDにいつお金をもらいに行ったのか、お金を取りに行ったのか、このことについてもわかりませんでした。そして、なぜ五百万円については半年間も代議士に無断で、大臣に無断で机の中に入れるということがあるのか、事実関係が必ずしもはっきりしなかった。
五月二十三日には、古関理事長室からその秘書さんが官房副長官室に電話をかけて、そして古関さんと額賀さんがお話をされたということもしっかりとお話しになりました。
だとすれば、これは委員長に求めたいと思いますが、五月二十三日のこの発信記録、これを当委員会として取り寄せていただきたい。私は、何カ月も秘書が預かって、そしてそれが机の中にあったということは、とても国民の皆さんが理解をできる話ではないというふうに思います。委員長にお願いをいたしますが、理事会に諮っていただいて、この発信記録を取り寄せていただきたいと思います。
○予算委員長 理事会にお諮りいたします。
○原口委員 この問題は、きょう村上議員が辞職をされ、そして多くの皆さんが、政治に対する信頼、本当にどうなっているんだろうかということを私たちのもとにも寄せられています。
しかし、よくやっていることじゃないか、こんなことはよくあることじゃないか。例えば、今、参議院選挙直前でありますが、公益法人を利用して、そして何々政治団体、何々公益法人の理事長というものがパンフレットに堂々と載って、そして国の補助金が流れているにもかかわらずそこが選挙主体になる、政治活動主体になる、もうこういうことはやめないといけない。
法的なことを聞けば、いや、それは許されているんですよという答えがこの委員会でも返ってきた。しかし、本当にそれでいいんでしょうか。公益法人、税法上の優遇措置を持ち、そしてすべての人たちに開かれて、すべての人たちの利益を追求するための法人が、一部の政治団体や一部の政治家の資金集めや、あるいは選挙の手助けをする、こういったことはもう厳に慎まなければいけないんじゃないか、このように思いますが、総理の御所見をお伺いいたします。
○内閣総理大臣 たびたび午前中からの御質問の中にも私申し上げてまいりましたが、御指摘のKSDをめぐる事件により損なわれました国民の政治に対する信頼を回復するために、改めて政治倫理の確立に断固たる決意で取り組むとともに、政治の原点に立ち返って、国家国民のことを第一に考えて務めを果たさなければならない、このようにまず考えております。
KSD事件につきましては、司法当局が今捜査をいたしておりますから、徹底的な真相究明が行われて、国民の前に真相が明らかにされていくものと考えておりますし、自由民主党といたしましても、調査すべき点はしっかりと調査をし、真相究明に全面的に協力をしてまいりたい、このように考えています。
また、公益法人について、いろいろ委員のお考えも示されながらお話がございました。
公益法人の業務運営に当たりましては、設立目的に沿った適正な運営がなされるべきであるということは言うまでもないことでございます。このため、政府といたしましては、公益法人に対する厳正な指導監督体制を徹底してまいりますために、指導監督の責任体制を確立する、立入検査の確実な実施、一定規模以上の公益法人に対する外部監査の要請等について、政府全体として取り組むことをこの二月の九日に決定いたした次第でございます。
なお、KSDに対しましては、労働省が数次にわたり指導を行ってきたにもかかわりませずこうした事態に至ったということは、こうした労働省の指導が結果として十分徹底していなかったということによるものでありまして、極めて遺憾であると考えておりまして、今後、KSDが公益法人として適切な運営が図られますよう厚生労働省に厳正に対処させる、そういう考え方でございます。
なお、政治活動等についての御意見もございましたが、公益法人であること自体により政治活動が禁止されているものではないということから、公益法人の政治活動を制限することについては、団体の政治活動の自由との関連を十分に考慮する必要があろうと思っております。
いずれにいたしましても、十二分に監督し、こうしたことで国民の不信を招くようなことがないように、内閣としても、また党としても全力を挙げて取り組んでいきたい、このように申し上げておきたいと思います。
○原口委員 終わります。
○予算委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。 |