予算委員会

平成13年11月12日(月曜日)

予算委員長 この際、原口一博君から関連質疑の申し出があります。
原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。
 きょうは雇用問題を中心に、経済、そして総理の構造改革について基本的な姿勢をただしてまいりたいというふうに思います。
 その前に、たった今入ったニュースで、扇国土交通相にお聞きしたいと思うんですが、航空業界の再編のニュースが流れています。やはりこのテロをめぐって、大変大きなニュースだと思いますので、一言、どういうふうな状況になっているのか、お答えいただきたいと思います。

国土交通大臣 けさでございますけれども、全く私どもも存じ上げませんでしたけれども、日本航空とJASが合併するという話でございまして、先ほどお昼休みに、きょう午後三時ごろ両社の社長が私のところへ来るとおっしゃいましたけれども、委員会出席中でございますので、要領だけを聞きましたら、来年の秋をめどに両社が合併するという話でございます。
 これは、午前中からも総理がおっしゃっていますように、九月十一日のアメリカの同時多発テロ以来、航空業界のみならず、あらゆる業界で苦戦が続いていることは事実でございまして、その意味では、この両社の合併というものがどのような行く末をしていくのか見守っていきたいとは思っておりますけれども、両社が合併しますと、大まかに言いまして、国内では航空の数量の五〇%、国際線では約八〇%弱、平均しますと七〇%弱の国内航空、いわゆる日本の航空業界の約七〇%を占める巨大企業ができ上がるわけでございますから、この両社の合併とともに、今もなお日本の航空業界で苦しい中にも頑張っているところがございますので、果たして国民の皆さんに料金制度等々で、巨大なものができてこの競争原理が働くかどうか、私は大きな観点だと思いますので、これを見守っていきたいと思っていますので、今、午後、両社が御説明に来られるという事態になっているのを御報告申し上げます。

原口委員 ありがとうございます。大変大きな改革の波の中で、しっかりと国民の足、そして空の安全が守られるように格段の御配慮を要請して、質問に入りたいと思います。
 総理、きょうの質問をするときに、いろいろな人たちからいろいろなことを言われました。ちょっと読んでみます。二つ立場があります。
 小泉内閣に対する民主党の立場についてということで、小泉内閣ではできないということをあげつらっても何にも生まれないじゃないか、国民の窮状を救うために今なすべきことをなせるように協力すべきだ。小泉総理は率直な言葉で国民に語りかけた、それにこたえ国民は顔を上げている、改革のチャンスだ、これを逃したら深刻な政治不信に陥る。官僚シンジケートを解体するという改革の方向性は間違っていない。参議院選挙で小泉総理は大勝したが、内閣を支える声は党の中から上がらない、表立っての反対もないが積極的な賛成もない、このままでは改革は立ち消えるだけだ、自民党にかわって民主党が小泉総理を支えるべきだ。小泉さんには国民とともに歩むダイナミズムがある、このダイナミズムをなぜ民主党は利用しないのか、党利党略を離れて積極的に応援すべきだ。できるかできないかを問うよりも、その意図する方向を問うてほしい、タブーに挑戦して方向性を指し示すリーダーがあらわれたのだから、それを実地に移すことを国民のために実践するために民主党の特に若手議員が協力してほしい。しがらみにとらわれない姿勢をもっと評価すべきだ、民主党と方向が一致しているし、総理も秋波を送ってくれているではないか。国民の支持率を大切にしてほしい。
 これが大体総理の、支持すべきだという方の意見です。
 これだけじゃないんです、これだけで終わればいいけれども。今度は、逆の意見も相当寄せられています。片っ方だけ紹介すると不公平なんで、こっちも紹介しておきます。
 小泉内閣の矛盾をえぐり出し、倒閣を強く民主党に求める。痛みを国民にだけ押しつける小泉内閣の化けの皮をはがしてほしい。口先だけで実行が伴わない。ほら吹き男爵だ。言っていることとやっていることが真反対だ、アフガニスタン難民支援といいながら、日本国内に助けを求めに来た人たちには人権無視、難民条約違反の扱いをしているじゃないか。言っていることは信用できない、特殊法人改革といいながら、閣僚たちの関係する地元などはちゃっかり聖域を設けているじゃないか。先送りの体質は変わらない。情報公開への姿勢が信用できない、外務省改革を言っているが不祥事の報告を一枚も上げてこない。痛みを伴うといいながら、全くその実態がわかっていない。何も成果を上げていない。総理は派閥を批判して自民党総裁選挙に当選したが、その最中にしっかりと自分の派閥のパーティーを開いている。
 本当ですか。
 特殊法人は来年度予算に満額要求していると言われている、言っていることと真反対だ。相変わらず業界選挙、補助金の垂れ流し体質は変わっていない。小泉内閣はまるで花火のようだ、夜空に見ている分はきれいだが、打ち上げるだけで中身がない、自分だけは輝いているだろうが、周りは真っ暗だ、もうそろそろ見飽きた、現実を国民は直視して業績評価で内閣を判断してほしい。小泉総理のポスターも見飽きた、本人はスマートだが、あのポスターのとおり周りは真っ黒だし、国民は真っ暗だ。安心あって改革なし、米国追随の競争至上主義で日本は沈没する。
 いろいろな意見があるわけです。
 私は、こういう総論で言っていても何も事は進まない、先ほど総理がお話しになったように、つらいこと、悲しいこと、日本が暗いこと、こういうことを言うよりも、むしろ前向きに何を進めるかということで、協力できることがあれば協力したい、このように思います。しかし、そうであるんだったら、総理、ぜひ総理も協力をしていただきたいと思うんです。
 きょう、私は自分のホームページに、きょう質問する内容を全部挙げています。そして、その中に、小泉内閣の採点表というのを国民にわかりやすくわかっていただくように、ハラグチ・ドット・コムという中で出させていただいているんです。
 総理にまず御決意を伺いたいんですが、人に協力を頼むからには、私たちにも協力をしていただけるんじゃないか、そのように思うんですが、基本的な御認識を伺いたいと思います。

内閣総理大臣 総理になりますと、いろいろな批判を受けるのは当然だと思います。一〇〇%賛成、反対というのは、民主主義の体制のもとではありませんから、賛成があれば反対もあるということは、どの政党、政治家にとっても言えると思います。
 そういう内閣にあって、私が実績を評価をいただくのは選挙だと思いますから、いずれ、何年か後に選挙で審判を受けたいと思っております。

原口委員 選挙で審判を受けるというのは、それはそのとおりです。僕らも選挙で審判を受けます。
 私がお伺いしたのは、総理が私たちにも協力をしてほしいと。私は、具体的に三つのことを協力してほしいと思っているんです。
 一つは、今でも、多額の予算を使わずにも、運用体制、執行体制を変えるだけでやれることはいっぱいあるんです。しかし、いろいろなもととなる情報をお願いしても、出てこないじゃないですか。後で具体的に言います。しっかり判断できる情報を内閣として出してください。
 私は、国民の皆さん、今、塗炭の苦しみを味わっていらっしゃる、そういう中で、次の年が越せるか、そういう思いでごらんになっている方もいらっしゃると思います。これほどの財政出動をし、これほど勤勉な国がなぜよくならないのか。私は、三つ理由があると思っています。
 一つは、総理が掲げていらっしゃるような特殊法人の改革に象徴されるような官僚シンジケートがある、利権社会主義がある。ここを埋めないことには、幾ら何かやろうと思っても、全部そこにエネルギーが吸収されてしまうんじゃないか。私たち民主党も、ここは解体させたいと思っています。
 GDPが五百兆の国で三百十兆も政府歳出がある国というのは、一体どういう国でしょうか。その中にいる人たちはいいかもわからないけれども、外にいる人たちは自由がなくて困っている、このことをまず御協力いただきたい。
 二つ目は、不良債権の最終処理です。柳澤大臣とも何回もお話をしましたけれども、先延ばしをするということは、罪を問うべき人が罪を問われずに、責任をとらないでいい国民がその責任を負うということであります。
 三番目は、規制改革であります。自由の部分を広げるためには、安心のセーフティーネットをつくりながらも、積極的な規制改革をしなければいけない。
 この三つのことをぜひ総理に御協力をいただきたい、そして積極的に情報開示をお願いしたい、このように思うのですが、御決意を再度伺います。

内閣総理大臣 今指摘された基本的な方向というものは、いいものはどんどん小泉内閣としても取り入れていきたいと思います。また、与党だからといって、政府だからといって、出してきた案に対しましては、野党である民主党にも御協力をいただけるものは御協力いただきたいと思っております。

原口委員 そういう前提の中で、幾つか具体的なことについてお尋ねをします。
 まず、COP7についてでございます。
 先ほど批准の決意なるものをお示しになったと思うのですが、私は、小泉内閣、ぜひ世界に先駆けて率先批准の手続をとるべきだ、このように思うのですが、再度お尋ねを申し上げます。

内閣総理大臣 批准に向けての準備を進めていくつもりでございます。

原口委員 EUは、六月までに所定の手続をして、そして次のサミットに批准ができるように、期限を決めてもう言っているんです。
 私たちはこの議長国、このCOP7の合意に至るまでの経過を見ていると、まさに不死鳥のような、一たんは本当に合意ができないかと思った、それがよみがえってくる感動のプロセスでありました。しかし、その中で日本がやってきたことというのは、一体どういうことでしょうか。
 私たちが現地から刻々と入る情報を見るだけで、日本は何にこだわっていたんですか。日本は議長国でございました、京都議定書のそのときに。しかし、その後に、今回のCOP7で日本が重箱の隅をつつくようなことを言って、そしてそれを壊しかけた。このことに大きな批判が集まったのではないでしょうか。一体何をそこでこだわっていたんでしょうか。環境大臣にお伺いする前に、総理、私たちは何をここで留意しなければいけなかったんですか、お尋ねをいたしたいと思います。

内閣総理大臣 後ほど環境大臣からお答えいただきますが、それは一方的な見方じゃないでしょうか。どのような意見が出ても、一〇〇%賛成する人はいません。一部の反対を見て、何をやっているのかという批判をするのは自由ですけれども、多くの国は日本の態度を評価しております。川口環境大臣初め日本の立場と、温暖化の防止策にどういう策が有効か、必死に努力したということは、大方の方が高く評価していると思います。一部に批判があるのは承知しています。一部だけを見て、全体を見ないというのはおかしいと思います。

環境大臣 今回の交渉におきまして日本の代表団が大事だと考えておりましたことは、環境十全性、この京都議定書の実効性が確保されるということでございました。この京都議定書の実効性が確保されるということは、京都議定書に定められているさまざまな仕組みが、産業界あるいは国民の方々の創意工夫が生かされる形で使われることが可能になるような、制約のない形であるということでございまして、これがおおむね確保できたのではないかというふうに考えております。

原口委員 何にこだわったのかと伺っているんです。
 外務大臣は普通の言葉でお話ができる方だから、今のような答弁にはならないと思うんです。
 京都議定書の目標が達成できなかった場合にペナルティーがあるのは当然です。政府の言う法的拘束力のない遵守規定とは、京都議定書の目標を達成しなくてもペナルティーが科せられない、そういうことですか。そうでないんだったら、一体、こういうことにこだわったわけは何なのか。これは、条約や議定書を所管する外務省が特に強く主張したことだというふうに言われています。環境大臣は主張していないと思うんです。外務大臣、外務省は何をこだわったんですか。

外務大臣 内閣の方針は一つでございまして、午前中総理がおっしゃいましたように、二〇〇二年の発効に向けて産業界も国民も努力をして、省エネの努力もしていくということは基本でございますし、批准に向けて努力をするということを今総理がはっきりおっしゃいましたので、それが基本でございます。過去の会話は、外務省が、あるいは環境庁が、その他がどのような経緯であったかということよりも、今現在総理がおっしゃったことの方の重みが大きいと思います。
 ただし、一言だけ申し上げますと、今回、閣僚になる前に、原口先生も入っていらしたかどうかわかりませんが、自民党の有志と民主党の先生方と一緒に、この京都議定書を一日も早く批准してほしいというアピールをワシントン・ポストに出しましたので、あの段階での私の気持ちはあそこにあらわれておりますが、今は、小泉総理が責任のある立場でおっしゃっておられますので、閣内は一緒で行動いたしております。

原口委員 国民の皆さんはもうこの十五分だけの質問とやりとりでおわかりだったと思うんですよ。会話が成立しないんですよ。
 外務大臣がワシントン・ポストに出された、私たちと一緒に。それを、まさにそういうものを踏みにじるような行動も伝えられているから聞いているんであって、私はそれはそうじゃないという答えがあればそれでいいんですよ。何も一部を見て全体を批判しているわけじゃない。今回の合意に向けて大変な御努力をいただいた。環境大臣、私は大変評価しています。しかし、その過程の中で伝わることについては、ただしておかなければいけないことがあるから聞いているわけです。ちゃんとお答えください。

環境大臣 一例を挙げまして、先ほど委員が遵守と参加資格のことをおっしゃられましたので、それについて御説明をさせていただきたいと思いますけれども、遵守というのは、例えば日本の場合は六%の削減目標を守れなかった場合にどういうことをするかということでございまして、その場合には、既に、例えば日本が今後守るときにどうやっていったらいいかというアクションプランを出すというようなことが決まっておりますし、それから、次の約束、第二の約束年次、約束期間におきまして一・三倍の削減量を科されるということが法的拘束性のない形で現在決まっているわけでございまして、不遵守に対してはそういう決まりがあるということでございます。
 私どもがこだわりましたのは、その不遵守との関係で京都メカニズムを使うことができなくなるということはおかしいのではないだろうか。不遵守について、その結果として起こることは、先ほど申しましたような、今後どういうことで守るようにします、あるいはその一・三倍削減しますということで十分に、遵守、不遵守に対しての結果といいますか、何をしなきゃいけないということは決まっているわけでございまして、京都メカニズムへの参加をそこでとめるというのは全く別な話でございまして、ダブルにペナルティーを科される意味はないであろうと。
 京都メカニズムというのは、京都議定書によりまして参加国が削減目標を達成することが可能となるように決まっている制度でございまして、これを活用するということは非常に重要なことでございますし、企業の創意を生かした形で、例えばクリーン開発メカニズムで発展途上国に行って削減をするといったような意味で、環境のためにいい制度でございますので、それは使われるべきであろうというのが私どもの立場でございました。

原口委員 COP6で合意したことをリオープンするという、そういうチャレンジがあったり、いろいろなことがあったように聞いています。しかし、これ以上ここで追及することはとどめておきます。あとは環境委員会かそういったところで今の点、詰めていきたい、そのように思います。
 二点目にお尋ねをしたいのは、予算に対する基本的な総理の姿勢であります。
 委員長、お許しをいただいて資料を配らせていただいておりますが、パネルを使わせていただいてよろしいですか。

予算委員長 はい、どうぞ。

原口委員 午前中の質疑の中で、新たな財政出動を柔軟に対応すべきだというお話がございました。私は、岡田政調会長が申しましたように、三十兆の枠を今回お守りになったということは、民主党としても約束を守ってもらったと率直に評価をしたいというふうに思っています。
 お手元の資料は、「財政赤字と個人消費」
 私たちは、何といってもこの厳しい雇用環境を改善するためには個人消費が伸びてこなければいけない、個人消費を伸ばすためにはどうすればいいか、これをこの国会で一生懸命議論しているわけです。
 お手元の、縦軸が個人消費、そして横軸がプライマリー赤字であります。これを見ると、各国がどういう財政のスタンスをとってきたか、そして、それに伴って個人消費はどのようになったかということが如実に示されています。
 なるほど、プライマリー赤字を一時的に拡大して、そして財政を出動すれば個人消費は上がります。しかし、問題はそこから先です。この線がおりているのと同じように、財政赤字が余りにも、プライマリー赤字が拡大すると、逆に個人消費は落ちている。
 プライマリー赤字を削減すると、ある一定限度までは非常に厳しい個人消費に対してのインパクトがあるが、デンマークやあるいはギリシャといったところでございますように、個人消費がそれと同じような反比例の数字を出していない。このことをやはり私たちは押さえなければいけないというふうに思っています。
 もう一つ資料を差し上げます。
 これは「財政収支改善による債務残高対GDP比の推移」、皆さんのお手元の資料の三枚目でございます。このまま三十兆の枠を守って、そして財政再建をやっていくとしても、さまざまな経済成長率、その中でどのような債務残高になるだろうかということを試算したものでございます。
 これだけ見てもびっくりいたします。GDPの成長率がこの赤の線、〇・五のときには、実に二〇一七年でGDPの一八七%もの財政赤字が予定をされてしまう。
 これは、国債の市場についても深刻な影響を与えます。毎年借換債を出していますが、借換債一つとってみても、平成二十年で百三十三兆もの借換債を市場が引き受けることになります。百三十三兆もの借換債を、ではだれが買うんですか。
 私たちは、これまで、九〇年代、景気が悪くなるといえば財政を出して、そして少しよくなれば財政を締めるというストップ・アンド・ゴーをやってきました。しかし、もう限界まで来ているんです。限界まで来ているから、私たちが国民の生活を守るためにやるべきことを、何かということをしっかりと国民の皆さんの目の前で言っていかなければいけない。
 また同じようなことを、九〇年代と同じようなことをやるのか。それとも、今二つの資料をお見せしたように、もうこれ以上やれないから、先ほど総理の御発言では、今は三十兆を守るが、年が明けたら、いや、もう経済がまた変わったからやるしかないんですよということをこの予算委員会でまた、一カ月、二カ月後にはおっしゃる、そんなことはないんだろうか、あり得ないのか、そのことをただしておかなければいけない。
 もし二カ月後に例えば第二次補正予算をなさるとするんだったら、これだったら、前の内閣、その前の内閣でやられた十五カ月予算を組んで、そして国民の皆さんに、財政は目いっぱいやりますから安心してくださいと言っておいた方がはるかにいいんですよ。
 どちらのスタンスをとられるのか、総理にお尋ねを申し上げたいと思います。

内閣総理大臣 それは、危機的な事態にどう対処するかということに対しては、私は、大胆に柔軟に考えますよと就任以来、原則は原則として、財政規律を保たなきゃいかぬ、安易な国債増発に頼ってはいかぬ、この方針は堅持する、しかし、経済は生き物だ、危機的な状況に対しては、国民の不安をなくすためには大胆かつ柔軟に考えるということの方針には、一貫して就任以来変わっていないわけであります。

原口委員 具体的なことを言わない方が支持率は上がるそうなんですよ、先ほどここにいらした久間先生から御指導いただいて。具体的な政策を言うと、それこそAという人にもBという人にも相反することを言わなければいけない。だから、今おっしゃるように漠としたことを言っていた方がいいわけですけれども、それじゃ議論にならない。一体どうなさるのか。
 では、お尋ねの仕方を変えますが、今でも危機的な状況だと言う人もいるわけです。まさに九月十一日以来、大変な勢いでアメリカの経済そして世界経済が一つの方向へ向かっています。これをもってもう危機的な状況とするのか、いや、そうじゃない、今はまだ大丈夫だとおっしゃるのか、どっちですか。

内閣総理大臣 今は、厳しい状況ではありますが、デフレスパイラルとか世界恐慌とか、日本から世界恐慌を発するような危機的な状況ではないと認識しております。

原口委員 という認識であれば、また新たなさまざまなことが起こらない限り、財政出動はする必要はないというふうに考えてよろしいわけですか。

内閣総理大臣 今後、来年度予算編成も、国債発行を三十兆円以内におさめるという目標を堅持しながら今予算編成を準備しているわけでありますから、そういう状況でいろいろ徹底的な歳出の見直しを図っていく、また、構造改革に資するような雇用対策等財政面の手当てというものに対しても十分配慮していく。そういう中で、三十兆円の枠を維持しながら今回の補正予算も提出しているわけでございます。

原口委員 私の理解力がよくないのか、いま一つわかりません。
 資料二をごらんいただきたいと思います。
 この国会では、やはり雇用を、そしてさまざまな産業に従事する方々がどのような状況にあるかということをしっかり押さえた上で議論をしなきゃいかぬというふうに思っています。
 これは、縦軸がデフレーター変化率、そして横軸が労働生産性の成長率でございます。左の上にあるのは、いわゆる建設、サービス、不動産業といったところでございまして、今まで一生懸命この分野で頑張っていらっしゃる人たち、たくさんいらっしゃいます。私も父が建設、設計技士でございますし、建設関係の仕事に従事している者もたくさんおります。
 しかし、そういう人たちが嘆いているのは、一生懸命頑張って、そして競争条件を整えても、それにまさるぐらいの財政出動が来て、そして、まさに公的資金を投入された銀行、そこに債務を消してもらった企業が出てきて、全く競争にならない。この左の上の部分は、頑張っても頑張っても、高コスト体質の中で経営の先行きが見えない、そういう嘆きをお持ちであります。
 そして、右の下の部分、電気機械、ここは、デフレーター変化率、つまり労働生産性成長率が物すごく高くて、ここはどうなっているかというと、頑張れば頑張るほど過当競争になって、価格のたたき合いになっているというところであります。
 先ほど、冒頭申し上げましたように、国民の皆さんは、もう何が原因か薄々おわかりだと思います。今までのゆがんだ財政出動、このことが、片っ方で、この左の上の人たちについては、頑張っても頑張っても、どこか違うところから注射をして元気になった人たちがやってくる、そしてまじめにやっている人たちが横に、あるいは失業に、倒産にという状況になっている。一方、日本を代表するこの生産性の高い部分については、幾ら頑張っても税やさまざまなもので見返りが来ない。医療費や年金も減らされる。まさに金さえ配れば何でもいいというような構造をここで変えなきゃいかぬ、このように思うのですが、総理、いかがでございましょうか。

内閣総理大臣 大体似通っているじゃないですか。小泉内閣の方針と似ているじゃないですか。そういう厳しい見直しをして改革を進めていかなくてはならない。大した違いはないと思いますが。

原口委員 何と答えていいのか、大して違いがないと言われたときに、にっこり笑うようじゃ野党じゃないんですね。
 そうであるんだったら、さらに進めて、今でもすぐできることはあるんですよ。何も、改革の絵を半年も一年もかけて大向こうをうならせるようなことをかいて、そしてああだこうだやって、そして結局やらない、こうじゃなくて、今でもすぐできることがある。すぐできることについて少しお話をしたいというふうに思っています。
 一つは、RCCの問題でございます。私は、このRCCに、後ろにおります我が党の五十嵐議員が質問主意書を出して、今まで銀行であるにもかかわらず検査が入っていないなんということは一体どういうことなのか、不思議でたまりませんでした。なぜRCCには今まで金融検査が入らなかったんですか、教えてください。

金融担当大臣 RCCは、銀行免許を持っております。それで、いろいろ協定銀行としての立場でそういう仕事を、もうここでるる申しませんけれども、しているわけですが、預金は、住専から移行されたものが若干あるかとも思いますけれども、基本的に新規の預け入れを受け付けておりません。片や、銀行検査というのは、先生も御案内のように、基本的には、預金者その他の債権者を守るために、やはり中心の観念は健全性の確保でございます。
 そういうようなことからいたしまして、このRCCにつきましては、銀行でございますから、これはいつの日にか検査をしなければならないかとも思いますが、現在の金融庁のマンパワーからして、これを効率的に、後でまたいろいろな方からいろいろな御質問があろうかと思うのですが、それに備えて検査をするということでもう手いっぱいでございまして、現在、RCCのような新規の預金の預け入れを受け付けていないところについて検査をするというような状況になかったということでございます。

原口委員 手いっぱいで人がいないんだったら、ふやせばいいじゃないですか。
 そういうことをおっしゃるんだったら、資料の八をごらんになってください。これはちょうど一年前に、今毎日のように新聞をにぎわしている朝銀、つまり北朝鮮系の信用組合、そして商銀、そういったところに対する「集中検査の対象としていない信用組合」、これは一年前ですよ。そのときも金融担当大臣は同じことをおっしゃった。しっかり検査をしていなければ、金融整理管財人を選任をもしていない、そして都道府県の検査だけで済ましている。この後、大変な国民の国税投入が起こりますよということを、去年の十一月二十日に、私は、その当時はそこに座っていらっしゃったのは森総理でございましたし、金融担当大臣も違いました。しかし、同じようなことをおっしゃいました。手いっぱいで、ここには入る、都道府県がやっているからいいのだと。その後、どうなりましたか。私は、しっかりと執行機関がやるべきことをやる、このことがとても大事だということを主張しておきます。
 そして、いずれ入ることもあるだろう具体的な事件を私は関西の方で耳にし、RCCというのは検察機構、さまざまな国の大きな権力を持った、株式会社でありますが、預金保険機構が一〇〇%の株主である国策会社であります。その国策会社もチェックが入らないとどういうことをするのだろうかということを、今から具体的な事案をもって御答弁をいただきたい。預金保険機構の理事長もお見えでございます。
 問題となった土地は、資料四、大阪府の堺市の土地でございます。不適切回収問題とされて国会でも取り上げてきた問題でございます。
 簡単に経緯を申しますと、この坂の部分、ちょうどわかりやすいようにこうして持ってまいりましたけれども、この赤い部分、これを旧住専の朝日住建から住管機構が第一根抵当権を持って所有をしていた土地でございます。四百五十坪、根抵当の最高額が十二億円。それに対して隣の広い土地、四千七百二十五坪、これが明治、横浜銀行が第一根抵当権を持っていた、そういう土地でございます。朝日住建からの債権を取り立てるために、当時の住管機構、今のRCCはこれの一括売買を企図するわけであります。
 これだけごらんになってもおわかりになると思いますが、こっちは坂ですよ。坂が四百五十坪で売買の計画は十七億円、片っ方の広い土地は二十六億円。えらい違うなと思われませんか。でも、売買ですから、それは相手が合意すればいいことであって、しかしここで不思議なことが起こる。私は半年間、預金保険機構、RCCに、御自身でこのことをただす時間を差し上げたつもりでありました。しかし、いまだもってこのことについては是正がされているというふうには聞いていません。
 まず第一点、具体的にお伺いしますが、この売買というのは、1と2の土地を一体としてお売りになろうとしたんじゃありませんか。

預金保険機構理事長 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、一括して債務者である朝日住建がゼネコンに売ってそのお金を抵当権者に弁済金として支払う、そういうスキームでございました。

原口委員 全体で幾らでございましたか。

預金保険機構理事長 これには複雑な経緯がございますが、ごくかいつまんで申し上げますと、債務者である朝日住建は……(原口委員「いや、聞いたことだけで結構です」と呼ぶ)はい。
 それは、最初の構想では、買い主と売り主の間では一体として四十三億円で取引しようという話がございました。それが、話を進めているうちに、九年の十二月でございますけれども、朝日住建が同じ抵当権者である横浜銀行と明治生命に説明に行った際に、あなた方の持っている1の土地、大きな土地は二十六億円になりますという話をして、そのときに、残りの土地は計算上十七億円になるのですけれども、それは言わずに、七億円と推認できるようなことを言ってしまったのを、そこで同席していた当時住管の弁護士や職員が訂正しなかったということで、明治生命と横浜銀行はこの一体の土地は二十六億と七億で売買されると思い込んで最後までいってしまったということでございます。しかし、結局三十三億で売買になった、こういう経過でございます。

原口委員 結局三十三億で売買になったというのは結果であって、皆さんというか、RCCは、まさにここに書いていますように、七億円で本来あるはずのものを十七億円、これで売買しようとしているじゃないですか。しかも、四十三億円で売買するということを言っておきながら、担保権の抹消同意書を出させているじゃないですか。これは犯罪なんですよ。
 私は、預金保険機構の理事長に、時系列を見て、具体的なこういう土地売買届け出書にも全部当たって、そしてこれがどういう事案だったかということを御確認になって、きょう答弁にお見えくださいということを申し上げていました。一体として売る土地の片方の債権者にそういうことを言わないで売れるんですか。まさにRCCが、さまざまな債権逃れをしようとしている人たち、こういう事案を見たら全部告発していますよ。自分が告発している相手と同じようなことを自分がやってどうするんですか。お答えください。

預金保険機構理事長 この件については、先生から二度ほど前からお尋ねがございまして、私どもも内容は精査をいたしております。
 しかし、それが告発ということになりますと、詐欺罪ということになりますけれども、さて、これが民事法上まことに遺憾なことで、RCCとしてはあってはならない回収であったということは間違いございませんが、これはもともと抵当権をやっているプロ同士の、金融機関同士の回収のせめぎ合いの中で起きたことがまず背景にございます。そのことを前提にしながら考えてまいりますと、言ったことは、四十三億の構想があるということを述べなかったということ、それから、七億と相手が誤信しているのを、十七億で売りたいのに七億と誤信しているのをとがめなかった、あるいは訂正をして説明をしなかったという点でございますが、それは主として朝日住建がやったことでございまして、どっちかといえば、RCCの方は、当時の住管はその意味ではちょっと補充的と申しますか、そういう立場にあったということもございます。
 積極的に両者が二十六と七億で具体的にだまかそうということで言ったという事前謀議ということまでの事実も今までの調査では明らかになっていないというようなことがそれぞれございまして、この一連の長い経過を全部子細に見ますと、刑事法的に見ると、まことに、先生おっしゃるとおり非常にまずい、非常に怪しげな案件ではございますけれども、告発をするかと言われれば、ちょっと私の立場からすればちゅうちょを感じるということでございます。

原口委員 これは朝日住建がはかったことであって、RCCは関係ない、そうはおっしゃらないでしょう。実際に朝日住建の皆さんとRCCが共謀している、そういう証拠のテープもあります。
 委員長にお願い申し上げます。
 私は、今、日本の経済を再生させる、その中でRCCが果たす役割は大変大きゅうございます。ぜひ本委員会で、この問題だけではございません、RCCにかかわるさまざまな問題について、あるいはこれを機能強化して再生させる、そういったことも必要かもわかりません、政策論もぜひ議論をさせていただきたい、そのことを委員長にお願い申し上げます。

予算委員長 理事会で協議いたします。

原口委員 ありがとうございます。
 今のようにおっしゃるので、最後に一つだけ申し上げておきます。
 この鉄骨、これ七億円しますか。総理、これ七億円すると思いますか。今の土地で、さっきの、この鉄骨はどこに建っていたかというと、松田理事長、この広い土地の方ですよ。広い土地の方に、つまり明治、横浜が第一抵当権を持っている土地に建っていたものを、これを勝手に売ることができますか、その人たちに何も入れずに。例えば、私の土地の中に建っているものを小泉総理が勝手に売られたら怒りますよ。総理はそんなことしないですね。当たり前のことじゃないですか。しかも、これを七億円で売ろうとしているじゃないですか。証拠を出せと言われたら、この委員会に出しますよ。配りましょうか。
 プロ同士のことだった。プロ同士だったら、もっと慎重にやるべきじゃないですか。いかがですか。

預金保険機構理事長 先生御指摘の案件は、まさに土地の上に建っている構築物の問題でございますけれども、これは先生も御案内だと思いますが、四十三億の大構想がまずあって、当時の住管としては一銭でも多く回収して国民負担を軽くしたいという気持ちが根にありまして、担当者が必死になって、ところが、いろいろの経過をたどって、土地の売買は三十三億という、初めに横浜銀行なり明治生命が納得した線に落ちついてしまったわけですね。
 そのときに、売り手である、債務者である朝日住建が、構築物を買ったらどうですかと、最初は十億というような話を持ちかけているんですよ。それがそのうち、やっているうちに五億ぐらいになってきて、ところが、住管の方としては、そもそもゼロと評価したものが急に十億と言われても通らないだろうと。それに、売買の期限は十年の三月末だと。資産評価をして間に合わないということで断念をして、土地売買だけが三十三億でなってしまった。
 そして、先生御指摘のとおり、もし仮にこの構築物を売却するとなると、間違いなくこれは三つの抵当権者、特に横浜と明治の納得が必要ですから、それがその後、十年の六月以降になりまして、住管の方から申し入れをして、実はこういうことで話があるということで話をして、三者で協議をして、三億円で買い取るということになって話が決まって、その年に三億円をいただいたんですけれども、細分をめぐってそこにいろいろごたごたがありまして、結局、それは横浜銀行に今預託してある、こういう関係でございます。

原口委員 いや、聞いたことに答えていただきたいんです。よその土地にあるのをその人に無断で売れますかと、簡単なことを聞いているんですよ。
 私は、RCCで頑張っていらっしゃる方々が、こういう事案ばかりやっているというふうには思わない。むしろ大変な御努力をなさっています。しかし、私が得た資料によると、朝日住建の社長と、そしてRCCのその担当者がしっかり話し合っているんですよ。善意の第三者を、そして関係者を。
 こういうことが起こると、大変大きな権力を持った組織であるがゆえに国民全体の信頼も失ってしまいますねということを申し上げたくて、柳澤担当大臣、私は、何でもかんでも検査すればいいということを言っているんじゃありません。限られた人員の中で頑張っている、さっきもおっしゃったとおりです。
 そして、金融検査についても、今、地域金融が随分苦しくなっています。その中で、いわゆる上場している大手企業に対する会計基準と、地方で頑張っている、閉ざされた中で、ある一定の限度の中で頑張っている企業とは当然スタンダードが違っていい。私たちは、そういうことをしっかりと議論し、仕組みをつくることによって経済が再生すると思っています。
 幾ら大きな権力を与えても、こういうようなべらぼうなことをやっていたんでは、きょう松田理事長、もう三回の私の質問に対して、違法の認識はなかったと最後までおっしゃるわけですね。単なる不適切回収だとおっしゃるわけですね。いかがですか。

預金保険機構理事長 民事的に見て、まことに不適切きわまりない回収であることは間違いありません。大いに我々も反省をして、再発防止に努めております。
 ただ、刑事法的に詐欺か、告発するかと言われるとちょっとちゅうちょを感じる、こういうことでございます。

原口委員 松田理事長も、もとそういう世界、検察の世界にいらっしゃいました。私は、法と正義が、だれであろうがしっかりと守られる、このことが日本再生のかぎだということを指摘して、次の問題に移りたいと思います。
 雇用対策についてでございますが、岡田政調会長が御指摘をいたしました緊急地域雇用特別交付金、これはこれまで、やはり総括がしっかり行われるべきだというふうに思います。各地のさまざまな取りまとめを私も調査してみました。随分いいものもあるんですね。教育やNPOや福祉、そういったものを育てていこうというものも、随分いいものもある。しかし反面、いや、本当にこれは失業者の雇用につながったんだろうかというようなもの、たくさんです。
 例えば、緊急ため池パトロール事業、事業費二千万円、新規雇用三人。パットゴルフ場コース内の清掃、落ち葉拾い、事業費十万円、新規雇用二名。笑いますよね。公園樹木折れ枝処理事業、事業費七百万円、新規雇用二名。しかも、こういうところを多く追っていくと、ほとんどが半年で切れている。しかも、失業者に必ずしも行っていない。いいところはどういうところかというと、公労使でしっかりテーブルをつくって、働く人たちも経営者の人たちも、そして自治体も知恵を出し合っている、こういうところはいい。
 しかし、私は、こんな厚いファイルを見ながら、総理、ぐあいが悪くなりました。これほど大切な補助金を、あるいは交付金を何というところに使っているんだろうと思いました。ただただお金を使えばいいというんじゃないんです。
 ぜひ総理、これから雇用の問題、私は、ワークシェアリング、積極的な意味でのワークシェアリングについてももうみんなが知恵を絞らなきゃいけない、そういう事態に来ていると思います。
 総理にまず御決意を伺いたいのは、政労使で、例えばドイツは雇用と競争のための同盟というのをつくりました。政府、そして働く人たちの代表、経営者の代表、そして高失業を突破するためにみんなが知恵を出し合いました。よくオランダのワッセナー合意が言われますが、それも同じであります。苦しいからこそよく話し合って、苦しいからこそよく知恵を出し合って、それが必要だと思いますが、総理の基本的な御認識を伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 今のお話を伺っていますと、いかに有効に出された費用が使われるかという御指摘だと思います。
 確かに、最初に額ありきで、これだけ額をつけたからいいんじゃないだろうという具体的な事例を挙げられたわけでありますが、そういう反省も踏まえて、雇用対策に生きるような金を使っていかなきゃならないと思います。

原口委員 ぜひ、きょう冒頭差し上げた質問のポイントにも書いておりましたけれども、そういう同盟あるいは政労使の枠組みを積極的に総理から呼びかけてください。働く人たちが自分たちを守るために、そして国民が生活を守るために、これは必須のことだというふうに思います。
 二番目にお尋ねをしますが、今五・三%の失業率ということが言われますが、ほとんどはミスマッチですね。ミスマッチによらないものは一・一%です。どのようにミスマッチを改善しようとされているのか。
 今回、キャリアカウンセリング事業などいろいろな予算を入れていただいた、それは率直に言って評価します。しかし、私たち野党四党で、この当初予算で、雇用のセーフティーネットについては思いっ切りとした組み替え予算を出しているんです。私たちの予算がもし通っていれば、今ごろ国民にはもう行っているんです。不良債権の最終処理も行われるだろう、そしてペイオフもあるだろう、そういうことを見越して大きなセーフティーネットをつくるべきだという話をここでもしました。
 ミスマッチの解消をどのようになさろうとしているのか。
 ハローワーク、長らくこの分野は規制改革がなくて、公の部分がこれを握っていました。ですから、ハローワークの実態は一体どうなっているのか。ある人によると、十分でさまざまな職業紹介を受けて、そしてそれで終わり。これではなかなかミスマッチは解消できない。一万六千人の限られたハローワークの職員さんたちが一生懸命頑張っていらっしゃる、このことは私も評価します。しかし、今までと同じではだめじゃないか、こういう問題意識を持っているんですが、坂口大臣、どのようにミスマッチを解消するというおつもりでございましょうか。

厚生労働大臣 御指摘をいただきましたとおり、これからの雇用問題というのは新しい角度から考えていかなければならないというふうに思っております。
 今までの状況を、私も地方をずっと回りましていろいろと視察をいたしましたけれども、やはり限られたハローワークの人数の中で、そして失業者はどんどんとふえてくるわけでありますから、そのお一人お一人に対する時間が短くなってきていることも事実であるというふうに思っている次第でございます。
 これは、このままにしておいては、医療じゃありませんけれども、三時間待って三分診療なんというようなことになってはいけない。やはりそこに、一時的であれ、その皆さん方に十分お話に乗っていただく人が必要であるという考え方から、キャリアカウンセラーを、これは本格的な制度にしていかなければなりませんから少し時間がかかります。しかし、今やその時間を待っているいとまもないということでございますから、この補正予算の中にも、キャリアカウンセラーという名前ではございませんけれども、アドバイザーとしてそのつなぎをやっていただく。
 それは、企業の中であるいはまた労働組合の中でそうした今までから雇用の問題を手がけておみえになりましたような皆さん方にひとつぜひやっていただくということで、臨機応変でございますけれども、その皆さん方にそこに来ていただきまして、そしてやっていただく。また、今の失業者の中にもそれに匹敵するような人がございましたら、そういうところにひとつ従事をしていただこう、こういうふうに思っている次第でございます。

原口委員 長期失業者が九十二万人という数字が出ています。お尋ねをしたいのは、この九十二万人のうち、一体、世帯主と申しますか、家計の主たる働き手はどれぐらいいらっしゃるんだろうか。大臣、どれぐらいいらっしゃるんですか。

厚生労働大臣 私、そこまでの具体的なものを見たなにがありませんけれども、しかし、大体そこに、九十二万人というふうに今御指摘になりましたが、そのほとんどの方は御家庭の主たる柱であるというふうに認識をいたしております。

原口委員 総理、今のお答えにこの労働行政の、端的に言うと、サービスは、だれに対してどのようなサービスをもらっていただいて、そしてどのような効果があったかということをはからなければいけない、最も深刻な人たちは一体だれかということがわからなければいけない。そういう状況の中で、九十二万人のうち一体どれぐらいが主たる家計の担い手なのか、そういう統計ももしないとすれば、これこそが問題なんです。特別会計も、三兆円の中で一兆円は失業者以外に使われている。
 私は、総理にお尋ねをします。
 抜本的に、この就業対策、失業対策を見直すときに来ている。今までは、高失業率をまさに前提としないそういう対策でした。ですから、ハローワークについても、どれだけの人たちが就業をしていったか後をしっかりと追う、こういうことがこれから必要となっている。
 キャリアカウンセリングについても、一カ月ぐらい研修を受けたから、キャリアカウンセリングなんかできやしません。失業をした人たちはさまざまな問題を一緒に背負い込まされる結果になります。心の問題もそうです。ですから、キャリアカウンセリングをしている人たちはあくまでカウンセラーなんです。カウンセラーであって、しかもキャリアについてのアドバイスもできるというのがキャリアカウンセラーの定義じゃないか、このように思いますが、大臣、もう一度答弁をください。

厚生労働大臣 そこは御指摘のとおりというふうに思っておりまして、このキャリアカウンセラーは、別途、正式の資格を持った人たちを養成していきたいというふうに思っています。
 先ほど申しましたのは、しかし、それには少しタイムラグがございますから、その間をどう埋め合わせるかということを申し上げたわけでございます。そして、ハローワークの、我々の公的な部分だけではなくて、やはり民間のそういう会社につきましても御努力をいただいて、連係プレーを密接にしていくようにしたいというふうに思っている次第でございます。

原口委員 短期でやるべきことと中長期でやるべきこと、今のようなお考えであれば、キャリアカウンセリングの養成のために多くの資金あるいは資源を投入する必要がある。これは厚生労働省だけではできない、文部科学省やさまざまな省庁が挙げてやらなきゃいけない問題だ、このことを指摘しておきます。
 私たち民主党は、住宅ローン対策やあるいは教育費支援、こういったものも盛り込んだセーフティーネットをつくっています、提示をさせていただいています。雇用全体の安心をどのように確保するか、また別の場で御議論をさせていただきたい。
 あと十分になりましたので、あと二つ、基本的な議論をさせていただきたいと思います。
 さっき、雇用の分野に関する予算の執行についてお尋ねをしましたが、農業分野についても同じようなことが言えるんじゃないかというふうに思います。
 これは、先日、長崎県の長崎大学の教授からいただいた、ちょうど一年前の有明海の宇宙衛星の写真像です。大変なノリ不作が起こった、有明海が大変な状態になった。ごらんになってください、ここが諫早湾です。諫早湾から赤潮が発生している。二〇〇〇年十二月二日、諫早湾、ここのところが真っ赤になっている。そして、十二月三日、十二月七日には、この間が切れているのは、雲があって、衛星ですからその間が見られなかったのですが、有明海全体に広がっています。
 私は、財務大臣、六月の国会で、実はこの有明漁場調査については八年間国費が投じられて、そして一回も、中間報告はおろかデータさえもない、この状況を御指摘させていただきました。そして、予算委員会の理事会で何回もそのデータを出すようにという要請をいたしました。こんな予算の使い方があっていいのか、財務大臣、お答えをください。

財務大臣 確かにその質問は、六月だったか、ございました。そのとき私は、こんなことは全く怠慢であるということを申し上げたと思っております。それから、関係省の方に、何とか早くその結末というか中間報告を出してもらいたいと言っておったのでございますが、何か専門委員会とかいうのがあって、その専門委員会の学術的な研究ですか、その結論が出ないので出せないんだということを私は中間報告として受けましたけれども、しかし、おっしゃるように、長年多額の国費をつぎ込みながら報告書一つ出ないということは、私は非常に残念だったと思っております。

原口委員 もう残念を通り越して、そこに生きている人たちのことを無視したまさに暴挙だというふうに思います。
 実は、予算委員長を初め皆さんの御尽力、御協力のおかげで、私の手元にはこういう調査結果案というのが出てきました。これだって、先週委員会を開いて、そして私に提出するという約束だった。だから、金曜日、九州に帰る飛行機の最終便をとって待っていた。そうしたら、来ない。何で来ないのかと言ったら、委員の皆さんの御都合がつかずにきょうは委員会が開かれません、よって、資料は出せません、こんなことがありますか。有明の多くの漁民の人たちが今どんな思いでいるか、そのことを考えれば、およそこんなことはできない。
 その一方で、もう実際に事業を進めるということを地元に報告しているんです。この有明海のノリ不作対策案の中では、水門をあけて数年調査をする必要があるということを中間報告の中でしっかりうたっているんです。にもかかわらず、農水省は、全く関係のない漁連そして県にだけ説明して、地元の漁民には説明もしていないんです。こんなことが許されますか。
 総理、私たちは常識でやはり議論をしなければいかぬと思う。実際にこのことを許してしまえば、約百ヘクタール分の干潟の調査はできるかもわからない、しかし、一千ヘクタールの干潟はなくなってしまうんです。
 この漁場調査、これを見てみました。これは案だから、最終案じゃないと多分言うんですよ。しかし、しっかり影響が出ていると書いてあるじゃないですか。どれほどの影響があったか書いてあるじゃないですか。にもかかわらず、こういうことをやろうとしている。
 冒頭申しました、総理。予算の執行、運用体制、これをオープンにして公正にすることで、私たちの国はよみがえるんです。ぜひ農水省に強い検討を、そしてこんなべらぼうなことをしないように強く要請したいと思うんですが、総理の御見解を伺いたいと思います。

農林水産副大臣 まず、調査の報告については、委員会の御了承をいただかなければ公表はできません。私どもが勝手に検討の結果を公表するというわけにはまいらぬ質のものであります。
 と同時に、有明海の赤潮によるノリ不作等の被害と干拓との関係については、だれもがその因果関係について、学者であれ研究者であれ専門家であれ、干拓によるものであるという結論は出しておりません。そこをひとつおわかりいただきたいと思います。
 また、いろいろ途中において、御存じのとおり、それ相応の、干拓の側と漁場の側との紛争みたいなものがございましたから、報告についてもより慎重を期したというふうに聞いております。

原口委員 全く答弁になっていないと思います。これは今まで、財務大臣が早く出せとおっしゃっていただいたから出てきたんでしょう。何回も何回も言って、出てこないんですよ。私は、こういう国民の信頼を裏切るような運用をやっている限り、なかなか協力はできない。
 最後に、もう時間がなくなりましたので、中部国際空港の問題について一言だけ申し上げます。
 驚いた。先ほどどなたかの指摘にもあったとおり、特殊法人、総理は絶対に改革するんだとおっしゃったけれども、満額を要求していますよ。(発言する者あり)ほら、早くつくらなきゃと隣で言っている。中部国際空港については、これは二〇〇五年の開港なんです。二〇〇五年の開港で、もう子会社をつくっているんですよ。
 こういう特殊法人の問題は、特殊法人は大赤字で子会社が黒字、そして損失は国民、もうけは私。私がお客さんじゃないんです。どうしてこんなことをやるのか。先週、ある財界の憂えた人が、こんなことを許すのか、こんなことを許していいのかと。
 どうぞ総理、これをごらんになってください。
 実際にこのことで何が行われたのか。私は、総理がおっしゃっている改革の方向と、そして実際にさまざまな人たちがやっていることが真反対をやっている、今でも改革できることはいっぱいあるんだということを御指摘したい。
 総理、その文書をごらんになって、どのように思われますか。

内閣総理大臣 今いただいたばかりで、判断する状況にはないと思っております。