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○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 次に、原口一博君。
○原口委員 民主党の原口一博でございます。
沖縄並びに北方問題に関して、所轄大臣に数点にわたって御質問申し上げます。先ほどの与党にしておくには惜しいような下地さんの激しい質問の後で、これ以上激しい質問をしなきゃいけないのかと思いを新たにしております。
まず、沖縄の問題でございますが、先ほど小渕委員からも御指摘があったように、同時多発テロを受けた後の観光産業の落ち込みは本当に深刻なものがございます。私たち民主党も調査団を派遣し、上原先生初め多くの皆さん、そして地元の皆さんから意見を伺ってきました。
そこで、一つ基本的な認識を尾身大臣に伺いたいと思います。先ほど完全失業率が九・四%、そのうち若年層が一七・八%、本当にこれは塗炭の苦しみだというふうに思いますが、沖縄における失業の実態をどのようにとらえていらっしゃるのか。全国で五・三%、このうちミスマッチによらないものは一・一%、残りは全部がミスマッチでございます。
一体、沖縄県の失業を分析してみると、ミスマッチによるものは何なのか。この若年層の失業を、ただただ若い人の働く場がない、こういう総論でとらえるべきではない、一人一人の沖縄県民の皆さんの生活に、その目線に立って分析をする必要があると思いますが、尾身大臣の基本的な御認識を伺いたいと思います。
○沖縄及び北方対策担当大臣 沖縄が、全体の失業率で見ても、それから若年層の失業率で見ても全国一番に高い、しかも、全国平均の倍近くなっているという事実がございまして、私どもとしては、この問題は大変に深刻な問題であるというふうに考えております。もとより、いろいろな意味から見て沖縄の重要性がございますので、政府としては総力を挙げてこの雇用拡大、経済発展を実現していきたいというふうに考えております。
当面、地域雇用対策のための助成金を今度の補正予算で出しておりますが、全体で三千五百億円が決まっているわけでございます。沖縄としてはその中から七十億円のお金をいただいて、つまり、比例配分よりもはるかに大きい額のお金をいただいて、緊急の雇用対策を進めていくということにしております。
ただしかし、問題は、長期的な観点から、沖縄経済が本当の意味で自立をして、雇用確保を図られ、発展、振興していくということが大事であると思っておりまして、そういう意味の構造改革的な視点を十分に考えながら振興策を考えていきたい、進めていきたいというふうに考えております。
○原口委員 七十億という重点配分、これは私も評価します。
ただ、お尋ねをしたのは、一七・八の中身なんです。あるいは沖縄全体の九・四の中身、この中の人たちが一体どういう人なのか。政策を打つときには、先ほど下地委員も御指摘をされていましたけれども、その政策の評価、だれがどのように困っているから、そこにどういう政策を打っていくかという明確な指針がなきゃいけない、ベンチマークがなきゃいけないんです。
私は、少なくともミスマッチによるものが幾らぐらいかわからないでは、実際、今回の補正予算の審議のときも総理と予算委員会で議論をしましたけれども、もととなる数字を持たずに、ただただ金を配ればいいということであれば、三年間やってきた緊急地域雇用対策特別交付金、これのまた轍を踏みますよ。実際に困っている人たちには行かないで、ただただ金が地域に流れた、そして一時的な雇用が発生した、これでは、今、尾身大臣がおっしゃる構造改革には資しませんということを申し上げているわけで、一体、ミスマッチによる雇用というのは沖縄県でどれぐらいなんですか。教えてください。
○内閣府沖縄振興局長 雇用の中身のお尋ねでございますけれども、ミスマッチによる失業というものは、私どもとしては計数は持ち合わせておりません。
○原口委員 それだったら、もう審議できないですよ。七十億、今やるとおっしゃったでしょう。基礎的な数字もなくて、あなた、この国会、何の国会ですか。雇用国会ですよ。それぞれの国民がどういうところでどんなふうに困っているか、特にこのテロ対策以降、沖縄県の現状を知っている人であれば、今みたいな答えは出てこない。では、何をもとに、どんな政策をここで審議するんですか。何で持たない。
○沖縄及び北方対策担当大臣 今のミスマッチの数字については事前通告がございませんでした。したがいまして、特にそのことを意識して調べていないということだけは、ここで申し上げさせていただきたいと思います……(原口委員「いいかげんなことを言わないで、事前通告している」と呼ぶ)したがいまして、今の御質問については、後ほど調べましてお答えをさせていただきたいと思います。
○原口委員 委員長……
○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 ちょっとお待ちください。ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕
○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 速記を起こしてください。
尾身大臣。
○沖縄及び北方対策担当大臣 今、資料を見ておりますが、完全失業者の資料をお届けした際に、原口委員から質問がございました沖縄県の九月の完全失業率九・四%のうち、労働力のミスマッチのデータにつきまして、沖縄県における労働力のミスマッチにつきましては、沖縄県において分析しておりませんのでわかりませんという答えを先生にしたと、それで実は御了解をいただいたものというふうに考えていたというのが事務局の説明でございます。
したがいまして、私自身はミスマッチについての質問があったというふうには理解をしていなかったので、先ほど申し上げましたようなことに、お答えをしたわけでございます。
○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 以上のような事情でありますので、原口先生、そういうふうに御理解いただいて、質問を続けてください。
○原口委員 今、大変なことなんですよ。あなたたちは今、ミスマッチ対策を一生懸命厚生労働省で練っているでしょう。データがない。では、それでだれに対して七十億を失業対策としてお引き取りいただくんですか。私は、こういうことが答弁をする側から出てくるとは、正直言って予想していなかった。
また、データがないということがあるということも、きのうこれは夜中に来たんですよ。これ一枚ファクスで持ってきて、それが答えかと。根本からなっとらん。本当に、ふざけるなと言いたい。そういう役所であれば、なくていい。
沖縄県民の皆さんが学校を卒業したけれども、就職ができないということをどうして調べないんですか。そのうちミスマッチによるものが幾らかなんていうのは、基本的なことでしょう。私は、こういう姿勢に強く怒りを感じます。
次に、それでは、多分これも資料がないと言うのかな。沖縄の中小企業は大変厳しい経営状況にあります。資金繰りを初めとする中小企業の経営の状態はどうなっていますか。
○沖縄及び北方対策担当大臣 中小企業の資金繰りにつきましては、これは必ずしも沖縄に限らないと思いますが、日銀の那覇支店の十月一日付の主要企業短期観測調査結果によりますと、九月時点におきます金融機関の貸し出し態度や資金繰りの状況につきましては、普通とするものが過半数を占めておりまして、特に沖縄において企業の資金繰りが逼迫している状況ではないというレポートが出ております。
ただし、これは九月実施のものでございまして、同時多発テロに伴います観光客の減少等によります観光関連産業への影響もございまして、沖縄の中小企業の資金繰りにつきましては、かなり厳しくなっているということが相談窓口の状況から見て考えられるわけでございます。
私ども、これに対しましては、特に観光産業などにつきましては観光客の減少に伴います資金繰りの悪化等もございますので、相談窓口を設け、また緊急金融対策を講じる等の措置を講じて、万全を期しているところでございます。
○原口委員 私たちが調査したところによると、地域におけるマネーフローの現状、それから、先日、地元の金融機関が倒産をしましたが、大変厳しい状況にある。このことを踏まえた上での対策というのが必要だと思います。
尾身大臣は昔、経済閣僚もされていましたから、そのときも議論をしましたが、地域の特殊な事情を抱えている、あるいは一部上場企業と同じBIS基準で全国一律にすべての中小企業が判断をされる、このことについてはいかがなものかということを政府の中でも議論されているし、私たち民主党としても、しっかりとした中小企業の会計基準、あるいはさまざまな金融庁の検査マニュアルについての工夫、これは裁量でやるのではない、しっかりとしたスタンダードをつくるということが、これからの地域の中小企業に対するマネーフローを確保する上で大変大きなことである、私はそのように考えています。
信用保証協会の特別枠を設けさせていただきました。これに対して、今どのような焦げつきが起こっているのか。一七・八という若年層の失業率からすると、あるいは九・四の失業率からしても、大変なことが起こっているというふうに思います。
そこで、私は確認をしておきますが、ぜひ、中小企業の金融機関に関する貸し出し態度に対するDIを調査してほしい。そして、先ほど申し上げた失業者の実態についても、沖縄県は、個人保証、自己破産がとても大きいんですよ。そういう中で、どうしてミスマッチ一つデータが出てこないのか。そういうデータを積極的にとって、一人一人の国民、県民に対しての説明、政策の効果についての安心をしっかりとお届けになる、この決意を伺いたい。データを調査しますか。
○沖縄及び北方対策担当大臣 雇用あるいは金融等についてのデータにつきましては、今後とも極力実態を調査して、万遺漏なきを期してまいりたいと考えております。
それから、沖縄県の全体の経済の力といいますか、そういうものを強くすることが必要であるというふうに考えております。そういうことも含めて、私どもは、時間はかかりますけれども、沖縄に世界最高水準の大学院大学をつくって、いずれ、沖縄をアジア地域の知的クラスターの中核にしたいというような構想も進めておりますし、また国立工業高等専門学校をつくるというようなことで、技術面でしっかりとした実力を持った若者を育てるということも進めまして、構造改革の線に沿って沖縄経済全体を立ち上げていく、そういう政策をしっかりと打つことが、実を言うと、中長期的には一番大事だというふうに考えておりまして、そういう方向の政策を今全力で進めているところでございます。
○原口委員 私は、全体の教育に関しての投資やあるいは構造改革という方向性はしっかりとお示しいただく、その上で、私も、亡くなりました末次一郎先生に御指導をいただいて、沖縄政策についてはもう二十数年、ここにいらっしゃる仲村先生や白保先生、多くの人たちとともに、この状況を突破したい、その思いで頑張ってきました。もう総論はいいんです。個々人の、沖縄の県民一人一人のこの長い間のさまざまな御苦労やあるいは苦しみに根差した、そういう議論をしなきゃいかぬ。
ぜひ委員長にお願いをしますが、当委員会にできるだけ早い時期に、雇用に関してのもっと詳細なデータを取り寄せていただきますようにお願いを申し上げます。いかがでしょうか。
○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 わかりました。検討します。
○原口委員 ありがとうございます。
沖縄の問題について、もう一つ申し上げます。
政府においては特殊法人の廃止、民営化を宣言していますが、沖縄振興開発金融公庫、これも廃止、民営化されるのか。公庫法の改正のときにこの委員会で私も議論をさせていただきましたが、同公庫のバランスシートというのは、まさに日本が経験したことのないような不況の中で一体どういうふうになっているのか。基本的な大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
聞くところによると、十二月末までにこの特殊法人の改革については、一定の方向が出るそうでございます。それは本当なのか、この公庫は廃止、民営化されるのか、バランスシートはどうなっているのか、基本的なことだけで結構でございますので、大臣にお尋ね申し上げます。
○沖縄及び北方対策担当大臣 沖縄の公庫につきましては、本土の各政策金融機関が行っております業務を沖縄において一元的に実施をしておりまして、政府の沖縄振興策と一体となって沖縄の振興開発を推進しているという大変大事な役割を果たしているわけでございます。今回の観光の問題につきましても、緊急特別融資等を行っております。
沖縄は、現在、県民所得が日本全体の平均の七割であり、失業率も二倍近いという経済状況を踏まえ、かつ、沖縄につきましては、来年度から、沖縄振興新法を制定して、さらにこの振興策を国として特にこの地区に限って進めていくという実態にあるわけでございます。国のいわゆる金融機関を補完するものとして、この沖縄金融公庫の果たすべき役割は極めて大事であるというふうに考えております。そういう状況を考えますと、政府の施策を遂行する上において、今後とも沖縄振興開発金融公庫の存在というものは、大変大事な役割を果たしていくというふうに考えております。
ただ、しかし、全体の国の金融機関の整理の中で、それに合わせた整理も含めまして、さらに一層の合理化などは前向きに進めていかなければならないと考えております。
○原口委員 これは廃止、統合されるのですか。
私たちも、政府系の金融機関九つについての一定の考え方を今まとめています。しかし、この沖縄公庫については、今、大臣がお話しになったような特殊な、また政策的な課題を持っています。ただ、一方で、実際にそのバランスシート、どれぐらい年間不良債権が積み上がっているか、そして、民に対する金融をどのように、この公庫があることによって、沖縄県におけるマネーフローあるいは中小企業の資金繰りにどう資しているのか、それを考えると、私はしっかりとしたお答えをいただきたい、そのように思うのですが、大臣、いかがですか。
○沖縄及び北方対策担当大臣 これは、特殊法人全体について、つまり一つ一つについて、今、政府として結論が出ていないというのが公式の見解でございます。そういう意味で政府の結論的なものを申し上げるわけにいきませんが、私自身としては、この公庫は今後とも大事な役割を果たしていく必要があるというふうに考えております。
○原口委員 私は、テロ以降、さまざまな不安による被害というのを最も受けているのが沖縄県であるというふうに思います。改革の道筋を示すときは、まず守るものを示して、そこに対する道筋をはっきり言わないから、例えば、人間は初めて行くところは遠く感じるのです、不安に感じるのです。今のような沖縄県の状態のときに、公庫に対するお答えがまだ政府としては固まっていませんということは非常に残念であります。
これは、尾身大臣は誠実な方ですから、それ以上お答えになる、ここでできないというのは私もよくわかります。しかし、ぜひ内閣全体の態度として、守るべきものを示してください。改革者であるのだったら、改革者はまず守るところを言うのです。変えるところを言うのじゃないのです。ここからここまでは守ります、しかし、その後については大胆に切り込みます、これが改革者の態度だというふうに思います。
きょう一枚の写真を持ってきました。視点を変えて少し。
私は、沖縄の基地の問題についても、三月にラムズフェルド国防長官、白保議員、いらっしゃいますが、整理縮小に向けての一層の努力をお願いし、国防総省、国務省についても、あるいはアーミテージ・レポートを書いたマイケル・グリーンさん初め多くの人たちとも、私たちがもうこれ以上沖縄の基地負担というものを過重にする、あるいは整理縮小のテンポが今のような状況であるということは限界に来ていることを申し上げました。
その一方で、しっかりとした日米のパートナーシップ、これを、アーミテージ・レポートによると、日米はまさに長い間会話のなかった夫婦、いざとなったときには何を言っていいかわからない、そういう関係になっているのではないかという危惧が出され、そうではなくて、毎日のようにしっかりとお互いの意思や思いというのを伝えられるような密接な関係を築き上げようじゃないかということを、議員同士で確認をして帰ってきたわけであります。
私は、アメリカに対するユニラテラリズムと申しますか、一国の大きな強さの中で、アメリカに対してもしっかりと言うべきことは言う、そういう外交姿勢が必要である。先日、キッシンジャー博士がお見えになったときも、同じような議論をさせていただきました。
委員長、一枚写真がありますので、これを皆さんに。
○沖縄及び北方問題に関する特別委員長 はい。では、大臣の方に見えるように。
○原口委員 大臣、これは、ジョルダンのバカア難民キャンプの、日本のODAでつくられた小学校の入り口に大きくかかっている絵でございます。御案内のように、右側は日本の子供、左がジョルダンの子供であります。
日本の外務省、私たちがこれまで世界に対してやってきたことをしっかりと伝える。バカアの難民キャンプで、一番難民の皆さんが期待をしているのは日本の国でありました。そして、感謝をしているのも日本の国でありました。私は、これからの世界に対する日本の貢献として、教育や医療や世界の人権を守るといったところでしっかりと日本が責任を果たす、このことが必要であるというふうに思っています。これは質問じゃありませんから、どうぞ、後ろをごらんにならなくて結構です。
そこで、一言だけ沖縄政策の最後に田中大臣に確認をしておきたいのですが、私たち民主党は、環境条項などを加えた平成の条約改正、日米地位協定の改正案、見直しではこの基地の問題というのは、SACOの合意を忠実に守っていく、このことも大事です。しかし、もうそれを超えたところに来ているという意味で、地位協定の改正を提案しています。日米地位協定の改正について田中大臣はどのようなスタンスをお持ちなのか、一言だけお伺いをしたい。
○外務大臣 今までの議論を伺っていましても、原口先生は本当に沖縄に対する非常に強い思いを持っておられるし、そして同時に、日本がどのようにして自立して社会と、ほかの世界の国々とといいますか、自立的に、協調的に共存していくかというふうな展望を持っていらっしゃるということを大変強く感じました。
そして、バカアのことを今申しませんけれども、地位協定でございますけれども、これはもう全部御存じのとおりですけれども、運用の改善をいかに機敏に合理的にやっていくかということでございます。しかし、それが十分に機能しないということもあるわけでして、そういう場合には改正も視野に入れていくということを今までも申し上げておりましたけれども、それを多分、委員はもどかしく思っておられて、そこのところまで踏み込むべしと。
特に、民主党さんがお出しになりました地位協定の見直し論というものもよく見せていただきました。それから、特に環境の問題、環境条項というのでしょうか、そういうことについては、この中で、私もよく読ませていただいたら、たしか三条のAというところ、環境保全という欄ですとか、それから第四条のところでも、環境被害についてとか、大変細かい問題について展望を持ちながら踏み込んでおられるということを感じました。
したがいまして、環境汚染の問題ですとか、あるいは情報の交換ですとか、そういうことにつきましては、去年の九月から環境の原則に関する共同発表というものを出しまして具体化に取り組んできております。しかし、今後、本当にいろいろなことが起こる、予測のつかないことが起こる可能性もあるというふうに思いますので、本当に立ち行かなくなった場合には、改正も視野に入れていくということを前向きに本当に考えていくべきだというふうに思います。内閣自体が全体で、先ほど労働問題でおっしゃいましたけれども、連帯感を持って、スタンスを持たなければならないというふうに思います。
○原口委員 一定の前向きの答弁をいただいたと評価いたします。
私はぜひ、ドイツもそうですし、お隣の韓国もそうでありますが、沖縄県の、これは私たちが調査団を派遣したとき知事もおっしゃっています、もう改正に踏み込んでくれ。そういう県民の願いを、これは、基地の問題は沖縄県の問題じゃない、日本国の国政の問題であるということを申し上げて、これも写真で恐縮なんですが、イラクの、この頭は自見先生の頭なのでちょっとあれですけれども、予算委員会で派遣をされました。イラクは国連の十一年にも及ぶ経済制裁で医薬品が入らない。しかも十一年前の湾岸戦争のときに劣化ウラン弾、これが大量に使われている。その劣化ウラン弾の影響で、ここに写っているのは小児白血病の子供たちです。劣化ウラン弾、そういうものの影響が最も敏感にあらわれるのは胎児です。そして、私たちが視察をさせていただいたバグダッドの小児中央病院では、こういう子供たちが、医薬品が足りない中で、お母さんと一緒に大変な闘病の生活を続けておられました。
私は、国連の経済制裁、軍事行動でなければ経済制裁は許されるんだというスタンスには立ちません。経済制裁がどれほど多くの人道的な、そして罪のない子供たちに影響を与えるかということを、もうここいらで精査をするときに来ているというふうに思います。こういう人道に対する兵器、国連の、これは人権委員会の小委員会の中で、一九九六年、しっかりと決議をしているんです。劣化ウラン弾やクラスター爆弾、核爆弾といった人道上問題がある大量無差別殺りく兵器については、国連の人権小委員会は、人権、特に命への権利の享受に不可欠な条件としての国際の平和及び安全と題して決議を出しています。そこには、核兵器、化学兵器、ナパーム、そしてクラスター爆弾、生物兵器及び劣化ウラニウムを含有する兵器などというのがしっかりと列記をされています。これらの兵器の使用がもたらす悲惨な死、苦痛及び傷害、人間の生活及び健康、環境に与える長期的な影響、汚染され、遺棄された装備が生命に対する深刻な危険を明確に示しています。これは国連の決議です。
さて、どうでしょうか。私たち、沖縄県には劣化ウラン弾がどれぐらい置いてあるのか、それはわからない。しかし、米軍がこれを持ち込んでいることは確認をされています。
私はキッシンジャー博士との議論の中でもお話をしましたが、一方ではある決議を遵守し、一方ではこの決議は無視するというダブルスタンダードは、国際社会の中で許されないんです。こういう大量殺りく兵器は、世界からなくさなきゃいけない。そして、その使用も、売買も、保持も禁止をする、そういうことを宣言しなきゃいけない、いや、実際に宣言しているんです。いかがでしょうか、外務大臣、こういう兵器に対しての基本的な認識をお伺いいたします。
○外務大臣 今、原口議員が御指摘になっておられますのは、一九九六年の人権、特に生命に対する権利の享受のための必須条件としての国際平和と安全を指すというふうに思われます。同決議は前文の中で、今、委員がおっしゃったように、大量の非差別破壊兵器の製造、使用等は国際的な人権及び人道法と両立しないということを述べている。そして、その上で、すべての国が劣化ウラン弾やクラスター爆弾等の製造及び拡散を制限することを要請しているということであります。これは御不満かもしれませんけれども、この決議というものは、個人の資格で構成されている小委員会によって作成されたものであって、法的拘束力は有するものではないということも御案内であると思いますが、それを踏まえましても、そういう劣化ウラン弾の問題、それから、今、委員、おっしゃっていませんけれども、デージーカッターの問題もありますし、今回のテロに関連しましてはそういう兵器、それからクラスター爆弾も、あらゆる委員会で指摘をされております。
そして、そうしたことがまた白血病とかそういうふうなことに関連していくということにはなっております。やはり、これは使わない方向の方がいいということはだれでも、それを賛成する人は、使え使えと言う人がいるわけはないわけでございますが、例えば今回の、例えばですけれども、アフガンでありましても、ずっと米軍はテロを撲滅をするために、そのために目標を軍事施設に絞って、最小限度軍事施設に注意深く目標を選定して投下をしてきたというふうなことも、例えばクラスター爆弾についてもありますので、テロ撲滅という、言ってみればアンチテロリズム、そういう共通の世界の中で、いかに思慮深く使用していかなければならないかという視点が現在あるということはわかっておりますが、他方、今、先生がおっしゃったような御意見があるということは十二分に承知もいたしております。
○原口委員 これはアメリカの友人たちにも、私たちは強く言っていることです。今ピンポイントで、アンチテロリズムの考え方の中で、テロは絶対許されない。
これはイラクの爆撃のときに誤爆をされたアメリア防空ごう、ここには約五百人の女性と子供たちが避難をしていたんですが、ピンポイントの爆撃ということで、ちょっと、これは非常にショッキングな絵なので小さくしている。小さな手形が写っていますが、これは赤ちゃんの手形の肉片なんですね。
私は、武器を持っていることと、それを使うことはやはり絶対違うと思うんです。そして、その武器も、使っていい武器と絶対使ってはならない武器とがあるということを御指摘申し上げたい。
最後に、北方の問題についても少し詳しくお話をしたかったんですが、三月のイルクーツクでの会談、そして先日の上海での日ロ首脳会談、私も去年、宮腰議員と一緒にユジノサハリンスクでの日ロの専門家会議、中山元外務大臣と御一緒に、ことしになってからも、日ロの専門家会議でいろいろな議論をしてきました。今、プーチン大統領は非常に支持率が高い。しかも、今回のアフガン問題以降のロシアの国際的な中でのスタンスあるいは地位を見ていると、非常に協力をする、そういう体制にあるというふうに思っています。ロシア、サハリン東方海上における小型機の墜落事件のときも、真っ先に駆けつけていただいた、そういうロシアに対して、私たちは隣人として感謝をささげたい、本当に助けていただいてありがとうございますということを申し上げたいと思います。
一連の首脳会談、私はイルクーツクでの首脳会談は、あのとき随分批判がありました。レームダックになった総理が一体何をやるんだ、そして何が合意されたんだ、こういう批判もありました。その後、外務省はどういうスタンスで日ロの交渉に臨んでいらっしゃるのか、今後どのような展望をお持ちなのか、基本的なことだけをお尋ねをいたします。
○外務大臣 今おっしゃったのは、イルクーツクの首脳会談でございますけれども、その成果といたしましては、平和条約の締結問題に関しまして、クラスノヤルスク合意でございますけれども、今後の交渉の新たな基礎を築くというイルクーツク声明というものが発表されたわけでございます。このクラスノヤルスク合意を以降の日ロ両国の努力の結果として総括して、今後の交渉の新たな基礎を築くイルクーツク声明というものが発出された、これが成果でございます。
そして、現在何をやっているかということを申し上げたいと思いますけれども、首脳レベルでは、七月に、この間ジェノバで、夏、サミットがございましたけれども、そのときに日ロ首脳会談、小泉・プーチン会談が行われましたし、それに先立ちまして、ローマで私と、G8でもって、イワノフ外相との会談も行っております。そのときには、私はイワノフ外相に招かれましてローマにあるロシア公邸に伺ったんですけれども、平和条約の問題について私も率直に切り出しまして、そのときに、イルクーツク首脳会談のことも踏まえてもちろん申しまして、もっと緊密に、フェース・ツー・フェースで話をする関係をつくりたいということをイワノフ大臣からも言われました。その後も何度か電話では話しております。
さらに、十月に上海で、ついこの間でございますけれども、日ロの首脳会談がありまして、歯舞、色丹の返還の態様の議論と、国後、択捉の帰属の問題の議論を同時かつ並行的に進めていくということでおおむね一致をいたしております。
毎度この北方四島の問題のときに基本としてありますことは、この四島の帰属の問題をまず解決して、それから平和条約を締結するという私どもの方針は一貫をしておりますので、さらに、精力的にそうしたスタンスで交渉に取り組んでいきたいと思っております。イワノフ外相とは、今回私がニューヨークに行けなかったこともありまして、電話等で頻繁にお話もしております。それを御報告いたします。
○原口委員 北方領土の問題は、長い交渉の歴史があります。そして、そこには多くの原則があります。そして、信頼の積み重ねがあります。それをぜひ大事にしながら、本来であれば、今世紀中に起こったことは今世紀中にということが望ましかったわけですが、今、世紀をまたいで、新たな仕切り直しの時期に来ている。ここで一番必要なことは、今、大臣がお話しになりましたように、国際法と正義に基づいて粛々とお互いの信頼関係を深めていくこと、対話や交流を深めていくことだというふうに思います。
先ほど訪米したときのお話を少し御紹介しましたが、私は、官僚シンジケート、古いビジネスモデルをもう崩すときに来ているというふうに思います。日本が十一年間もどうして経済が立ち直らないのか。少し前まで、アメリカの友人たちと話をすると、それは経済の問題だという議論でありました。しかし、もう今は、そうではない、日本の政治の問題なんだということになっています。
田中大臣、覚えていらっしゃるでしょうか。私は、官僚シンジケート、古い政治の枠組みあるいは古い官僚依存の枠組みを壊す、このことについては積極的に民主党としても協力したい、あるいは協力をしてくださいというお願いをいたしました。
外務省の不祥事が続いて、調査、報告は後追いになっています。大臣に予算委員会でお願いした資料も、事務方に一生懸命言ってやっと四枚出てきたんですよという御苦労をお話しになりました。ぜひ、そういう四枚の資料でも結構ですから、私たち国会に出してください。そして、国民の代表である国会議員と一緒に日本の今の古い体質を改善する、そのことについての御協力をお願いしたいと思うんです。
大臣の御決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
○外務大臣 外務省だけではなくて、長い間の官僚主導、情報がその中に集約していて、そして、政権がくるくるかわり、大臣がかわる。そうしたことの中で、政と官の関係がゆがんでいるということは、もう国民の皆様が、議員じゃなくてもわかっておられることでございますから、みんなで総力を挙げて、役所の皆さんもそれをわかっておられるわけですから、心ある方たちが前に出てくだすって、ともにいい日本をつくるために努力をするようにしたいというふうに思います。
○原口委員 終わります。
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