○予算委員長 次に、原口一博君。
○原口委員 民主党の原口一博でございます。
外務省問題について、総理並びに関係大臣にお伺いします。
まず、冒頭、総理にお伺いをいたしますが、先日、四島一括返還運動の皆さんが、総理が大変前向きのお言葉をかけていただいたということで、非常に喜んでいらっしゃいました。しかし、実態は、今、上田議員が指摘をしたような形でございます。
委員長、お許しをいただいて、二種類の資料を皆さんのお手元にお配りさせていただきたいと思います。
一種類目は、まさに先ほど総理がお話しになったところにこの問題の本質がございまして、政府を通して要請が来てないんです。要請が来ているのは一個だけ。あとは、皆さんのお手元に今お配りをした、こういう、南クリルの地区長V・A・ゼーマさんから、「親愛なる鈴木様」という形で、この紙がまさに要請文なんです。まず、これを読んでみます。
一九九八年の十一月二日、「色丹島における学校や診療所の建設」、「国後島における桟橋補修工事及び自航式艀の供与」、さらに「二台のディーゼル発電機も、両国間及び両国民間の強固な友好の目に見える証となることでしょう。」
一九九九年、「尊敬する鈴木さん」、「この冬両島が闇と寒さに包まれてしまった時のディーゼル燃料四百トンという形の日本の時宜を得た支援を忘れることはできません。加えて二千トンの人道支援のディーゼル燃料が我が地区に届き始めました。鈴木さん、まさに貴方が南クリルの人々を気遣って下さっているのだという証は少なくありません。」
次、「ディーゼル燃料の供与という形で人道支援を行っていただいたことにつきまして」云々。
その次は、まさに今度は、「ラジオ放送のための設備及び機材を人道支援として国後島に供与していただくようお願い致します。超短波」云々。
まさに、総理、こういう形で人道支援が私物化されているんです。
要請を、さっき総理がおっしゃったように政府同士でやって、それが予算という形になるんだったら私たちもそれは納得するでしょう。しかし、こういう形で行われてきた。だから、外務省の調査報告、私は、川口外務大臣、コンゴの問題についても誠意を持って調べていただいたことをここで感謝を申し上げます。しかし、十日の中であらわれてきたことは、まさに一部であった。そして、この我が国固有の領土、北方四島の主権がまさに脅かされ、私たちの税金が私されていた。こういう実態を総理も少しかいま見られたのじゃないかと思いますが、このことについて、まず、今回の調査、総理は外務省に指示したとおっしゃっていますが、やはり外務省のこの報告については、一方の私たちの疑惑の当事者であります経済協力局が聞き取りをする、あるいは、今齋藤局長がお話をされましたけれども、まさに人道支援、北方四島の支援室がやる。そこから聞いていても、実態わからないんです。
総理に、徹底究明、そしてこれは第三者機関を入れて、私たち、委員長にもお願いをしますが、このことは国会を挙げて調査をしていかないと明らかにならないぐらい根の深いことだと思いますが、総理、しっかり第三者機関を入れて、また官邸みずからが調査をされる。私は、外務大臣がされた調査については一定の評価をしています。ありがたいと思っています。この十日間で出てきたものについても、いいものもいっぱい出てきました。しかし、それはやはりお手盛り。そして、今質疑の中で明らかになったようなこういうことについては何も触れられていない。ぜひ、官邸みずからが調査をされる、徹底的に国民に対して説明責任を果たす、この決意を総理にまずお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣 外務省として調査した結果を今当委員会でいろいろ質疑をする、そこに今後の外務省改革なり日本外交に対するあり方を政府で真剣に取り組む、これが大変有意義であり、必要なことだと思っております。
○原口委員 私は、もう今の間の質問だけ、やりとり聞いていてもまだ矛盾が出てきたわけですから、ぜひ、さらに踏み込んだ調査を強く要請するものであります。
総理は、二月の四日の本委員会の質疑に、私の質問に対して、変な議員が変な働きかけとおっしゃっていましたけれども、今回の外務省の調査を見ると、後でまた具体的にお話をしますが、鈴木議員の個別企業等に関する働きかけは、何もこの外務省だけではなかったんではないか、他の省庁にも深く及んでいて、そしてその応接録があるはずだ。
刑事訴訟法の二百三十九条、これは公務員の告発義務を課したものでございます。なぜ、かくも大事な資料が今までマル秘の中で眠ってきたのか、我が国の主権を侵すような事態が見過ごされてきたのか、そのことについてしっかりと国会の立場から明らかにするためには、やはり全省庁を統括する総理のお立場として、鈴木議員の働きかけ、少なくとも過去三年間に、役所にはマル政と言われる政治家から働きかけられた記録が残っているはずです、このことについて精査を全省庁すべきだというふうに思いますが、総理の御見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣 具体的な問題があれば、それはきちんと調査すべきものだと思います。
○原口委員 具体的な問題が、例えば防衛施設庁からも出てきています、あるいは扇国土交通大臣のところからも出てきています。
先日報道されたところによると、ここにおいでのある議員の選挙、この選挙で、目の前で、自民党を落とした、そこの代議士がいるところにはそういう施設の予算はつくっちゃいかぬ。これはまさに予算の私物化であり、国益の私物化であると言わざるを得ません。
私は、先ほど上田議員がお話をした、この一九九五年が、まさに北方四島の、私たちの未来にとって大きな影を投げかけるその日だったということを指摘して、ディーゼル発電施設の問題について少しただしてみたいと思います。
委員長、パネルをお許しください。
○予算委員長 どうぞ。
○原口委員 これが、国後、色丹、択捉、いわゆるムネ電と言われているものでございまして、色丹島の穴澗につくられたこれは、人口が二千人であるにもかかわらず、十四億を超える電力施設でございます。じゃ、色丹島に電力施設がなかったかというと、あるんです。そこの機械を変えればできる。しかし、こういうものをおつくりになっています。
そして、私が調べたところでは、一般競争入札がこの四島についてはなされていますが、ここでも、消費税を上乗せをして、そして消費税分余計にこの受注者にお支払いになっています。全部が三井物産です。
そして、今お見せしたこの施設、色丹島の施設は、結果的には、伊藤忠商事が一番安い札を入れたにもかかわらず、二番目に安い三井物産が応札をしている。とても不思議なことが起こっている。
しかも、この入札の経過を見てみますと、入札の説明会をしますという公示をしてから二日後に入札説明会をして、そこに来ない人は入札資格がありませんということまで言っている。そして、北海道東部に特段の知識がある人でないとここには入札できませんという限定をかけている。まさに、不透明そのものの入札が行われています。
しかし、私は、ここにとどまらず、もう片方の資料を皆さんに、総理にもごらんいただきたいと思うのですが、この資料の七をごらんになってください。いわゆるこのムネ電の入札参加資格審査書類提出者、この一のところをごらんになってください。住友商事、兼松、三井物産、この三社がそれぞれ、ユアテック、新潟鉄工所、ダイハツディーゼル、北海電気工事というところと組んで、グループになって入札をしています。ちょうど上のところですね。
しかし、ここで皆さん、不思議なことにお気づきになるんじゃないでしょうか。住友商事と兼松の間には同じ会社が入っているんです。兼松と三井物産の間には同じ会社が、ダイハツディーゼルが入っています。つまり、AイコールB、BイコールC、CイコールA、すべてのグループがお互いの入札価格というのはわかるんです。こんな入札があるでしょうか。そして、政治資金収支報告を見ると、しっかりと献金をなさっています。
私は、今回外務省がお調べになった資料はとっても一面的である。このムネ電については何の問題もなかった、問題は見当たらなかったということですが、外務大臣、お伺いしますが、こういう入札の仕方、消費税も上乗せされています、そしてお互いがお互いの入札価格を知り得るような入札、私は、税の公平性、そして国民の信頼を大きく裏切る、まさに談合もここまで来ると、何といっていいのか……(発言する者あり)堂々とし過ぎという話はありますけれども、ひど過ぎる、こんなことがあっていいんだろうかということを思うんですが、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
○外務大臣 今回の調査につきましては、行政機関である外務省がどのような対応を行ったかという事実関係についての調査でございますので、入札の実際についての調査ではございませんということで、その点についてはよくわかりません。
それから消費税の件でございますけれども、これは支援委員会の事務局が、国内企業との契約である以上当然消費税を支払うべきものであるというふうに理解をして、契約を行ってきたということであったようでございます。
今後の対応につきましては、支援委員会の事務局は、返還請求を行う可能性も含めまして調査検討をすることといたしておりますので、外務省といたしまして適切に対応いたしたいと考えております。
○原口委員 外務大臣、やはりこれはとても問題だと思います。勝負のときには赤い服を着られるということで、きょうは青い服ですね。私は、きょうは赤い服じゃないかと思って、赤いネクタイをしてきたんですが、やはり国会で闘うよりも外務省の中で闘うことが多いんだな、その青いきれいな服を見て、そう思います。
財務大臣にお伺いしますが、北方四島のこういう入札、こんなこと、許されますか。そして、財務大臣として、北方人道支援事業やODA予算の執行にこういう疑惑が持たれるようなことがあっていいと思っていらっしゃるのか。また、この消費税が必要ないにもかかわらず、これは支援委員会で確認しているんです、消費税かかりませんねと。その文書もあります。確認しておいて取るというのは、これは何というんですか。(発言する者あり)なかなか議事録に残しにくいことを言う人がいますが、それと同じようなことだと思います。
財務大臣、消費税を彼らから、過払いを取り戻す、そういうおつもりがあるのか、そして国民に対して、税をしっかりと、タックスペイヤーの権利を守る財務省として、どのような姿勢をおとりになるのか、お尋ね申し上げます。
○財務大臣 入札の方法については、確かに変な入札ですね、私もそう思います。
それから消費税のことについてですが、こちらの方はもらっておるものですから、払った方が国で、またこれはぐるっと回って、うちはもらっておる方ですから、その点は、もらっているのかもらってないのか、そこをやはり契約者との間で調査しなければわからないと思っておりまして、それを十分調査した上で、適当な措置をいたします。
○原口委員 いや、もらっていることは明らかなんです。もらってなきゃ、こういう契約額にはならぬです。(発言する者あり)ああ、国がですね。
しっかり調べて、国民の信に背かないような措置を強く求めます。
さて、この資料の一枚目、二つ資料を配りましたので、これがスズキホールへの送金記録、外務省からいただいたものでございます。この問題について、一体だれが送ったのか。そして、これを見ると、単に「お受取人へご連絡する事項」とだけ書いて、真ん中にフロム・ミスター・ムネオ・スズキと書いてあるだけなんです。
黒塗りのところは、これは一体だれですか。そして、私費を他国に送るときに、外務省がこういうことにかかわっていいんでしょうか。そして、私は、これを送った人はまさに外務省の課員だというふうに聞いていますが、外務省の課員が寄附したことにこれではなるんじゃないでしょうか。外為法はこんなことを許しているんでしょうか。
以上四点について、外務大臣、お尋ねをいたします。
○外務大臣 タンザニアのスズキホールと言われている建物への送金でございますけれども、この件については外務省で内部で調査を行ってまいりました。その結果によりますと、タンザニアのキマンドル中学校講堂及び事務管理棟の建設のために鈴木議員が支援を行われた、それに際し、鈴木議員から依頼をされて、同中学校口座への送金を外務省職員が行った、これは事実でございます。
キマンドル中学校への資金援助、これは鈴木議員の提供によるものでございます。ただ、一国会議員の要請に基づき、この方は大変に対アフリカ外交に深い関心を持っていただいている方でございますが、そういう方であるとはいえ、一人の国会議員の御要請で、外務省の職員がこのように多額な個人的な送金の手続をお引き受けして、これに直接携わったということは不適切であったと言わざるを得ないと私は思っております。
○原口委員 これは、鈴木議員のお金が送られたという証明には何にもならないんですよ。政治資金の収支報告、二〇〇〇年を拝見しても、それから資産報告を見ても、どこにもこういうものは出ていません。そして、外務省に尋ねたところ、現金を窓口に、こういう現金を持ち込んだんだということになっています。
こういう形でマネーロンダリングをしてしまう、そのおそれもあるから、外為法は五十五条で「居住者若しくは非居住者が本邦から外国へ向けた支払若しくは外国から本邦へ向けた支払の受領をしたとき、」まさにその通知を定めているんじゃありませんか。財務省、外為法の趣旨を、御説明をお願いしたいと思います。
○財務副大臣 原口委員のお尋ねでございますが、外為法上は、海外送金につきましては原則として自由に行えることになっておるわけでございますが、国際収支統計の作成等のために、対外取引の実態把握の観点から、銀行等を経由して海外送金を行う場合には、当該送金額が五百万円相当額を超える場合には、外為法上、当該銀行等を経由して支払い報告書を提出していただくということになっておるわけでございます。
○原口委員 まさに今谷口副大臣がおっしゃったとおり、これは五百万円を超えていますから、報告の対象になるわけですね。
そして、谷口さん、もう一回お尋ねしますが、これに違反すると罰則があると思うんですが、いかがですか。
○財務副大臣 おっしゃるように、支払い報告書を提出しなかったり、また虚偽の報告をした場合には、外為法上、六カ月以下の懲役または二十万円以下の罰金に処するということになっております。
○原口委員 この報告はあるんですか。それとも、たしか、これは書類の保管期間というのがあって、その保管期間を過ぎているからもうないというのか。
私は、特に公人、政治家がお金の出入りをこういう疑義を受けるような形でやる。それは善意だったでしょう。タンザニアの皆さんに対する善意で行われたことだと私は思いたい。しかし、この送金そのものが、今外務大臣がお話しになりましたように、外務省を、一職員さんをまさに私物化して使う、そして外為法にも違反している可能性が高いと言わざるを得ませんが、報告はございましたでしょうか、財務省。
○財務副大臣 当該支払い報告書でございますが、この報告書はそもそも国際収支統計作成の観点から徴収しておるわけでございまして、統計のための集計が完了した段階で徴求目的が達せられるといったこともございますので、財務省の行政文書管理規則というのがございますが、この文書保存期限におきまして一年未満となっておるわけでございます。
財務省におきましては、年間で八十万件に上るような大変な枚数になるものでございますので、保管スペース等の関係もございまして、半年分を半年後に処分するというようなことになっておりまして、当該支払い報告書は処分された後ということでございます。
○原口委員 ということは、この送金が外為法に沿ったものであったか、そして、入金記録はあるんでしょうか。
私には、七百万円ですか八百万円ですか、いわゆるそういうお金を手渡されたというふうに外務省の方はレクチャーのときにおっしゃっていましたが、それではだれが払ったのかわからないじゃないですか。外務省の方がここに寄附したという形になっているだけで、単にフロム・ミスター・ムネオ・スズキと書いてあるだけで、まさに誤解を受ける、李下に冠を正さずといいますが、そういう送金だったのではないかと思いますが、外務大臣、御所見をいただきたいと思います。
○外務大臣 先ほど申しましたように、こういう事態といいますか、お引き受けをするということについては、非常に不適切な、適切でない判断をそのときに当人がしたというふうに、いろいろな事情はあったのかもしれませんが、私は考えます。
それから、銀行においての手続の件でございますけれども、これは一流の銀行でなされておりますので、先ほどおっしゃられたような、そのときに提出をしなければいけない書類関係、これについては、私としては適切に行われているものと推測をいたします。
○原口委員 一流の銀行で行われたということでございますが、そうであれば、そのときの、外為法にも違反せず、そして適正に行われたという証拠の書類を当委員会に出していただきたい、そのように思うんですが、外務大臣いかがでしょうか。
○財務副大臣 支払い報告書の件でございますが……(原口委員「いやいや、違ってます、外務省の方です」と呼ぶ)
○外務大臣 こちらにコピーをお出しのこの書類はお持ちでいらっしゃると思いますので、それは必要ないと思いますが、先ほど財務省からお答えがありました海外送金に係る支払い報告書、これについては、先ほど副大臣がおっしゃられましたように焼却をされたようでございますけれども、私の承知をしております範囲ではこれのコピーは存在をすると聞いておりますので、これについては本当に存在をするのか調べたいと思いますし、もしコピーがあるということであれば、財務省と御相談の上対応させていただきます。
○原口委員 前向きの答弁ありがとうございます。ぜひ出していただきたい。これはよくマネーロンダリングに使う非常に危ない、疑義を持たれる送金の仕方であるということを指摘して、次へ行きたいと思います。
その次の資料、これは、昨日外務省が報告された資料の中で、私が二月二十日に鈴木参考人にお伺いしたジョン・ムウェテ・ムルアカさんをめぐる問題についての御報告であります。
この四のbをごらんになってください。私は、園部参与のこの調査報告、aにおいて、外交旅券にのみ使用されるものを、ムルアカ氏が現在使用していると思われる旅券の旅券番号に記載されているアルファベット、これが示している、このことも大変大きな問題だというふうに思います。そして、次なる問題は、これはもう確認していることですが、このムルアカ氏が公用旅券を有していたということについては、中近東アフリカ局及び儀典官室は一九九九年の二月の時点で承知していたと言っているのです。これは看過できない事態でございます。
小田野審議官、あなたは二月二十六日の当委員会の審議の私の質問に答えて、こうおっしゃっています。私は、こういうふうにあなたに聞きました。「私は、このムルアカなる人物が公用パスポートを持っていたということを確認していますが、外務省、いかがですか。」と小田野さんに伺いました。そのとき、小田野政府参考人は、「お答えいたします。本人がどのようなパスポートを持っているかにつきましては、我々は必ずしも承知しておりません。」
私は、あなたが誠実に誠実にお答えになろうとしていたその姿勢を大変評価していました。しかし、ここでは明らかに、一九九九年二月の時点で承知していた、しかもこれは中近東アフリカ局、あなたが所掌されているまさにそのところじゃないのですか。どうしてこの国会でかくも違うことを答弁されたのか、明確なお答えをいただきたいと思います。
○外務省アフリカ審議官 お答えいたします。
二月二十六日の予算委員会の際には、ムルアカ氏がどのような旅券を有しているか把握しておりませんでしたが、今回の調査の過程で過去の関連文書を精査しましたところ、ムルアカ氏が公用旅券を有していたことについて、中近東アフリカ局及び儀典官室は一九九九年の二月の時点では承知していたことが判明したものでございます。
○原口委員 非常に問題のある答弁だと思います。
私は、このときも何回も通告をして、そしてムルアカさん本人がどういう人か、そのことについてあなたと何回もやったのです。理事会でもやりました。
今のような答弁が来るということは全く納得がいかない。整理をしていただきたいと思います。
○外務省アフリカ審議官 お答え申し上げます。
本邦におります外国人がどのようなパスポートを所持しているか、外務省は知るシステムになっておりません。それですので、調査の過程におきまして鋭意文書を調べましたところ、今申し上げましたような事実が判明しましたので、報告いたした次第でございます。
○原口委員 これはとても大事な問題を聞いたのです。
なぜならば、この方が公用あるいは外交官のパスポートを持ち、そして本国政府とは違う、キンシャサが言ってくることと全然違うことをなさって、しかも鈴木さんのグループが、ここにムキシさん、ダンボさんの証言を私持ってきましたが、コンゴ政府は何年も外交ができなかったのですよ、総理。そういう事態に至ったから、では、どうして私設秘書がこんな影響を持つんだろう。
また、この私設秘書がもしコンゴ政府からお金をもらっているあるいはミッションをもらっているとしたら、政治資金規正法上の国益条項、これに反するのです。私たちは、よその国からお金をもらっちゃいけない。これは当たり前の話なんです。他国だとそれこそスパイ罪になるんです。
それに加えて、他国のミッションを帯びた人を事務局にして、実際に十六の議連の事務局をこの方がなさっているのです。そこでタンザニアやいろいろなところへ行って、この方が他国の間に入って、秘書がいたとすれば、よその国に漏れるわけです、二国間の交渉が。これは、我が国の国家の威信、国民の安全、そして外交の基本が問われている問題です。
だから、二月二十日に参考人質疑をして、こうですね、鈴木さんは、出しますとおっしゃったのです。しかし、いまだに出てこない。そして、皆さんに、この方がどういう方ですかと。日本が、一部の議員によって外交がゆがめられて他の国に迷惑をかけている、こんなことまで言われているのですよ。そして、ダンボさんに至っては、本人の生命の安全を保障しない、殺害の予告までしているのですよ。
法務省にお伺いしますが、私は、殺害の予告あるいは本人の生命の安全を保障しないということはどういうことなのか、我が国では脅迫罪の構成要件になるのじゃないかと思うのですが、法務省の法文の解釈を伺いたいと思います。
○法務省刑事局長 お尋ねは、具体的な個別のケースを想定してのお尋ねでございますので、それにつきましては、犯罪の成否は証拠関係いかんにもよることですからお答えは差し控えますが、脅迫罪の構成要件について申し上げますと、脅迫罪とは、人を畏怖させる目的で、相手方の生命、身体、自由、名誉または財産に対して危害を加えるということを告げるということによって成立するものでございます。
○原口委員 いわゆる殺害の予告というのは、まさにこの脅迫罪に当たるのです。
そして、外交を私物化し、我が国に赴任されたその大使を何回も何回も、これはもう外務省の職員ぐるみで邪魔しているんです、総理。このテープは私たち幾らも持っています。多くの国会議員が疑惑解明のプロジェクトでムキシさん御本人からもお話を伺っています。臨時代理大使、今も臨時代理大使です。きのうお示しされた外務省の報告の中にもそれはあるじゃないですか。
そして、このムルアカなる人物は、前の臨時大使ンガンバニさんと組んで、そしてザイール通商代表部なるものをつくって、それはオータニのタワーにあったんじゃないですか。
小田野さん、あなたが私にこうおっしゃいました、私と中井理事に。本国から来る送金が足りずに、そしてきゅうきゅうとされておられましたと。そういう方々がどうやってあのオータニのタワーにZAINIPという事務局を置くことができるんですか。ウィーン条約で外交官が他の職につくことは厳しく禁じられているはずです。皆さんも、コンゴ政府に対する口上書、それは好ましくないという口上書を出しているじゃないですか。なぜですか。あなたがおっしゃったことには矛盾点が多過ぎる。納得のいく説明を下さい。
○外務省アフリカ審議官 お答え申し上げます。
今、オータニに居を構えているという機関のお話がございましたけれども、もしそれが、駐日コンゴ通商代表部とか、あるいは在日ザイール通商代表機関、あるいはザイール日本通商代表機関ということを指すのであれば、外務省はそれは公の機関として認めておりませんので、その活動内容その他につきまして特にコメントする立場にはございません。
○原口委員 総理、資料の三をごらんください。今そうおっしゃるものだから、念のために資料をつけておきました。別にひっかけるつもりでつけていたんじゃないんですよ。ちゃんとあなたたちは園部参与の報告の中でこうやってやっているじゃないですか。どうしてコメントする立場にないんですか。その次のページには、ちゃんとこのジョン・ムウェテ・ムルアカ氏が、本商工会議所の日本の当局に対する代表理事を務めることを通報すると。これは私たちがつくったものじゃないですよ。皆さんがきのう川口外務大臣のお名前でこの委員会、理事会に最初に提出されたものです。
今のような答弁、委員長、非常に残念です。一つ一つ事実を詰めて、今までどうして外交がこうやって曲がってきたかということを議論しているときに、今のような答弁が来ることは残念でならない。
もう一回確認をしますが、一九九九年の二月の時点で承知していたということ、二の資料でございますが、承知していた根拠は何ですか。あなたは、外務省は、そういう個別の人について知る立場にないと言いながら、承知しているじゃないですか。あなた御自身というよりも外務省そのもののことを聞いているんであって、御存じでなきゃいけないはずなんですよ。新たにこのポストに新任したからなんというのは理由にならないと思うんですが、一九九九年の二月の時点で承知していた、この根拠となるものを出してください。
○外務省アフリカ審議官 お答えいたします。
その一九九九年二月の件につきましては、ムルアカ氏が本邦在留資格につき中近東アフリカ局に相談してきました際に、同氏より関連情報が提供されたものでございます。
在留資格につきましては外務省の所管ではございませんので、その際に……(発言する者あり)
○予算委員長 原口君の質問に答えてください。
○外務省アフリカ審議官 失礼いたしました。
ムルアカ氏が本邦の在留資格につき中近東アフリカ局に相談してきた際に、同氏より関連情報が提供されたものでございます。(発言する者あり)それは口頭で参りました。(原口委員「追っかけませんから大丈夫。正直に言っていただければ」と呼ぶ)
もう一度、正確に答えさせていただきます。
ムルアカ氏が本邦在留資格につき中近東アフリカ局に相談してきた際に、ムルアカ氏より関連情報が提供されたものでございます。
○原口委員 その内容をこの委員会にしっかり出してください。
どうぞ、小田野審議官、緊張されずに結構ですから。私も、机をたたいてみたり、この間、鈴木議員につい大きな声を出したら、おまえもおれと同じじゃないかと言われて、非常に反省するところがございました。
私は、これはとても大事な、もう本当に笑い事じゃない話なんです。ムキシさんはこのように証言されています。外務省のNという官僚から、二時間、鈴木グループに協力するか、協力するんだったら大使館のかぎも渡しましょう、協力するんだったらIDカードも渡しましょうと。その間に、鈴木さんから三回電話がかかった。
ある国の外務省の人が、一人の外交官が自分の国の大使館に入るのに、その国の、赴任の国の外務省が条件をつけることがありますか。今、コンゴは一生懸命、独裁から、その傷跡から立ち直り、争いから立ち直り、民主主義の道を懸命に歩んでいる国です。それが、我が民主国家、世界最大の経済大国の一つ、この日本に来て、なぜこんなことを外務省から言われなきゃいけないんですか。明快な答弁を求めます。
○外務省アフリカ審議官 お答え申し上げます。
この部分につきましては、報告書に記載してありますとおりでございます。
かぎの問題をめぐりまして、ムキシ氏とンガンバニ氏の間で対立が顕在化しましたことから、三月二日にムキシ氏は中東アフリカ局審議官を訪問し、大使館のかぎの問題を日本政府の責任で解決するように要請しました。
これに対して、同審議官より、本件は基本的にコンゴ民主共和国政府部内の問題であり、日本政府が関与すべきことではないが、かぎの引き渡し問題を憂慮していることを伝え、ンガンバニ氏、ンガンバニ氏の代理としてのムルアカ氏、ムキシ氏、同審議官による四者間の話し合いの機会を持つことを提案しました。
三月八日、ムキシ氏は同審議官を訪れて、本国政府よりムルアカ氏との交渉を禁じられているということを回答してまいりまして、この提案は拒否されたわけですが、その際に、その会談の最中に鈴木議員から同審議官に一回電話があり、内容は本件と別件の照会事項でありました。電話が終わった後、同審議官はムキシ氏に対し、電話の相手は日・コンゴ民主共和国友好議連会長の鈴木議員であったことは述べたものの、それ以上の言及は行わなかった。
このような提案をした動機につきまして、同審議官は、当時、ンガンバニ氏を説得できるのはムルアカ氏しかなく、大使館のかぎの引き渡しを平穏裏に実現させるためにはムルアカ氏も参加する話し合いが不可欠との判断から、このような提案をしたとしています。
また、通商代表機関に協力せよとの発言は行っていないとしております。(発言する者あり)
○原口委員 本当に通用しない報告です。
では、なぜ、ダンボさんは一回も大使館に入ることなく、そしてムキシさんについても、今だって大使の公邸はンガンバニさんが占拠しているじゃないですか。IDも出していない。
このムキシさんがこうおっしゃった。日本政府、日本国民の名誉を一部のグループの行動が深く傷つけたことになる。日本の国民、日本の政府、そして日本の国会、あらゆる方々に、私が置かれているこのような複雑な問題に終止符が打てるよう御協力いただきたい。日本が民主主義国家として、民主主義の精神を大切にしていることに深い尊敬を払います。私の国、コンゴ民主共和国が日本と同じように、高い民主主義を謳歌する国になりますように切に熱望いたします。この言葉を私は聞いたときに、申しわけなさでいっぱいでありました。
あなたがそういうことをおっしゃるんであれば、あえて名前を言います。野川さんは、二時間、このムキシさんに対して、鈴木グループに協力するように、イエスかノーかと言っているじゃないですか。そして、ムキシさんやダンボさんの証言によると――どうして後ろの方が違うと言えるんですか。あなたはこの委員会にお呼びしたつもりはないんです。なぜあなた、お入りですか、その後ろの方。あなた、お名前は何ですか。
大変な問題です。総理、もう官邸が乗り出して、本来、他の国であれば、こういう不法な占拠があれば、アメリカ大使館がこんなことになったらどうしますか。我が国は全力を挙げてその占拠を解くはずですよ。コンゴの国、私たちにとっても大切な国です。しっかりとした対応を求めたい。
そして、資料五をごらんになってください。これも説明がつかない。一九九八年、このコンゴ共和国とコンゴ民主共和国、二つの国に無償資金協力、技術協力をやっている。コンゴという国は二つあるんですか、外務大臣。
○外務大臣 コンゴ共和国とコンゴ民主共和国と、二つございます。
○原口委員 その二つは、今私が言っている国はどちらですか。そして、どのように違うんですか。一九九七年に、ザイール、変わってコンゴ民主共和国、これを我が国が承認したと私は理解をしていますが、もう一つコンゴ共和国という国があるんですか。
○外務大臣 今問題になっている国はコンゴ民主共和国の方でございまして、コンゴ共和国はその隣にある国でございます。
○原口委員 私は、この二つの国に対して、まさにほかの国のODA、これ全部調べました、無償資金協力。ここでも、今申し上げたこのムネ電と同じようなことが行われている。もう本当に、だれかずぶずぶという言葉をはやらせた人がいましたけれども、一体私たちの、国民の税金をどのように考えているんだろうか、外交って一体何なんだろうか、このことを深く問い直さざるを得ない事態でございます。
さて、そこでもう一つ、事実を確認しておきたいんですが、一月二十四日、いわゆるODAの参加不参加の問題でさまざまな議論がなされていたときですが、このときに、重家さん、あなたは公務として、御自身の所掌に関する事務ということで会合に出ていらっしゃいます。そして、そこで御自身の職務行為をなさっています。加えて、ある政治家、数名いたそうでございますが、そこで酒食をともにし、その代金はその政治家が払った。そして同席人の名前も、在京シリア大使と通訳、そして同席人は、あのときにはこの委員会ではわからなかったけれども、もう御本人がみずからお名前を挙げられたということで、泉さんと武田さんということがわかっています。
直接の利害を有する者、そして、そこに公務で、所掌する事務で行く。私は、これは収賄罪の構成要件といったものを頭に入れなければいけないというふうに思います。
そこで法務省にお伺いをいたしますが、贈収賄罪の構成要件は何ですか。お尋ねを申し上げます。
○法務省刑事局長 まず収賄罪の構成要件でございますが、典型的に、いわゆる単純収賄と呼ばれております百九十七条一項について申し上げますと、公務員がその職務に関しまして、その職務に対する不法な報酬を受け取る、あるいはその要求をする、あるいは約束をする、これが構成要件でございます。
一方、贈賄は、そういう公務員に対しまして、その職務に関しまして、ただいま申し上げた職務の対価としての不法な報酬を提供するということが贈賄でございます。
○原口委員 本件はまさに、直接利害を有する者に対して所掌事務を遂行している、しかもそこを、酒食の宴をともにしている、そしてその支払いを自分がしていない、このことによって贈収賄の構成要件を満たすというふうに思います。
さらに伺いますが、わいろを供した者に対する制限はございますか。例えば政治家であればそれはいいんだなどという間違ったことを考える人もいると聞いておりますが、刑法百九十八条の要件、わいろを供した者、主体についての限定はございますでしょうか。
○法務省刑事局長 贈賄につきましては、その主体について特段の限定はございません。
○原口委員 今の二つの事実を総合すると、まさに刑法百九十七条、そして百九十八条の案件を満たしていると言わざるを得ません。
そこで外務大臣にお尋ねしますが、川口外務大臣は、注意をされています。なぜ注意をされたのか。そして、本報告書には、この部分がすっぽりと抜け落ちています。まさに一部の政治家と、そして外務省とのパンドラの箱の中身そのものだったんじゃないでしょうか。なぜ御注意をされたのか。それは、犯罪を構成していた、このことを懸念されていたからではございませんか。明確な答弁を求めます。
○外務大臣 一月二十四日に小町官房長と重家中東アフリカ局長が会食に、松岡議員との会食に参加をいたしました件については、国民の外務省に対する信頼を回復することが非常に重要な時期に、結果として国民の誤解を招くことになったことは極めて遺憾であるというふうに考えまして、二月の十五日に文書をもって、私から小町、重家両名に注意をするように申し渡しました。
それから、この点が報告書になぜ入っていないかということでございますけれども、今回の報告書、調査の対象といたしました件、これは、予算委員会で調査をするようにというふうにお話をいただいて調査をお約束したことにつきまして調査を行ったということでございまして、全部の件について調査をするということではございませんでした。
○原口委員 限られた調査だったということを外務大臣お認めになったわけでございますが、委員長、私たちはこの問題をあいまいにして、主権国家としての一番大切なものを守っていくその前提条件を満たすことはできないというふうに考えております。さらなる本委員会での充実した質疑と、そして調査、そして誠実に、今の時間だけでもやはり答弁について違うところが出てくる。そして資料についてしっかりしたものが出てこない。こんなことではいけないということを申し上げて、資料の八をごらんください。
これは先週、根室の北方四島周辺の漁民の方が複数、私に、ぜひこれをただしてくださいといって持ってこられたものでございます。この「拿捕漁船の所属漁協」、これは羅臼、釧路、そして根室という、いわゆる北方四島の周辺に集中をいたしております。その方々がおっしゃるには、密輸と密漁と拿捕、この三つが、一部のロシアの人たちと結びついた日本のあるグループとの間によって仕切られている。二百海里が決められたことによって、あるグループにお金を払えば、それは二十トンのものが二百トンも密漁をして、そして水揚げをすることができる。しかし、払わなければ、拿捕をされ、ロシアに連れていかれて、そしてそこでもまたお金を要求されて、お金を払わなければ何カ月も抑留をされる。これは私たちのところではもう常識になっていることなんです、しかし私たちはだれもそのことを言うことができない、だから国会で、ぜひ、このことが真実か、それともうそか、ただしてくださいと。
北方四島にはカニ御殿と言われるようなものもたくさん建っている。それはなぜか。ユジノサハリンスクに、総理、行かれてみてください。どういう生活をされているのか。一部の人たちは、まさに自分たちの子弟は米英の超一流の学校に出し、そして、まるで御殿のような、殿様のような暮らしをしています。私たちは、その陰で日本の漁民が泣いているとしたら、とてもそれを許すことはできない。日本の水産庁がこれをどうして見逃しているのか。
あるいは、筒井委員がこの委員会で質問をいたしました。ロシアが発表しているその数量と日本が発表する数量、全然違うんです。そして、実際にここにポートクリアランスを持っております。ポートクリアランスにはこう書いてあります。カムチャツカや、あるいはユジノサハリンスクの税関の印があります。プーチンさんはそれを認めてないんです。その政府が勝手に出しているかもわからない。だけれども、そこも確認しようとしない。その中で漁民の皆さんが泣いているじゃありませんか。
総理、私は、私のもとに複数寄せていただいた方々がうそをおっしゃっているとはとても思えませんでした。各漁協の帳簿を調べてみてください。そして、そこに暗躍している人たちが一体だれなのか、ぜひ調査をしてください。私たちの国境を侵し、私たちの国益を侵しているものの正体をぜひ突きとめていただきたい。私たちも全力を尽くし、協力をいたします。総理の御決意、お考えを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣 密輸とかあるいは密漁、この問題は放置することができない問題だと思います。日ロ協力のもとに、真剣にこの問題に取り組んでいきたいと思います。
○原口委員 外交をつかさどる神というのはエルメスというそうです。エルメスに欺瞞と追従を教えられたのがパンドラだそうです。まさに今パンドラの箱があいています。しかし、醜いものが出終わった後には希望というものが出てきます。私たちは、国会議員として、そして国民に責任を負う立場として、しっかりとこの悪を見きわめ、そして外交を立て直す、このことを強く求めて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○予算委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。
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