予算委員会

平成15年1月27日(月曜日)

○原口一博 民主党の原口一博です。
 冒頭、小泉総理の政治姿勢と業績評価ということで、委員長にお許しをいただいて、資料並びにパネルを使わせていただきたいと思います。
 これが、小泉総理が就任されてからの各種の指標でございます。名目GDP、これはマイナス七・七、そして国債発行額に至っては、あの平成の借金王というやゆをされた小渕総理をもう抜かんばかりの勢い、七十三・一兆、そして完全失業率最悪値、これは五・七、そして株式時価総額の増減、これももう断トツに悪くてマイナス百三十九・三兆、こういう状況であります。
 政治は結果責任でございますから、どんなにいいことを考えていても、それに結果が伴わなければ、やはりその責任を問われなければいけない。
 年末、三百三十三人もの御党の議員さんがお集まりになって、総理打倒という決起集会を開かれたようですが、私は、中には抵抗勢力的な古い政治の状況をまだ残そう、そういう思いもあるかもわからないが、私たちが地域を回れば、この数字が物語るように、まさにもう火の車。小泉さんはいつまでやるんだ、もうやめてもらいたい、こういう大合唱でございますが、この責任をどのように総理は認識をされているんでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 経済状況、非常に厳しいものがあるのは承知しておりますし、だからこそ、この経済状況を打開するためにはあらゆる面における改革が必要ではないか、特に金融、税制、規制、歳出、全般にわたる改革が必要ではないかということで取り組んでおります。
 今御提示の指標につきましても、それぞれ厳しいものがあります。また財政規律におきましても、考えながらも国債の増発をせざるを得ないような状況。そういう面を考えても、この状況をどのように打開していくかということについては、私は即効薬はないと思っております。やはりある程度時間が必要ではないか。
 いずれ時が来れば、そういうことに対して私の内閣の今まで行ってきた政策あるいは実績等について国民がどう評価するか、審判を得なきゃならないと思います。そこにおいて最終的には私に対する実績の審判が下されるのではないか。それまでは精いっぱい、この厳しい状況を打開するために、改革なくして成長なし路線を進めていくことしかないと私は思っております。

○原口一博 この資料1をごらんになれば、解散・総選挙で信を問うからいいんだとはなかなか言えないんです。歴代の、このバブル崩壊後厳しい中を政権運営をしてきた、経済政策をやってきた、その方々よりもはるかにひどい数値が出ている。
 これは一朝一夕に、例えば行財政の構造改革は、それは答えは出ないかもわからぬ。総理のおっしゃるとおりです。しかし、マクロの経済政策をこれほど誤って、あるいは金融の問題については、後でお話をしますが、全く間違ったやり方をやって、みずほだって一兆円の増資をしなきゃいけないんです。総理は恐らく、大向こうをうならせる、そういう人事をされたのかもわかりませんが、今や、民間大臣を任用して半分ぐらいは頼りにならなかったな、そんな声が総理の周辺から聞こえてくるというのは一体どういうことなんだろうかというふうに思います。
 資料2をごらんになってください。
 今委員長がくしくも注意をされましたが、これは年明けの、この国会冒頭の、議長が各党の国対委員長にあいさつの中で述べられたことであります。「今次の通常国会召集の前、まだ何らの議論も行われていないときに、国会の会期延長や衆議院の解散についての話が出たが、こうした言動は国民の国会への信頼を損なうものであり、残念な事態である。」ここまで言われているわけです。
 この解散・総選挙、あるいは会期延長、これを言っているのはだれですか。私たち野党が言っているんではない。御党の総理・総裁を支える方々がおっしゃっているんですよ。まさに、私は、国会を軽視すれば、そこに生まれてくるものは民主主義の崩壊でしかない。
 私は、今すぐにでもできる政策を総理がなさっているとは思わないんです。例えば、高速道路の建設ラッシュをとめよう、そういうことをおっしゃってみても、三年間同じ予算じゃないですか。その間に建設ラッシュは進んでいる。あるいは、特殊法人改革をするとおっしゃりながら、これはエージェンシーにしたことで国会からチェックが遠くなるんです。実際になさっていることとスローガンとしておっしゃっていることの乖離、これをどう考えていくのか。
 私は国会に来てことしで、上げていただいて七年目でございますが、先輩方にお聞きしても、こんなことを議長がおっしゃる国会というのはない。総理は、国会に対する説明責任や、あるいは誠実な姿勢でもってお答えいただくのか。これは与党、野党関係ないテーマだと思いますので、しっかりと説明責任を果たしていかれるのか。あるいは、もう一ページ目だけの目標、これは、国民の皆さんは改革が必要なことはだれもわかっているんです。その次の政策が整合性を欠いているから、歳出のカットだけをやって、そして歳入の構造改革に踏み込まないからかえって財政赤字はふえる、国民を追いまくるから経済は悪化する。このことについてどのようにお考えなのか、再度お尋ねを申し上げたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 今御提示いただきました衆議院議長の話でございますが、私は、通常国会召集の前、会期延長とか衆議院の解散についての問題について、延長しろとか解散するという話は一切しておりません。そういうことの話がいろいろな議員の間で出ていることは承知しています。また、報道等でこれがよく話題になることも承知しておりますが、私自身の口から、まだ通常国会が始まる前に、延長しろとか解散をするとか一切していないということをまず御理解いただきたいと思います。
 また、公共工事の、今渋滞のお話はされましたけれども、この問題につきましても、私は、特殊法人改革等、三十兆円の枠は確かに守ることはできませんでしたけれども、この目標を掲げたがゆえに歳出の見直しもできたのではないか。また、特殊法人改革におきましても、今、廃止、民営化、あるいは独立行政法人等改革が進んでおりますし、すぐには効果が出ないのはわかっておりますが、ようやく大きな改革へ向けて動き出したということは御理解いただけるんではないかと思っております。

○原口一博 私が申し上げているのは、今すぐにでもできることを総理はなさっていないということを申し上げているんです。
 エージェンシーの改革、七十七の特殊法人で、先日上田議員が質問をしましたが、年金基金だってどんな運用をしているんですか。ちょうど厚生大臣のときに総理と議論をさせていただきました、あのグリーンピアについて。こんなことがあるから郵政を民営化しなきゃいけないんだとそのときはおっしゃいましたが、年金基金は郵政とは関係ありません。あのときグリーンピアの赤字は千八百億でした、総理が厚生大臣のとき。これを変えるんだということをおっしゃった。しかし、現在六千億になっているんです。
 あるいは医療費の、重複受診、このことについても総理はそのとき厚生大臣として前向きのお話をされました。しかし現に、重複受診をそのときに総理がお約束されたとおりにチェックする仕組み、六年たってもできていないんですよ。
 資料4をごらんになってください。これは二〇〇三年度予算、今補正予算を議論している最中でございますが、医療保険関係、介護保険料引き上げ、税制改正、そして給付減額、地方の交付税を五千億減額した上で、またこれだけの国民負担増をやる。
 総理は任期中消費税を引き上げないというふうにおっしゃっていますが、それは具体的にはいつまでなんでしょうか。私は、それは総理の任期がいつまでかということをお聞きしているんではなくて、一体いつまで、そういう直間のあるいは間接税についての議論を括弧に入れたままでもつだろうか、このことを直接総理のお口から聞きたいと思って伺っているんです。
 資料3をごらんになってください。これは、坂口厚生労働大臣、厚生省が試算をされたものでございます。「すべての費用を年金目的消費税で賄う場合」、どういう国庫負担の割合でどれぐらい要るか試算されているんです。
 そして、十六年から本格的に制度を変えるということですが、改革を促進するのであれば、そんなゆっくりしたことで大丈夫なんでしょうか。午前中、長妻議員の質問に、雇用の問題についても、どれだけ雇用をふやすかという実数値については出てきませんでした。まさに、雇用の現場で何が日本の経済を傷めているか。年金の先行き不安なんです。この不安に対して、改革を加速する、不良債権の処理を加速するというのであれば、どうして社会保障の部門を平成十六年からやって間に合うんでしょうか。今年度中に、あるいはもう早急に検討をすべきではないか。
 あるいは、税の歳入の部門についても、自分の任期中はそういう議論はしてもいいが消費税は上げない、こんなことをおっしゃる。これも一つの考え方かもわからないけれども、その根拠を示していただきたいんです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎)
 根拠といいますが、これは私の考えであります。消費税を上げるということを前提に考える必要はないんじゃないか。
 社会保障、年金、医療、介護等社会保障についての改革というのは必要であります。その際に、どの程度の負担でどの程度の給付が得られるかというのは、今後大きな議論を呼び起こすと思います。その際に、安定した財源を確保していくというのが、これまた大変重要な問題であります。
 安定した財源というのは、果たして消費税だけだろうか。私はそう思っておりません。消費税というのは安定した財源の一つであります。それは否定いたしませんが、それを直ちに上げるということを先に決める必要はないと思う。まず行政のむだを徹底的に改革するのも必要だろう。同時に、国民がどの程度負担に耐えられるだろうか、また、この程度の給付を欲するならばどの程度の負担が必要だろうかというのは、まず消費税を上げる必要があるという前提なしに私は取り組むべきものではないかと思っております。そして、これからの少子高齢化、この流れも見なきゃなりません。お互い、社会保障の負担をどう分かち合うかということから、何も消費税先に引き上げありきという議論はする必要ないんじゃないか。
 当然、消費税の問題は出てきます。所得税もあるし、間接税もあります。そういう面、総合的に見ていくことによって、私は、給付と負担のあり方、安定した財源をどう確保していくかという中で議論すればいいんであって、議論は否定しません。議論の中で消費税を取り上げちゃいかぬということは一つも言っていません。消費税を取り上げるのは結構でありますが、私は、在任中は消費税は引き上げない、そういう中で、それでは安定した財源と給付と負担をどう見直していくべきかということを議論してもいいのではないかということを思っているわけであります。

○原口一博 何でこの資料の1を出したかと申しますと、もう総理の在任中だけで国債発行額が小渕総理に、もう小渕総理の名前は出しません、亡くなった方ですから、申しわけない、七十三・一兆円、ふえているんです。どこに安定した財源を求められるんですか。
 私は、消費税を上げること先にありきの議論をすべきだと一言も言っていない。上げなくていいのであれば、その根拠を示してほしい。上げたときのインパクト、私は大きいと思いますから、結果的には上げない方がいいと思う。もっともっとスリムになると思う。しかし、平成二十年で約百三十兆の国債を借りかえなきゃいけない、この国債のマーケットの大変な危機というのも目の前にあるわけです。そのリスクはどう考えるのか。そのリスクはまあまあ何とかなるから私の在任中は上げることは要らないんだ、こういう説明だったらわかります。総理はしっかりとその辺を、これは後で別のところでもお聞きしますが、伺いたい。
 私は、先日、菅委員に対して、三つの公約は、この程度のことは大したことはないという総理の答弁は、やはり伺っておかなきゃいかぬというふうに思います。
 三つの公約、これは、靖国神社十五日の参拝、ペイオフ、三十兆円。靖国の問題は、国家観、歴史観の問題です。そして、ペイオフの話は国際公約です。そして、三十兆円の話は財政規律のシンボルであります。ターゲットです。この三つが、大したことがない、「もっと大きな問題を処理するためには、この程度の約束を守れなかったというのは大したことではない。」というのは、では、何の約束だったら大したことがあるのか。
 私は、国家観、歴史観、十五日に靖国にお参りになる、このことを期待していた人たちも多いと思う。私自身のスタンスはどうか。英霊に鎮魂と平和を祈って、毎朝行っています。ですから、総理が十五日に行かれると言ったときに、それは、これまでの歴史が随分変わる、そういう決断だなというふうに思いました。
 しかし、これを大したことないと。いろいろな立場がありますよ、政教分離の話があったりA級戦犯の話がある。しかし、大した話ではないで済むことではないというふうに思いますが、総理、何か御弁明を党内ではされたようでございますが、つけ足す言葉がございましたら、おっしゃっていただきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 確かにあの発言は不適切な発言だったと反省しております。情勢を見きわめながら、大胆かつ柔軟に対応する場合も必要でしょう。そして、改革を進めていくことは、重要性は十分認識しております。そういう意味において、私の基本路線は変わっていないということを言いたかったわけでありまして、あの発言は私は不適切であったと反省しております。

○原口一博 さまざまな公約が破られ続け、そしてどれが重点の公約なのか。なぜかというと、さっき総理がおっしゃった選挙で信を問うということは、公約、国民との契約を示して、そしてそれを問うわけでございますから、その契約が、総理は自民党総裁選挙のときに、ある意味では国民との契約として選ばれて、それでお勝ちになったと思います。その契約が大したことがないということであれば、次の総選挙のときに、何をもって国民は選べばいいかということが全くわからなくなるわけでございます。
 総理がおっしゃる大胆かつ柔軟に、大胆にということは大ぶろしきを広げて、そして、柔軟にということは何ら一貫するものもなし、そういう意味かととらえられてもしようがないというふうに思います。
 北朝鮮の問題についてお話をさせていただきたい。
 日朝平壌宣言の法的効力、政治的、外交的位置づけは一体どこにあるのか。本来であれば、あのときに、私たちは拉致議連の中でも随分求めましたが、人権の問題、核の問題、これをないがしろにせずにしっかりと詰めてきていただきたい、このことを申し上げましたが、もう北朝鮮は核開発を認めるなど、既にこの宣言時からこの精神は破られているのではないでしょうか。あるいは、総理は、これは単なる政治的な宣言であって、お互いの国が、リーダーが表明した表明文にすぎない、このように思っていらっしゃるのか。位置づけについてお尋ねを申し上げたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎)
 日朝平壌宣言は、法的拘束力はないといいながら、私は、政治的に重いものだと思っております。昨年九月十七日、これからの日朝関係を正常化していく上において、非常に重い政治的意味を持つものだと思っております。この日朝平壌宣言の精神、原則にのっとって、これからどうやって日朝関係を正常化していくか、これは日本側、北朝鮮側、ともに重い責任を担っていると思っております。

○原口一博 そこで伺いますが、この平壌宣言には、何回も指摘をさせていただきましたが、合意という言葉はありませんね。何かを合意した文書ではございませんでしょう。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) これは読んでいただければわかりますが、この平壌宣言、お互い合意して、この精神に従い日朝国交正常化交渉を進めていくということでありますので、この宣言に合意したわけであります。

○原口一博 どこに合意という言葉がありますか。「双方の基本利益に合致する」というところですか。意見が一致したということですか。普通、外交文書の中に、合意をすれば合意という言葉はあるわけでございまして、それがない限り、日本の新聞には大きく報じられましたが、これは外交文書からいう合意文書とは体をなしてない、そのように思いますが。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) これは共通の認識を確認したということでありまして、この精神に従って日朝正常化交渉を進めていくという共通の認識を確認したということであります。

○原口一博 だから、合意ではなくて共通の認識なんです。
 そして、例えばミサイル問題についても、私たち少し読んでみると、この資料8、日朝平壌宣言、あらかじめ持ってきましたけれども、ここには「ミサイル発射のモラトリアムを二〇〇三年以降も更に延長していく意向」を示したというふうに日本側の文書ではありますが、朝鮮語で読んでみると、ミサイル発射の保留を二〇〇三年以降もさらに延長する意向を示したと。モラトリアムと保留という言葉で違う。発射する権利はあるが控えるという意向を北朝鮮側は示したにすぎないのですね。
 なぜこのモラトリアムという言葉を使ったのか、私には合点がいかない。本来であれば、ここは凍結あるいは中止という言葉になっておかなければいけないのです。
 総理に伺いますが、あるアメリカ政府の高官は、総理が北朝鮮に行かれる前に、核査察の受け入れ、ミサイル開発、輸出、配備、テストの中止、通常兵器の削減、支援食糧の検証、以上の約束を必ず取りつけてくれ、そういう要請もあったというふうに思います。今まさに国際社会が一番懸念をしているのはこのミサイルの開発を中止できるかできないかということでございまして、なぜそういう文章が入らなかったのか、それはお互いの意向を確認したにすぎなかったからなのか、その辺、総理の御答弁をいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) ミサイルの問題につきましてお互い意向を確認した、ミサイル発射モラトリアム、二〇〇三年以降も継続していくということであるし、今原口議員がお話しされましたアメリカの核の問題、あるいは安全保障上の問題、十分話を聞いてから私は訪朝したわけでありますが、そういうことをよく認識した上での日朝平壌宣言だからこそ、アメリカもこの日朝平壌宣言を支持している、韓国も支持している、ロシアも中国も支持している。私は、十分関係諸国との連携協力を密にしてこの日朝ピョンヤン会談に臨み、この宣言を発したわけでありまして、私は各国の共通の懸念を十分認識して行ったつもりであります。

○原口一博 そうすると、蒸し返して申しわけないけれども、中止を強く求められたわけですね。もうそれは猶予ではなくて、ここに書いてある保留、モラトリアム、朝鮮語では保留、こういう言葉ではなくて、しっかり中止してくれということを求められたわけですね。そういう理解でいいですね。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) これを正確に読みますと、「この宣言の精神に従い、」「朝鮮民主主義人民共和国側は、」「ミサイル発射のモラトリアムを二〇〇三年以降も更に延長していく意向を表明した。」拉致の問題は二度と犯さない、不審船の問題も起こさないという発言もあったわけでありますが、このミサイルの問題につきましてはこういうことであります、正確に読めば。

○原口一博 だから、私が伺っているのは、ここはモラトリアム、しばらくの間、権限を持っているけれどもやめますよということを言っているだけで、根本的にそういうことをやめますか、やめてくれということをおっしゃったわけじゃないんでしょう。しばらくの間凍結してくれということを言ったわけでしょう。

○内閣総理大臣(小泉純一郎)
 中止しろとはっきり言ったかどうかということは、私はどういう表現で言ったか今定かに思い出せませんが、この疑惑というのは多くの国民、国際社会が注目しているんだ、だからミサイル発射は凍結すべきだというふうに発言したと思います。特に、国際法は遵守しなきゃいかぬ、そして、安全保障上の核の問題についても疑惑を払拭するように努力することが必要だという表現をしたと私は思っております。

○原口一博 核の問題についても疑惑を払拭するというのであれば、特別核査察の受け入れについても言及しておくべきじゃないんですか。どうして平壌宣言には全く言及がないのか。そして、中止ということについて、中止とモラトリアム、全然違うんですよ。
 日朝国交正常化の交渉の打開に向けた今後の姿勢、私は二十五、二十六、日ロ専門家会議というものに出させていただきましたが、その中で、ロシアは彼らの国なりの調停案を出しています。日本側は、この後イラクの話をしますが、まさに核の問題については最も私たちは関心を払い、そして活動をしてきた国であるにもかかわらず、イニシアチブをこの間とれているとは言えないんじゃないでしょうか。
 今後のこの北東アジアの冷戦の終結。北東アジアはずっと分断と紛争の歴史でした。それをとめるというのは多くの政治家にとっての大きな課題です。どのように状況を打開しようとされるのか、そして何か提案をされるのか。総理が行かれたら、返礼として外交上はあちらからそれに返されるのが普通でございます。そういったことも視野に入れるのか、総理の明快な御答弁をいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 何もイニシアチブがとれていないじゃないかといいますが、まず私は、北朝鮮を訪問したこと、金正日氏と会談したこと、これは一つのイニシアチブではないか。何もしていないという御批判は私は当たらないのではないかと思っております。
 そして、今後、いろいろなパイプがあります、また話し合い継続の必要性も私は認識しております。そういう中で、金正日氏が日本を訪問すべきじゃないかということについて、お考えはわかりますが、今の時点で訪問していいものかどうかというのは、やはり政治判断は要するんじゃないでしょうか。将来はそういうことも十分あり得べしという状況はわかりますが、今の時点で、金正日氏を訪日、招待しろという状況には私はないと思っております。

○原口一博 私も、言葉を非常に正確に、外交の話ですから選んで申し上げています。私は、訪日をすべきだということを一言も言っていません。むしろ私たちの立場は、国際法と正義に基づいて人権の問題についてもしっかりと明らかにする、毅然とした態度でやるべきだというのが私たちの姿勢ですが、総理はこの間この予算委員会で、太陽政策をとっていきたい、寛容政策を支持していきたいということでございましたから、そうであるんであれば、答礼としてのそういったことも御検討なのかと、あるいは、そういう時期が来るのかということを申し上げたんで、ピョンヤンに行かれたことを、私は一言もそれがだめだったなんということをこれまで言ったことはない。その後、さまざまな平壌宣言に反する行動を北朝鮮がやっているけれども、そこについての日本のメッセージはほとんど国際社会の中に伝わっていないということを申し上げているんです。正確に答弁をいただきたいと思います。
 北朝鮮の問題について安倍官房副長官にお話を伺いたいと思うんですが、官房副長官はピョンヤンにも同席をされて、中止という、核開発の中止という言葉を我が日本政府は一言でも言ったんでしょうか。そのことについて。そして、今後どのように打開をしていこうとしているのか。道筋と日本の姿勢についてお尋ねを申し上げます。

○内閣官房副長官(安倍晋三) ただいま御質問の核開発につきましては、この平壌宣言にございますように、「双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。」こうあるわけでございまして、これによって北朝鮮側は、これは米朝間の問題だとこう言っておりますが、私どもは、この平壌宣言を根拠に、これはこの平壌宣言の精神に反する、このすべての国際的な合意、ちゃんと遵守するべきだということを主張しているわけでございます。
 私も同席をいたしましたが、総理から、先ほどのミサイルの問題でございますが、総理はノドンの問題にもしっかりと言及をされました。試射だけではなくて、配備についても憂慮していることを金正日総書記に対しておっしゃったわけでございます。当然また、核の問題についての懸念についても総理から御発言がございました。
 また、今後の我々の考え方でございますが、既に総理から、また、川口大臣から答弁を申し上げておりますように、国際的な協調の中において、北朝鮮に、国際社会のルールにのっとって行動することが彼らの利益になるということを粘り強く説得する中で、核のこの問題を懸念を払拭すべく努力をしていきたい、また、そもそも平壌宣言に金正日委員長も署名をしているわけでありますから、この精神に立ち返って正常化交渉を始めるべく我々も呼びかけをしていきたい、こう思っております。

○原口一博 やはり、今の答弁からうかがい知るに、中止要求といったことはされていないですね。私は、そこに毅然とした言葉が必要であったということを指摘をします。
 なぜか。資料10をごらんになってください。
 きょうは、イラクの大量破壊兵器の査察結果、もうじき出ると思いますが、まさに、世界の安全保障の枠組みが大きく変わっています。資料10は私がメモでつくったものでございますが、「国連憲章五十一条で想定されている武力攻撃への対応手順」ということは、この一番下、1から4までございます。
 つまり、私たち国連の加盟国が武力攻撃ができる場合というのは、被攻撃国による緊急の反撃としての自衛権の行使、これに限られていました。しかし、これが、脅威の主体が大きく変わりました。非対称性、非国家、そして、どんなに小さくても、そして、どんな国家であろうとも、一つの大きなダメージを与えることができるようになった。そして、一たん攻撃をされてしまえば、反撃不能で、しかも、そういう大量殺りく兵器の拡散をいとわない国というものが現に存在をしている。そして、核の恐怖の均衡が壊れている。私たちは、新しい時代の安全保障をここで確認しておかなければいけません。
 ここに、二〇〇二年の九月に出されたアメリカのいわゆる新ドクトリンがあります。この新ドクトリンの中は、まさにプリエンプティブ・セルフ・ディフェンス、あるいはこれは先制的自衛、予防的自衛という考え方があります。
 二〇〇一年の国連安保理決議一三六八、これはテロ攻撃を国連憲章五十一条に言う武力攻撃に相当するというふうに認めて、そして被攻撃国の自衛権行使を事実上促して、そしてそれにすべてをゆだねた、国連憲章のこれまでの枠組みから大きく変わった、そういう憲章でございました。二〇〇一年の十月七日に始まった米英の自衛権行使は、現在もそういう意味ですると法的に継続している、こういうことを言う方もいます。
 そこで、このアメリカの新ドクトリンについて、総理はどのようにお考えなのか。一つの大きな国が、新しいこういう安全保障のドクトリン、しかも我が国の最大の同盟国であり、そして集団的自衛権をアメリカ側が行使をする、そういう国であります。その国においてこういうドクトリンが採用されたことについて、どのようなスタンスで臨むのか。ここは国会の中で、最高責任者からきっちり聞いておかなければいけないことでございます。
 総理、この先制的自衛の考え方について、我が国はどのようなスタンスでこれに臨むのか、スタンスをお伺いいたします。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) これはアメリカが言っているということを正確に、今要点だけ述べたいと思います。
 米国は、生起する脅威に対して先制的に対処するために必ず武力を行使するとしているわけではなく、国家は先制を侵略のための口実としてはならないということも言っているわけであります。国家は、急迫する攻撃の、危険をもたらす武力に対して、みずからを守るための合法的な行動をとる前に攻撃による被害を甘受せねばならないわけではないことを何世紀にもわたり国際法は認めている。そして、最も危険な脅威の共通の評価を形成するために同盟国と緊密に協調するということも言っているわけであります。
 そういうアメリカの発言に対して、私は、国際法の解釈について、日本として有権的な評価をする立場にはありませんが、アメリカの国家安全保障戦略には、今の脅威に対してどう対応するかということが明記されているのだと思っております。
 いずれにせよ、アメリカは、国際法上の権利及び義務に合致して行動するものと考えております。

○原口一博 よくわからなかったんですよ。
 これは、先制的自衛というのを今まで言っていた国はイスラエルです。イスラエルはこういうことを言ってきた。しかし、それは国際社会の中の理解を必ずしも得られませんでした。しかし、九月十一日のテロ以降、やはり脅威の主体が変わってきた。そして、一回攻撃されたら、それは反撃不能な状況にもなる。だからこういうドクトリンを明確に、ここで書いてあるのは、今総理がおっしゃったような漠としたところではありませんよ、もう私たちはそういう自衛権を行使できるんだということまで、しっかりうたっているんですよ。
 では、私たちはその国と、共同の同盟国としてどのように対処するのか。集団的自衛権の問題についても、私は、安全保障のフェーズが随分、当時議論されていたこと、あるいはこの国会の中で議論されてきたことと変わっていると思います。今は、まさにデータリンクとミサイルの時代ですから、どこからどこまでが集団的で、どこからどこまでが個別的だというようなことを言うよりも、むしろどのようにその脅威に対応するかという現実の議論が必要になる。
 私は総理に伺いたい。集団的自衛権を持てるけれども行使できないという理由はどこにありますか。そしてアメリカが、この新ドクトリン、しっかり先制的自衛権をうたっている、ここだけは確認をさせていただきたい。これにどういうスタンスで臨むのか。あわせてこの三つの質問をさせていただきます。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) まず、集団的自衛権の行使、これについては、憲法九条だと思いますね。

○原口一博 憲法九条のどこを読めば集団的自衛権が行使、持っているけれども行使できないんだ、どういう解釈ですか。それは内閣法制局が言っている、そういうことでしょう。
 実際に、今回イージス艦を出した、防衛庁から説明を受けました。説明が非常に私は納得いかなかった。四隻ある自衛艦のうち一隻はドックに入っている、そのうちの一隻をインド洋に出していいのかという質問をしましたら、北東アジアは安全だから大丈夫ですということを言っているんです。これは防衛局長の答えですよ。これでいいんですか、総理。

○防衛庁長官(石破茂) イージス艦につきましての御質問は、それを一隻出したからこの日本の周辺は大丈夫かという御意味の質問であるとすれば、もちろん大丈夫だという意味で防衛局長は御説明をしたものだというふうに理解をいたしております。

○原口一博 そういう、人の質問を勝手に変えて答えないでください。そうではなくて、極東アジアは安全なのかということを申し上げたんです。一隻ぐらい出したところでどうかという質問はしていないので、質問を曲解してやられるのは大変迷惑でございます。
 おまけに、あなたがそういう答弁をするから聞きますが、防衛庁は今インド洋で、九月の時点で百四十九億のお金を、国費を使って給油作業に当たっている。作業に当たっている人たちには大変大きな負荷がかかっている、それは大変なことだと思う。しかし、防衛庁の記者ブリーフで、AやBという国はどこへ行くか正確に言わないけれども信頼でもって給油をしている、Cという国は、国名は言いません、国名は私は知っていますが、Cという国はまじめに申告をするからあなたには油を差し上げられませんよね、こんなことを言っている。まあ適当に申告しておけば日本の油は上げられるのにと、こんなブリーフをしているんじゃないですか。
 私は、総理、国会に対して、国益ですからね、野党も与党もない。国民をどう守るか、あるいは国際社会の中にどう貢献するか、テロとどう闘うか。そういうところで、聞けるところも少し聞かずにいる委員もいるかもわからない。しかし、今のようなことを勝手にやられたのでは、まさに文民統制はやれませんよ。総理、もう防衛庁長官は結構ですから、私たちはこのアメリカの新ドクトリンについてどう向き合うのか、ここは議論しなきゃだめなんですよ。これはとても大事なところです。
 先制攻撃という形で、今世界に対しては、アメリカはこれはやめてくれということを言っている。ここにもアメリカの議会の反戦決議、イラク攻撃を、二十六日、きのうはシカゴ市議会が反対したんですかね、ずっと反対だということが出ている。
 そういう中で、この先制的自衛というのは、北の脅威、北朝鮮の脅威、テポドン、ノドン、そういう脅威を直接抱える日本としては避けて通れない議論なんです。どういうスタンスなんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) アメリカは、私は国際法上の権利義務に合致して行動をとるものと思っておりますし、先制攻撃という今の議論について、先ほどお話ししましたように、すぐ先制攻撃するということではないということもアメリカも言っているわけであります。
 それは、各国と緊密に協調することは必要だ、話し合いも重要だ、そのオプションとしてそういう最後の手段もあり得るであろうという選択肢は放棄していないと思いますが、私は、アメリカは国際法上の権利と義務に合致して行動すると思っております。

○原口一博 先制攻撃とか言っているんじゃなくて、先制的自衛、これについてはストラテジーの真ん真ん中なんです。これは大きな戦略の変更なんです。この変更に伴って、我が国はどうしますか。それを支持しますか。それは、国際協調の中でアメリカが行動する、私はこれは望ましいことだと思います。しかし、きのうアメリカの高官、何と言っていますか。新たな国連決議なくても、この武力攻撃に対して、自分たちアメリカのイラクに対する武力攻撃に対して賛成してくれる、その支持を表明してくれる国が、「ア・ダズン」という表現でしたから十二以上ある、そういうことを言っていますよ。日本はその中の一つなんでしょう。どうですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) このイラクの問題について、私は、土曜日の夜、ブッシュ大統領から電話がかかってきて電話会談いたしましたけれども、ブッシュ大統領も平和的解決を望んでいるということをはっきり強調、言っておられましたし、日本に対してのその要請ということはありませんでした。平和的解決を望んでいる、武力行使するという決定はしていないということを、はっきりブッシュ大統領は言っておられました。

○原口一博 私は、日本のスタンスについて伺っているんです、日本のスタンスについて。
 今、ある意味では、この資料10に書いておりますように、加盟国の政権を武力により除去することの可否が国際場裏で公然と議論されていることを承知しながら安保理が対応している。国連憲章は、加盟国の政権の武力による排除を想定していません。この国連憲章が想定している最大の重いペナルティーは、国連からの排除、これでございます。
 しかし、現にアメリカの議会でもこれほど反戦決議が生まれ、そして国際社会が、イギリスやアメリカの姿勢、あるいはドイツやフランスの姿勢、全然違うんですよ。ちゃんと議論しているんです。どういう法理に基づいて、いや、今アメリカの一部の人たちが言っているように、先制的自衛という立場に立てば、これほどの国連決議の長い間の不遵守、そしてテロとのかかわり、大量兵器の状況いかんによってはアタックやむなし、そういう議論ですね、私はそれにはくみしない。くみしないけれども、その問題について日本はどう考えるのか。
 パレスチナの問題や、あるいは中東のこのイラクの問題についても、何か日本がイニシアチブをとりましたか。いろいろな国際会議に出れば、日本はどんな姿勢なんですかと聞かれる。何て答えるんですか。日本のアメリカに対する姿勢、いや、あくまでアメリカの単独攻撃、それは支持しないんだ、国連決議を求めるんだ、これもスタンスでしょう。いや、そうではない、国連決議なしでアメリカが踏み切っても、それは自分たちは支持をする、これもスタンスでしょう。さっき、ピョンヤンでミサイルの中止をお聞きになったか、聞かなかったかということを伺ったのは、私たちにとっても、このアジアの今の緊張は私たち自身の問題だからなんです。
 総理、仮定の問題には答えられないということを予算委員会の菅議員の質問に対してはお答えになっていますが、私はそれでは済まないと思いますよ。そのことが日本を非常に、国益を損なってしまうんではないかと思いますので、明確な答弁をお願いいたします。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 私は、明確な答弁をしているつもりなんです。アメリカに対して、国際協調の重要性、引き続き国際協調を構築するために努力すべきだと。そして、イラクは国連決議、査察に協力する、妨害しない、イラクはこの国連決議どおりに行動すべきだ、それが大前提であると。はっきりしているんです、日本の立場は。

○原口一博 国連決議なしの武力攻撃、米国は、もうそれに十二以上、これはパウエル氏のきのうの会見の言葉であって、十二以上支持をしてくれると。日本も支持するんでしょうということを言っているんです。支持しないんですか。アメリカが国連決議なしに今単独で武力攻撃をする、そのことだってオプションの中に入れて議論していますよ。それに対して、日本はどういうスタンスなんですか、支持するんでしょうということを聞いているんです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) これも、議員の質問に対して、気に食わないからおかしいというのでは、私はおかしいと思います。
 私の立場は、よく聞いてください、イラクがまず国連決議を忠実に履行することが大前提である。そして、これから国連にその査察の報告がなされます。そして、国際社会、アメリカがどういう対応をとるか、それを日本ははっきりと見きわめたい。日本の態度ははっきりしていますよ。それで、日本の態度を、今も表明したように、国際協調体制を構築することが重要だと繰り返しアメリカ・ブッシュ大統領に私も発言しております。これがはっきりしている私の日本の立場であります。それを原口議員が気に食うか気に食わないかは別であります。

○原口一博 私が気に食うか気に食わないかを申し上げているんじゃないんです。つまり、各国の議会でも、まさにこの後の戦費の話もある。私は、ではアメリカが決断するまで見守るというのが日本のスタンスだ、そのようにとっていいのですね。
 その間のことは、さまざまな情報の共有を国会と国民との間にやって、そして理解を求めていくんです。今のままだったら、アメリカの予算局は、幾ら幾らかかる、日本にも幾ら幾らお願いする。国会で何の詰まった議論もなしに、見守って頼まれたらまたお金を出す、見守って頼まれたら人を出す、そんなのじゃ私たちは国民に対する説明責任を果たせないから聞いているんです。(発言する者あり)よその国の国会をここで引き合いに出す気はありません。しかし、少なくとも、政府はもっと真剣に国際法上の議論をし、そして自分の国益にとってそれがプラスかマイナスか。
 あの湾岸戦争の三年後にラマダン・オフィスを訪れたのはどういう人たちですか。欧米諸国の死の商人であり、油を欲しいという人たちだったんです。今、日本は原発が半分しか稼働せず、中東のOPEC諸国からの権益も非常に厳しい状況、こういう状況になっていますよ。一緒にイラクに行って、ラマダンが、日本は三番目の敵国だということを言ったという報道がされましたけれども、私たちはそのときはそうは言われなかった。
 態度がはっきりしない国は最も危険な国だと。私はその言葉が正しいとは思わない。一番友好国と言いながら、我が国の同胞を人質にとる、そういうこともやっているわけですよ。
 じゃ、このことについては、総理、見守る、日本はそれまでスタンスも、世界に対して自分はこうだということも言わずに、アメリカの最後までの努力を見守って、それに従っていくということでいいですね。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 日本は、まず、イラクが国連の決議を無条件、無制限に受け入れるべきだと。そして、これから査察の報告が行われるわけですから、そういう中で、はっきりしているのは、アメリカに、国際協調体制をとるように引き続き努力せよと。これほどはっきりしているのはないんじゃないですか。各国は違う。これがはっきりしない、しないは、原口議員の判断は御自由ですけれども、これほどはっきりしている立場はないと思うんです、日本は。

○原口一博 ということは、逆に言うと、国際協調体制なんだから、中国もロシアも反対していますね、単独攻撃ですよ、そして、この二月はドイツが常任理事国の安保理の議長国ですけれども、これも反対している。そこの理解が得られないで単独攻撃することは反対だということですね。国際協調の中でやるべきだと。その理解がなければ、アメリカが単独で自分たちの議論を押しつける、これは反対だ、総理はそういう姿勢なんですね。

○内閣総理大臣(小泉純一郎)
 よく、いろいろな質問で、イエスかノーで答えろという質問がありますけれども、イエスかノーではない答えもあるんです。私の答えははっきりしているんです。国際協調をとるようにアメリカは引き続き努力すべし、これははっきりしているんです。それは、あなたがこの答弁は違うと言われても、イエスかノーではない答弁もあるんです。そこを御理解いただきたいと思います。はっきりしているんです。

○原口一博 私たちは、やはり、今、日本の国益を考えたときに、イエスかノーかわからない、そういう答弁をしておけば日本の国益に合致だという説明があればそれで結構ですよ。だけれども、私はそうは思わない。それでもって、二月とか三月にまた予算をお願いしますと。なかなか国民の理解は得られないんじゃないですか。
 金融政策について、これも大向こうをうっとうならそうとして、総理、もうやはり民間大臣を、民間人の方を大臣にされたことを半分ぐらい後悔されているんでしょう。違いますか。
 なぜか。中小企業の貸しはがしについても、大変な貸しはがしが起こっている。みずほの一兆円、こんな一兆円の増資をして、これはだれがこういうふうにやらせているのか。本来であれば、不良債権の最終処理、オフバラ化、私たちは賛成です。しかし、オフバランスするからには、預金保険法の百二条なんという、そういうスペードのエースみたいなので何でもやれます、金融危機のおそれがあったら何でもやります、そうじゃなかったはずなんです。
 私たちは、去年、金融再生ファイナルプランというのを出して、そしてこういう金融危機、中小企業に対してお金が行かなくなるような危機、こういう危機があったら政府がしっかりとした処理をできるような法整備をやるべきだと法律案まで出しました。ところが、皆さんがなさったことは、それをけ飛ばして、百二条で何でもできる、そしてそのあげくには、いわゆるさまざまな会計基準の見直しやそういったところで揺らして、ネガティブなアナウンス効果でもって、もうすくみ上がっているじゃないですか。
 私は、今回、三月危機だ何だということを今申し上げる気はありません。しかし、本気でオフバラ化をやろうとするのであれば、しっかりとしたルールを決めて、そして一気にやるべきなんじゃないでしょうか。このみずほの一兆円の増資について、総理、どのようにお考えですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) みずほの問題については竹中大臣から答弁させますが、私は、前段の質問、民間人の大臣起用、全然後悔していません。信頼しております。

○金融・経済財政政策担当大臣(竹中平蔵) 不良債権の処理を進める原則というのは、こうした問題に直面したどこの国でも私は共通していたと思います。資産査定をしっかりと行って、自己資本を充実して、経営のガバナンスをしっかりさせる。そのための、金融再生プログラムにおいてルールは明確につくりました。
 さらに、公的資金の枠組みについても、今の預金保険法百二条以外にさらなるルールが必要かどうかについても、金融審議会のワーキンググループで既に議論を開始しております。
 そのような中で、それぞれの銀行が努力をして、自己資本を充実するためのさまざまな動きが出てきた。世界の専門家が集まるダボス会議でも、この最近のメガバンク等々の動きについては、日本でも新しい動きが出てきたということで、大変高い注目、高い評価をしている声がございました。

○原口一博 そういう議論をしている間に、中小企業、優良な中小企業が貸しはがしに遭って、そして日本経済は他国に売られていく。この元凶を、政権ごとかえないともう無理だなと、今の答弁をもって判断をいたしました。
 ありがとうございました。