予算委員会 平成15年2月7日(金曜日)

○原口一博 民主党の原口一博でございます。
 冒頭、委員長にお願いをいたしますが、きょう、資料を十二、配らせていただきます。それで、昨日も同僚議員から大変突っ込んだ議論がありましたが、テレビをごらんになっている方、国民の皆さんには、そういう資料もしっかりと踏まえた上で論戦を判断いただきたい。ただ、メディアに対して、やはりこういう資料もしっかり提示できるように、電子化できるように、理事会で御協議いただきますように冒頭お願い申し上げます。

○予算委員長(藤井孝男) 理事会で協議いたします。

○原口一博 中には障害を持った方々もおられて、こういう手元の資料だけではわからない。私たちは、国民の皆さんに論戦の中身をしっかりと丁寧に伝えていく、こういう努力をしなければいかぬというふうに思います。
 その上で、小泉政権下の二十カ月を少し振り返ってみたいと思います。
 お手元の資料1をごらんになってください。資料1です。
 これを見ると、株価、そして、すべての指標が、この間、小泉政権下に入ってマイナスを示しているというお話をさせていただきましたが、まさに、同時多発テロ、青木建設の破綻、それから補正予算の編成、デフレ対策第二弾というのは出ましたけれども、しかし、それはほとんどきかずに株価は下がり続けて、昨年の七月七日、竹中大臣は、補正予算を編成するなんというのは愚の骨頂だということをNHKテレビで御発言になっていますが、しっかりと二〇〇二年度の補正予算は出てきていて、そして今また同じような政治状況、いや、もっとさらに厳しい社会状況の中で来年度予算案を審議している、こういう状況であります。
 そこで、総理に伺いますが、私は、総理の政治姿勢、最初はやはり抵抗勢力に対して既得権を壊す、そういう日本の古い、ある意味では官僚社会主義とも言えるようなそういう人に対して、そういう古い構造に対して思いっ切り真正面から挑戦をしていく、その旗手だというふうに受けとめた方もいらしたかもわからない。しかし、先ほどの道路公団での議論あるいは郵政の議論、さまざまな議論や予算の範囲を見てみると、まさに総理も、もう今や抵抗勢力の方々から見ても扱いやすい、そして自分たちには大変歓迎すべき、そういう総理になったんじゃないか。あるいは、もとからそうだったとは私は思いたくありません。
 六年前からずっと質疑をさせていただいて、私は、批判だけをするのが野党ではないと思う。いいところも言わなきゃいけない。人の悪を言わず、そして、言ったことはずっと同じ言葉で絶叫し続ける、大事なことだと思います。また、今回の所信表明の中には、今までになかった、北方領土の「我が国固有の領土」という文言も入っている。こういういいところは、私は率直に認めたいと思う。
 しかし、総理の政治姿勢はもはや古い政治と一体なんではないか、抵抗勢力のくみしやすい、そういう総理になってしまったんじゃないか、そういう声がございますが、総理、何か御反論ありますでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 原口議員がそう思うのは御自由ですが、私は全くそうは思っておりません。
 私の総裁・総理就任に反対してきた方々は、小泉はますます扱いにくくなったと思っているんじゃないでしょうか。私は本当に思っています。私の改革に対する決意は本物だな、どうしようかと困っているのが抵抗勢力の実態だと思っています。  いかにかけ声どおりに実施に移しているか。そのためには、いかに多くの方の協力を得なきゃならないか。地道に努力してきたということを私は多くの方は理解してくれていると思っております。
 私の総裁に反対してきた自民党の方の中にも、とんでもない男を総裁にしてしまったなと後悔している方もたくさんいると思っています。しかし、そういう敵も味方、抵抗勢力も協力勢力だという形に持っていくのが総理・総裁としての大事な役割だとも思っております。
 私の決意は全く変わっていないし、これからもその決意に向けて、地道に、苦しくとも批判に耐えながら実施に移していくのが私の責任だと思っております。原口議員の見方とは全く違います。

○原口一博 全く違うかどうか。そして、きのうの国会質問だってそうじゃないですか。総理のことを支持して、そして与党の議員が、政調会長がそうじゃないということを言っているじゃないですか。出てきた資料はどうですか。全くあなたの政策を、政策不況をそのまま示す。
 ここでの委員会質問は、それは与党という立場に配慮して踏み込まないところもありましたよ。しかし、言っている内容は、あなたではだめだということを言っているわけです。
 確かに、総理が扱いにくい人だというのは私はわかります。質問していても、実際にこうやって真正面から答えが返ってくるかというと、そういうときばかりじゃない。きょうは、真正面からぜひお答えをいただきたいと思います。
 資料の2をごらんになってください。この予算ですが、一般会計歳出と前年度の一般会計歳出、決算の比較を示したのが資料の2でございます。インターネットの私のホームページで資料については掲示をしていますので、国民の皆さんには申しわけないですが、見えにくいところはそこでごらんいただきたい。
 これを見ますと、一般会計ベースで大変なマイナスの予算をずっと当初では組んでいるんですね。十三年度マイナス七・四、それから十四年度マイナス四・二、そして十五年度もマイナス二・三。
 総理は、民主党も三十兆円の法律を出しているじゃないか、だから、三十兆円も出している、そういう国債を出している国というのは緊縮財政じゃないんだということをおっしゃいます。しかし、それは間違いなんです。なぜ間違いか。エネルギーの法則を考えていただければわかりますが、エネルギーは加速度掛け質量なんです。変化率掛け量なんです。つまり、総理がおっしゃっているのは、出している量だけをおっしゃっていて、変化率については何にもおっしゃっていないんです。
 これだけ大きな変化率が経済に対して負荷をかけている、この実感はございますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) それは、全体の中で言っているのと個別に見ているのとそれぞれ違ってきていますが、一般歳出とか一般会計歳出については確かに削減しております。しかし、予算というのは全体でやらなきゃいけないんです。そういう点で見て、国債三十兆円以上も発行してなぜ緊縮財政と言えるのか、そういうことを私は言っているんです。だから、全体の構造を見て、これは限られた状況の中で今の経済情勢に対応しようと努力している姿だということを御理解いただきたい。

○原口一博 私が申し上げているのは、この変化率が余りにも急激なために経済に対してマイナスのインパクトの与え方が激し過ぎるということを言っているんです。総理がおっしゃっているのは三十兆という量の問題、量をおっしゃっているんです。私は変化のスピードの話をしているんです。
 わかりやすいように、この資料3をごらんになってください。これはもう予算そのものです。「一般会計税収及び歳出総額の推移」という形で、当初では前年度に対してこれだけのマイナスをやりながら、結果的には補正補正を繰り返して、年度別の歳出、これも落ちていますけれども、当初ほどは落ちていないんです。結果として、財政再建もできているか、税収も上がっているか。下のこの小さなグラフが税収の伸びです。税収がどんどん落ちているんですよ。つまり、経済に対して思い切り、この財政の面で中立であればそれはいい、しかし、財政の面でも大きな負荷をかけることによって、かえって財政赤字が拡大している。これは私が勝手につくった絵じゃないんですよ、皆さんが出してこられた絵。
 ですから、総理が登りたいと思っていらっしゃる山、財政再建、構造改革、そして社会の再生、経済改革、歳入構造改革、これは私たちも一緒ですよ。しかし、そこに向かう道が間違っているんじゃないですかということを申し上げているんです。いかがですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 間違っているとは思っておりません。
 確かに、税収も減っております。景気に対して、刺激型とは言いません、中立型と思っておりますが、しかしながら、今の限られた状況の中では、国債をさらに四十兆、五十兆発行して景気刺激型の予算をつくっていいかとも思っておりません。それは構造改革という点も踏まえながら対応していかなきゃならない。
 そういう中で、当初の予定どおりに税収も上がってこないということは事実でありますが、だからこそ、経済状況を見ながら柔軟に対応する場合もあるということで、今まで、補正予算を組まなきゃならない状況だったら組んできた。今までの国債発行枠、三十兆円枠を守ることはできなかったけれども、経済状況を見ながら、守ることと、国債を発行して、ふやして今の状況に対応するのとどっちがいいかということを、バランスを考える。そういう点については、私は柔軟に対応する必要もある。
 御指摘の数字はそうであります。しかしながら、民主党の予算も総額ふやさないというんですから、総額ふやさないと言ったんだったら、これは専門家であります竹中大臣が答えてくれますけれども、これはどんなに予算を組み替えても、しかも公共事業を大幅に減らして、景気効果出るんですか。逆の効果ですよ、全体。そういう点を考えて総合的に判断しなきゃならないと思っております。

○原口一博 今総理がおっしゃったのは、当初予算で組んだ経済の見通しをいつも間違っているということを言っているのと同じじゃないですか。間違っているわけでしょう。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 見通しどおりにいかないということは事実であります。見通しが常にいっていたら、常に経済成長して、景気不況なんかありませんよ。見通しというのはあくまでも見通しで、見通しどおりいけばいいですよ、いかないときにどう対応するかというのが政治でも大事なんです。

○金融・経済財政政策担当大臣(竹中平蔵) 見通しは、なかなかそれは、経済は変動しますので、これは日本だけでなくてどの国でもそれなりの調整が必要になってまいります。我々はそれをやるに当たって一つの原則を立てているわけです。原則として、それはビルトインスタビライザーを活用させていただく。
 それともう一つは、緊縮緊縮とおっしゃいますが、緊縮かどうかというのは、ぜひともこれは貯蓄投資差額で判断をしていただきたいと思います。経済演説で、私は、貯蓄投資差額から見てことしは景気中立型に運営するというふうに申し上げていますので、その点は御理解をいただきたいと思います。

○原口一博 私は、竹中さんが出てくるんだったら、あなたが経済の見通しを誤ったことを謝りに来るんだと思いましたよ。そうではなくて、ほかの視点で見れ、何を言っているんだと。
 二〇〇一年の四月に小泉内閣がスタートして、この財政のもと、そのときは森政権ですからあなたは予算編成していない。しかし、企業整理をし、株価は暴落し、そして景気は急落し、金融不安定化しました。そして今度、第二次補正、二次にわたる補正をその翌年しているんですよ。そして、ダイエーを起点に企業別の個別の救済を全面展開する、何やっているか全くわからないんですよ。
 最初に思い切り予算を落としておいて、そして年度末に、あるいはその翌年に補正を組む。そして、財政赤字はどんどん拡大している。今、統一地方選挙を先に抱えていますが、後で出てくる予算なものだから、自分たちに本当に有効なところに使われますか。ある程度の見通しを持って、そして経済に対して中立の予算を組むべきだということを言っているんです。
 では、財務大臣に伺います。
 今まで、財政の構造改革というものを私たちは何回もこの国会で議論をしてきた。そこで、財務省が試算をされたもので、橋本内閣のときは経済の成長率が一・五と三・五、このときに財政赤字、要調整額がどうなるかという試算をされていましたね。そのときに、一・五だと財政赤字は拡大する、要調整額はでかくなる、こういう試算も出ていたと思いますが、私が申し上げていることは間違いありませんね。

○財務大臣(塩川正十郎) そういう御意見がございました。
 それで、それは過去における平均と最近における経済の情勢との間の格差があって弾性値が違うということも、私の方から答弁したということでございます。

○原口一博 私が申し上げているのは私の意見ではなくて、皆さんが出してこられたものなんですよ。私の意見じゃないんです。
 今もあなた方は、弾性値、今弾性値とおっしゃいましたね。国民の皆さん、わかりやすいのは、前の年とことしと税収がどれぐらい変化したか、プラスになったかマイナスになったかというのが簡単に言うと弾性値ですよ。この弾性値はずっと一・一で試算しているじゃないですか。一・一でしょう。そして、成長率は、今回の場合、〇%の場合、〇・五%の場合、いろいろやりますよ。しかし、これでやってみても赤字は発散するんです。そうじゃないですか。
 では、税収の弾性値一・一の予想が当たったことありますか、この五年間。ずっとマイナスですよ。違いますか。

○財務副大臣(谷口隆義) 原口委員の税収弾性値のことについてのお伺いでございますが、おっしゃるように、バブル崩壊前にはほぼ一・一程度の税収弾性値であったわけでございますが、それ以降大きく振れておりまして、安定したデータがないということもございまして、従来の一・一を使っておるわけであります。

○原口一博 びっくりするような答弁ですね。谷口さんは、一緒に財政構造改革を志してきたかつての同志ですから、私が申し上げたいことはわかっていらっしゃると思います。
 今の答弁のとおりなんです、総理。バブルの崩壊前の数値でもって税収を見積もっているんですよ。これでどうやって財政再建化できますか。かえって減っているだけじゃないですか。国民を追いまくるのももういいかげんにしてほしい。どうですか。

○財務大臣(塩川正十郎) 確かに、平成に入って十三年までの間の弾性値の平均と、最近とりました弾性値の平均、それはとり方が違うということは事実であります。

○原口一博 財務大臣、人ごとのように言ってもらったら困るんですよ。社会保障も削る、そして公共事業も削る。地方によっては百億、二百億、三百億という税収の赤字を抱えていますよ。そして交付税も減らされる。そういう中で日本全体があえいでいるんですよ。今みたいな無責任な答弁はありません。
 では、今のこの五年間の税収の弾性値の平均は幾らですか。

○財務副大臣(谷口隆義) 昭和六十一年から平成十三年度までの税収弾性値は、マイナス五・五から五・二三ということになっております。

○原口一博 国民の皆さん、お聞きになったとおりです。つまり、財政は再建するどころか赤字が発散している。グラフで見るとこのとおりなんですよ。目の前の歳出のカットをする、しかし、財政赤字が膨らむのがそれを大きく上回っている。
 この実態を考えないで、皆さんは一月二十四日に「改革と展望」二〇〇二年度の改定版というのを出されました。これも税収の弾性値一・一でしょう。だから、絵にかいたもちを常に国会に報告をして、国民に出して、粉飾したもののもとに国民を追いまくっているんですよ。やめたらどうですか。

○金融・経済財政政策担当大臣(竹中平蔵) 名目成長率とか企業収益との関係というのが大変不安定化しています。その要因として、例えば時価評価の会計が導入されているとかそういった特殊事情がありますので、単年度で弾性値を求めて、単年度の弾性値で議論するということが大変不適切になっているというふうに思います。したがって、中長期の安定的な関係の弾性値でどのようになってくるか、それをマクロモデルを用いてどのような形になるかということを「改革と展望」で示しているわけです。
 「改革と展望」で我々が唱えているようなデフレの克服、不良債権の処理の加速、それと、構造改革を進めて安定的な軌道に乗せていったならば、財政は発散しない。しかし、そうしないと発散するであろうということも、これはある程度想像できるのであろうかと思います。
 これは、もしこのまま発散するんだというふうに原口委員おっしゃるのであるならば、ぜひとも民主党としての試算を示していただきたいと思います。私たちとしては、改革を進めればこのような形で十年後こうなるという試算を示しているわけですから、それが発散するというのであれば、ぜひとも対案となる試算もお示しいただければ、我々も勉強させていただきたいと思います。(原口委員「あなたは、小泉内閣……」と呼ぶ)

○予算委員長(藤井孝男) ちょっと、指名してから発言してください。
 原口君。(発言する者あり)御静粛に願います。

○原口一博 あなたは、小泉内閣が発足する一週間前に、私たち民主党議員と一緒に、自民党をどうつぶすかという会議をやっていたじゃないですか。本当にびっくりするような、あなた方が今精緻なモデルをたくさんのお金を使いながらやっていること自体の前提が崩れているんじゃないですか。
 そして……(発言する者あり)ちょっとおまえ黙れ。これ……(発言する者あり)この人をあれしてください。静かにさせてください。

○予算委員長(藤井孝男) どうぞ、それぞれ良識のある方々ばかりでございますので、冷静にお願いいたします。

○原口一博 総理、ですから、私が何を申し上げているかというと、財政に対して、財政を中立的に保った方が、こういう変化率をやるよりも経済に対する負のインパクトも少ないし、そして、赤字がかえってふえて財政構造改革が遠くに行くことも防げるんじゃないですかということを申し上げているんです。
 今、私たちは、日本経済は三つの危機を抱えています。一つは世界的なデフレ、もう一つは規制や構造改革が進まないことによって新たな職業が生まれないということ、三つ目は小泉政権による政策不況です。
 この政策不況を、きのうもおとといも総理は認められたんじゃないですか。財政の基本姿勢、税収の弾性値を一・一というバブル前の数字を今も使いながら、そして、さも財政が再建されるようなことを言っていたのでは、国民を欺いてしまうし、本当の改革もできないということを申し上げているんですが、私が申し上げているのは間違いでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) それは、民主党がせっかく対案をなされて、今政府の考えているものとそうは変わらない。そして、国債発行も我々と同じだと。それで、いろいろな歳出削減している、減税も要求している、負担は軽くしろと言っている議論に比べれば、政府というのはもっと具体的で、景気に中立だし、今の状況に対応できている予算だと思っていますよ。それは、確かに見通しどおりいきませんでした。それは認めます。しかし、どの国の経済も、一国の見通し、当たればいいですけれども、それはいろいろな世界的な要因もあります。
 そういう点を考えて、見通しどおりいきませんでしたけれども、いかないときにどうやって柔軟に対応していくかということでやっているのであって、財政中立ということはどういうことを言っているのか。私は景気中立だと思っています。財政中立ということはどういう意見か、伺っていませんが、教えていただければそれは拝聴したいと思います。

○原口一博 私が言葉を間違えました。景気に対して中立という意味です。つまり、一般歳出の伸びを思い切り下げるというやり方が、本来の目的と異なった効果を生むということを申し上げているのです。
 この問題だけを延々とやっていても、私は、数字そのものを、一・一ということをずっとこだわってモデルをつくることに限界があるということを申し上げて、日銀総裁、お見えいただいていますので、日銀総裁に幾つかの点をお尋ねしたいと思います。
 昨年の暮れに、株価の変動リスク軽減策という形で、政策委員会・通常会合議事録というのを委員会に出していただきましてありがとうございました。これを見てみると、日銀がティア1のいわゆるオーバー分二兆円、日銀のアッパーが二兆円、格付がトリプルBプラスですか、それを買う合理的な理由がどこにあったのか。
 この議事録を見ますと、委員はこう言っているんです。日本銀行の収益そのものがパブリックマネーであるということなので、税金そのものでないにしても、パブリックマネーを使うのかという問いには覚悟せざるを得ない。あるいは、本当に銀行がこれに応じてくれるのか。あるいは、日銀を利用して株価を引き上げるようなことはやっちゃいけない。一部黒塗りなので、私は全部を見ることはできませんけれども、この議事録を見て、どうして日銀が大手銀行の株を買い取らなければいけないのか。
 実際に政府は、昨年、無理無理、株の買い取り機構というのをつくっている。これは日銀が、私たちの、国会の財政の領域に踏み込んだことになっているんじゃないか。この議事録からどうしてああいう決定がなされているのか。これがまず第一点。
 それから第二点は、私は、日銀のバランスシートが崩れること、これは後で総理にも人事のことで伺いますが、日銀のバランスシートが崩れてしまうと、日本全体の信用が失われるんです。ここは速水総裁は一生懸命頑張ってこられた。だけれども、その最後の部分で、なぜこれをなさるのか私にはわからない。今、現実どうなっているのか。
 二点についてお尋ねを申し上げます。

○日本銀行総裁 まず、第一問の金融機関保有の株式買い取りの背景について申し上げます。
 我が国の金融機関は、歴史的な経緯ということで多額の株式を持っていることは御承知のとおりでございます。ほかの大国では、ドイツを除いてはほとんど持っておりません。その株価の変動が、個別の金融機関の経営とか金融システムのシステム全体の大きな不安定要因になっていることは御承知のとおりでございます。特に、昨年の株が非常に動き始めてから、これが著しくなったわけです。
 こうした状況を踏まえまして、日本銀行は、異例ではありますけれども、必要な措置として、時限的に金融機関の保有株式を買い取るということを決意したわけでございます。本措置は、金融システムの安定確保、それから不良債権問題の克服に向けた環境整備といいますか、特に金融機関の自己資本の安定化という観点から、金融機関が保有する株式の価格変動リスク軽減を促すということを目的として、一定の基準で設けたわけでございます。
 私どもがそうした思い切った措置を講じて以降、金融機関、政府などの関係者の間でも、不良債権問題の克服に向けた取り組みが積極化しているものと受けとめております。
 それからもう一つの、私どもの財務の健全化について御心配をいただいておるので、この点につきまして説明をさせていただきます。
 長期金利が上昇していけば、日本銀行はたくさん国債を持っているから損失が生ずるんじゃないかということを中心にした御心配ではないかと思います。日本銀行は、保有する国債の価格の変動に対しましては、リスクの適切な把握を行いながら、十分な引き当てを実施しております。現状、財務の健全性に問題があるとは認識しておりません。
 日本銀行にとりまして、財務の健全性の確保ということは、政策運営努力の維持、通貨の信認を支える上での重要な基盤だというふうに考えております。今後とも、財務の健全性の維持には努めてまいる所存でございます。

○原口一博 私が求めた答弁とはなかなかほど遠い。
 日銀のバランスシートを資料4に示しています。総理もごらんいただきたいのは、これは先月末の、ですから平成十五年一月三十一日現在、日銀のバランスシート、日銀の総資産は百二十四兆円に膨張しています。そして、そのうち三分の二に当たる八十三兆円、これが国債です。内訳は、長期国債が五十七兆円、短期国債が二十六兆円。加えて、担保として受け入れている国債も四十五兆円あります。物すごく大きな額なんです。
 ですから、何で人事の話に行く前にこういうことを申し上げるかというと、仮に長期金利が一%上昇すれば、総裁、含み損は幾らになりますか。また、長期金利が何%上昇すれば、日銀の自己資本がゼロとなりますか。

○日本銀行総裁 日銀のこの長期金利、今おっしゃいましたとおり約五十七兆ぐらいを持っておりますけれども……(原口委員「長期国債ですね」と呼ぶ)長期国債ですね。これが、金利が上昇していった場合に、どのくらいの金利上昇になるかということにつきましては、これは今持っている国債の期間がいろいろございますので一概には難しいんですけれども、あえて十四年九月末の長期国債の保有状況を前提にして計算いたしますと、十年物金利が一%上昇する、すなわち価格が低下する場合のケースを想定いたしますと、約一兆円程度の損失が発生する計算となります。

○原口一博 後段の質問にはお答えにならなかったんですが、日本銀行にも自己資本があるわけですよ。この自己資本が毀損されることを私たち政治家は最も恐れなきゃいけないんです。私は、財務大臣にも、財務金融委員会でも何回もお話をしました。なぜか。日銀は経済のアンカーだからです。アンカー、いかりなんです。だから、このいかりを痛めるような政策は、どんなに苦しくてもやるべきではない。
 日銀の金利が何%上昇すれば日銀の自己資本はゼロとなりますか。今の計算で結構です、長期国債ですね。

○日本銀行総裁 日本銀行の自己資本、広い意味で申しまして、法定準備金や債券取引の引当金あるいは外国為替の損失の引当金、そういうものを全部入れまして、約五兆一千億の準備金が積んであります。

○原口一博 今総裁がお話しになったとおりです。つまり、長期金利が一%上がると一兆円の含み損が出る、そして積んであるお金は五兆円である、こういう状況なんですね。ですから、私はもうこれ以上言いません。総理に今議論を聞いていただいた、こういう機会をいただいてよかったなと思いますけれども。
 そこで伺いますが、日銀はやはり我が国の金融政策をつかさどっているんです。その総裁はその業務を総理する立場にあるので、経済運営におけるその重要性というのは、今申し上げたように果てしもないものがあります。任期は五年ですから、特別な場合以外は在任中、これは解任されることはありません。また、日本銀行総裁、副総裁は、衆参両議院の同意を得て内閣が任命することになっています。つまり、総理が決断をされるわけです。こういう重要な使命を担って、しかも五年先までの責任を負う。総裁、副総裁の任命に当たっては、これは私たち両院、衆議院としては、同意の意義を理解しないといけない。今申し上げたような状況です。
 そして、何で前段に国債の発行額、あるいは税収が落ちているかというと、平成二十年には百三十兆円、もう借りかえないといけないんです。今のような財政運営をやっていると、本当に長期金利も上昇する、そういう危険なところにある、そういう中でこの日銀総裁人事が行われようとしているんです。後で外交についてはお話をしますが、外交についても大変厳しいところにある。経済についても今大変な時期なんです。
 そこで、私は総理に、どういう方針で、そして国会には、事前に基本的なスタンスをしっかりと私たち国会議員もわかった上でそれに同意をしたい。インフレターゲットやさまざまなことをやる人なのか、それとも、日銀のアンカーとしての役割を重視して、そして堅実に運用をしていく人なのか。どういう人を選ぼうとされているのか、総理の基本的な御認識と、そして国会に対する説明責任、これをどう果たされるのか、二点についてお尋ね申し上げます。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 最後の質問に対する答弁の前に、今、原口議員が指摘されたことからも、いかに、私が国債を増発すれば経済がうまくいくものじゃないと言っている点が御理解いただけたと思うんです。三十兆円発行して、十兆、二十兆国債を増発して景気がよくなるんだったら、私はすぐやると言っていた。しかし、そうじゃないということを考えながら経済運営をしなきゃならない。
 今までやっている民間の外国の企業が、国債の格付をアフリカの国よりも下に下げたことがありました。しかし、今幸いにして、これだけ国債を増発しても、長期国債は一%になる。しかし、将来、今御指摘されたような点も考えて、私は経済運営を考えていかなきゃならない。
 そういう中で、今、日銀総裁の人事でございますが、私は、国会同意人事であるということも承知しております。当然、国会に承認を求めます。なおかつ、これからの総裁につきましては、デフレ退治に積極的に取り組んでくれる方、なおかつ見識を持ったすぐれた方を選任したいと思っております。

○原口一博 私たちは、審議の中で、どういう方が総裁になられるべきかということもしっかりと示していきたい。
 総理にお願いしますが、私は、さっき申し上げたことを国民の皆さんが誤解されるので、二十兆、三十兆、たくさん国債を出して景気を拡大しろなんて一言も言ってないんですよ。そうではなくて、逆に、こういう財政運営をしていて赤字が積み重なっているということを指摘しているんです。
 よく総理は、多分、抵抗勢力の皆さんに対してお話をしょっちゅうされているので、そこに対する答えを私たちにされているんだと思うんですけれども、私たちが質問していること、極端に二十兆、三十兆とか、そんなこと言ってないんです。この下げの幅をこんなに大きくしない方がいいですよと。下げが物すごいですよ、当初で。結果的には年度末で埋めるんだったら同じじゃないかということを申し上げているんです。しっかりと経済運営の見通しを立てて、その上でやるべきだということを申し上げているので、誤解をしないでいただきたいと思います。
 さて、そこで、国債負担と財政の収支見通しということで、財務大臣、先ほどお話をしましたが、私は、このままでは大変大きな問題が起こるということだけ指摘をして、金融政策の中でもう一つ、BIS規制について指摘をしておきたいと思います。
 先ほど枝野議員が指摘をしましたが、中小企業については、私は、世界に対してさまざまな活動をやっているところの会計基準と、中小企業、地域の限られたところの会計基準は違うべきだ、そして、それが右へ倣えをしないようにしっかりとした基準をつくるべきだということで、昨年の一月二十八日でした、あの日は、私の目の前で田中外務大臣と事務次官が別の会見をされて、この質問がほとんど国民に伝わりませんでした。しかし、平沼大臣はそのことを実践されたというふうに思いますが、その後、会計基準についてどのような議論がされ、どういうふうになっているのか。中小企業独自の資本構造を変えていって、そして私は、よく河村議員が言っていますが、中小企業を病人扱いするのはおかしいと思うんです。一生懸命頑張っているところがあるんです。しかし、経済政策、政府の施策によって、平沼大臣とは言いませんよ、財務省の非常に一方的なマインドコントロールのきいた予算であったりとか、そういうもので政策不況が起こっているんです。政府がやるべきこと、平沼大臣、会計基準についてどういう検討をされ、どういう状況ですか。

○経済産業大臣(平沼赳夫) お答えさせていただきます。
 中小企業の会計基準に関しましては、やはり円滑な資金調達が可能になるように、しっかりした計算書等が整備されているということが非常に重要だと思っています。しかし、現在の会計基準というのは上場企業というものが対象になっておりまして、株主の数でございますとか債権者の数が少ない、そういう中小企業に対しては、なかなか適用するのが難しいという状況になっています。
 そこで、我々といたしましては、検討会を開きまして、関係団体にも入っていただきまして、中小企業の会計基準のあり方について鋭意検討してまいりまして、昨年の六月に中間的な報告を取りまとめました。
 現在、これを受けてくださって、そして、税理士組合の連合会の方々や公認会計士協会の皆様方がさらに実態に即した形で今検討を進めていただいています。やはり一つ問題点としては、金融機関というものが、こういうことをやるに当たって中小企業に対してぴっちりと門戸を開いてくれるようなインセンティブが必要なことも事実でございまして、そういったことを踏まえながら、今一生懸命それをまとめている段階でございます。
 それからもう一つは、自己資本の充実ということも中小企業にとって大変大切なことで、現在の厳しい資金繰りの中で自己資本の充実をするということが大切なので、私どもとしては、中小企業を今おっしゃったように本当に弱いものだとかそういうことじゃなくて、やはりしっかりしていただかなければいかぬということで、自己資本比率が五〇%以下のそういう中小企業に対しましては留保金制度というものを停止させていただきました。これによりまして、中小企業の約八〇%がそれに適用されますので、そういう意味では非常にいいことだと思いますし、やはり今の間接投資を直接投資にしなきゃいかぬという形で、中小企業の投資事業の有限責任組合、これも私どもは法改正によりまして範囲を拡大して、そして中小企業に対する直接投資、そういった形で中小企業の自己資本比率、そういうものを高めていく、こういったことにこれからも努力をしていかなきゃいかぬ、このように思っております。

○原口一博 私は今の答弁を了とします。
 しかし、留保金についてもまた課税がある、それから、皆さん、今外形標準課税を導入しようとしている、その中で、資本割という形もやろうとしている。ただでさえ、いわゆる自転車操業をしなきゃいけない、今おっしゃったような資本の薄い中で借り入れで賄っている。そして、今のデフレの中で、デフレの中はキャッシュを持っている方が強いんですよね、借りている方が弱い。こういう状況を脱するためには、政府の施策がやはり跛行的であってはならない、ちぐはぐであってはならないということを指摘しておきます。
 資料6をごらんになってください、これはBIS基準。
 私は、総理、伺いますが、どうして事業法人や個人に対する貸し出しリスクが一〇〇で、そして国債を持っている、保有のリスクがゼロなのか。このBIS基準についてももう見直しの議論を私たちはずっとやってきていますが、ここを変えないといけないと思いますよ。貸す方が一〇〇で国債を持っている方がゼロだったら、みんな国債を持ちますよね。このことも大きく改正していかなきゃいけないポイントだというふうに思うんですが、総理、基本的なお考えを伺いたいと思います。

○金融・経済財政政策担当大臣(竹中平蔵) 委員はよく御承知だと思いますけれども、バーゼル銀行監督委員会では、BISの基準そのものについて、いわゆる新BIS規制について、ことしの第二・四半期に第三次案を公表する、本年中に最終案を公表するということで、リスクのとり方を含めていろいろな検討を進めております。もちろんこれは日本としても積極的に議論に参加しているわけでありますので、その中でいろいろな観点からの議論がなされていくというふうに思っております。
 あとは、それとBIS基準はBIS基準として、国内での中小企業に対してどのような配慮を行うべきか、それはそれでまた我々、先ほど申し上げましたように、今、金融審で地域金融、中小金融を中心としたリレーションシップバンキングのあり方というのを考えておりますので、その双方から実情に即したきめ細かな対応ができるように努力をしたいというふうに思っているところでございます。

○原口一博 バーゼルで日本はどういうスタンスで主張しているんですか、このBIS規制について。私は、日本の場合は、やはり中小企業、これが日本の活力なんですよ。中小零細企業が私たちの最も大きな力です。ここの収益率を上げてここの元気をもっともっとつくる、そして新しい仕事をつくっていく、規制改革でつくっていく、このこと以外に今の現状を打破する道はないと思っているんですが、バーゼルで日本は何と言っているんですか。

○金融・経済財政政策担当大臣(竹中平蔵) 基本的には、この信用リスクの考え方等々、やはり実態に即してやるべきであるという立場でありますので、そうした点を踏まえて、さまざまな観点から日本も貢献をしているということであります。

○原口一博 非常にいつもは理論的で、私は、竹中さん、きょうテレビの前だからあえて言いますが、本当に命がけで小泉改革を支えようということで閣僚になられたと思いますよ。金融の問題も、それから財政、経済の問題も本当に命がけだと思う。だから、頑張ってほしいと思います、方向は間違っていると思うけれども。
 しかし、今のことはとても聞き捨てならないんです。なぜかというと、日本の場合は間接金融が大きいんです、今平沼大臣がおっしゃったように。だから、日本の国益に即した主張があるはずなんです。それは何ですかということを聞いているんです。

○金融・経済財政政策担当大臣(竹中平蔵) これは大変ちょっと細かな話ですので、今の時点で十分なお答えができるかどうかということはあれなんですけれども、基本的には改革の方向として議論されているし、日本もまた、それに対して主張しているのは、信用力の高い優良先向けの貸し出しや、リスク分散がきく中小企業、個人向け貸し出しの自己資本の負担を軽減する。その一方で、リスクの相対的に高い資産の自己資本負担を割り増す。
 したがって、BIS規制の見直しの方向そのものが、全体としては高くも低くもしないということで、その中を見直そうということですから、その意味では、先ほどから申し上げているように特に中小企業向け、個人向けというのはリスク分散がきくわけでありますから、その部分についてはリスクを軽減する方向である。そのように日本も考えているわけです。

○原口一博 答えは返ってきません。この間、我が党の田中議員がここで指摘をしましたように、日本の場合、非常に個人保証が問題になっている。こういうことからも、日本の実情に即した議論をしっかりと主張していただくようにここで要請をして、次の質問に行きます。
 生保の予定利率の引き下げについてでございます。
 これも差し上げておりますが、資料の5、「生命保険会社の利源別損益の状況」。生保の利源、つまり利益のもとというのはこの三つになります。よく、いわゆる逆ざやがあって超低金利だから生保は厳しいという認識がこの国会でも言われましたが、四十三社計で、実は利源の計はプラスなんですね。五ページです。なぜか。平均寿命が長くなっていて、そしてそういうところからも大きな利益が来ているんです。これを死差損益というそうです。それと費差損益。
 総理、伺いますが、今、政府の中で生保の予定利率の引き下げ、これについての法案を出す用意がありますか。

○金融・経済財政政策担当大臣(竹中平蔵) ちょっと個別のことでありますので、済みませんが、お答えさせていただきます。
 御指摘のように、三利源の中でいわゆる利差の部分は逆ざやでかなり厳しいマイナスになっているが、それを死差等々で補っていて、全体としては利益が上がっているという構造になっている。しかしながら、生保の経営そのものを見ますと、いわゆる逆ざや問題と、それと保有契約者の減少、株価等々、やはり総合的な要因で大変厳しい環境にあるということになります。その意味では、利差のものは、ほかのことが埋まっているからそれでいいのかどうかということも含めて検討しなければいけないという状況にあります。
 お尋ねは、今引き下げ問題についてどういう状況にあるかということでありますけれども、これは、バブルのときに高い利回りを約束してしまっていて、今それが随分状況が違ってしまっているという大変厳しい事実、しかし一方で、これはあくまで約束してしまったことなんだから、やはりモラルハザードの問題もあり果たすべきだという議論、それと、このままいって、本当に利差がマイナスのままで大丈夫かというような議論、やはり非常に考えるべき複雑な問題があるというふうに認識しております。
 銀行の問題も難しいんですが、銀行の問題に関しては諸外国で若干の参考になる事例もある。生保についてはなかなか参考になる事例もないものですので、今我々としては本当に汗をかいて一生懸命勉強しているという段階でございます。まさに勉強しているというふうに御認識ください。

○原口一博 勉強しているということですが、総理、なぜ私がこれを伺うかというと、生保の予定利率が下がるというのは、要は、自分たち、国民の側から、契約者の側からすると、もらうお金が下がるということですね。その理由はやはりはっきりさせてもらわないといけない。
 四十三社の各社に、竹中大臣、これは竹中大臣で結構ですが、各社の三利源の内訳を、今議論をし、勉強しているということでしたけれども、三利源の内訳を公表させるということをお考えになりますか。

○金融・経済財政政策担当大臣(竹中平蔵) 三利源の内訳そのものでありますけれども、これはディスクロージャーそのものは大変重要だと思っています。ですから、平成十二年度決算から、その基礎利益等々を創設して公表も行っているわけですけれども、各社ごとの三利源ということになりますと、これは競争戦略にかかわる一種の内部管理指標であるということでありますので、我々としてはやはり慎重に考えなければいけないというふうに思っております。

○原口一博 そうしたら、予定利率にさわらないでほしいですね。なぜかといえば、国民の方は、どの生保がどういう状況なのかというのもわからないで、そして法律でもって利率を下げられたのでは、たまったものじゃないんじゃないですか。
 では、それぞれ経営戦略だから、また一律、この間破綻のところは一割カット、予定利率一割カットということをやられましたね、そういう形でやるんですか。今勉強しているというその前提を、やはり国民に対してしっかりと開示をしていく。小泉内閣の基本姿勢は、積極的な情報公開と説明責任だったんじゃないですか。いかがですか。

○金融・経済財政政策担当大臣(竹中平蔵) これは当然のことながら、議論が煮詰まった段階で、いろいろ幅広く議論をさせていただくつもりであります。
 ただ、これは非常に複雑で、考慮しなきゃいけない問題がたくさんあって、これが一点だけが取り上げられて出てしまって、非常に不測の、そういう風評を生むということにも配慮しなければいけないものですから、我々として、できるだけ詰めるべき問題をしっかりと勉強させていただいて、その上でいろいろな考え方についてお示しをして御議論をいただく、これは当然のことながらやるつもりでございます。

○原口一博 やはり、しっかりと判断の材料がなければ判断しようがないんです。
 総理、判断の材料を、私は経営の根幹にかかわるものまで出してくれなんて言っていませんよ。生保の中で頑張っていらっしゃるところもたくさんある。しかし、こんなことはないと思うけれども、一律利率を引き下げるなんということを、そんなことも聞こえてくるので、絶対にそういうことないでしょうねということだけ確認をしておきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 今、生保の予定利率の問題については、竹中大臣が話されましたように、いろいろな角度から勉強させております。
 確かに、デフレの時代になって、物価上昇は当たり前だという時代に考えてきた予定利率とは違ってきた、見通しどおりいっていないということは事実であります。そういう中で、生保会社の財務状況をできるだけ国民にわかりやすく提供していくということは大変重要なことだと思っております。
 何よりもやはり契約者保護、そういう観点から幅広く勉強させておりますので、そういうのをよく考えながら、この予定利率の問題については対応していかなきゃならないと思っております。

○原口一博 今の答弁を誠実な答弁と把握をして、しっかりと私たちも国会で議論をしていきたいと思います。
 さて、もう午前中の時間があとわずかになりましたが、総理のいわゆる公約に対する発言については、私たちにもたくさんのメールや手紙が来ました。ここに座っていてどうして撤回させないんだ、この議事録がずっと未来永劫残るんだと。
 総理は、私が意見を求めたときに、率直に謝罪をされました。それは多とします。しかし、撤回をする気はないと、その後、同僚議員の質問に対してお答えになりました。なぜ撤回しないんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 撤回しようが、削除しようが、ずっと残るんですよ。撤回しようが、削除しようが、ずっと残るんです、これは。そういうことを考えて、確かに不適切な発言だったと反省しているんです。そういう点を考えれば、その批判は甘受していかなきゃならない、今後の行動で信頼を得られるように努力していかなきゃならないということなんです。
 御理解いただきたいと思います。

○原口一博 余りにも国会を軽視していませんか。議事録の中にそれが残るのと残らないのは、えらい違いですよ。
 今の答弁はとんでもない答弁なんで、午後またさらに質問をさせていただきます。

○予算委員長(藤井孝男) 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

○予算委員長(藤井孝男) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。原口一博君。

○原口一博 民主党の原口一博でございます。
 午前中に引き続き、総理に質問を申し上げますが、あの公約発言に対して撤回しないと。私は、とんでもないと思います。普通であれば、申しわけなかった、民主政治を守っていく立場から、私は撤回するから議事録からも削除してくれ、これが普通の政治家の感覚です。なぜ撤回しないんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) 繰り返し答弁しているでしょう。不適切だったと反省していると。撤回しても、削除しても、皆さんが相変わらず持ち出すというのはよく承知していますよ。よくワンフレーズポリティックスとかマスコミから批判されていますけれども、あれは、マスコミが勝手にワンフレーズ取り上げているだけですよ。全部取り上げてくれない。一部だけ。毎回毎回。もう新聞、新聞の見出し、テレビ、ワンフレーズポリティックスをやっているのはむしろ報道機関ですよ。
 だから、私は、それは、野党の皆さんに同調しろと、野党の議員がそう言うのはわかりますよ。政府、閣僚として同調する必要は私はないと思っております。ときによっては同調する必要もあるけれども、ときによってはする必要はない。見解の相違は、これは政治家同士、当然。だから、もう撤回しても、削除しても、相変わらず何回もこれは取り上げられますよ。
 そういう点において、不適切だった、反省している、これから信頼を得るために日々の行動で努力していきたい、これが私の答弁なんです。イエスかノーという答弁だけじゃないんです、答弁は。それをやはり同じ政治家同士で、国会の場で、自分に同調しなきゃけしからぬというのは、これまたいかがなものか。私は、これが答弁なんです。何回言われても同じ答弁なんです。

○原口一博 まあ、本当に傲慢不遜そのもの。私に同調してくださいと言っているんじゃないんですよ。総理は、この予算委員会の質問でほかの委員に、個別名は申しませんが、議事録削除してくれと一年間言い続けられたでしょう。忘れましたか。あなた御自身がここは不穏当だからというので、私たち一年間走り回ったんですよ。人の意見は削除してくれと言い、御自身は、これほど民主主義を冒涜し、国会を冒涜する言葉を吐いておきながら、撤回しないというのは了見違いじゃないですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎) まあ、それはいろいろ発言ありますから、同じ発言じゃないですもの。そうでしょう。

○原口一博 本当に、この問題で私は納得できません。スタンスがやはり違うなと。私たちは民主主義をはぐくもうと思っている。そして、公約の重みはしっかりと、一回言葉に出したことは確認をしなきゃいけないと思っている。総理のそういう姿勢は、これ、資料をごらんになってください。資料の11です。国会答弁のいわゆるレクについて、質問者名と出席大臣、それから全文入手またはレク開始の時間、質問を各省に配付した時刻、これで、まさに閻魔帳みたいなものをつくっているじゃないですか。
 今、これほど不況のときに副大臣、政務官を置いて、本来は副大臣、政務官がこの質問取りに来るんですよ。それを全くやらないで、しかも議員ごとにこうして質問者名を記載して、そして、まさにそれを政治的に利用するかのようなことをやっているのはどういうわけですか。しっかりとした答弁をいただきたいと思います。

○内閣官房副長官(上野公成) お答えさせていただきますけれども、副大臣会議というのが一昨年の一月六日から発足をしているのは御承知のとおりだと思いますけれども、その中で、質問がなかなか早く出していただけないということで、国家公務員の健康管理、超勤が非常に多いという問題が従来から問題とされております。そして、一昨年の十一月にも一度申し入れをさせていただきまして、これは衆参の議運委員長、それから国対の関係者にもお願いをしたわけでございますけれども、再度また昨年の十月の副大臣会議の中で、やはり国家公務員の健康状態、そして超勤を何とか少なくするということで、今度、実態調査をある程度踏まえて、そして申し入れをさせていただこうということになりまして、副大臣会議で調査をさせていただきました。
 そして、副大臣会議の都度に、我々は記者会見できちっと、こういうことをやらせていただくということも十月に申し上げましたし、そして、十二月の十九日に結果が出ましたので、これも発表させていただきましたけれども、しかし、これは目的が国家公務員の勤務状態、健康管理をするということでございますから、そういう観点から、副大臣会議として、国会に対しては、二日前の午前中というのはほとんど守られておりませんから、少なくとも前日の十二時までにお願いできないかということ、一方、役所の方も、余り長い時間をやるということはまずいと思いますので、六時間程度で仕上げる、そういうことであれば夕方の六時までにできるということでございます。
 今、この目的以外に全然そういう意図はございませんので、そのことはちゃんと申し上げたいと思っております。

○原口一博 では、そうであるのだったらどうして質問者、個人名を調べる必要があるんですか。そして、あなたは党派別にブリーフをしているんじゃないですか。
 政務官は今何をやっているんだ、多くの給料をもらって、そして何にもやってないじゃないか。今のこのときだって、地元を回っているのがいるじゃないか。だれが質問を取りに来たんだ。全然違うことをやっておきながら、しかもこうやって質問者名を出して、そしてやっている。
 あなたの主張に沿うと、私も国家公務員の人権や健康は大事だと思う。これを見ると、十七時以降の通告がたくさんあるわけです。そうしたら、全部二日前にやればいい。それを政府がお願いをするということで、公式に。いいんですね。(発言する者あり)

○内閣官房副長官(上野公成) まず……(原口委員「聞いたことだけ」と呼ぶ)いや、今聞かれたので。
 個人の名前をなぜ出しておるかということですけれども、これは調査票に、いろいろな省に質問をされますから、同じ議員が。(発言する者あり)

○予算委員長(藤井孝男) 御静粛に願います。

○内閣官房副長官(上野公成) ですから、それが一回の質問になるわけでございますので、そういうのを整理するという意味でその議員の名前を出しているということはございますけれども。
 それから、私がブリーフをしたということでございますけれども、私は、副大臣会議の結果を会見いたしましたけれども、党派のことについては一切触れておりません。
 我々の方は、これは国会のことでございますから、政府としてこういう実態があるのでぜひ御配慮をお願いしたい、これは十二月二十四日に与党の国対委員長の先生方にお願いをいたしました。あくまでも結果は国会で判断していただくことだと思っております。

○原口一博 それは当たり前の話で、今、個人の名前をつけなきゃいけなかった理由は全く言っていない。総理が国会の答弁を本当に重視するんであれば、やはりしっかりとしたレクも受けてもらって、そして、かみ合った質問と答弁をするべきだ、そのことを指摘して、これはこの委員会だけではなくて、議運や国対でも議論をされているようでございますから、そちらに譲ります。
 さて、安全保障の問題で数点伺います。
 まさに、イラクに対する査察、最後のチャンスの時間はあと残されていない。こういう状況の中で、北朝鮮の瀬戸際外交、これの状況も非常に厳しくなってきている。そういう意味で、政府に伺いますが、ミサイル発射実験を北朝鮮が再開する、こういう危険性が高まっているんではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。

○外務大臣(川口順子) 北朝鮮が核の凍結をやめる、あるいはNPT等の国際的な約束から脱退をするというようなことを言っているという事実がございます。そのコンテクストでいろいろな懸念が日本にはあるということもそういうことかと思います。
 我が国としては、北朝鮮に対しては、NPT等の国際約束に戻り、そして核の凍結を再び行い、核の開発のプログラム、これをやめるようにいろいろな場において働きかけているということをやっております。北朝鮮が国際社会の責任ある一員となるために、我が国として引き続き働きかけるということが大事なことだと思い、そのような外交努力を今やっているということでございます。

○原口一博 防衛庁長官に伺います。
 現在の状況、そして、インド洋にイージス艦を派遣していますが、先日、プリエンプティブ・ディフェンス、セルフ・ディフェンスについて、いわゆる先制的自衛についてここで議論をしましたが、防衛庁長官は、どのようなアメリカの新しいドクトリンに対して姿勢をお持ちなのか。この二点についてお尋ねします。

○防衛庁長官(石破茂) お尋ねは、現在インド洋においてどのような行動が行われておるかということだと思いますが、それでよろしゅうございますか。(原口委員「いや、北朝鮮の脅威が高まっていると思うが、その警戒について」と呼ぶ)
 北朝鮮の脅威につきましては、今外務大臣からお話があったとおりであろうと思っております。
 私どもは、いろいろな手段を使いまして、もちろんそれは我が国独自で収集するものもございます、あるいは友好国の情報を得る場合もございます。その情報の把握、分析には全力を尽くして、遺漏なきを期しておる次第でございます。
 米国のドクトリンにつきましてでございますが、それは合衆国の政策でございますから、そのことにつきまして私どもがとやかく申し上げることだとは思っておりませんが、決してそれは侵略を行うものではない、そしてまた、それを口実に、それに藉口してといいますか、そういうような攻撃をしかけることはあってはならないというようなことも申し述べられておるわけでございます。
 米国が先制攻撃を常に行うということを決めたものでもございません。それはあのペーパーだけではなくて、その後に、ライス補佐官でありますとかいろいろな方が言及をしておられる、そういうものを総合的に判断して、私はそのような感想を持っております。

○原口一博 今防衛庁長官が御答弁されたのは大事なところで、アメリカの新ドクトリンが変われば我が国の戦略もそれにつれてやはり見直しが、あるいは多くの議論が必要ではないか、このことを提議したということで、きょうは外交、安全保障については詰める時間がございませんので、後ほどまたやらせていただきたいと思います。
 資料に戻りますが、資料の10、これはちょっと見にくいので、コピーが悪くて恐縮なんですが、これは、いわゆるヘリコプターによる農薬の空中散布、これによって、今、化学物質過敏症あるいは有機燐系の中毒、農薬に対する過敏症、非常に大きな問題が出ているんですが、実際は、ここに書いておりますように、目まいや緊張、不安あるいは学力の低下、抑うつ、眠気あるいは呼吸困難、こういった事態まで報告をされています。
 無人ヘリコプターによるいわゆる空中散布の実態をつぶさに調べてみると、東京の空気が危険で、地方が安全だとは言い切れないなというようなことまで思わざるを得ない、そういう実態であります。
 そして、実際、この有機燐系の殺虫剤の空中散布は、場合によっては、一リットルの薬剤を一億五千万粒の霧に変えて、そしてこれを散布する。つまり、空気で入るものというのは、これは、隣に自見さんいらっしゃいますが、もうほとんど注射しているのと同じですね。非常に危険な状況が行われている。そして、五倍希釈の高濃度でやっている、そういう実態も幾つか報告をされています。
 私は、この空中散布による有機燐系の農薬による健康被害、この深刻さ、農林水産省としてどういう実態把握をされているのか。政府からいただいた資料では、物すごい勢いで伸びています。
 今、農家も担い手が少なくなって、そして農薬散布もこれは簡単な話じゃない。農家の負担軽減というのも一方で大事です。しかし、このような状況を放置するわけにはいかない。二キロも三キロも離れたところで農薬が散布されると、このような形で散布されると、大変目まいや頭痛、そしてこの多くは、今までは有機燐系中毒とはわからずに、精神のさまざまな病気であるとか別の病気じゃないかということで子供たち、学校に行く子供たちにも大きな影響が出ている。
 このように私どもの調査ではわかってきたんですが、農林水産省、大臣、どのようにこの実態を把握されているのか。それから、生産現場での規制は、先ほど申し上げたように、これは守られていないところもあるというふうに聞いておりますが、その状況をお聞きしたいと思います。

○農林水産大臣(大島理森) 委員御指摘の航空事業で農薬をまくという姿でございますが、有人とラジコンでまく、この二つの形態がございます。
 それで、物すごくふえているというよりは、私どものデータではむしろ減ってきておるのが現状です。特に、それは先ほど委員が御指摘いただいたような健康に対する影響とかそういうものもございますし、私どもも数々の指導、規制を加えております。さらに、例えばでございますが、現在十三年度で大体三百六十二万ヘクタール、実施面積がございます。そして、ラジコンでやるのは約三十万ヘクタールぐらい、私どもはこう考えております。
 いずれにしても、これは委員が御指摘いただいたように、空中からまくわけでございますから、よほどの使用規制というものをしっかりと設けなければならぬと思っております。特に、御指摘のあった有機燐酸の問題でございますけれども、環境庁の検討会が大気中の農薬濃度、いわゆる気中濃度評価を定めているところでございますけれども、この基準を超えないように私どもは指導はいたしております。
 今、私ども、明確な、委員が御指摘いただいたような因果関係というものはまだ定かに、私どもはそうだというところまではいっておりませんけれども、いずれにしても、今後、空中濃度評価値を超えないように、周辺住民への空中散布の周知、散布方法の工夫と被害防止対策に万全を期さなければなりませんし、なお研究もしなきゃならぬ部分があると思います。したがいまして、環境省ともよく相談しながら、そういうものに対して対応していかなきゃならぬと思っております。
 それから、規制を守っていないんじゃないか、こういうことに対しては、あってはならないことでございますから、委員からの御指摘もございますので、そういうことのないようにさらに徹底して努力してまいりたい、こう思っております。

○原口一博 同じ質問を坂口厚生大臣に伺いますが、厚生省としてはどのように実態調査をしているのか。そして、健康被害がどのように出ているのか。
 この写真をごらんになってもおわかりのように、限られたタンクですから、できるだけ濃いものを入れた方が効果もあるわけです。私も、地元で農家の人たちに聞きました。あれは効くばい、あれは効くばいと。物すごく効くんですよ。効くということは、人間にも効いている。そういうおそれがある。
 厚生省にも昨年、実態調査をお願いしたいということを要請しておきましたが、どのように把握されていますか。

○厚生労働大臣(坂口力) 農薬の中には、確かに劇物、毒物が含まれているわけでありまして、それらの使用につきましては、やはり厳格にやらなければならないというふうに思っております。
 その被害者のデータというのは、残念ながらなかなかうまいぐあいに集まらないものですから、私の方も今のところ十分なデータを把握いたしておりません。今、一つの例としてお挙げになりましたような非常に大きな影響を与えるというような人は、これは医療機関で把握できますけれども、いわゆる中間的なと申しますか、それほどひどくないような人たちというところまでなかなか把握はできないというふうに思っております。
 これはしかし、私たちも、この毒物、劇物のときには、それはちゃんとやらなければいけませんので、これからその把握は、明確なものはちゃんと把握をしたいというふうに思っております。
 また、地方の病院でありますとか、あるいはまた病院等に対しまして、毒物、劇物でこういうふうなときにはどういう症状が出るから注意をしてほしいということも徹底をしたいというふうに思っている次第でございます。

○原口一博 時間が押してきましたので、このことはぜひ、小さい子供たちにも大きな影響が出ています。文科大臣、通学路の安全性、学校のシックハウス、学校に行きたくても化学物質過敏症で行けない、こういう子供たちもたくさん報告がされています。ぜひ、各省挙げて、問題意識を持って取り扱っていただきたい、このことを要請いたします。
 法務省の刑事局に来ていただいていますので、東京女子医大の医療事件について。
 東京女子医大で医師が起訴されましたが、この起訴内容についてお尋ねをいたします。

○法務省刑事局長 お答えいたします。
 お尋ねの件につきましては、平成十四年七月十九日、東京地方検察庁において、東京女子医大病院の医師一名を業務上過失致死罪で、同病院の他の医師一名を証拠隠滅罪で、それぞれ公判請求したものと承知しております。
 業務上過失致死罪の公訴事実の要旨は、平成十三年三月二日、東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所の手術室におきまして、被害児童、当時十二歳の女子の心臓手術が行われた際、人工心肺装置の操作を担当していた被告人が、手術チームで事前に申し合わせた同装置の操作方法を必要性もないのに独自の判断で変更し、さらに、業務上の注意義務を怠り、危険な方法で同装置を操作した過失によりまして、脱血不能状態等を発生させ、よって被害者に重度の脳障害を負わせ、同月五日、同研究所において死亡させたというものであると承知しております。
 次に、証拠隠滅罪の公訴事実の要旨は、同手術のチームリーダーの立場にあった医師が、前記事件について、他と共謀の上、ICU看護記録中の記載を改ざんしたり、同手術に係る人工心肺記録中に虚偽の記載をするなどして、他人の刑事事件の証拠を変造または隠滅したというものであると承知しております。

○原口一博 まさに、医のモラルというよりも、これは犯罪ですね。しかし、こういったことをどうしてチェックしていくのか、そのことに踏み込んでいくと、とても、私たちはまだまだやらなければいけないことはたくさんあるということがわかります。
 この東京女子医大の医療事件に関連して、私たち民主党は被害者支援チームをつくりました。全国各地から医療過誤あるいは医療犯罪、こういうものに対してたくさんの症例が、事例が寄せられました。こんなちっちゃな、子供の心臓というのはこれぐらいですね。ちっちゃいんです。真っ黒になった子供さんの心臓の写真を持ってこられた御両親もいらっしゃいました。だけれども、患者の側からすると、はるかに知識が違いますから、それを医療ミスであるとか、あるいは医療事件であるというふうに証明していくことは、もう本当に至難のわざです。
 医療法はまさに戦後すぐできたもので、これはある意味では衛生法の体裁をしています。医療のサービス法になっていない。中には、私たちが扱った事案の中には、病院側が患者の同意も何にもなしに、カルテまで開示して記者会見をしている、まさに法律違反じゃないかというような事案までありました。圧倒的な知識の強者と、そしてそれを受ける側との差。
 厚生大臣、カルテの信頼性についてどのように担保していくのか。それから、こういう医療の質をだれが、手術やその中身をだれがどのようにチェックしていくのか。医療の窓口負担だけはふえていくけれども、医療の質をだれがコントロールしていくのか。そのことについてお尋ねをしたいと思います。

○厚生労働大臣(坂口力) 医療に対するミスの問題は、これは外からはなかなかわかりにくいものでございます。したがいまして、その医療を行いますその病院なら、病院自身においてそれは明らかにしていくものでなければならないというふうに思います。したがって、そこは各医療機関が、やはり自分たちの誤りがあったときには率直にそれは誤りであることを明確にするということがまず第一歩として大事でございます。そして、それをいかに公表してもらうかということが大事でありまして、そのことに対して我々は、医療ミスに対します徹底的な医療機関に対する対応を今要求しているところでございます。ところが、そういう中で起こりましたことが明らかに外に出ないということもあるものですから、そこをいかに明らかにするかということが大事でございますので、そのことも今あわせてやっているところでございます。
 いずれにいたしましても、できる限りこれは、ミスは起こさないようにしなければいけないわけでありますから、いかにしてミスを予防するかということもあわせて今やっております。
 それから、カルテのお話が出ました。カルテにつきまして、この東京女子医大のときにはカルテの改ざんをやっているわけでありまして、それはもう本当に医の倫理に反することでございますから、あってはならないことだというふうに思っている次第でございます。
 器具をどう正常にうまく使うかということと、そして、それを記録したものをどう正確に皆さんにも公表をするか、公表をするかといいますか、その患者さんに対しましては明確にするかということでありまして、書きかえるなどということはあってはならないことだというふうに思っておりますし、これを一体どう防止していくか。そういう悪意がないような事件も中にはございます。しかし、それらもあわせて、誤りが起こりましたときに、それをどう病院の中で全体が共有をし、そして明らかにしてもらうかということに今全力を挙げているところでございます。

○原口一博 私は、患者の側に立った、民主党が出しているような権利法、そういうものがない限り無理だというふうに思います。
 政治と金の問題については、後、集中という審議の中でしっかりとただしていきたいけれども、総理に最後に要請をします。抵抗勢力小泉純一郎と言われないように、しっかりと政策運営、そして国会対応をしていただきたい、そのことを申し上げます。
 ありがとうございました。