国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会

平成16年1月30日(金曜日)

○原口一博 民主党の原口一博でございます。総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 大きな政策転換の意識があるのか、そして、その責任はだれが負うのか、国会に政府が提出している資料は果たして自衛隊派遣の承認に足る資料なのか、情報を開示し、説明をしっかりして、理解を求める姿勢があるのか、そして、政治が行っている議論のツケを自衛隊が負うようなことはあってはならないんではないかということを本会議でお話ししました。
 まず、首相に確認をしておきますが、この自衛隊派遣の安全確保の責任、これは総理におありになると思いますが、いかがですか。

○内閣総理大臣 自衛隊員の安全確保には万全を期していかなきゃならないし、その責任は私にもあると思っております。

○原口一博 私にもあるということですが、あなたがこの最高責任者ですから、あなたが最高の責任を負うということでよろしいですね。

○内閣総理大臣 すべて政治の責任は総理大臣である私にあると思っております。

○原口一博 さて、そこで、国会の始まって以来という答弁の撤回が起こりました。私の質問に対する、これは委員長、お許しをいただいて資料を配付させていただきたいと思います。
 国会で、皆さん御案内のとおりですが、総理は私に、サマワの治安についてでございますが、住民の意向を反映した市評議会、穏健な宗教勢力のために治安は安定しと。つまり総理は、治安の安定の根拠に、住民の意向を反映した市評議会を最初に挙げられました。私は、これは、市評議会があれば間違ってはいないと思うんです。なぜならば、住民にとって一番身近な行政組織がしっかりとその意向を反映していれば、治安は安定するからです。しかし、この委員会あるいは予算委員会の審議のところでこれが撤回をされました。
 総理にまずお伺いしますが、これは国会で始まって以来のことであります。謝罪も何もなかったわけですが、始まって以来だということは御認識されていますでしょうか。

○内閣総理大臣 過去歴代の総理大臣が撤回したことがあるかどうかわかりませんが、私が総理になってから、撤回したのは初めてであります。

○国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員長 質問者より、答弁用にということで、資料を答弁者に配付させていただきます。

○原口一博 初めてです。私が調べた中でも、総理になられてからでも初めてでしょうけれども、こんなもの、私が調べたあるいは私どもの国対で調べた限りにおいては初めてです。
 それで、じゃ、総理がどう答弁を変えられたかというと、この市評議会の存在については、なかったんだということをおっしゃっているわけです。これはこれでいいですか。そして、それは治安に結びつくものではないんだということをおっしゃっているんですが、再度総理に御確認をいたします。

○内閣総理大臣 私の発言を再度読み上げます。
 二十七日の本会議の答弁において、私より、サマワ市評議会が現在存在しているとの発言をいたしましたが、これを撤回します。
 これは、サマワ市評議会議員は総辞職したとのオランダ軍及びCPAからの情報に基づく報告を受けたからであり、現地情勢については引き続き注視する必要があると考えております。
 いずれにしても、現時点において、市評議会の問題が治安情勢の悪化に直接関係があるとは見られないことから、自衛隊の派遣について判断の前提となる現地情勢に対する認識を変更する必要はないと考えます。
 今後とも、現地情勢については十分に注視してまいりたいと考えております。

○原口一博 資料二をごらんになってください。総理にもお渡しをしています。
 資料二は、私たちがこの委員会で求めて、理事それから委員長にも提示をされた政府の資料です。「サマーワ市評議会は住民の意向を反映した構成のため、実質的に機能している。」とここでちゃんと示しているじゃないですか。そして、皆さんこうも言っているんですよ。「サマーワ周辺では、連合軍に対する大きな事件は発生していない。」本当にこうですか。
 きょう私は、限られた時間ですが、これをごらんになっている方は、市評議会があるのかないのか、これが機能しているのか機能していないのかがいかに自衛隊派遣について大きな影響があるのかないのか、それをはっきりさせたいと思って、ここで皆さんに確認をしているんです。
 どれが本当なんですか。実質的に機能しているんですか。

○外務大臣 サマワの市評議会につきましては、これは今、我々の認識として、総辞職をした後に新たな市評議会が選出されるまでの間の期間における位置づけということにつきましては、治安に責任を持つオランダ軍も統治に責任を持つCPAも、確たる見解を有していないということでございます。日本政府としても、この点について確たる判断を下す状況にはないということです。
 それで、機能しているかどうかということが実質的にサマワの町の状況に影響を与えているかという観点から申し上げますと、現地の行政サービスは淡々と継続提供されているということでございます。

○原口一博 つまり、確たる確証を持っていないということを皆さんに、国民の皆さんの前で確認をさせていただきました。確たる確証を持っていないということで本当にいいんですか。私は、そのこと自体が大変問題だと思います。
 これは、長島議員がつくっていただいた、昨日の委員会でも皆さんに長島代議士から提示をされた戦闘による米兵の死傷者数です。皆さんが決断をされたこの十一月、報告を受けて、自衛隊派遣を前向きに検討するんだと言われたこの十一月、ごらんになってください。米兵の死傷者数はそれまでで最高です。そしてまた、これも一月に入って上がっています。
 そこで、外務省の参考人にお伺いします。
 市の評議会に最後に皆さんが接触をされたのはいつですか。前回の調査団のときにお会いになった、その事実があるのかないのか、その後にだれにお会いになっているのか、参考人にお伺いします。

○防衛庁運用局長 お答え申し上げます。
 それは、十一月の十九日の日に、調査チーム一行がサマワ市評議会アリ・ダファーイ議長を表敬訪問しております。調査チームのそのときの目的等を説明いたしましたところ、当議長からは、歓迎の意を表するということ、それから、サマワでは地域住民が怪しい者を見かけたら積極的に警察に通報して協力することになっていること、それからまた、市議会として、またすべてのサマワ市民が自衛隊の来訪を待っており、必要なことがあればすべて協力したい、歓迎の言葉を大分述べていただきました。

○原口一博 総理、なぜ今参考人からお話を伺ったかというと、まさにここが協力の拠点なんです。協力の拠点が、あるいは我が自衛隊、あるいは我が日本政府の意図を市民の皆さんに伝えるその結節点なんですね。その結節点が今本当になくなっていて、そのことで、我が自衛隊や我が政府の活動が円滑に行えるだろうか。
 そして、皆さんは、さっきの資料の二のところで、「住民の意向を反映した構成のため、実質的に機能している。」というふうに、これはこの間断言されたんですよ。私はこれをもとにあなたに質問したんです。ところが、どうですか。
 この市の評議会が解散をした理由、これも政府参考人に伺います。

○外務省中東アフリカ局長 お答え申し上げます。
 このサマワ市評議会でございますけれども、昨年の六月二十四日に選出されております。その後、ムサンナ県においては多くの市評議会が順次設立されております。サマワはそのムサンナ県において最初に設立された市評議会でございます。
 その後の選出過程でございますけれども、徐々により民主的なと申しますか、より多くの住民が参加できるような形で選出が行われております。
 この解散につきましては、解散といいますか総辞職でございますけれども、まず、サマワ市の前に、一月の二十一日にルメイサ市におきまして……(発言する者あり)総辞職がございました。これは、その選挙の手続につきまして必ずしも手続が十分に認知されていなかったということで、ルメイサ市の評議員が総辞職したものであります。サマワ市におきましても、ルメイサ市と連携をする意味で総辞職をしたというふうに承知をしております。

○原口一博 総理から不規則発言がありますが、やめてください。
 解散の、総辞職の理由を聞いているんです。一言言ってください。何で総辞職をしたんですか。

○外務省中東アフリカ局長 この選挙につきましては、その手続について必ずしも十分に通知がされていなかったということを不満として、解散という動きにつながったと承知をしております。

○原口一博 まさに民主的な手続の中でさまざまな不満があって総辞職をしているわけじゃないですか。違いますか。
 さらに、そうしたら、今度また参考人にお伺いしますが、テロリストの侵入を防ぐため、不審者を見つけた場合は、その場で市民が取り押さえ、警察に通報するということを、先ほど十一月についてはお話しになった。
 では、この不審者を通報するその行政組織あるいは市民の代表というものは今どこにあるんですか、だれですか。

○外務省中東アフリカ局長 お答え申し上げます。
 この点については、御質問については必ずしも正確な答えを承知しておりませんが、一般的に申しますと、サマワ市におきましても、市評議会のほかに、いわゆる役所機能と申しますか、そういうものが存在している模様でございます。これは、その中で警察についても機能をしていると承知しております。

○原口一博 市評議会以外の行政機構の名前を教えてください。

○外務省中東アフリカ局長 このサダム・フセインの時代に、中央政府等より各省に携わる機関が存在していたと承知しております。
 現在、その機関のステータスについては必ずしも正確ではございませんが、統治評議会との関係では、統治評議会がこのような機関を企画、監督する立場にあるというふうに承知をしております。

○原口一博 もう国民の皆さん、ここまでお聞きになっておわかりだと思います。
 では、どこが受け入れ先で、何が市の行政主体なのか。これだったらわかりますよ、総理が本会議で私に最初に答弁されたように、サマワ市民を代表する一つの行政組織が正統にあって、それは戦争の後の混乱ですからいろいろあるでしょう。しかし、それが実質的にちゃんと機能しているときと、今のように、どういう状況になっているかわからない、これで私たちは何を判断すればいいんですか。総理、お答えください。

○内閣総理大臣 それは、住民の意向を反映したのは、サマワ市評議会だけじゃないんです。サマワ市評議会だけじゃないんです。いろいろな機関がある。暫定評議会もあります。あるいは知事という方もおられます。あるいはCPAというようなものもありますし、それから、その地域の住民の意向ということを考えれば、族長の皆さんも住民の意向を反映した方々であります。それは、サマワ市評議会だけが住民の意向を反映したものではないということを申し上げているわけであります。

○原口一博 CPAは占領組織ですね。そことの、まさにその市評議会との対立によって、解散をしている、あるいは総辞職に追い込まれたんじゃないかと思っているわけです。
 今の中に、サマワの市を、市民を代表する組織にCPAがあるなんという答弁、それはもう一回撤回しますか。

○内閣総理大臣 それは、CPAが今イラクに民主的な政権をつくるためにいろいろ努力しているわけであります。統治評議会、これとの連携も密にとっていると思います。それは住民とのかけ橋になっているんです。
 そういう中で、これは、総辞職したという報道と、一部に、まだ総辞職していないという報道もあります。そういういろいろな情報が錯綜しておりますが、これも民主的な手続、独裁政権のフセイン政権が倒された後に、やはりイラクの住民にとって自由な意見を表明する機会が出てきたというあらわれでありますし、どういう手続によってより住民の意向を反映した評議会なり機関ができるかというのは、今後、日本としてもよく注視していかなきゃならない。
 必ずしも、サマワ市評議会が当地域のすべての住民の意向を反映しているという一つの機関ではないということを言っているわけでありまして、一つの機関であるということも日本としてはよく注視していかなきゃならない。そのほかにいろいろな機関があります、住民がおられます、かなり権威のある方もおられます。そういう点も含めまして、よく、総合的に地域の住民の意向が反映されるような、また地域の住民の意向なり評価を得られるような活動をしていかなきゃならないと思っております。

○原口一博 具体的にどういうニーズがあるか聞き取りをする、それは、県知事さんはいらっしゃって、県は機能しているというふうに聞いています。しかし、市は今、その代表は助役のようなものだと前におっしゃったじゃないですか、そういう行政組織が機能をしていない。
 では、逆にお伺いします。
 私たちは、給水、あるいは、自衛隊でいうとその設営、土地を借りなきゃいけないですね、それの契約は各部族とやればいいんですか。市のさまざまな行政の中で、そことの話し合いやあるいはその人たちの了解というのは要らないんですか。

○外務大臣 経済協力の契約ということでいいますと、サマワ市を対象にして行うということは今考えていないということです。
 それから、先ほど御質問の、どのような当局があるかということですけれども、サマワ市に限らず、イラクというのはもともと非常に行政機構がしっかりしたところでございまして、先ほど堂道局長がお答えしましたように、サマワ市においても出先機関というのはずうっとしっかり機能してきた。例えば道路局ですとか保健局ですとか、そういったものが存在をしているということであって、こういった行政機関がきちんとしているので、先ほど来申し上げていますように、日常生活は淡々と行政サービスを受けることができるということであります。

○原口一博 それでは、参考人にお伺いします。
 今、外務大臣がお話しになった、各行政サービスを供給している行政機関と市の評議会の関係はどうなりますか。

○外務省中東アフリカ局長 市評議会と行政機関でございますけれども、市評議会は基本的に住民の意向を吸い上げる機能を果たしてきたと承知しております。同時に、行政機関に対して、あるいはCPAに対して、住民の意向を伝達する役割を果たすと承知しております。

○原口一博 行政をつかさどるそのヘッドクオーターが市の評議会でしょう。違うんですか。

○外務省中東アフリカ局長 基本的に行政の責任はCPAにあると承知しております。
 CPAにつきましては、市評議会との関係でございますけれども、二〇〇三年九月、六月にCPA指令によりまして、中央政府各省出先の活動をモニターする権限を市評議会の議長が与えられていると承知しております。

○原口一博 CPAが行政の責任があるわけですね。そうすると、今外務大臣がお話しになったことと全然違うじゃないですか。

○外務大臣 今局長がお話をしましたことは、イラクの統治の最終責任がCPAにあるということを申し上げているわけでして、日々の行政の監督それから企画、これはそれぞれの市の評議会、その市の評議会のあり方は、今まさにシステムが進化の過程にありますので、地域によって違うところはありますけれども、基本的に県あるいは市レベルの行政サービスの提供を企画、監督する立場にあるというのが地方の評議会であるということで、全体的に、最終的にCPAが責任を持つということで申し上げているわけです。

○原口一博 今外務大臣がお話しになったとおりだとすると、それぞれの市の、先ほどお話しになった各行政機関を統轄するのが市の評議会でしょう、それがないわけですから、大変な混乱になるんじゃないんですか。
 もう一つお伺いします。治安についてお伺いします。
 治安について、先ほどこの数字を挙げましたが、サマワはこの二月―三月、まさに大規模な巡礼、これが来る、そのリスクヘッジをどうやるかということを本会議でお話ししました。しかし、皆さんは本当に国民の皆さんにちゃんとした襲撃の情報を上げているんでしょうか。
 サマワ周辺では連合軍に対する大きな事件は発生していないということを言っていますが、これは本当ですか。私が挙げただけでも襲撃事件というのはたくさんありますが、十二月―一月のサマワにおける連合軍に対する襲撃事件を、政府参考人、挙げてください。

○防衛庁運用局長 お答え申し上げます。
 いろいろ報道等でもございますが、当方で現在把握しております連合軍に対します攻撃は、十二月六日のサマワ―ヒッラ間でハンガリー軍の車列が銃撃を受けたが死傷者がなかったという、この一件でございます。

○原口一博 私たちは、そうは思っていません。十二月十五日や、あるいは、これは世界のさまざまなところで報じられているところを挙げただけで、この一カ月、二カ月の間、サマワでの襲撃事件あるいは治安の悪化は深刻化しているというふうに見るべきじゃありませんか。違いますか。

○防衛庁運用局長 お答え申し上げます。
 先ほどちょっとお話ししましたが、報道等で伝えられておる、確かにデモだとか、あるいは、先般先生御指摘のように、市内北部でイラク人……(発言する者あり)そういう意味で、連合軍への攻撃は先ほど申した一件でございます。
 ほかのものは、いわゆるデモだとか、あるいは警察官の殺害、あるいはポルノ映画のビデオ、CDを販売している店舗で爆発があったとか、いわゆるそれ以外のものは大分報道等で上がっております。

○原口一博 数十名の武装グループが十二月二十二日、サマワ及びホダル・シティーに続く道路で米軍を襲撃しているじゃないですか。僕らが拾っただけでもいろんなものがある。
 皆さんは、自衛隊を派遣しなければいけないということを先に持ってきて、そういったものを総理や官邸に上げるのを怠っているんじゃありませんか。違いますか。

○防衛庁運用局長 これは一件と申しましたが、あとは、連合軍への攻撃という形では我々は把握しておりませんで、例えば、先生、報道等でございました、五名のテロリストを市内で拘束云々というようなことが大分報じられましたが、あれを調べてみましたら、やはりそれはそういうものではなかった。(発言する者あり)そうですか。
 私怨によりまして、私怨によって彼らがテロリストだというふうに、そういうふうに警察当局の方へ申し出た者がおりまして、それに基づいて逮捕しまして、いろいろ調べましたが、爆弾とかそういうものは一切出てこなくて、その後状況がわかったというようなことはございます。

○原口一博 委員長、御注意いただきたいのは、私は具体的に日にちを挙げて、米軍が襲撃をされている、それは事実かということを聞いているんです。あなたは、十二月五日ですか、それ以降はないとおっしゃったじゃないですか。
 こんな基本的なことも違っていて、どうやって自衛隊を派遣できるんですか。もうこれ以上質問できないと思います。

○防衛庁長官 先生、恐縮です。
 今十二月二十二日に米軍が襲撃されたというふうにおっしゃいました。それがどの地域で行われたものか。私は、サマワというふうに先生おっしゃいましたね、サマワ市内で米軍が襲撃されたのが十二月二十二日という御指摘だとするならば、私ども、そのような事象は承知をいたしておりません。

○原口一博 私ははっきり申し上げました。サマワ及びホダル・シティーに続く道路でというふうにお話をしたわけです。(発言する者あり)ほかにもたくさんあるわけです。
 周辺の地域や皆さんが持っていらっしゃる情報をしっかりと出すべきだと思いますが、いかがですか。

○防衛庁長官 恐縮です。
 わかりました。そこの道へ、サマワとほかの都市へ続く道路の上でそういう襲撃があったという御指摘であれば、それは御指摘、私どもが申し上げた中には入っておりません。
 ただ、私どもが申し上げておりますのは、サマワ市内においてどうなのかということを調べております。私どもが行動しますのはサマワ市内であり、そのサマワ市内における治安の状況がどうであるかということについて御報告を申し上げておるところでございます。

○原口一博 だから、よく議論を聞いていただきたいんです。私は、サマワ周辺では連合軍に対する大きな事件は発生していないと皆さんがおっしゃるから、これは事実ですかということで、一つ一つ調べて、だれが市内に限ると言いました。
 そういう詭弁を弄して、そして国民に対して議論を逃げる、このやり方を強く糾弾して、質問を終えます。