予算委員会

平成16年2月19日(木曜日)

○予算委員長代理(北村直人) 次に、原口一博君。

○原口一博 民主党の原口一博でございます。
 関係大臣に、通告に従い、質問をします。
 まず、経産大臣と中小企業庁長官に御質問いたします。
 まさに日本の活力である中小企業、今地域では、さまざまな金融の状況もあり、大変な苦労をされています。その中で、中小企業協同組合法に基づく商工共済組合、これが佐賀県において、佐賀商工共済組合が破産をいたしました。
 同組合の所管行政庁は佐賀県であるというふうに理解していますが、これでよいのか。また、一般的にはこの事業協同組合の所管は経済産業省、つまり中川大臣の所管であると思いますが、この事業協同組合が破産したときに何らかの救済措置はあるのか。中小企業協同組合法を所管する中川経産大臣にお伺いしたいと思います。

○経済産業大臣(中川昭一) 今委員御指摘のとおり、この事業協同組合というのは、中小企業者の相互扶助の精神に基づきまして協同して事業を行うために設立された、法人格を有した組織形態でございます。
 御指摘の、佐賀商工共済協同組合についての中小企業等協同組合法上の所管行政庁は、設立認可を行った佐賀県でございます。
 国として組合破産時の救済措置は設けておりませんが、同組合の破産につきましては、佐賀県において対応をされるものというふうに理解をしております。その場合に、中小企業等協同組合法におきまして、その責任等について規定をされておりますけれども、それにのっとって県において対応すべき問題と考えております。

○原口一博 大体、県をまたがるもの、あるいはほかの、こういう共済以外のものについては経産省が持っているわけですが、佐賀県においては、昨年の暮れですか、一通のメールによって銀行に取りつけ騒ぎが起こるというようなこともあったわけです。これはどういうことで起こっているかというと、やはり、公的なものに対する信頼、金融や地域の経済の見通しに対する信頼が失われているからこういうことが起こっているんだというふうに思います。
 事業協同組合が破産した際に、つまりこれは商店街とかそういうものに法人格あるいは組合としての資格を与えている法律でありますから、その分、理事の責任というのは大変重いというふうに思っていますが、理事の責任はどのようになっているのか、経産大臣にお伺いいたします。

○経済産業大臣(中川昭一) 原口委員御指摘のとおり、この佐賀組合は、昨年八月十九日の調査によりまして、資本の減少が確認されまして、乱脈経営が明らかになったわけでございます。
 この場合には、中小企業等協同組合法におきまして、その組合の業務の執行は理事会が決定する、その理事が任務を怠ったときは、その理事は組合に対し連帯して損害賠償の責に任ずる、したがって、仮に破産した場合には、その組合の理事がその任務を怠ったときに理事は組合に対してその責任を負うということになっております。

○原口一博 大臣の御答弁のとおりだと思います。理事は、大変大きな、無限責任を持つ、そしてその時効についても大きな責任を持つというふうに思います。
 この商工共済組合は破綻する以前から粉飾決算を行っていたと言われておりますが、法務省に伺います。粉飾決算を行った場合に、だれにどのような犯罪が成立するのか、これは一般論で結構ですからお答えください。

○法務省刑事局長 お尋ねは、一定の状況を想定して犯罪の成否をとらえるものでございますが、犯罪の成否は収集された証拠に基づきまして個別に判断されるべき事柄でございまして、お答えをいたしかねるところでございます。
 なお、お尋ねの佐賀商工共済組合につきましては、平成十五年十二月二十五日、佐賀地方検察庁において、同組合理事等を詐欺罪で告訴する旨の告訴状を受理した旨公表しておりまして、同地方検察庁において適宜適切に対応するものと承知しております。

○原口一博 刑事局長、一般的な粉飾決算の場合、だれにどのような犯罪が成立するかということを申し上げたので、特定の事件について伺っているわけではございませんので、そのことは改めて申し上げておきます。
 一方、これは認可でございますから、認可権者は大変重い義務を負うわけです。佐賀県は、平成八年ころ同協同組合を内々に調査し、そのころから同協同組合の粉飾決算の実態を知っていたにもかかわらず、特段の対策をせず放置していたということが言われています。
 このことによって、一万六千人、大変、毎日毎日、子供さんの学資やあるいは事業の資金、こういったものを預けていた人たちが、そのお金が一瞬にして、これは竹中大臣の金融のところと違いまして預金保険法の保護を受けませんから、自分たちが預けてきたものも一瞬にして返らない、こういう状況になったわけでございます。
 刑事局長に伺いますが、こういう、認可権者、つまり監督の責務を負う者が粉飾決算の実態を知っていたにもかかわらず特段の対策をせずに放置するということがあっていいんだろうか。法的な整理はどのようになるんでしょうか。お尋ねを申し上げます。

○法務省刑事局長 委員が一般論としてお尋ねになっていただいていることは十分によく理解しているところでございますけれども、いかんせん、繰り返して申しわけございませんが、犯罪の成否は収集された証拠に基づきまして個別的に判断されるべき事柄でございますので、なかなかこれも、一般論としてもお答えいたしかねるところがございますことを御理解いただきたいと思います。

○原口一博 そうしたら、さっきの答弁よりもっと悪いじゃないですか。
 一般に、いわゆる行政官庁が、認可をしたところがきっちり指導をし、そして検査をし、そのことをずうっとこの予算委員会だって議論してきたわけですよ。金融の分野で、厳しく検査をし、そして指導をし、改善命令を出し、それに従わない場合はさらなる措置をやる。
 ところが、この規制改革の中でさまざまな外債を買えるようになってきた。外債を買えて、この商工共済なんというのはアルゼンチン債に幾ら投資しているんですか。こんなポートフォリオを組むところがあるなんというのは、見ていればすぐわかるじゃないですか。すぐわかるものを、ここまで認可してきたところがどうしてほうっておいたのか、調査をしながら、指導をしながらほうっておいたのか。そのことが被害を拡大した。
 これは何も佐賀県だけの問題ではない、似たような、商工共済のような事件はいろいろなところで起こり得る可能性があるから申し上げているわけで、今の刑事局長の答弁は私は納得いきません。実際にその責めを負うべき認可権者がそれを怠ったときに、一般論で結構ですから、どういう法律――なぜだめなんですか。前半はおっしゃったじゃないですか。お答えください。

○法務省刑事局長 何かの犯罪があるかもしれないということを知りながら放置していたというようなことがもしあったといたしました場合に、その事実関係を確定いたしませんと、その放置自体が罪になるということはなかなか難しいところがございます。
 恐らく委員は、新聞報道等とかでいろいろと言われていることも根拠にされているんだと思いますが、要は、その放置されたことが法的評価として他の何らかの犯罪に加功したことになるのかどうかという法的評価があるわけでございまして、その法的評価を決める前にまず事実を確定しなければ、もともとの行われている犯罪が何かであること、何かということが確定できない以上、それに対する加功というものの法的評価もなかなか一般的には言えないということでございます。

○原口一博 個別の案件についても言えない。一般論も言えない。では、何を聞けばいいんですか。
 この問題はどういう問題かといいますと、中川大臣、地域の一定の政治家と、それから県から天下った事務局長と、そして、それを知りながら内々に隠してきた者が、本来であればもっと被害は小さくてよかったものを、自分たちが内々に処理をしようと、粉飾決算を知って、しかし、アルゼンチン債でそれこそ何とかお金が戻ってくるかもわからないということでさらに深みにはまっていったわけです。
 こういうことをどのように防げばいいか、これは竹中大臣にも後でお伺いしますが、やはり、中小企業あるいはさまざまな経済主体、あるいは消費者と、多くのこういう事業を行う人との間には情報の格差が随分あります。今、竹中大臣、消費者問題についても契約をめぐるトラブルが物すごく多くなっている。私たちは、この国会で消費者保護基本法の三十六年ぶりの改正をお互いに知恵を出し合ってやろうということを言っているわけです。しかし、その経済を活性化させ、市場をオープンにするについても、そこの一人一人がやはりしっかりとルールに守られていないといけない。
 こういうものを行政とまさに一緒になって、この歴代の理事長は政権政党の参議院議員ですよ。粉飾決算を知っていたときの理事長はだれですか。ここでは実名は言いません。そして、その粉飾決算を告発した現理事長は県会議長ですよ、県会議長の経験者で現職の県会議員です。政界と、そして県と、そしてこの商工協同組合というものが癒着を繰り返して、自分たちの都合の悪いものは隠して、その結果破綻して、一人一人が、まじめに頑張ってきた人たちがばかを見る。こんなことを許していたんでは、日本の市場というのは健全に発達しないし、中小企業の発達もないということを申し上げたいと思います。
 中川大臣に再度お伺いしますが、今後、本件のような事態に――私は法が悪いんだとかいうふうに思いません、中小企業協同組合法は大事な法律です。この法律の運用についてもやはりもっとチェックがきくようにすべきだというふうに思いますが、中川大臣の答弁をいただきたいと思います。

○経済産業大臣(中川昭一) 今、原口委員も御指摘になりましたように、中小企業等協同組合法において、組合は、毎事業年度ごとに事業報告書、財務諸表等を所管行政庁に提出する義務がある。また、所管行政庁は、報告の徴収、検査、監督上の命令を有するということになっているわけでございます。
 そしてまた、その理事たちの責任というものは、先ほど申し上げたとおりでございます。そして、その組合の目的というのは、今委員の御指摘のように、組合員の福利厚生等のために役立てるという目的でございますから、きちっとした監督というものが当然求められますし、理事者の責任というものも当然求められるものだというふうに考えております。
    〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕

○原口一博 中小企業庁長官にも、きょう、お見えいただいていますね。
 日々さまざまな限られた情報や限られた活動範囲の中で頑張っていらっしゃる中小企業を守るために、どのような施策をお考えなのか。今後、こういう事案は、これは行政と一体になられて――私もずっと聞き取りしました。もうみんな、年越せるだろうか、この四月越せるだろうか、そう言っている。その中で彼らは、商工会でこのお金を集めていたり、まさに公的機関と間違って、あるいは竹中大臣のいわゆる預金保険法の対象と間違って、大事なお金を何百万、何千万と預けて、それがゼロになっているわけですよ。
 こういった問題についてどのように取り組むおつもりか、そのことだけお尋ねしたいと思います。

○中小企業庁長官 お答えいたします。
 先生おっしゃいましたとおり、中小企業事業者にとりまして、この組合というのは大変有益に活用を長い間してきているわけでございまして、したがって、その使命は非常に重大なものがあると思います。そういう意味も込めて、私ども、国、地方自治体は挙げて中小企業に対するこういう施策が適切に行われるようにきちっと監督、運営について管理する責務があるというふうに思っております。
 この法律におきましては、その責任を、所管行政庁という観点で県域内によって行われる組合活動については県に負わせているわけでございます。したがいまして、本件の場合のように、佐賀県が許認可をした場合には、こういった組合運営に疑義があると思われるような組合に対して、佐賀県が、これは先ほど大臣の方から申し上げました報告徴収、検査、監督上のいろんな施策を用いて適切に対処をしていくということが大事ではないかというふうに思っておりますし、私どもも、私どもの関係におきましては、こういったことを適切に運営していきたいというふうに心がけておるわけでございます。

○原口一博 そこで、やはり一人一人の中小企業にこの法の趣旨やさまざまな危険についても知らせる必要があると思いますね。民主党は、この問題についての調査チームを党内につくって、昨年、現地調査に派遣しました。今後もこのことについて追及をしていきます。中小企業を食い物にして自分たちの責任を逃れる、こういったことは絶対に許さないということをここで表明して、どうぞ、お二人、結構でございます。
 竹中大臣にお伺いします。きょうは政策的な話でございますが、消費者の権利について。
 私は、この消費者の権利については、やはりケネディ教書にありますように、ケネディ教書の四つの消費者の権利、それから、さまざまな今私たちが考えている消費者の権利、これはもともと社会的な権利、一人一人の消費者が安全で、そして自分たちの暮らしを安定的に暮らすための基本的な権利であるというふうに思いますが、竹中大臣の基本的なお考えをお聞きしたいと思います。

○経済財政政策担当大臣(竹中平蔵) 原口委員はネクストキャビネットでこの問題の御担当で、大変熱意を注いでおられると認識をしております。
 内閣府の中では国民生活局がまさにこの消費者の問題を扱うということで、我々も大変重要な問題というふうに位置づけております。
 権利云々、非常に厳密な法律論を展開するということでは決してないのでございますけれども、やはり日本の消費者問題というのは、消費者保護基本法が一九六八年に制定されてから三十五年、三十六年、その枠組みについてやはり見直さなければいけない重要な局面にある。
 その中で、直接のお尋ねはその権利についてということでありますけれども、やはりこれは、消費者が安全で安心できる生活を送れるようにするためには、安全が確保されなければいけない、必要な情報が得られて適切な選択ができるようなことがまずもって重要であるというふうに思います。これらを消費者の権利として位置づけて、その権利を確保するために消費者の政策を推進していくことが重要である、そのような認識を持っております。ケネディ大統領の四つの権利と、理念としては、その意味では匹敵しているものなのだろうというふうに思っております。

○原口一博 そこでは、消費者が適正な情報を受ける権利、あるいは選ぶ権利、それから補償される権利、さまざまな権利がある。そして、権利が守られて初めて消費者の自立ということも成り立つわけでありまして、この権利は、だれかが付与して、それにげたを履かせるから生まれるというものではないということをここで確認しておきたいというふうに思います。
 また、これは私たちの、超党派で、自由民主党さんは岸田先生それから河野先生が頑張っておられるということでありますが、その中でもやはりきっちり権利を書き込んで、そして今まで消費者保護会議、これも総理が議長でいらっしゃいますか、やってこられましたけれども、現実に言うと、今の時代、契約が複雑になって、そして一人一人が浴びるような情報を与えられて、その中で取捨選択できずにさまざまな被害も起こっておりますので、ぜひ私たち、これは法案をまとめますので、政府としてどのようにこれからの、今度三十六年ぶりの改正、この国会でやれば三十六年ぶりの、まさに消費者政策の憲法と言われる基本法の改正になるというふうに思いますが、将来を見越して、どのような法律であるべきだというふうに竹中大臣が思っていらっしゃるか、それだけ聞いておきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○経済財政政策担当大臣(竹中平蔵) 御指摘のように、三十五年、三十六年間、大きな枠組みが変わらない。しかし、世の中本当に変わったわけでありまして、消費者のトラブルの数だけ数えても、この十年間だけで実に四・六倍になっている。非常に環境が変わる中で、その枠組みそのものが変わらなければいけない。
 行政全体が事前規制型から事後チェック型にいく、そうした意味では、行政によって消費者を保護するだけではなくて、消費者にも自立した消費者になっていただかなければいけない。自立を支援するということも当然その中には入ってくる、重要なことであろうというふうに思っております。その意味では、基本法を見直すに当たっては、やはり基本理念を明確にして、その中では消費者の自立の支援や権利の問題もしっかり議論しなければいけない、そのようなことになるのではないかと思います。
 また、事業者の責務や消費者の役割をしっかりと見直していかなければいけない。それと、個別施策の充実強化が必要だろうし、政策推進体制の強化も必要であろうかと思います。
 内閣府の所管ということに関して言うならば、国民生活センターの活用のようなものをしっかりと、情報提供、啓発、教育等の中核的な機関として位置づけていく、そういうような配慮も必要だろうというふうに思っております。
 いずれにしましても、各党において今非常に真剣な議論が行われているというふうに聞いておりますので、我々としても必要な対応をとっていきたいというふうに思っております。

○原口一博 今、少し前向きの御答弁をいただきました。
 消費者というのは、もう今すべての国民が何らかの消費活動をやっている。国民と言いかえてもいいわけです。その権利がしっかりと、保護の客体ではなくて権利の主体であるということから法律を説き起こして、そしてしっかりとした消費者政策をそこの理念としてうたい上げたいというふうに思っています。
 また、都道府県も苦情処理のさまざまな責務があると同時に、国の責務についてもしっかり明定すべきだというふうに思っていますし、情報化や環境、こういう時代の変化に基づいて、そして時代に先駆けた法律にしていきたいということを申し上げて、きょうは、竹中大臣、もうこれで結構です。どうぞ。
 さて、私は、規制改革とそれから子供政策、消費者問題の担当をさせていただいていますが、これを貫くものは人間の尊厳と自由であります。人間の尊厳と自由が守られないと、そこには市場における競争も、あるいはさまざまな、一人一人が守られて安定した暮らしもない。そこで、私たちが議論しなきゃいけないことは大変広範囲にわたりますが、しかも深く議論をしていかなきゃいけない。
 その中で、先ほど水島議員が指摘をしました児童虐待について、このことについて少し、岸和田の事件を中心に、これは本委員会でも数名の委員が質問をされていますから、重複を避けながら、しかし、確認もしておかなきゃいけませんから、確認をしながら伺いたいと思います。
 まず、厚労大臣、児童福祉法や児童虐待防止法における通告の定義とは何ですか。
 きょう後ろにいらっしゃいます石田代議士が委員長のときに、私たちは、超党派の、これは全員賛成の議員立法で児童虐待防止法というのをつくりました。その中で、この通告、ここのところを強化したというのはこの児童虐待防止法の大きな柱になっているわけです。この通告というのはどういう定義にしているのか。
 それから、平成十五年四月の、本件の岸和田の事件について言えば、児童虐待防止法における、児童相談所職員と教師との間に通告があったのか、その人たちは本当に通告だと見ていたのか。
 私たちは調査団を入れましたけれども、どうも、調査書によると、弟さんが非行があった、だからその非行の相談に行って、ついでに、やせているからこのことについてもということで、結局は、その非行の担当のところとそれから児童相談所の虐待のところがつながっていなくて、そしてこのことが、この子にこの長い間、社会や教育やさまざまな福祉の手が届かないということが起こったのではないか。
 そういう心配を持っていますので、文科大臣、そして厚労大臣に、この通告の意義と、それから今回の、通告の意識あるやなしや。これは、私、現場を責めているわけじゃありません。実態がどうであるかということがわからないと対策ができないから聞いておりますので、そのことも踏まえて御答弁をいただきたいと思います。

○厚生労働大臣(坂口力) 今、原口議員がお述べになりました総論的なお話は、私も全くそのとおりだというふうに実は思っております。
 今お話のございました通告でございますが、これは、本人からであろうと家族からの相談であろうと近所の人からでありましょうと、あるいはまた、それが文書であろうと口頭でありましょうと、匿名の形でのものでありましょうと、虐待の知らせがあるということは、すべて幅広くこれは通告というふうに受けとめております。
 今回の件につきましては、先ほどから御指摘をいただいたとおりでございまして、これは教師の側から報告があって、それに対して児童相談所の方がそれをお受けしたわけでございますが、しかし、具体的に、それを虐待というふうにはっきりと認識をして、組織的な連携をしなかったというところに最大の課題があるというふうに思っております。

○文部科学大臣(河村建夫) 児童虐待防止法によりますと、第五条では、学校の教職員、それに医師とか保健師も皆入っているんですが、学校の教職員は、「児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない。」こうなっておりますし、通告については、第六条で、「児童虐待を受けた児童を発見した者は、速やかに、これを児童福祉法第二十五条の規定により通告しなければならない。」こうなっているわけでございます。
 今、厚労大臣からもございましたが、この岸和田の事件、私どもも、専門家を派遣して、実態調査をさせて報告を受けて、非常に反省点がございました。
 今の通告の問題でありますが、この事件において、これが児童虐待防止法の通告であるという意識が十分でなかったという点もあったろうと思います。その点が、児童相談所には相談に行ったのでありますが、そういうことがきちっとしていなかったという点が反省でございますし、それから、いわゆる学校全体も、兄弟ですから、担任が別々に家庭訪問しておったというようなことは、本当は学校ぐるみでやればわかっておったというような反省がございまして、この実態を受けて、今後の対策を十分立てていこう、こう考えておるわけでございます。

○原口一博 この児童虐待防止法ができてから、その後でももう百人以上の大切な命が失われているんですね。
 例えば、今度児童福祉法の改正案も出ていますが、これもいわゆる地方自治法を誠実にトレースして、都道府県の役割と市町村の役割とが分けられています。ただ、こういう危機管理の大きなフェーズに当たるものは、かっちり分けるんじゃなくて、それぞれがオーバーラップする部分を危機管理のために持っておくことが大事だと思います。
 今回、児童相談所の中でさえ、こっちとこっちというセクションの違いによって情報が行っていない。ましてや市町村や都道府県の間では、余計キャッチボールが行われてみたり、意思の疎通が十分に行われないことによって大切な命が失われては絶対ならないということを指摘しておきたいというふうに思います。
 文科大臣、これは義務教育で結構ですから、一年間に一カ月以上、これは一年を通じて、ずっとじゃなくても結構です、通算で結構ですが、三十日以上学校に、不登校と申しますか、行けない子供たち、行かない子供たちというのは何人おりますか。

○文部科学大臣(河村建夫) 平成十四年度の国公私立の小中学校における不登校児の数でございますが、十三万一千人ということでございまして、これはずっとふえておったのでありますが、これが非常に大きな社会問題だということで、学校も大変この対応をしてきたせいでもあろうと思いますが、平成十四年度初めて、三年以来初めて減少したという状況でございます。
 しかし、依然として十三万を超える子供が三十日以上学校に行かない状態があるということは、やはりこれは憂慮すべき状況にある、このように考えております。

原口一博 私も、これは大変憂慮すべき問題だと思います。しかも、数は減っていても、少子化で母数が減っていますから。だから、単に数が減ったからめでたしめでたしというわけには絶対にいかないというふうに思います。
 さらにお尋ねをいたしますが、その中で、経済的な要因で学校を欠席している児童生徒の数及び最近の傾向はどうなっていますか。

○文部科学大臣(河村建夫) お答えします。
 経済的事由によって三十日以上欠席している児童の数は、平成六年度には千二十人おったのでありますが、これは減少しておりまして、平成十四年度では三百八十人ということの報告を受けております。
 これは、長期欠席については、社会的、個人的な背景もいろいろあるわけでございまして、やはり経済的事由によって学校を欠席する児童がいてはいけないわけでありますから、これの減少にはさらに努めていかなきゃいかぬ、こう思っております。

○原口一博 私たちの実感と今の数字は、少しかけ離れています。
 さらにお尋ねしますが、小中学校において本人の安否が、今回の岸和田のこの中学校三年生のように、学校側から確認できない子供たち、これはどれぐらいおりますか。

○文部科学大臣(河村建夫) これは、この状況把握に努めるようにということで今指導をいたしたわけでございますが、具体的な数字、全国に、安否が、状況がはっきりできないという状況を数的につかんでいないことがわかりましたので、これは早急に把握する必要があると私も思っておりまして、それでないと対策が立たないのではないかということを改めて今指導いたしたところであります。

○原口一博 何回も、こういう悲惨な事件を繰り返さないと言いながら、結果的に、今前向きの答弁をいただきましたからそれで了としますが、本人の安否さえわからない。これには、中に立ち入れなかったりさまざまなジレンマがあります。だからこそ、ここの分野についても、私たちも、与党の皆さん、野党の皆さん、さまざまな皆さんと議論を重ねて、児童虐待防止法の改正、これも必要だと思っています。
 そこで、一時保護と申しますか、安全の確認ということがやはり一番大事なので、この子と同じように、だれの手も届かないで、だれにも助けを求めることができないでいる子が今私たちの目には見えていないということじゃないですか。ぜひ早急にこの対策を練っていただきたいし、私たちは、国会ですから、立法者としてのその務めをどういうふうにすればいいのか、立ち入りの問題もどういうふうに整理をすればいいのか、ここについても議論を詰めていきたいと思います。
 しかし、義務教育、さっきの学校教育のところだけでも十三万一千人もいらっしゃるわけで、それをもっと小さい人たちに当てはめたら、もっといるかもわからない。もっと手が届かないかもわからない。大変社会が荒れて、そして、一人一人が虐待というのは人権侵害であり犯罪であるということをしっかりと受けとめて対策を練っていくことが大事であるというふうに思います。
 文部大臣それから厚労大臣、それぞれ、今後どのような対策を、私は、短期、今すぐできる、ミニマックスですね、最大の危機を最小にするための今すぐやるべきこと、それから中期でやること、長期でやること、この三つを早急に固めて実行に移さなきゃいけないと思いますが、それぞれ御所見を伺いたいと思います。

○厚生労働大臣(坂口力) 現在の問題といたしましては、現在あります児童相談所、あるいはまた地域におきましては民生委員でございますとか、あるいは保健師の皆さんでありますとか、さまざまな立場の人たちがいるわけでございまして、そうした皆さん方の連携をいかに密にして、そしていわゆる組織的な一つの連帯のもとに問題の解決に当たれるようにどうするかということが近々の課題だというふうに思っております。
 今後の課題といたしましては、そうは申しますものの、児童相談所、これは県の単位で、それぞれの県にそんなにたくさんあるわけではございませんし、全体を十分に把握していけるのかどうかという問題もございます。したがいまして、市町村にお願いをしなきゃならない部分もあろうかというふうに思っております。
 県の単位、それから市町村の単位、それからもう一つ、全体にわたります民生委員等のそれぞれの仕事の人たち、これは、仕事のそれぞれの分担を持ちながら、そしてこれから主にどういうふうなことをやっていただくかということをやはり決めていかないといけないと思います。
 その決めますときに、先ほどお話ありますように、オーバーラップせずに仕事と仕事との間にすき間ができるということがあってはならない、そこが一番怖いというふうに思っておりますので、互いにオーバーラップしながら組織を拡大していくということにしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。

○文部科学大臣(河村建夫) まず、学校現場そのものがこの児童虐待防止法の法律ということをきちっと理解して、学校というところが一番児童虐待を発見しやすい場所だということをきちっと認識することがまず必要だろうと思います。
 その上で、専門家の皆さんにもお願いをして、科研費を使って、今、そのための学校の対応をどうしたらいいかという調査研究をいたしておりまして、この報告も受けた上でとも思っておりますが、このたびの岸和田事件の先ほど申し上げた反省に立つならば、やはり学校がきちっと組織ぐるみでやる、そして不登校という問題も、その裏に虐待もあるんだという意識を持つことが必要だということを改めて確認していきたいというふうに思っております。
 さらに、児童相談所との緊密な連携ですね、絶えず連携をとり合う、そういうことが必要であろう。それから、地域の皆さんのいろいろな学校との連携もしっかり深めていくということが虐待防止に向けての大事なことではないか、こう思っておりまして、改めて今回のこの事件の反省に立ちまして、そうした取り組みについて周知徹底を図ってまいりたい、このように思っております。

○原口一博 この問題は、法案審議の中でも詰めていきたいと思います。
 虐待の連鎖が起こる。大体三割ぐらいは虐待が連鎖をする。それから、目の前でさまざまな暴力を見せられる、このシーンが日本では多過ぎます。かつて文科大臣と一緒の委員会で、Vチップのことも私も提起をいたしました。目の前で暴力を見せられること自体も、これも虐待の一つであります。私たち国会で使う言葉もやはり注意をしなきゃいけないなというふうに思います。
 さてそこで、限られた時間でございますので、年金について伺います。
 ちょうど一年前に年金基金の運用についてただしたときに、厚労大臣は改善をするということをおっしゃいました。年金運用基金、ことし一年で三兆六千億、そして去年で三兆円。十月一日の本委員会で厚生省に、私は、年金運用の実態について明らかにしてくださいという要請をしましたら、出てきました。
 これはもう皆さんお手元にあると思いますが、これを見て、厚労大臣どう思われますか。株のこんなポートフォリオを、これは預託金が減っていきますから、その分債券に行くんでしょうが、株式はずっと広がっているじゃないですか。どのように改善されましたか、年金の市場運用のやり方について。

○厚生労働大臣(坂口力) まず、今進めようといたしております改革点についてでございますが、今、資金運用部の組織があるわけでございますけれども、まず、その組織そのものを変えなきゃいけないというふうに思っております。新しく独法をつくりまして、そこに移して、そして新しい体制をそこにつくっていく。そして、厚生労働省から一定の距離を置いた施設をつくって今後の運用をしていくというふうに、制度としてはしたいというふうに思っております。
 現在の資金の運用の中身でございますが、これはどんどんとこれから資金運用部の方にお金が返ってくるわけでございまして、ここは御指摘のようにふえていくわけでございます。この中で、ここをどういうふうな割合によって運用していくかということにつきまして、そのこともあわせて、新しく独法をつくりましてその中で今後決めていただきたいというふうに思っております。
 できれば、この前も私、御答弁申し上げたと思うんですけれども、一つのことに偏らないようにしていかなきゃいけない。国債等を今後もこれは購入していくということにつきまして、債券の運用につきましては、もう最後までそこはお預けをしておくというような制度も含めて検討をしていくということに今後したいというふうに思っております。
 一番肝心のところは、債券と株式等との割合をどうするかということが最大の課題になるというふうに思っております。
 株式の運用ということが続きますと、確かにここは変動が大きいわけでございます。変動が大きいものですから、例えば十四年度につきましては三兆五千億ぐらいのマイナスになる、ことしになりましてからはこれがまたもう三兆五千億ぐらいプラスになるという、これは変動が非常に大きい。それだけに危険性もあるわけでございますので、国債等を中心としながら、これから、リスクをより少なくしていくためにどういう組み合わせにするかということにつきましても、これは専門家の人にある程度御意見を伺いたいというふうに思っておりまして、今、この新しい独法の理事長さんは一般の方を入れて、そして専門家によってここは議論をさせていただきたい、こういうふうに実は思っている次第でございます。

○原口一博 しかし、厚労省さんからいただいているこれを見ると、ポートフォリオの中の株の比重というのはそんなに落ちないんですよ。これを見れば、恐らく、日本の経済は今デフレからの脱却をずっと言って、それをこの委員会での主要なテーマにしてきましたけれども、緩やかなインフレになっていくだろうということを前提にしながら株をインフレヘッジさせているポートフォリオにしか見えない。
 この状況の中で、じゃ、何が起こっているかというと、今大臣がお話しになったように、国内の株式アクティブだけで運用受託機関を見てみると、実績、これはひどいですね。三角の二一・七四%、二二・七四%、二三・三二%。それぞれ、そうそうたる銀行や信託機関が物すごい赤をあけている。彼らには何のペナルティーもないわけでしょう。これは自分のお金でやっていたら、ここはつぶれていますよ。
 私は、株式で運用してはいけないということを言っているんじゃないんです。株式と国債やさまざまなポートフォリオの根拠をしっかりと示して、そして、そのことについて、こんなポートフォリオで本当に大丈夫なのか、このことを議論しなきゃいけないということを申し上げています。
 そして、私は、今回改革案を見て、やはりがっかりしました。消費税の引き上げのときに私たちは反対をしました、これが経済に与えるインパクトがどれだけ大きいかと。国会議員になったばかりでした。あのとき、二%の消費税の上げということでああいう反対をしたわけですが、今回のこの年金保険税、この引き上げは、厚生年金部分で消費税何%に当たりますか。そして介護保険料、地域に行って皆さんお聞きになったら、この一年でどれぐらい上がっていますか。一七とか一八上がっている。
 つまり、所得税は下がっていても、その分保険税やあるいは医療、そして介護保険料、こういうものがどんと上がっている。大増税の予算を組んでいるんじゃないかということを指摘をしておきます。
 どうぞ、文科大臣、厚労大臣、これで結構であります。
 委員長にお願いをしますが、この年金の問題は、やっとこの資料が出てきたばかりです。こういう資料をもとにしっかりとした議論をしないと、国民の負託にこたえることができないと思いますので、本委員会で集中的な審議を御議論いただきますようにお願いを申し上げます。

○予算委員長(笹川堯) 理事会で協議します。

○原口一博 さて、私は、規制改革、行政改革のことについても、石原大臣、随分頑張ってこられて、そして、私も今回規制改革のネクスト担当になっているわけですが、本当に独法というのは要るんだろうか。そして、こういう事態、これから申し上げますが、事態を目の当たりにすると、こういうものをなくすことこそが行政改革であり、日本のまさに官僚社会主義的な経済を本当の市場に戻していく、自由に戻していく、その契機になるんじゃないかというふうに思います。
 きょうは住宅・都市整備公団の総裁にもお見えいただいておりますが、総裁にお伺いいたします。
 大阪の和泉市における、これはRCCのときも和泉市でした。私、全国各地、定点観測で、どんなことが起こっているだろうか、民主党の国会Gメンでもいろいろな議論をしていますが、また和泉市なんですが、住宅・都市整備公団が和泉市に昨年から整備をされている土地、広いですね、三百四十へクタール、大きな土地でございますが、この土地について、まさに造成を発注されて、関口産業ですか、という建設会社が落札をして、二〇〇四年一月までの工期で工事をしていたというふうに私は承知をしています。
 しかし、そこで起こってきたことは、ここに実際にビデオがございますが、どうしてさまざまなダンプが、これは私が公団からいただいた資料によると、中にある山を、土地を崩して、そして池を埋めるというものなんですが、私が持っているビデオには、どんどんダンプが入ってきていますよ。そのダンプは、見るところによると、産業廃棄物を積んでいる。日本全国各地で産廃の不法投棄が叫ばれていて、国交大臣やさまざまな政府の皆さんも頭を痛めていらっしゃるその中で、どうして、皆さんがこれから健全な、良質な住宅あるいは研究施設をおつくりになろうというここに産業廃棄物のようなダンプが入ってくるのか、全然わからないんです。
 このことについて、どのように調査をされたのか、まずお伺いをいたします。

○都市整備公団総裁 住宅・都市公団から、現在は都市基盤整備公団になっておりますが、今御指摘の話は、実は私どもの方にも一般の市民の方から、昨年の九月の一日でございましたけれども、地域外から廃棄物を持ち込んでいるということの通報がございました。
 早速、翌日、その元請業者にも事実確認を行って、それから現地の試掘調査を始めました。その結果、産業廃棄物らしきものが発見されましたので、専門的な土質コンサルタントやらあるいは財団法人の地域地盤環境研究所に、目視の調査をしたりあるいは分析調査をしていただきまして、調査の結果、やはり外から混入物が入っているということで、産業廃棄物が混入した土が外部から持ち込まれたものだということが判明いたしました。
 そこで、元請業者にそれを示しましたら、元請業者は、自分ではやっていない、しかし、現場の監督で、そういうのが入ったことは間違いないので、責任を認めまして、公団との契約違反になるから契約続行を辞退したい、そういう申し出がございましたので、公団は、昨年の十一月二十五日付で契約解除通知を行いまして、違約金、あるいは調査にいろいろお金を要しておりますので費用とか、あるいは産業廃棄物を搬出する、外へ出す費用、それを請求する旨を通知したところでございます。
 こういう、もともとフェンスがありまして、そのフェンスの中で土を動かすだけの工事でございますから、本来、外からダンプが入ってくるわけがないんですね。それで、そのフェンスは全部囲ってある上にかぎをかけてありまして、そのかぎもその業者に預けて、全面的に責任を持って管理しろ、こういうことになっております。
 したがいまして、外から入ってくるときには、恐らく休日だとかあるいは朝早くとか、そういうときに入ってきたんじゃないかなと思っておりますけれども、その辺の十分な管理ができていない。これは、実は、まず第一義的には元請業者に管理を任せるという仕組みになっておりますので、そういう中で起こった事件だと思っておりまして、大変この事柄自体は悪質な行為だというふうに思っております。

○原口一博 大臣、よくお聞きいただきたいんですが、今、フェンスは囲われていた、そしてかぎは元請に預けていたと。では、だれが入れたんですか。公団はどのような調査をされましたか。

○都市整備公団総裁 入り口にかぎをかけまして、不法な立ち入りができないように、現場の請負業者にも任せてあるわけでありますけれども、それはもちろん調べました。調べましたけれども、私どもはやっていないと。しかし、確かに入ってきているわけなので、かぎを預かっているのは私どもの公団の職員も預かっていますから、それももちろん調べましたが、その結果、そういうことはなかったわけであります。
 そこで、私どもは、これは事実そういうことが起こっているわけなので、早速警察の方と打ち合わせておりますし、それから、こういう不法投棄物につきましては、大阪府庁の方で、環境部の方で扱っておりますので、そちらにも告知しております。現在、警察の関係では、大阪の府警本部と告発をするべくいろいろ協議を進めているところでございます。

○原口一博 かぎを公団の職員が持っていて、どうして別の人がここに入れられますか。そして、あなたたちは、当然、元請、下請、この人たちについても、一義的にはどうしたんだというふうに聞かなきゃいけないけれども、掘り返しもこの人たちにやらせているじゃないですか、調査も。違いますか。

○都市整備公団総裁 現場の管理のために出入り口のかぎを預けるというのは、普通の行為というか、何か緊急事態があっても対応せざるを得ませんので、現場の人に預けておくことは大事だし、その責任をその業者がやっていただくことは必要だと思っております。
 それから、警察の告発の関係は、これを協議いたしまして、それでそれを進めていきたいというふうに思っております。

○原口一博 時間が限られていますので、総裁、正確に答えていただきたいのは、掘り返しも、皆さん、きのう私に、十トンダンプ五十台分の産廃がここから見つかったんだ、だからあけてあるんだと。そして、朝いただいたこの資料、この資料を見ると、十トンダンプ九十七台分が入っていたんだと。もう一日で数が違っているわけです。それはレクとあれと違っても、まあ、ここでは問いません。しかし、皆さんは、この掘り出したものもその人たちに頼んでいるじゃないですか。そのこともおかしいということを言っているわけです。
 さらに、私の手元に幾つか資料が来ていますが、公団の皆さんが産廃の投棄のときに、見て見ぬふりをしているんじゃないか、そしてそこにいたんではないか、いや、いたんだ、公団の職員がいたときにトラックが入ってきても知らぬ顔をしていた事実があるんじゃないか。
 そして、もともとあった土をそこに埋めるわけですから、では、その土はどこへ行ったんですか。別の泥で埋められていたら、その土が余るわけでしょう。どこへ行ったんですか。売っているんでしょう。

○都市整備公団総裁 土を掘削するのは、それは業者に事実行為をさせただけで、どこを掘れとかいうのはこちらが全部指示しているわけです。出てきたものについて、どういうものかということの検査も全部こちらがやっていますので、こちらの責任で実施した調査です。
 したがって、業者がやっているということじゃなくて、その掘る事実行為だけを、そこにダンプや何かもありますので、やらせたということでございます。
 それから、今ほとんどの土は、そのそばのところから、小山から移すということをやっておりまして、今おっしゃったように、九十七台分の残土というのは、全体は一・五万立米ぐらいの土を動かしているわけです、既に。そのうちの六百四十立米ですから、だから九十七台分の一部でございますけれども、その一部も、全部、一万五千立米のところを全部掘り返しまして、そういうものがないかどうか全部検査いたしました。その結果が、このダンプトラック九十七台分ということでございます。

○原口一博 委員長、私が手元にいただいている資料では、十トンダンプ五百台分も入っただろうと。これは、今、産廃は幾らするのかわかりませんが、十トントラック一台当たり、産廃の処理及び運搬料で二、三万円だと。
 そして、こういう証言もあるんです。まあ、公団にもしかるべきことをしてあるから、こっちの責任もほどほどにしか追及されないだろうなという話が会議で出たと。
 かぎを預けていて、そして公団の職員もかぎを持っていて、何でこんなでかいダンプがどんどん入れるんですか。そして、あなた方が出した調査報告書には、だれがやったのかということも全然ないじゃないですか。そして、契約続行辞退申出書というのをこの建設会社に出させて、それで終わりになっているんじゃないですか。
 これは告発があったからあれだけれども、もしこれがわからなくて、そこに住んでいる人たちはどうなりますか。この産業廃棄物は健康に被害がありますか、ありませんか。

○都市整備公団総裁 今の産業廃棄物につきましては、まさにその地質調査をやっておりまして、その報告書の中にも出ているわけでございますけれども、ほとんど無害のものばかりでございます。
 ただし、建設残土でございますから、いろいろなガラは入っておりますけれども、一部、砒素の混入率が若干高いというのがありますけれども、安全度は確かめております。
 しかも、その残土は全部出しまして、外へ出して保管してありますので、これから刑事的な事件になったりすることもありますのでそこに保管してありますから、だから、今、全部その土地は安全にしてあるということでございます。

○原口一博 大臣、私は、こういう不透明な、しかも私たちが得ている資料では、飲食やゴルフの接待もした、お金も渡した、こういった証言まで出てきているんです。まさに公団ぐるみで外から産廃を持ってきて、そして、これはわかりませんよ、中の泥を外に出す。一度に何回おいしいんですか。これが事実だとしたら、物すごく悪質ですよ。
 大臣、私は、こういうことを公団でやる必要はあるのか、独法でやる必要はあるのか、民間にやらせるべきじゃないですか。足利銀行、委員長のお顔が見えるからあれだけれども、あんな感じでぶっつぶして、そして地域はむちゃくちゃにして、そして一方でこういう形で官業ビジネスをやっているんじゃないですか。
 大臣、どのような指示をし、この問題について調査をされ、この予算委員会に報告をされるのか、お尋ねを申し上げます。
 そして、総裁にお伺いしますが、国交大臣にこのことは報告してあったんでしょうか、あわせてお尋ねを申し上げます。

○国土交通大臣(石原伸晃) 御指摘の件についての経過というものは、総裁から御答弁がありましたので割愛いたしますが、やはり一つのポイントは、委員が御指摘されておりますように、かぎを預けてあった、そのかぎが壊されていたのかいないのか、壊されていてそこに搬入されたとするならば、それは外部の者の可能性という蓋然性が大変高くなる、そんなところに委員の御疑問があるんだと思います。
 そしてもう一点は、この建設業者ですけれども、入札によって指定された。そして、その入札によって指定された業者の監督不十分であるということは、その業者も認めている。すなわち、安かろう悪かろうということであっては、先ほど竹中大臣との、消費者が安心してできる売買あるいは取得する宅地、こういうものから考えても、その点は非常に大きな問題がある。
 国土交通省といたしましては、都市基盤整備公団を監督する立場でございますので、今後、より現場管理、現場管理がなされていなかったと言われても仕方ないような事実があるわけでございますから、徹底して、的確に事業を実施するように指示を、指示といいますか指導を既にいたしております。
 しかし、まだまだ解明しなければならない、なるほどなというような調査結果になっていないということは、ただいまの委員と総裁との議論を聞いていて、率直に持ちました感想でございます。

○原口一博 大臣、率直なお話をいただいてありがとうございます。
 廃棄物のこれほど多くの、そんな、朝やっただろう、日曜日やっただろうと。これほど多くの、皆さんが認めていらっしゃるだけで十トントラック九十七台分ですよ。これはそんな人里離れたところのあれじゃないですよ。わからないわけないじゃないですか。
 そして、廃棄物の投棄について、公団の皆さんと入れた業者の皆さんが一体となっていなければこんなことは、今まさに大臣がお話しになった、かぎが壊されたり不法に侵入したりしなければできないことじゃないか。
 これは引き続き、また本委員会やさまざまな機会でも追及をし、大臣、私は、官業ビジネスのそのセンターのようなものは、独法にもする必要ない、廃止もしくは民営化、これが必要であるというふうに思いますが、最後にそのことについて大臣の御所見を伺って、質問を終わりたいと思います。

○国土交通大臣(石原伸晃) 一点だけ確認しなければならない点は、先ほどの点と、もう一つ、公団の側は、昭和五十八年からの大きな開発事業でございますので、都市基盤整備公団の廃止論が始まる前からの工事であるということと、請負業者が責任を認めているということは、公団の総裁が言ったとおり、私は事実だと思います。
 そして、かなりの大規模な、三百六十ヘクタールでございますか、大規模な開発でございまして、当然、そこに優良な宅地あるいは施設、こういうものを地域の方々が望んだからこういうものが昭和五十八年当時スタートした。これからは民ができることは民にという立場でございますので、そういう必要性が出たときは、民間が率先してこういうものに従事していく形が望ましいものと考えております。

○原口一博 もうこれで質問を終えますが、このテープを、理事を通してこの理事会に御提示したいと思います。ぜひこれをごらんになって、しっかりとした捜査と、そしてこの組織、まさに、これが事実であれば、腐った組織ですよ。腐った組織で国民の命を危険にさらすわけにはいかないということを指摘して、質問を終えます。
 ありがとうございました。

○予算委員長(笹川堯) これにて原口君の質疑は終了いたしました。