内閣委員会

平成16年4月28日(水曜日)

○内閣委員長(山本公一) 次に、原口一博君。

○原口一博 民主党の原口一博です。
 今回の警察不祥事について、基本的なことを尋ねていきたいと思います。
 まず、これは平成十二年に、私たちも予算委員会で、当時の警察の信用が大変失墜した事案について、どのようにすれば国民の信頼を回復するかということで、議論をさせていただきました。そして一方、政府におかれては、第三者の警察刷新会議というものをおつくりになって、そしてさまざまな改革をやられたというふうに承知をしています。
 その中で数点まずお聞きをしたいと思いますが、警察における監察の強化というものがそこでうたわれていたはずです。これはどういうものですか。

○国家公安委員会委員長(小野清子) 今回の一連の事案に関しましては、監察の指示をなぜ出さないのか、そういう御質問かと思いますけれども……(原口委員「いや、違いますよ。警察刷新会議で」と呼ぶ)機能の強化策として、警察法改正で監察の指示が規定されたけれども、今回の一連の中で……(原口委員「十二年の」と呼ぶ)ええ、出されましたね。(原口委員「監察の強化の中身はどういうことでしたか」と呼ぶ)

○内閣委員長(山本公一) 吉村官房長。

○警察庁長官官房長 数字の問題ですから、私の方から答えさせていただきますが、平成十二年度は、警察庁で監察体制は六人、管区警察局は二十五人でございました。これが……(原口委員「委員長」と呼ぶ)

○内閣委員長(山本公一) 原口君。

○原口一博 私、基本的なことだけを聞いているんです。どういう、警察に対して、公安委員会も含めたさまざまな刷新がそのとき議論されて、それが実行に移されてきたかという前提をまず聞きたかったわけです。
 警察における監察の強化ということで、警察内部の自浄能力を高めること、それから、このために都道府県警察の監察担当官の増強はもとより、警察庁や管区警察局においての体制強化、それから管区警察局の設置などを図った上で、都道府県警に対して監察を頻繁に実施するなど国の関与を強めるべきであるということをここで大きくうたっているわけです。国の関与が強まったんですよ、委員長。そして、都道府県警察の首席監察官を国家公安委員会の任命とするなど、人事面での警察本部長からの相対的独立性を確保する。
 つまり、この委員会で委員長は何回も、今回の不祥事、まず自治体警察の中で調査をしなさい、自浄能力だというお話でしたけれども、もうそこを超えてきているんです。平成十二年のとき、それでチェックがきかなかったから、国家公安委員会の関与、そしてわざわざ、首席監察官ですよ、都道府県警の首席監察官を国家公安委員長が任命するという形にまでなって、ダブルのチェックになっているわけです。
 この認識は委員長お持ちだと思いますが、イエスかノーかでお答えください。

○国家公安委員会委員長(小野清子) 失礼いたしました。
 委員御指摘のとおり、警察刷新に関する緊急提言におきまして、国の関与強化の観点からは、都道府県警察の首席監察官を国家公安委員会の任命とするなど人事面でも警察本部長からの相対的独立性を確保するということも有益であるとの提言を受けているわけでございます。
 都道府県の監察部門の責任者たる首席監察官を順次地方警務官に格上げいたしまして、四月から四十七都道府県すべての首席監察官が地方警務官となったところでございます。国家公安委員会といたしましては、地方警察官であります首席監察官に対しまして任免権を有しておりまして、この点で、首席監察官は本部長からの相対的独立性を確保されているわけでございます。
 具体的な監察業務におきましては、都道府県公安委員会の管理のもと、本部長の指揮に従って厳正な職務の執行に努めているところであり、警察法上、国家公安委員会は、都道府県警察の業務に関しまして、地方警務官である首席監察官に対して直接の指示を行うことは予定していないと承知をしているわけでございます。

○原口一博 今おっしゃったとおりで、私たちは、平成十二年のあの不祥事に際して幾つもの知恵を、そして議論を、結論を得てきているわけです。つまり、今大臣がお話しになったように、警察本部と警察庁との二重の監察、そして国家公安委員会はまたそこに、いわゆる市民、国民の代表としてきっちりと監督をしていく、こういう役割なんですね。
 そこでお尋ねをしますが、大臣は、当初、ことしの二月十三日の記者会見でこう発表されておられます。今回の不祥事についてですが、警察庁といたしまして、その辺どうなっていたのかということをきちんと調査することが大前提となってくると思いますと。
 このとおりなんですよ、私はこのとおりだと思うんですね。それぞれの委員会、地方の公安委員会が調査をする、道府県警がやる、それとともに、警察庁が調査をし、どのようにすればいいか、ダブルのチェックですから、ダブルのチェックが働いていなきゃいけないわけです。
 警察庁から委員長に、今回の問題でさまざまな報告を上げていると思いますが、いつ、どのような報告が上がっていますか。

○国家公安委員会委員長(小野清子) まず、今回の一連の事案に関しましては、各関係の、北海道は北海道公安委員会、そして福岡は福岡の方の公安委員会が、それぞれ監察の指示を出しているわけでございます。
 ですから、私どもは、その指示を出されて、その結果を踏まえまして、警察庁なり我々国家公安委員会がどのように対処するかを決めるということで、今、各それぞれの公安委員会の指示のもとに行われているところを見守っているというのが現状でございます。

○原口一博 そこがこの警察刷新会議が予定したところと違うんです。
 今、役所が書いた答弁をされて、私、きのう委員長と小一時間お話をさせていただいて、大変誠実な方だなと。子供の虐待についても大変前向きな姿勢を示していただきました。大変人間的にも尊敬する方だなと思います。ただ、今委員長がお読みになったのは事務方の書いたものであって、警察刷新会議や私たちが予算委員会の中で議論してきたこととはやはり大きく違っているんですよ。
 現に、警察庁は今会議をやっているでしょう。どういう会議ですか、官房長。

○警察庁長官官房長 会議というのは、予算執行検討委員会を二月十三日に私が一応長でつくりまして、連日開いておりますが、その会議のことでございましょうか。

○原口一博 そうです。二月十三日に、今官房長がおっしゃった予算執行検討委員会、これはこう書いてありますよ。大臣、お聞きになってくださいね。「警察の予算執行の在り方に関して、多角的に検討し、その適正化の一層の推進を図ることにより、国民の信頼を確保するため、本日、警察庁に、官房長を委員長とする予算執行検討委員会を設置した。 同委員会においては、北海道警察における会計経理をめぐる事案の解明を図るとともに、」とちゃんと書いているわけです。そして、「警察の予算執行の在り方を検討し、その適正化を一層推進することとしている。」と。つまり、並行してやっているわけです。
 私は、官房長に質問いたしますが、これまで何回予算執行検討委員会は行われましたか。きょう、与党、野党の議員を問わず、情報公開、国民に対して開示をせよという話をされましたが、私はきのう一日この執行検討委員会の議事録を待っていましたけれども、公開していないということですが、どういうことですか。

○警察庁長官官房長 この当該予算執行検討委員会と申しますのは、私が一応トップになりまして、総括審議官と総務、人事、会計課長、それから、最近は首席監察官が中に入ることもありますし、会計の係、それから原局原課の人間が入ることもあります。
 それで、御承知のとおり、個別の案件について、例えば、北海道あるいは静岡等々の案件がありましたから、これは、警察庁の職員が当地に赴いて、いろいろ、事実関係がどこまで解明されているのかというようなことでこちらからも働きかけをしておりますし、こういう点が未解明だということを言っております。
 また、北海道や静岡県警から、あるいは福岡から当庁に参りまして、その委員会に来て、こういうふうにやっています、ここまで調査をしたので今度はこれですというようなことで。まあ、その意味では、きょうが一回目、この次が二回目というようなカウントをしておりません。そういうことで個別案件の対応をしておりますし、また、将来的な改善策についても、他人名義の領収書の廃止の問題でありますとか会計監査のあり方、これは多分に専門的なものでありますので、このときにはそのメンバー全員が集まっているわけではないということでもあります。
 一々の予算執行検討委員会の状況については、これは長官まで話はしておりますが、国家公安委員会に対しましては、毎週木曜日の定例の国家公安委員会の場におきまして、十三日の予算執行検討委員会の設置以来常に、毎週、こういう状況でございますということはすべて報告をしているところであります。

○原口一博 委員長は、この委員会に対して、今、予算執行検討委員会が毎週報告をしているということですから、その報告書を提出してください。そして、それを開示していない理由はないんですよ。あなた方警察庁は――私は三年前、外務省の機密費の話をしましたが、あのときも外務省は相当たたかれましたね。しかし、彼らは第三者機関、園部参与を筆頭とする調査機関をつくって、そしてその議事録は全部公開しましたよ。
 さっき大臣がおっしゃったところ、事務方が書いたのは違うということはおわかりになったでしょう。向こうが調査をするのを待っているだけじゃないんです。警察庁も独自に、ここが足りない、あそこが足りないと、今お聞きのとおりなんです。それを、国会でちゃんと報告を受けて、議論をしなきゃいけないんです。
 二重三重のチェックをつくっているから、二重三重のチェックがどのようにきいているかということをここで大臣と私たちが議論することによって、真に国民の側に立った中立な公安委員会というのが機能するわけですよ。
 このことを押さえないで議論は進まないと思うので、なぜ、警察庁の会議というのは、いつ、どこで、だれが、何をやったか、そんなことも公表できないような会議ですか。中身について公表する気があるのかないのか。――ちょっと、最後まで聞きなさいよ。何で中途で手を挙げるんだ。全部質問を聞いてからやってください。最後まで聞いてください。
 公表しないという理由を教えてください。

○警察庁長官官房長 先ほど、こちらから関係の道県に赴いて云々というのは、これはもちろん、電話もありますし、電話連絡もしょっちゅう、毎日のようにやっております。それで、向こうから来てもらう場合もあり、こちらから行く場合もあるというのは、これはある意味で警察庁として事案を解明していく上では当然のことでありまして、それを大臣なり国家公安委員会に、いついつ行きましたとか、こういうのが来ましたと、それは一々は申し上げておりません。
 それから、先ほども申し上げましたように、執行検討委員会というのはそういう形でいろいろなことをやっておりますから、会議録をつくって、これから始めるよ、ではここまでが終わりだねというような整理をしておりませんし、部屋も、私の部屋を使ったり会議室を使ったり、いろいろなところでやりますので、そういう整理はしていないということであります。
 したがって、その内容については、これは確かに隠すべきものはございませんので、全部国家公安委員会に報告をしておりますから、国家公安委員会の議事録はホームページ上公開されておりますし、そこで出しました予算執行検討委員会絡みの資料もオープンになっているところでありますから、閉鎖的とか、議事録をあえてつくっていないという批判は当たらないのではないかと思います。

○原口一博 では、議事録はあるんですね。では、それを今出してください、この委員会に。

○警察庁長官官房長 国家公安委員会の議事録はございます。

○原口一博 国家公安委員会の議事録を公開しているのなんか、私はとうの昔に知っていますよ。あなたがなさっている、長である予算執行検討委員会の議事録を出してくださいと言っているわけです。その報告の内容を出してくださいと言っているわけです。一々議事録をつくって、そしてそれが皆さんに見せるようなものじゃないというんだったら、どういうものを報告されているのか、どういうものを検討されているのか、それを教えてくださいと。警察庁としての調査、今までわかったことについて、何かということを教えてくださいということを言っているわけです。

○警察庁長官官房長 累次申し上げておりますように、予算執行検討委員会としては議事録はつくっておりません。そこの検討内容は、これはいろいろ各種の意見が出るわけでありますから、それを集約した形で国家公安委員会にすべて報告をしているということでございます。

○原口一博 なぜつくらないんですか。何をどのように検討しているか、私たちには見えないじゃないですか。
 では、どうやって報告するんですか。では、その報告書はありますか。

○警察庁長官官房長 予算執行検討委員会の状況というのは、ただいまも申し上げておりますように、会計監査の計画の問題でありますとか、あるいは領収書の徴取の問題でありますとか、あるいは県における県の会計監査への対応のありようとか等々で、既に通達で出しているものあるいは事務連絡等で出しているものがありますから、それ以外に、個別の案件として、例えば福岡の中間報告あるいは北海道の中間報告等はありますから、それを使って国家公安委員会で報告をし、それは国家公安委員会の資料につづられているということであります。

○原口一博 いや、ホームページを見ればわかるけれども、では、検討委員会で何を検討しているのか。「予算執行の在り方に関して、多角的に検討し、その適正化の一層の推進を図る」、こう書いてあるわけですよ。ほかの役所だったら、大臣、それぞれ議事録をつくって、そして大臣に、こうこうこうでございます、こうやっていますということを上げるんですよ。恐らく口頭でやっているんですか。
 逆に言うと、今回不正経理と言われる疑惑のあるところから上がってきています三つの報告書一個一個を調べてみても、とても容認できる話じゃない。
 では、一個一個やりましょうか。
 例えば、四月の六日に上がってきた北海道警からのもの。これは弟子屈署ですか、「次長については、事情聴取の要請に応じていない。」と。
 あなたは、元道警の原田さんについては求めるように言っていますが、自分の今の組織についても、道警の組織の次長についても事情聴取に応じていないじゃないですか。そして、何て書いてあるかというと、「署長・次長は、不適正な経理手続は一切しておらず、捜査用報償費等は適正に執行されているとの説明であった。」と書いてあるわけですよ、同じ紙に。大臣、事情聴取に応じていない人がどうしてこんなことを書けるんですか。

○国家公安委員会委員長(小野清子) 先生、応じていないのは元次長の方でございます。

○原口一博 違いますよ。
 ペーパーを、後ろの秘書官が多分今間違って大臣に言ったと思いますから、大臣のあれは。紙をごらんになってください、私はお見せしてもいいですよ。
 次長と元次長は別々に書いてあるんですよ。元次長は「元次長」とちゃんと書いてありますよ。「「ウラ金メモ」に記載された内容の信ぴょう性の確認」と。今言ったのは現職の次長なんですよ。現職の次長について、「事情聴取の要請に応じていない。」と。そして、返す刀で、「捜査用報償費等は適正に執行されているとの説明であった。」と。こんなことはもう矛盾じゃないですか、委員長。一つの紙を見ても矛盾なんですよ。
 逆に言うと、今度、静岡県警に行きましょうか。静岡県警が、今、警察予算の執行検討委員会で添付していると言った中間報告、旅費の総額は一千三百四十四万円ですよ。そのうち、内訳を大臣ごらんになったでしょう。ほとんどが適正に支出されていないじゃないですか。
 福岡県警に至っては、原本が廃棄されており、確認されていないものも含めると、本当に驚くようなことが書いてあります。調査報告、ごらんになりましたか、これ。福岡県警から来た中間報告書。捜査費の支払い事実の確認ということで、捜査員からの聴取内容及び当時の捜査記録等から県警として現時点で報償費としての執行があったと判断しているものが二百十九件です、大臣。そのうち、福岡県警が何と言っているかというと、捜査員は捜査費として執行した記憶があると申し述べているが、現時点で捜査記録等による確認ができていないもの、百三十二件もあるんですよ。覚えていない、忘れたと申し述べたもの、十二件。捜査員が死亡したため事実確認ができないもの、三十八件。
 つまり、ほとんど確認できていない。そして、書類と彼らの言っていることが違っているんですよ。こんなものを添付されて、警察庁が調べていますとか、刷新に向けて国民の信頼を確保するために努力していますと、どこを読めばそんなことが出てきますか。
 つまり、大臣、私が大臣に申し上げたいのは、三年前の警察法の改正で、監督というものをきちんと定義しているんです。そして、さっき大臣がお読みになったところ、二重三重のチェックを、こういう不祥事が起こったときに、開示をする文書、開示をしない文書をどうするかということを、かんかんがくがくやっているわけです。福岡県警で調査結果が出るまで待てばいいなんという話じゃなかったんです。あのときも、新潟県警でもそうでした。
 官房長にお伺いしますが、警察庁出向者が会計課長である警察本部は幾つありますか、そしてそれはどこですか。

○警察庁長官官房長 お答え申し上げますが、その前に、弟子屈署は、委員があるいは誤解をされているのではないかと思いますので、私からちょっと補足をさせていただきます。
 この骨子、四月六日のものでございますけれども、これは、3の「調査状況」で、(1)が「関係書類の確認」、(2)が「平成十二年度の執行状況」、(3)が「平成十三年度から平成十五年度までの執行状況」の三本立てになっているわけです。
 一番問題は十二年度。十二年度のころの元次長には聴取に応じていただけない。ただ、これは今、文書のやりとりはしています。
 十三年度から十五年度までについては、これはもちろん署長、次長は聞いておりまして、ここにありますように、これはあくまで中間のまとめでございますけれども、「捜査用報償費等は適正に執行されているとの説明であった。」ということでありますので、別に矛盾はないと思います。
 それから、警察庁出向者が会計課長である警察本部は、北海道、青森、岩手、埼玉、千葉、神奈川、福井、愛知、長崎、沖縄の十県であります。

○原口一博 先ほどの宇佐美議員に対する答弁で、警察庁出向者が会計課長であるにもかかわらず、神奈川県警それから愛知県警、書類が破棄ないし毀損をしているという事案が起こっていますね。どうして起こるんですか。
 大臣は、再三再四、こういったことがないようにと。さっき、公安委員会の中で別の委員も、これは限りなく故意に近いものじゃないかと……(小野国務大臣「思われても仕方がない」と呼ぶ)思われても仕方がないという話がありました。官房長は、聞き取り調査をしたということですが、どこで故意性を阻却されましたか。

○警察庁長官官房長 本人から四月二十三日に事情を聞いたわけでありますが、いずれにせよ、四月一日付で異動になったことから、これは本人の実は思い込みであるわけですけれども、この一連の文書を異動の前に確実に処分しなければならないと自分は思っていたと、まあこれは間違いであります、ただ、そう言っております。
 それで、一日早いものの、この文書を廃棄しても支障がないだろうという安易な気持ちから三月三十一日、本人は四月一日に朝から赴任をしておりますので、その前の日にやっておこうということで、三月三十一日にシュレッダーで細断をした。
 上司に対して、異動までに、つまり四月一日までに平成十年度の会計文書を廃棄すると報告し、了承を得ていた。これは実は、上司の指導が足らないわけでありまして、その部分を責任を問うておるわけでありますが、そういうようなことを一連の流れとして、私も三十分前後本人からいろいろ聞きましたけれども、心証としては、故意はないというふうに判断をしたわけであります。

○原口一博 三人の人がそこに見ていて、そして今国会で一番中心的なテーマになっていて、会計文書というのは、大臣、上にいろいろなものが書いてあるわけですよ。何月何日まではどうするとか、マル秘だとかなんとか、いろいろなものが。それを、三人もの人が見ていてそして廃棄するなんということは、とても考えられない。
 そして、故意を阻却するという、今の三十分の聴取でもって、それで、はい、どんどんこの書類がなくなったということであれば、私たちは、国民に対して説明する基礎的な資料を失うんだ、それはひいては、警察だけではなくて国家全体の損失だということだけ申し上げておきます。
 さて、今回、裏金の話は初めて出てきた話じゃないんです、大臣。前回、先ほど申し上げた刷新会議のときも新潟の公聴会で出てきているんですよ。そして、刷新会議の議事録の中にもこの二重帳簿の問題、裏金の問題を議論しなければ真の警察の信頼は回復できないということを公聴会で述べていらっしゃる方々がいらして、そして、刷新会議の委員も同様の議論をされているんです、これはもう三年前なんです。
 ですから、先ほど官房長が答弁をされました、十ものところに会計課長が行っているんですよ。そして、先ほど大臣が答弁をされたように、首席監察官まで行っている。こういう中で起こるわけがない話なんです。
 大臣に法律の認識だけ伺っておきたいと思いますが、刷新会議では二重帳簿そのものが違法なんだということを委員が御議論をされていますが、この二重帳簿は違法であるという認識に間違いありませんか。

○国家公安委員会委員長(小野清子) 二重帳簿というものの存在に関しましては、私は、少々明確ではございません。

○原口一博 いや、刷新会議の中でそのように、そのとき新潟云々の話があって、もともと、帳簿が二つあるというか、これは一般論で聞いているんですよ、今回のことについて聞いているわけじゃない。今回、まさに書類と本人たちの供述が全然違うという、これはまさに二重帳簿ですよ。だけれども、今大臣に聞いているのはこの具体的な事案じゃなくて、こういう二重帳簿自体があれば、それは違法ですねと。不適正じゃなくて、これは違法ですねと。

○国家公安委員会委員長(小野清子) 個別具体的にそういうものがどういうものであるのか、私にとりましては、少々お答えが難しゅうございます。

○原口一博 なるほど。一般論としても、これは違法ですよ。
 きょう、法務省に来ていただいていますが、二点お尋ねをします。一つは、こういう二重帳簿、裏金といったものについて、一般論で結構ですから、違法であるのか。それから、先ほど官房長は故意でなければその違法性を阻却できるかのような答弁をなさっていましたが、こういう公文書というものを破棄したときに、先ほどは過失であるというような御認定のようでございますが、故意でなければ公文書の破棄というものは罪にならないのか、法的な判断をお尋ねしたいと思います。

○法務省刑事局長 まず、犯罪の成否というのはあくまでも収集された証拠に基づいて判断される事柄でございまして、法務当局としてはお答えいたしかねるところでございます。
 公用文書毀棄といいますのは、先ほど申し上げましたが、公務所の用に供する文書等を毀棄した場合に成立するものでございまして、これは故意犯であることは間違いございませんが、犯罪の捜査というのは、いろいろな生の事実、どういうような経緯で、だれがどのような場合にどういうふうにしてやったのかという生の事実を確定していきまして、そこにどういう犯罪が成立するのかという擬律の問題を考えていく、これを繰り返し並行しながらやっていって犯罪の成否を確定するものでございますから、何事も、一概に当たる当たらないということのお答えは難しいものだと思います。

○原口一博 まさに今おっしゃるとおりで、生の事実がどこにあるかということが国会はわからないでいるわけです。そして、それは公安委員長といえども、先ほどのこの添付だけでは、これが本当に違法なのか、あるいは故意なのかそうでないのか。そして、証拠はどんどんどんどんなくなる。一方で国民の不信は募る。では、どうとめればいいんだという、三年前にやったシステムが動かない。
 私のところにこういうものが来ました。一つの告発です。
 裏金づくりは以前から言われていましたが、改められませんでした。理由は二つあります。上納システムと個人的に使えるという二点です。
 裏金づくりの手法は全国共通です。電話帳から抽出して領収書を作成します。かつては上から下まで架空領収書を作成していましたが、ある時期から警部以上しか作成させないとなったのも全国共通です。会計検査院や都道府県の監査が来ても、捜査上の秘密と報償費の領収書を出さない回答も共通です。警察庁の関与、指導のもとにやっているのです。
 かつて警察庁の本庁で会計を担当していた人は言います。警察庁と打ち合わせをした会議で、遠回しに、裏金をつくって警察庁に回してくれと言われた。実際に、警視庁の裏金担当者は金庫から現金を袋に詰めて警察庁に行ってきますと出かけ、帰ったときには袋がないということを何度も経験しています。
 こういう報告が来ています。これが本当に事実だとしたら国家の基本を揺るがす話だから、事実はどこにあるのか、そして、警察庁としてどのような調査をしているのか、それを明らかにしてくださいということを言っているわけです。それが事実でなければ、私たち国民にとっては一番いい話です。しかし、この各県警から出てきた中間報告を見る限り、二百何件のうちの百何十件がもうわかりませんということでは、使途不明であるということでは、とても国民に対して説明できないわけです。
 そこで、警察庁長官はもうお見えになりましたか。では、お見えになったら長官にお尋ねをいたします。
 まず、大臣、この予算執行の検討委員会、これをきっちり議事録をつくって、そして警察庁としてどのような調査をし、そして、三重のチェックをやったわけですから、それぞれ各都道府県警に送っている首席監察官にその報告書を上げるように指導をするように、リーダーシップをとっていただけませんか。

○国家公安委員会委員長(小野清子) 予算執行検討委員会は、その審議状況につきまして逐一議事録を作成していないというのは、先ほど官房長がお話ししたとおりでございますが、節目、節目においては私どもに報告はいただいておりまして、さっき申し上げたように、それは国家公安委員会の議事録に載っているという、これが今までのお答えの総括みたいなものでございます。
 なお、都道府県警察に対します通達の発出等、予算執行検討委員会におきまして検討の成果につきましては、これを速やかに公表しているところでございますので、その辺はぜひ御理解を賜りたいと思います。

○原口一博 では、大臣に聞きますよ。大臣は、官房長から、今まで警察庁としてこの三つの事案についてどのようなことがわかったというふうに報告されていますか。そして、公金が別の使途に使われていた、その使途は何ですか。ほとんどわかっていないんですよ。何を報告されていますか。

○国家公安委員会委員長(小野清子) 先生御案内のとおり、中間報告が出されたところでございまして、まだ具体的な案については私どもも承知していないところがございます。

○原口一博 だから、最初から私は議論をしているのは、各都道府県警でやる部分、それと、二重、三重にも、ダブル、トリプルチェックをするために、警察庁は警察庁として調査をするんだと、最初、二月の十三日に大臣は答弁されているんですよ、記者会見されているんです。そのとおりだと思います。
 中間報告は、大臣、これは都道府県警が出したものですよ。これだけじゃだめじゃないですかということを言っているんです。
 警察庁長官、きょうは御苦労さまでございます。
 今、警察庁としてこの三つの事案について御存じのこと、そして、こういう事案が二度とないようにということで警察法を平成十二年に改正しました、そこのポイントはどこだったのか、お尋ねをします。

○警察庁長官 ただいま先生御指摘のとおり、平成十一年から十二年にかけまして警察にかかわるいろいろな問題が発生をいたしました。そして、その過程で、私どもは未曾有と言ってよろしいそういう国民の批判を受けまして、その批判の内容は種々ございましたけれども、一つには、警察の閉鎖的な姿勢、体質、あるいは国民の批判を受けにくい、意見を受けにくい、そういう体質、そしてまた、時代の変化、要請に機敏に対応できなかった、その対応能力を柱とする批判であったかと存じます。
 そして、そのことを警察刷新会議においても鋭く指摘をされまして、十数回にわたる審議の過程で、これを打開するために、びほう策ではなくて根本的に警察を改めて、将来にわたって警察行政が国家国民のために運営できることを保障する、そういう内容のものに変えていくべきであるということから、私どもも真剣にその審議に関与させていただき、また、指摘を受けて施策を立案いたしました。
 そして、今お話しのことに関しましては、まずもって警察の自浄能力。もろもろの問題が起きるけれども、その問題をみずからの力によって、みずからの決断によって明らかにし、そしてまた公開をしていく、そういう能力。そのためには監察、これが大事であるということ。あるいは公安委員会の管理機能、これを強化して、適切な指示を受けて業務を推進するように、こういう観点から、監察の指示に関しますところの警察法の規定、これを、国家公安委員会につきましても、都道府県公安委員会につきましても制定していただきました。また、警察本部長がそういういわゆる不祥事を認知したときには、適時適切に公安委員会に報告すべき旨でございます。
 また、監察と絡んで、苦情の処理、これが極めて大事である。苦情の中に監察すべき事項がある、また、監察をやる過程で国民の不満を解消すべきものが見つかることもあるということで、苦情に関しますところの処理の規定も整備をしていただきました。さらには、国民の声を直接現場で執行する責任者であるところの警察署長が聞くべきであるということから、警察署協議会という組織を法律上設置をしていただくなど、今申し上げましたような法律上の措置をしていただいた、そういう記憶でございます。

○原口一博 長官にお見えいただきましたので、長官にこの場をかりて要請をしておきたいことがあります。
 外務省の不祥事のときも、外務省を挙げて、あのときは園部参与をヘッドに、どのように刷新すればいいか、国民の理解を得ればいいかということで、内部で検討委員会をおつくりになって、そして、こうします、いついつまでに何をやります、いついつまでにどのような調査をしますという調査報告書もあわせて出されたわけです。
 今回、公安委員長と今までずっと議論をしてきましたが、それぞれの都道府県の公安委員会で監査がなされ、その中間報告が出ていることは存じ上げていますが、警察庁としてどのような調査をし、そして警察庁としてこれをどのように改善していくのかということは、先ほどからるる議論をさせていただいています予算執行検討委員会が私はこれに当たるものかなと思っていましたが、議事録もない、あるいは会議も一定限のところでやっているわけではない、いつそれのアウトプットが出るかもわからないというような答弁では非常に心もとのうございます。
 ぜひ長官のリーダーシップで、自分たちの中も、第三者も入れて、入れるかどうかは御判断に任せますが、自浄能力を発揮して自分たちもこういう調査をしているんだ、そして、それをいついつまでにこの委員会に中間報告をするといったことも、私たちにスケジュールを示していただけませんか。答弁をお願いいたします。

○警察庁長官 まず、予算執行検討委員会の性格についてでございますけれども、これまでの本日のこの委員会における議論の経過は、私、ちょっとつまびらかでございませんので、重複があったらば御容赦いただきたいと思いますけれども、私の記憶では、二月の十日、北海道の監査委員会の報告がなされまして、その中で、疑念が残るという御指摘がございました。我々はこの指摘を大変深刻に受けとめたのであります。
 同日であったかと思いますけれども、元方面本部長の記者会見が行われて、たしか同じ日だったと思いますけれども、そういうことがあって、翌日が休日でございました。
 二月の十二日であったと思いますが、国家公安委員会が開催をされまして、そこでその状況を私どもから報告をいたしたのであります。その際、公安委員会からは、大変この二つのことは重いよと。したがって――失礼しました、監査結果の報告は前日だったそうです。
 その公安委員会の指摘を受けまして、さて、それでは警察庁として何をなすべきかということを早急に検討を求められた形になりまして、そして翌日、予算執行検討委員会を設置したのであります。
 その目的は、まずは、これは一体どういう事態であるのかということを解明しなければならぬ、その解明結果を受けて何を正すべきなのか、また、正し方はどうすべきなのかということがその後に来るであろう。それと、我々としては予算の適正執行を確保するために逐次改善を重ねてきたつもりでございますけれども、しかし、今日なお改善すべきところがあるかもしれない。そして、御指摘があったことは過去の経理に関するものがその時点では主でありましたけれども、それを検討する過程で、現在もなおその反省、検討の中から生かすべき改善策が生まれてくるかもしれない、それがあるならば迅速にその改善策を立案すべきだということで、解明と改善策の企画立案、これを大きな任務として予算執行検討委員会をつくったわけであります。
 それは、したがって、我が警察庁の中におけるそういうことをやるためのプロジェクトチームでございまして、最終的にはその委員会において判断し、調査され、また、企画されたことを警察庁として受けて、そして国家公安委員会に報告をいたして、その上で、承認をされたものについて逐次公表をし、また、措置をしていく、こういうものとしてつくりました。
 したがいまして、審議経過が問題ではなくて、問題ではないというとちょっと語弊はありますけれども、主ではなくて、一体そこから何が出されるか、その成果が問題であり、私どもが要求した内容でございます。
 それからいま一つは、過去にも国会でるる御議論がございましたけれども、こういう問題について都道府県と警察庁、あるいは都道府県公安委員会と国家公安委員会はどのように対処すべきものであるのかという基本論がございまして、これも国家公安委員会で議論が行われ、我々もそれを拝聴いたしました。
 その際、いろいろ御意見ございましたけれども、しかし、現在の警察制度は国家警察ではない、しかし、自治体警察で完結し切っているわけでもない。それはなぜかといえば、戦前の警察制度と終戦直後の警察制度のもろもろのよしあしを考量して現在の制度ができて五十年になりますが、この制度、ある意味で中途半端と見えるところもあるかもしれませんけれども、民主的な警察の管理運営と能率的な任務遂行の調和を求めた制度である。
 この制度にのっとったときに、今回の問題をどう処理するかというに当たって、基本的には、その事務を委任され、現在は自治事務として整理されている都道府県警察の事務については都道府県公安委員会が責任を持って処理する、それを受けて警察庁として、また国家公安委員会として判断をすべきであるということで、とりあえず早急に道県において調査をし、そしてそれを早く仕上げて、次につなげていきたいということで、私どもはそれを見ているところでございます。

○原口一博 いや、もうそこはずっと議論してきたところで、先ほど太田議員が指摘をされたように、警察庁としては何を調査し、どのような検討をしているんだ、その過程が見えないと、十二年の改正はほとんど機能していなかったんじゃないかという危惧を持つということをずっと議論してきたわけです。
 大臣、警察法の改正の大きなところは何かという質問を警察庁長官にしたんですが、ポイントは十二条の二なんですね。国家公安委員会が警察庁に対する指示を具体的または個別的な事項にわたってできるようにする、これは大きな前進なんです。そして、国家公安委員会は、前項の規定によって指示をした場合において、必要があると認めるときは、その指名する委員に、当該指示に係る事項の履行の状況を点検させることまでできるわけです。
 これほど強い権限やチェックの条項を入れた、それほど警察をめぐる危機的な状況というのは平成十二年においては深刻だったんです。そして、そこで指摘をされてきたことがまさにいろいろなところで内部告発という形で出てきている。
 私は、きょう、もう限られた時間なので、全国のどこの警察署も、すべて電話帳から抽出している、警察庁からの指導がないとできないようなこういったことが本当に行われているんだろうか、警察庁の関与というのはないんだろうか。なぜ同じようなやり方なのか。午前中の参考人の質疑の中でも何回も出てきました、なぜこのようなことをするのか。
 委員長に、警察庁に対して開示を指示していただきたい。いや、警察庁長官に私は直接お願いをしたいのは、今まで、偽名の領収書であったら、それをこの委員会に開示することは何の不都合もないじゃないですか。別の人ですから、その人たちが安全を脅かされるということもないでしょう。捜査の支障にならない範囲において。皆さんは、この事件が明るみに出た後すぐ一カ月後には、にせ領収書はやめるというような判断をされているけれども、そこに至った経緯もわからないんですよ。
 先ほどの予算執行委員会の中で検討してきましたと言うけれども、一カ月以内でこういうものが出ていますよ。場合によっては、これはあつものに懲りてなますを吹くやり方をやったのかもわからない。本当に捜査がそれでいいかどうかわからない。私たちは国会の中でも何の議論もできないうちに、こういうことを発表されている。にせ領収書は私はいかぬと思うけれども、別の見方もあるでしょう。その議論の過程が見えないんですよ。
 領収書、どのような使途にされたのか、使途不明の部分について徹底的に解明するおつもりがありますか、警察庁長官。
 そして、警察庁の関与はなかったのか。福岡県警では警察官の上申書もあるやに聞いていますが、これからますます、こういう、正義を守ろうという人たちが、いやこんなことでは正義は守れないという内部告発がふえてくるんじゃないか。それにきっちり情報をオープンにすることによって国民の信頼をかち得るしかないんじゃないかと思うんですが、もう一回警察庁長官にお伺いします。
 議論の過程を表に出してください。調査の今の現状を、大臣にお伝えになっているところだけで結構ですから、警察庁としてどのような調査をし、そして国民の信頼を回復するために、いついつまでに、私たちにまとめて報告をするおつもりがあるのかないのか。ぜひ教えてください。

○警察庁長官 もう御案内かと存じますけれども、それぞれの県で調査をしている過程でもなかなか、関係者の人数も多いことですし、書類の問題もございまして、思いのほか時間がかかっているということがございます。したがって、できる限り迅速にこれをやり遂げてほしいと思いますし、私どももそれを督励しておりますけれども、この時間がいつまでということについてはなかなか申し上げにくい状況にございます。
 ただ、それでは議会その他の皆様の御要請にこたえ得ないであろうということで、それぞれの県において中間報告という形でとりあえずの報告をさせていただいたということでございます。したがって、調査結果が出まして、そして申し上げるべき時期には、これは私どもの方で責任を持って御報告を申し上げなければならないと思っております。
 なお、領収書の問題につきましては、かねてから議論がございました。本当にそれで協力者が確保できるようになるのか、現在の協力者がその協力を継続しにくい状況になるのではないか、もろもろの意見がございます。しかし、我々としては、こうして疑念を抱かれることになった以上は、やはり警察行政全体が適正に行われているということを確保していくことの方がより大きい益であろうと決断をした次第でございまして、また、そのあたりのことは現場の意見も引き続き聴取しながら、どのように具体的に進めていくかについては検討を重ねていきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと存じます。

○原口一博 もうこれで質問を終えますが、大臣、国家公安委員会自身もその存在の意義が問われているということを申し上げたいと思います。
 最後に委員長、資料の請求をしたいと思います。
 福岡県警から出てきた中間報告には、関係書類ということで、枚数だけの内訳が出てきています。これでは私たちには何もわかりません。この中身について開示を要請し、これは理事会でお諮りいただけますでしょうか。

○内閣委員長(山本公一) 理事会で協議させてもらいます。

○原口一博 大臣におかれましては、ぜひ、国家公安委員会、これは国民が設立をした中立的な組織であって、警察を守る組織ではありません。警察の誇りや捜査員のプライド、これを私たち自身、国民は全員が守らなきゃいけない。それが今危機にさらされているということを申し上げて、質問を終えます。
 ありがとうございました。