財務金融委員会

平成16年11月9日(火曜日)

○財務金融委員長(金田英行) 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。

○原口一博 民主党の原口一博でございます。
 まず、谷垣大臣に、財政問題について議論をしたいと思います。
 昨日ですか、財政制度審議会財政制度分科会の歳出合理化部会、財政構造改革部会合同部会ということで、試算が出されています。私たちは、今の日本の財政の状況、特に財政赤字の現状、財政審の試算について、きょうその一部をこうやってパネルに持ってきました。一つ一つの前提を見てもそんなに厳しい前提を置いたわけではないですが、今回の試算における一般会計歳出の姿とすると、かなりクリティカルな事実を、これは単純に試算をしただけだと言われればそのとおりかもわかりませんが、大きな一つの示唆が出ています。
 そこで、大臣に基本的なお考えを伺いたいんですが、財政試算についての概要及びその具体的な前提、考え方がどういうものだったのか。それから、試算では今申し上げたように大変厳しい数値が出ておりますが、財政赤字は発散する一方ではないのか、財政再建に向けて具体的にどのような取り組みを行おうとされているのか。
 以上、大きく分けて二つについて、基本的な認識をお伺いしたいと思います。

○財務大臣(谷垣禎一) 今、原口委員が引いていただきました試算は、おっしゃいましたように財政制度等審議会で、今建議案をつくるということで審議をしていただいておりますが、その審議の参考資料として起草検討委員から提出されたものでございます。
 それで、この試算の性質は、これから高齢化が進展していけば当然その社会保障に係る費用は大きく伸びていく、そういうようなことを幾つか一定の前提を置いて、十年後一般会計の姿はどういうことになるのかという、機械的に算出したものであるというふうに承知しております。
 つまり、今の財政構造というのを前提として、何らの改善策を講じずに放置するとした場合に、十年後、二〇一四年度ですが、一般会計の基礎的財政収支の赤字がさらに拡大していくということを示しておりまして、これは、「改革と展望」などで示されたいろんな改革を着実に進めていかないとこういうふうになってしまうという警鐘を鳴らしているんじゃないかというふうに思っております。
 今後、今までも内閣府の試算であるとか財務省としても後年度試算というようなものを出しておりますけれども、こういう財政審で出していただいた試案も材料の一つとしながら、歳出歳入両面からの財政構造改革に向けた議論を深めていくという材料に使っていけるのではないかと思っております。
 そこで、結局、発散するばかりじゃないか、どういうふうにやっていくんだということでありますけれども、先ほども申しましたように、ほっておけばこういう姿になっていくわけですから、我々はこれを克服する努力をしなければならないわけですが、大変大きな課題でございますから大きく申し上げますと、一つは、民需主導の持続的な成長をもたらすような構造改革を推進するというのがまず大前提としてなきゃいけないと思います。それから二番目に、そういうことを前提として、あらゆる歳出について厳しく縮減を図るということですね。それから三番目に、歳入面の改革を進めながら歳入を確保していく構造をどうやってつくっていくかという議論を進めていかなければならないんだろうというふうに思っております。
 ちょっと極めて漠としたお答えで、もっと細かく言えということかもしれませんが、差し当たってこのくらいで。

○原口一博 私は、今、もう現在でも、歳入構造改革に思い切って踏み込まないと、この財政赤字の発散というのはとめられないと思います。八年前に財政構造改革法のときに審議をしましたが、あのときにも同じようなパースペクトを出されました。そのときの最悪のラインをもう超えていて、そしてまさにこれは名目経済成長率を二・〇%と置いてみたり、あるいはCPIの上昇率を一・〇%で置いてみたり、賃金上昇率を二・一%。これは、私たちが経済に期待するパフォーマンスからすると相当控え目なものですが、この控え目なものの数字の中でこういう試算が出てきておりまして、平成十五年度当初では、新規債それから借換債も含めて約百四十兆円の国債を回していかなきゃいけない。あるいは、平成十六年度には百六十兆円、そして平成二十年度には二百兆円を超える国債の借換債も含めてでございますが発行をしなきゃいけない。
 こういう状況の中で、では一体だれがこのボンドのマーケット、国債を引き受けると思っていらっしゃるのか。今、三つのことをおっしゃいましたけれども、私は、歳入の構造改革が一番最初に来るんじゃないか。歳出構造ももちろん変えなきゃいけない。しかし、橋本財政構造改革法のときに私たちが学んだのは、単なる歳出カットだけをやってしまって歳入の構造改革に踏み込まないとかえって財政赤字が拡大してしまうということを、あのときも随分主張してきたわけですが、三つ並べられた優先順位が、歳入の構造改革に思い切って踏み込むんだ、そういう決意をお示しになるべきではないか。
 そして、税収の弾性値も、今回の試算で幾らでとっていらっしゃるのか。税収はどれぐらい上がっていくというふうに見ておられて試算が出てきているのか。
 その辺について、二点、またお伺いしたいと思います。

○財務大臣(谷垣禎一) 歳入構造の改革からまず進めるべきではないかという御趣旨。実は、私も財務大臣、今度二年目に入りまして、一年目のときには、まず歳出を徹底的に抑制するという方面を強調しておりましたけれども、二年目に入りまして、歳出歳入両面からバランスのとれた改革が必要であるというふうに、少し今の原口委員のお考えにあるいは近づいたのではないかと思っておりますが。
 こういうふうに申しておりましたのは、まずやはり最初に歳入構造の改革、場合によると税を上げてお金が入ってくるぞということになりますと、どうしても歳出構造に対するメスが入りにくいということがございますので、私は、孫悟空の頭にかかった輪だと言っておりますけれども、ああいうのでやはりきりきり締めていくことも歳出構造を変えていく上では必要だったのではないかと思います。しかし、どうしても高齢化等で社会保障等が膨らんでいく中で、歳出カットだけでは全体の財政構造もゆがんでしまうし、それだけでは財政構造を変えていくということができないということから、歳入歳出両面にわたってという表現にしたわけでございます。
 したがいまして、もちろん、これをどう議論していくかは今までも委員会でたびたび御答弁申し上げておりますけれども、まず、所得税構造というものを見直さなければならないと思っておりますし、それから先に消費税も含めて全体の体系を見直していくという作業に取り組まなければならないと思っておりますが、こういう試算も受けまして、もう少しその辺も我々は明確にしながら進んでいきたいと思っております。
 あと、この試算の前提となる数字につきましては、事務方から答弁をさせます。

○財務省主計局次長 お答えをいたします。
 税収につきましては、名目成長率掛ける弾性値は、一・一を使っております。

○原口一博 いつもこういう試算をされるときは税収弾性値を今お答えのように一・一で計算をされるんですが、じゃ、実質どうだったのか。十年平均の弾性値をとってみると、マイナスの二・二五ですよね。それから、十五年平均でもやはりマイナスであって、税収はこのトレンドを見てみてもふえてはいないんですね。その中でこういう試算をしている。
 私は、単にパースペクトを出せばいいという話でなくて、そこに向けてどう努力をするかということが政治に問われているというふうに思います。ですから、今大臣が御答弁なさったように、歳出構造だけをいじっていたのでは、やはり財政の姿をゆがめてしまう。今すぐにでも歳入の構造改革に具体的に、タブーを設けずに取り組んでいくべきである、私はこのように考えるんですが、大臣の基本的なお考えをお尋ね申し上げます。

○財務大臣(谷垣禎一) 基本的に原口委員のお考えになっていることと、私、違うことを考えているわけではございません。
 確かに、小泉内閣のもとで、小泉総理が自分の任期中は消費税を上げないとおっしゃっているのは事実でございますけれども、議論は差し支えないとおっしゃっている。この考え方は、先ほど申し上げたように、まず、入りの方からだけやってはいかぬというお考えだったと思います。それで、入りの方もそろそろ議論をしなきゃならなくなったということで、今年度、来年度では所得税体系をよく議論して、そちらの面での改革をしていきたい。これは、三位一体の改革で税源移譲を地方にどうしていくかという論点もございますし、また社会保障との関係で基礎年金をどうしていくかという議論との絡みもございます。
 そういう中で、まずそこから入って、平成十九年度を目途に、いろいろな財政需要、どのぐらいの水準のものが必要かということを見据えながら、消費税も含んだ税制体系を議論していきたい、このように考えております。

○原口一博 私はもう、議論のときではなくて実行のときであると思います。この財政赤字が中長期的に経済成長の阻害要因となることは確実で、しかもそれは、かなり昔から指摘をされながら、歳入の構造改革にだれも踏み込めないという形が進んできたわけです。ですから、さっきの大臣のお言葉をかりれば、孫悟空の輪っか、この輪っかはだれにはめるべきかということも大体もう見えてきたんではないかというふうに思います。タブーをつくらないということだと思います。
 今後も、先ほど申し上げたように、国債の大量発行が続きます。では、一体ボンドマーケットは大丈夫なのか。これは伊藤大臣のところにも関連をしますが、地域の金融機関は随分国債を持っています。あるいは、日銀の国債保有率も非常に高い。あれは速水総裁のときですか、お尋ねをしまして、一年間に何回か、長期金利が一日のうちで一%上がるというようなことがございまして、果たして長期金利が上昇トレンドに入ったときに、一%上がったら日銀のバランスシートはどうなりますかということをお尋ねしました。そうしたら、速水総裁でしたか、約一兆円毀損するであろうと。たしか、谷口副大臣がそのとき補完するお答えをしていただいたと思います。
 事ほどさように、まさに私たちの経済とこの財政赤字の問題はリンクをして密接にかかわっているところであって、今後も国債発行が大量に続く、郵政民営化も検討されている。民間にじゃぶじゃぶにお金があって、まさに岩國先生御指摘のように、お金が失業している状況の中で、また民間にお金を持ってくる。一体、この私たちの国債の購入主体、これをどのように多様化されようというのか。これだけの大きなマスをだれが引き取ろうというのか。その辺についての基本的な認識をお伺いします。

○財務大臣(谷垣禎一) 今原口委員がおっしゃいましたように、これからも、国債の大量発行、借換債等ございますから、大量発行を続けざるを得ない状況だろうと思います。
 そこで、市場は大丈夫なのかということでありますが、私は繰り返し申し上げておりますが、まず大前提として、財政構造改革を推進していく、やはりこういう姿勢をきちっと示していく、そうして国債に対する信認を確保していくというのが、イロハのイといいますか、基本中の基本であろうと思います。
 こういう観点から、平成十七年度、来年度予算編成に当たりましても、国債発行額を十六年度より減額するということを目標に掲げているということでございます。それが大前提でございますが、その上で、昨年の暮れに、国債管理政策、新たなものを発表いたしました。基本的な考え方は、中長期的な調達コストを抑制しながら確実かつ円滑な消化を図るというのが基本的な考え方でございますが、その際に、今おっしゃったように、我が国では金融機関が保有している割合が非常に高い状況でございますから、安定消化を考えていくためには、保有主体を多様化していくということをどうしても考えていかなきゃならないんだろうと思います。
 こういう観点から、今後とも、金融機関にはある程度持っていただくという状況が続くと思いますけれども、従来、保有割合が相対的に低い、個人であるとか、あるいは海外部門等の保有の促進に努めていく必要があると思います。そういう点、個人国債等も今努力をしてやっているところでございます。
 それから、郵政民営化に関して、確かに郵政事業というものが、これだけ膨大な国債を発行するとき、これを安定的に消化する基本的な、インフラと言っていいかどうかわかりませんが、そういう大きな役割を果たしてきてもらったということはもう紛れもない事実でございます。
 したがいまして、我々としても、おかしなプロセスをたどりますとマーケットに不測の影響があるということを非常に危惧しておりますけれども、先般閣議決定されました「郵政民営化の基本方針」の中でも、この点については、「移行期のあり方」として、「国債市場への影響を考慮した適切な資産運用を行う」、それから、「大量の国債を保有していることを踏まえ、市場関係者の予測可能性を高めるため、適切な配慮を行う。」というふうに記述されまして、具体的な姿はこれから詰めていくわけですけれども、この基本線に従って、国債マーケットに不測の影響のないような形に持っていかなければならないと思っております。

○原口一博 今大臣、多様化の御答弁をいただきましたが、実質は、銀行、民間保険会社、企業年金等で持っているのは三三・七%もあります。これは平成十六年度の数字ですが、家計は二・六、海外は三・七ですから、多様化したところで、国債に対する信頼というものが上がらなければ、それを持つ人はどこにもいないわけです。
 それで、今、民営化の基本方針についてもお話しになりましたが、不思議な基本方針だなと思います。基本的な考え方の後に将来の姿があって、一番私たちが知りたい移行期間についてはほとんど触れられていない。きょう民営化の話をする余裕はありませんが、まさにたらいの中に大きな鯨を入れるようなもので、もともとできないことを、金融的にできないようなことをどのように説明されるのか、これはまた後の議論に譲っていきたいと思います。
 ここに、政策コスト分析というものを持ってきました。これは財政投融資対象事業に関する政策コスト分析、平成十六年度版、この後金融の議論をいたしますが、これはだれが書いたのかなと思うと、いわゆる財投の先、つまりそれぞれの特殊法人が自分らでコスト分析をしているものですね。私はこういうものが出てくるということは大事なことだと思いますが、これを一歩進めて、貸し手である、つまり国民の側が、銀行だってそうですね。自分らの自己査定でそれで済むわけがない。貸し手がちゃんとデューデリをして査定をして、どのようになるかということが一番大事であって、ぜひこれは大臣に、御決意だけで結構ですが、借り手である財投機関の自己申告というような政策コスト分析だけでなくて、貸し手責任を果たせるようなコスト、それは財務省に全部やってくださいというようなことを言っているわけではありません。しかし、国民の側からすると、これを一個一個、私も今埼玉県知事をしている上田さんとずっと見てきましたけれども、これをつぶさに見てみると、もうほとんど返せませんねとか、あるいは需要予測が本当にこんな予測ですかなんというのがいっぱいあります。ぜひ、貸し手の責任として、財政をつかさどる財務大臣が、自分たちもみずからこの問題について積極的に、財務諸表をもっともっと公正に透明にそして説明責任のつくものにしていく、そういう御決意を伺いたいと思います。

○財務大臣(谷垣禎一) 政策コスト分析は平成十一年に導入されまして、今お示しいただいたようなパンフレットにまとめられているわけですけれども、どうも財投機関の言い値で書いているんじゃないかという御指摘だったと思います。
 どうしても、分析するときの前提条件が、財投機関のみが有する基礎的データを用いたりする場合が多いわけでございますので、将来金利といった共通前提を除きますと、当該財投機関がまずつくってもらうのが一番ぐあいがよいということがその背景にございます。
 ただ、これをやはり、言い値といいますか、信頼性の低いものであっては意味がありませんので、前提条件といったようなことは政策コスト分析の結果とともに公表して、分析の透明性の向上に努めておりますし、今後とも、どうやったら分析手法というものを高めていくことができるか、透明性を高めていくことができるか、多くの方に利用していただいて多様な議論を、御批判も浴びることができるかというような点についてはさらに工夫をしてまいりたい、こう思っております。

○原口一博 国民の大切なお金を預かっている、その預かり手としての責任を果たしていくことが必要であるということを述べて、財政の質問を終わりたいと思います。
 さてそこで、先ほど理事会でも聴取をさせていただきましたが、経済産業省とそれから産業再生機構、ダイエーに関する産業再生機構のさまざまな経緯について、きょう経済産業省も来ていただいておりますが、聴取をした結果なんですが、なかなかわからないことがありましたので、理事会は基本的にクローズドですから、重なるところもあると思いますが、幾つか事実関係を確認したいと思いますので、これは事務方で結構でございます。
 皆さんから経緯については出していただきまして、ありがとうございました。十月八日、機構が六日付でダイエーあてに通告している文書及び再生機構などの各種の報道を受けて、北畑局長から産業再生機構斉藤社長に改めて電話し前日と同趣旨の問題を指摘したと、皆さんの、経済産業省からいただいたペーパーには書いてありますが、このメモややりとりの録音はございますか、まずお伺いいたします。

○経済産業省経済産業政策局長 電話でやりとりをいたしましたので、メモも録音も残っておりません。録音をとるようなことはふだんからいたしておりません。

○原口一博 機構が期限として通告した十二日を延長した、延長するように求めたというふうに聞いておりますが、これは事実ですね。

○経済産業省経済産業政策局長 七日と八日両日、斉藤社長に電話をいたしました。その中で斉藤社長に対しまして、民間の資産査定と機構の資産査定が当時並行して開始されておりまして、民間の査定作業があと十日ほどで終わる、こういう状況でございましたので、機構としてこれを見守れないのか、つまり民間の入札期限である十月の十八日の結果が出るまで待てないか、こういう趣旨の発言をしたと記憶をいたしております。

○原口一博 ありがとうございます。
 北畑局長や迎審議官が個別名、例えばウォルマートあるいは丸紅、イオンなどという個別企業名を挙げて機構にさまざまな要請をされたということはございますか。

○経済産業省経済産業政策局長 私は、九月二日に斉藤社長とお会いをして、ダイエーをめぐる問題について、どういうふうに着地すべきかということで意見交換を行いました。これは、お互いいろいろな立場がございますので、議事録もつくらないという前提で自由に議論をしたわけでございます。
 その中で、私の方からはダイエーの民間入札に参加をしている企業の具体的な名前を申し上げまして、それに対して斉藤社長のコメントをちょうだいいたしました。斉藤社長からは、機構の方で、仮に将来ダイエーが機構に来た場合に、それについてスポンサーとして名を挙げたいという関心企業について、これも具体的な企業名を挙げて斉藤社長の方からお話がございまして、それについて私の方からコメントをしたという経緯はございます。

原口一博 コメントをなさったという事実、それはどんなコメントですか。例えば、イオンというのは、これは我が党の岡田代表の親族が経営をされている会社で、自由民主党さんの今大臣である村上大臣も御親戚になるらしくて、村上大臣はイオンだから云々というお話をされたんでしょうか。全く関係のないことだと思うんですが、いかがでございましょうか。

○経済産業省経済産業政策局長 今、当時の記憶を思い出しますけれども、さまざまな議論をいたしました。斉藤社長との前提は、それはお互いに自由に議論をするということでございまして、議事録をつくらず、他に口外しないという前提での議論だったと思います。
 さまざまな企業について、具体的な名前を挙げてお互いのコメントをいたしましたけれども、具体的な企業名とそのコメントの内容につきましては差し控えさせていただきたいと存じます。

○原口一博 そうすると、村上はイオンで、イオンは民主党だからけしからぬと言われたこともあるわけですか。

○経済産業省経済産業政策局長 そのようなことを申し上げた記憶はございません。

○原口一博 記憶をよみがえらせていただきたいんです。
 村上大臣の名誉のために申し上げますが、民主党とは何の関係もございませんし、個別の企業のために、村上大臣がさまざまな判断をゆがめるような大臣ではない、他党でございますが、そういう大臣であるというふうに思っておりますが、御認識はいかがですか。

○経済産業省経済産業政策局長 私が斉藤社長と議論いたしましたのは九月の二日でございまして、村上大臣御就任の前のことでございまして、御指摘のようなことを発言したことはございません。

○原口一博 私は就任の後の話をしておりまして、先ほど記憶をよみがえらせていただきたいということをお願いしたのは、まさにそういう事情があるからでございます。
 経済産業省に高木委員長の辞任届が届いていると、これは先日、我が党の中塚委員が配付をされた資料によっても明らかだと思いますが、局長はこれに目を通されましたか。

○経済産業省経済産業政策局長 高木委員長の辞任届につきましては、十月の九日の午前、その時点のもののコピーが機構の担当官から私どもの担当あてにファクスされてきたという事実はございます。そのファクスについては私も目を通しております。
 ただ、これは正式の辞任届ということではないと理解をいたしております。

○原口一博 理事会に御出席なさっていた方は、理事会でお話しになったことと今のところが、必ずしも整合性がとれているかと疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
 続いて質問をいたしますが、中川大臣、斉藤社長会談に局長は同席をしておられますね。この会談で、経済産業省は、先ほどお話しになったように、期限を延ばすと。
 私は、産業再生機構というのは一体何のためにできたものか、そして私たちは産業再生機構にどういう姿勢で臨めばいいのか、まさに我が国の金融経済の根幹にかかわる問題なので、このことについてお尋ねをしていますが。
 産業再生機構にお伺いいたします。産業再生機構の意義と法的な位置づけは何ですか。

○内閣府産業再生機構担当室長 お答え申し上げます。
 産業再生機構は、表裏一体の関係にございます産業再生と金融再生を、同時にかつスピード感をもって進めるために設立された機構でございます。
 機構の意義でございますが、公正かつ中立的な立場で、民間だけでは困難な案件に取り組むとともに、事業再生の新たなモデルを提示することによって、不良債権の処理と事業の再構築に貢献するということであると認識してございます。
 機構の法的位置づけでございますが、株式会社産業再生機構法に基づきまして、主務大臣の認可により設立いたします株式会社でございまして、主務大臣は、内閣総理大臣、財務大臣、経済産業大臣でございます。主務大臣は、設立の認可等の一般的な監督を行うとともに、個別の案件につきまして、機構が支援決定等を行うかどうかを決定する際に意見を述べることができるということとされてございます。
 以上でございます。

○原口一博 ありがとうございます。
 今の趣旨からすると、機構が支援を決定するかどうかについて意見を述べるというふうに書いてあって、機構については、後で質問しますRCCと違ってちょっと複雑なんですよね。RCCは、預金保険機構の一〇〇%出資の子会社であり、金融庁、金融担当大臣のコントロール、さまざまな主管というのが書かれていますが、今の御答弁のように、再生機構は三人の主任大臣、特に総理がいらして、そしてここにいらっしゃる伊藤大臣は総理のいわゆる金融関係のところを委任されている。そして、先ほどお話をした村上大臣はまさに総理を補佐する、そしてこの産業再生に専ら当たる、そういうお役割だというふうに思います。
 そこで、ここでなぜこんな質問をするかというと、さまざまな再生案件に他省庁からその任を越えて圧力がかかるということになれば、適正なデューデリもできないだろうし、適正な産業再生もできないんじゃないか、そのことを危惧するから質問をしておるわけでございます。
 活動の基本方針、産業再生機構はどのような活動の基本方針を立てていらっしゃいますか。

○内閣府産業再生機構担当室長 産業再生機構におけます事業再生のあり方でございますが、基本的には民間主体で進むことが望ましいということが大前提でございます。
 しかしながら、企業が運営困難な事態に陥りますと債務超過に陥りまして、そういたしました場合に、主力行と非主力行、いわゆるメーンバンクとノンメーンバンク間、金融機関の間での利害調整が非常に困難な場合もございますし、また、現実問題といたしまして、我が国の事業再生に関する市場もまだ十分発達してございません。また、異なる銀行間にまたがります事業再生になりますと、かなり民間では現実的に難しい問題も多くございます。ということで、機構は、民間主体では進みにくい部分を補完し、市場が本来の機能を発揮できるようにしていくという役割を果たしてございます。
 機構が、事業再生のモデルを民間に提示いたしますとともに、これまでの活動を通じまして蓄積された知見あるいはノウハウ等を積極的に民間の市場に還元するということによりまして、我が国の事業再生を担う人材や新しい仕組みと申しますものをつくり育てていくということに貢献しているというふうに理解をしてございます。
 以上でございます。

○原口一博 基本方針でうたわれているのは、中立性、公平性なんですね。これはまさに小泉構造改革の中核の部分であって、なぜ株式会社にしたのか、なぜ委員会方式にしなかったのか、そして、なぜこの中立性、公平性を前面に出しているか。
 法律を一文一文読んでみますと、株式会社産業再生機構法の十三条、ここでみなし公務員としてのさまざまな守秘義務ですとか、公平性、中立性を機構に求める、そのことを条文の中に明記してある、私はそのように理解をしていますが、この理解でよろしいですか。

○内閣府産業再生機構担当室長 おっしゃるとおりでございます。

○原口一博 きょうは、お二人の主任大臣というか、伊藤大臣は総理の権能をまさに委任されてという形でございます、お二人、財務大臣それから金融担当大臣に、この産業再生機構のいわゆる我が国の経済再生における位置づけ、そして皆さんの役割、それぞれの大臣がどういうことをつかさどっているかということについて、基本的なお考えをお伺いします。

○財務大臣(谷垣禎一) 機構の基本的な役割は、先ほど室長から御答弁があったとおりでございまして、やはり産業再生とそれから金融再生を表裏の関係としてやっていこう、それは本来、民間で進められるならそれが望ましいけれども、なかなか民間だけでは進まない、調整も難しいところがあった、したがって、これをどう表現していいかは難しいんですが、準国家機関的という面と民間的な面をあわせ持ったこの機構に推進役になってもらおうということであったと思います。
 そこで、私も主務大臣の一人でございますが、私が主務大臣として果たすべき役割は、この機構が最後に締めたときに、いわば債務超過になっておりますと、それは政府保証がついている形、最後は国庫で補てんしなければならないわけでありますから、産業再生というようなリスクの多い仕事をやりますときにある程度リスクを引き受けるということも必要かもしれないとは思いますけれども、国民負担が過大なものになっていくのはやはり阻止しなければいけない、それをチェックするのが、国庫大臣である私が主務大臣になっている意味であろうと思っております。

○金融担当大臣(伊藤達也) 今、室長やあるいは谷垣大臣からもお話がございましたように、バブル崩壊後、負の遺産の重みというものが経済再生をしていくに当たって大変大きな課題になっておりました。そうした中で、民間の力だけで金融と産業の一体的再生というものを実現していくことがなかなか難しい。そうした中で、市場規律というものを大切にしながら、公の役割としての産業再生機構というものが設立されたというふうに考えております。
 その中で、先ほど来原口委員から指摘をされているように、中立性、公平性というのは大変重要な視点でありまして、こうした観点の中から判断が適正に行われているというものと私自身は考えております。したがって、機構の独立性というものを尊重して私どもとしても対応していかなければならないものだというふうに考えております。

○原口一博 今まさに私が問題としているのは、両大臣がお答えになりましたように、この機構がパフォーマンスが悪ければまさに国民負担が生じる、それを財政でもって補てんをしなきゃいけない。また、伊藤大臣がお話しになりましたように、これはよそから介入を受けるようなものではないわけです。
 それで、機構にもう一回お伺いしますが、本件、つまりダイエーの件について、事業者と金融機関からの要請があって、そしてデューデリ、つまり資産査定を開始した、そしてもう十二日には資産査定の中途であったというふうに考えてよろしいですか。民間の受け手があろうがなかろうが、デューデリにはお金がかかるわけで、まさにその事実関係をお伺いしたいと思います。

○内閣府産業再生機構担当室長 恐縮でございますが、個別の案件についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、一般論で申し上げますと、個別の案件におきまして機構を活用するかどうかにつきましては、個々の事業者と金融機関において判断されるべき問題でございます。機構が資産査定を行うに当たっても、そうした民間当事者間の判断が前提になります。
 以上でございます。

○原口一博 それはちょっとよくわからないんですが、個別の案件については答えられない、そして、機構がデューデリを行うのは民間機関からの申し出によるものだ、今そういうふうにお答えになりましたか。

○内閣府産業再生機構担当室長 個別の案件についてはお答えできません。
 と申しますのは、機構が担当することにつきましては守秘義務がかかってございます。そういう事情がございますので、よろしく御理解願いたいと思います。
 ただ、査定行為、資産査定の行為をするに当たりましては、申し上げましたのは、個々の事業者と金融機関において判断されるべき、判断されたということが前提になっておるということでございます。

○原口一博 守秘義務が、こういう国会に対しての説明責任を遂げないということではありません。ですから、前段についてはなかなか納得をしませんが、後段については、まさに要請があったからこそ資産査定が進んでいた。こういう資産査定が進んでいる中で、まさに権能のない人たちが期限を決めて、それを延ばせの、あるいは待てのと言うのは、私はどういうふうに判断したらいいのか。いや、それは単なる行政間のさまざまな意見の交換であると見るのか、あるいはこれを介入と見るのか、これによって大きく違うわけです。
 どのように理解をすればいいのか、機構のお答えを伺いたいと思います。

○内閣府産業再生機構担当室長 関係府省におきましては、その所掌事務を遂行するために、必要に応じてそれぞれの立場から検討が行われておるということと理解してございます。
 政府といたしましては、事業者と金融機関等の検討状況を見守りつつ、個別の案件への対応に関しては再生機構の判断を尊重するという統一した立場で対処してきたところでございます。私どもも、そうした立場から対処、検討されているものと理解してございます。

○原口一博 お一人の方にお伺いするのは酷かもわかりませんが、そこで疑義があるから伺っているわけです。
 機構の判断を尊重して、つまり、業務改善命令に対する改善計画の提出日なんというのも、これもすぐれて金融機関にとっては大事なもので、それが延ばせるんだったら、それは借り手からすれば、金融機関からすると、延ばせたらそんないいことはない。この期限の問題というのはかなり大きな問題で、それを延ばせるか延ばせないかというのは、業務のまさに本質にかかわる問題ではないかというふうに考えているから質問をしているわけです。
 一般論で結構ですから、期限の問題は業務の本質にかかわるものですか、私の理解で正しいですか。

○内閣府産業再生機構担当室長 今般機構が提示いたしました十二日という期限の問題は、機構の機能から見て、これは機構側からの説明なんでございますが、ぎりぎりの日程だったというふうに理解してございます。
 いずれにいたしましても、今回、最終的には個々の事業者と金融機関において判断されて、現在機構との話し合いが進んでおるものと理解してございます。

○原口一博 もう一回質問をいたします。
 期限の設定というのは、これはたしかこの機構法の二十三条で、資産買い取りの期限が決まっていますよね、来年の三月三十一日でしたか。その中で国策としてのさまざまなオペレーションが進んでいる中で、今はもう十一月ですよね。この期限の設定というのは業務の根幹にかかわることだと私は理解をしているんですが、それはいかがですか。

○内閣府産業再生機構担当室長 業務にとって非常に重要なことだというふうに理解してございます。

○原口一博 今そういうお答えをいただきました。大臣からもお伺いしておきたいと思います。
 直接の、何か報道によると、取っ組み合いがあったとかだれかが仲裁したとか、そんなお話がありますが、まさに、まあ小泉内閣というのはそういう内閣ではないと思いますので、総理はよく、質問をすると、そんな質問するなとかおっしゃいますが、そんなことはなかったんだろうと思います。
 ただ、各省間の縄張りや、あるいは銀行のさまざまな今までの古いしがらみの中で、産業再生というのがうまくいかなかった、だからそれを超えるものをつくる。私たちには、民主党は民主党の意見がありました。果たしてその中で、恣意的に生き残る企業が出てみたりあるいは逆に大変厳しいことになるということが、官の手によってさまざまな裁量の中に落ち込むことはどうだろうかという議論もしてきたわけですが、少なくとも、この期間については業務の根幹である。そこでの中立性を国会がしっかりと担保されているのかされていないのかということを質疑の中で明らかにすることは大事なことだと思います。
 そこで、両大臣にお伺いしますが、さまざまな業務の中立性を担保する上で期限を切る、デューデリの中でも期限を切るということはどのようなものなのか、御認識をお伺いしたい。業務の根幹にかかわるものだという今御答弁がありましたけれども、伊藤大臣、金融担当としてそれでよろしいでしょうか。

○金融担当大臣(伊藤達也) 今、室長からお話があったとおりだというふうに私も考えております。

○原口一博 とすると、まさにその業務の根幹にかかわるところに経済産業省の方が介入をされている疑いが高まったわけでございます。
 私たちが機構とつるんで反政府運動をしようとしているとかさまざまな雑音が入ってきますが、そんなつもりは全くありません。産業再生が恣意的に行われない、そして先ほど谷垣大臣がお話しになったように、まさに、新たな国民負担が発生しない、金融機関側からすると一刻も早くバランスシートをきれいにして、そして当該企業がまたもとの輝きを取り戻す、このために質疑をしておりますので、あらぬ政治的な動きが耳に入るというのは非常に不愉快千万でございます。
 また、これは理事会でも協議を今進めていますが、ぜひ機構の社長それから委員長を呼んで、そして、私の手元には辞任届と言われるようなものまで出てきていてかなり混乱が見えますので、委員長に再度お願いしますが、本委員会に機構の社長それから委員長をお招きいただきますように要請をいたします。

○財務金融委員長(金田英行) 理事会で協議させていただきます。

○原口一博 ありがとうございます。
 委員長のお言葉をいただいたところで、次の質疑に入りたいと思います。
 RCCです。これは、私は、この委員会でも予算委員会でも何回も、RCCに対する検査、これに入るべきだということを申し上げてきました。そして、不適切な回収事案、まさにRCCはやみと結ばない、あるいはRCCは国民負担を極小化する、そういう原則をお立てになっていましたが、私が予算委員会や当委員会で指摘をしてきたことは、まさにやみの手口と似たようなことをなさっていたということでございまして、この不適切な回収事案の責任をとる形で、もとの社長は御辞任をなさいました。これで体質が変わるのかなというふうに期待をしておりました。
 産業再生機構には一定の期限が区切ってありますが、RCCにはそれがございません。また、今回ようやくと申しますか、金融庁はRCCに検査に入り、そしてその中で不祥事がまた見つかる、こういうことがどうして起こるのか。国策会社として本当にRCCというものそのものが存在する価値があるのか。民間のサービサーやファンドがもう出てくる中で、一体どういうことが行われているのか。
 伊藤大臣、RCCの今回の検査、そしてこれも業務改善命令を出されておられると思いますが、その内容について概要をお尋ねいたします。

○金融担当大臣(伊藤達也) お答えをさせていただきたいと思います。
 委員から御指摘のございましたように、RCCに対しましては、本年の七月に私どもの検査結果及び銀行法第二十四条第一項に基づく不祥事件及び検査結果にかかわる報告にかんがみまして、八月三十一日に業務改善命令を発出し、そして九月三十日にRCCより同命令を踏まえた業務改善計画の概要等について公表がなされたところであります。
 コンプライアンスの確保に関しましては、組織の最高機関である取締役会がコンプライアンス体制や事務リスク管理体制の改善に向けて率先して取り組んでいかなければならないわけでありますが、RCCにおいてはかかる姿勢が不十分であると判断したことから、今般の行政処分を発出するに至ったところでございます。
 また、RCCからは、取締役会の取り組み姿勢が不十分であったことに関しまして、債権回収業務及び企業再生等の機能拡充業務に軸足を置いた業務運営を行ってきたことから、結果として法令等遵守及び事務リスク管理に関する取り組み等に対する各取締役の問題意識が不十分であった旨の報告を受けているところであります。
 公的役割を担っているRCCにおいてこのような行政処分を受けるに至ったことは、まことに遺憾なことであるというふうに考えております。
 RCCにおいては、業務改善命令に基づいて業務改善計画が提出をされているところでございますけれども、ここの中に掲げられた改善策、改善に向けた諸施策を早期かつ着実に実行していくことが大変重要であるというふうに考えておりまして、私どもといたしましても、その実施状況について適切にフォローアップをしていきたいと考えております。

○原口一博 今お読みになりましたけれども、本当にそうですか。債権回収に全力を挙げて国民負担を極小化しようとしていて、法令遵守については少し力が抜けていた、本当ですか。
 実際に、この福岡の不祥事事件は、十一月四日の報道によると、当該の職員は逮捕される。これは債務者から集金した現金を二千七百万円横領しているんですよ。どうしてこんなことが気づかれないんですか。
 これは二千七百万だけではありません。法令遵守体制云々の話でなくて、本当に債権の管理がどのようになっているんだろうか。債権の管理会社についてもリストを出してください、金融庁は出していただきました。債権の管理会社がどのようなことをやっているか、もう一回よく調べてください。私が調査をした中では、自己競落、管理会社が自分の子会社に自己競落をして、それこそ安く買い取った不良債権を高く売れればこんないい商売はないわけです。
 今、再生ファンド、たくさんの人たちがここのビジネスに参入してきている。その中で、まさに国策会社たるRCCの管理会社が自己競落あるいは任意契約をばんばん繰り返す。そして、まじめに働いている人たちは、それこそ有無を言わさず息の根をとめられる。こんなことがあってはならないと思います。私は、何回もこれまで金融庁に銀行法に基づく検査に入ってくださいということを言いながら、こういうことが起こるということは極めて遺憾である。
 伊藤大臣、先ほど御答弁いただきましたが、今私が申し上げたような問題意識、また進まないからここで取り上げて、そしてそこの部分だけが逮捕されるなり告発されるなりするというイタチごっこみたいなことを私も続けたくありません。ぜひ、この国策会社、本当にこのまま続けるのがいいのか、それとももうそろそろ別のフェーズに入っているのかも含めて御検討をいただきたい。決意を聞きたいと思います。

○金融担当大臣(伊藤達也) RCCは公的な役割を担っているわけでありますので、今委員が御指摘があったような、RCCの信頼を揺るがすようなことがあってはならないわけであります。したがって、私どもも、検査において委員が御指摘をされた点も含めて検証し、そして問題については業務改善命令を発出させていただくということになりました。そして、これに基づいて業務改善計画というものが提出をされているわけでありますから、私どもとして、この計画がしっかり実施をされているのかどうか、その状況をフォローアップしていきたいというふうに思っております。
 また、随意契約やあるいは自己競売のことについてもお話がございました。これについても明確なルールが決まっております。そのルールどおりに実施をしていかなければいけないわけでありまして、私どももそうした観点から、RCCについて、預金保険機構を通じて、適切にしっかりと管理監督をしていきたいというふうに思っております。

○原口一博 そのフォローアップが不十分だから申し上げているわけで、自己競落あるいは競売を不調に終わらせて、そして安く自分の子会社に任意契約する、その一方で、まじめに働いている人たちが泣きを見る、こんなことは絶対に許せないということだけ申し上げて、最後の質問に移りたいと思います。
 平成十六年十月の十三日、有価証券報告書の訂正についてという文書が関東財務局に提出されました。これは、株式会社コクド及び株式会社プリンスホテルが、両者名義でそれぞれ所有している西武鉄道株式のほかに、両者が個別に管理している個人名義株式を実質的に所有していることが判明した、これが理由だとされておりますが、事実関係をお伺いしたいと思います。

○金融担当大臣(伊藤達也) 今御指摘がございましたように、西武鉄道等は有価証券報告書の訂正報告書等を財務局に提出をしておりまして、訂正する理由として、個人名義株式の中に関係会社等が実質的に所有する株式が存在していることが判明したためと対外的な説明を行っていると承知をいたしております。

○原口一博 両者のいわゆる会社が所有している株式だと言っている中に個人名義の株式があったわけです。私はそのように承知をしています。
 これの報告書を見ると、平成十六年三月期、西武の、株式会社コクド所有の割合、それからその他、十社の合計は、コクドが四三・一六%で合計が六三・六%であったものが、訂正後は六四・八三%、それから十社合計すると八八・五七%となっています。これは本当に、もう一割強の、いわゆるほかの、これ以外の株しかないという中で、本当に市場というのが形成されるのか。不適切な情報開示が市場に与える影響は大きくて、そして投資家の信頼も失墜しかねないゆゆしき事態ではないか。
 また、従来、同社が提出してきた大量保有報告書には、これはたしか平成二年だったと思いますが、法改正の後、名義が欠落していたということになると思います。これは、その投資家の保護のために、先ほど申し上げた、平成二年十二月から導入された、発行済み株式総数に占める保有者株式数の割合が五%を超えるもの、これは五%ルールですね、これに逸脱するもので、市場の透明性、公正から見ても極めて深刻な事態ではないか。そして、なぜこういうことが、きょうは証券等監視委員会の委員長にも来ていただきたいというふうに思っていましたが、事務局長、お見えだと思いますが、なぜ見過ごされてきたのか。
 私たちは、この後の法案の審議でも申し上げますが、日本版のSECをきっちりつくって、投資家の保護、それから受益者の保護、これをやらない限り市場に対する信頼というのは返ってこないんではないかというふうに思いますが、事実関係を伺いたい。
 それから最後に、財務大臣ですが、これだけの個人名義の株式があったということは、そこに配当が生じている可能性もある。配当が生じているということは、税法上の問題も生じているんではないでしょうか。このことについて基本的に、一般論で結構ですから、お尋ねをします。
 そして、証取の、きょうは事務局長ですか、監視委員会の事務局長については、インサイダー取引の要件についてもあわせてお尋ねを申し上げます。
 以上です。

○金融庁証券取引等監視委員会事務局長 お答えします。
 証券市場の信頼性を確保するために、適切なディスクロージャーあるいは公正な取引の確保というのが行われることは極めて重要だと思っておりまして、私ども監視委員会といたしましても、そうした中で、そういったための調査、証取法違反の犯則調査中心に、日々一生懸命やっているところです。
 それで、御指摘の西武・コクド問題という意味では、恐縮でございますけれども、個別事案に関することなので、これまでの調査の有無を含め、お答えすることは控えさせていただきたいと思います。
 なお、一般論として申し上げれば、監視委員会、この有価証券報告書の虚偽記載についても、仮に法令違反に該当する事実があると疑われる事案については、情報を得た場合には必要に応じて調査を行って、調査を進めた結果、悪質な法令違反が認められれば厳正に対処しているところでございます。
 それと、もう一つ、インサイダーについての御質問だったと思います。インサイダーの制度自体について御質問なので、私がお答えするのが適当かどうかわかりませんが、一般論として申し上げますと、証取法におきまして、百六十六条で、会社関係者等から重要事実の伝達を受けた者が、重要事実を知りながら公表される前にそういう上場株式会社等の株券等の売買等を行うこと、これを違法な取引、インサイダー取引として禁止しているところでございます。
 先ほども言いましたけれども、私ども、常にいろんな形で証券取引、証券市場におけるいろいろな行為に目を光らせておりまして、疑われる場合には必要な調査を行う、こういうことで日々やっているところでございます。
 以上でございます。

○財務大臣(谷垣禎一) 個別の課税関係についてはお答えは差し控えさせていただきます。
 一般論として言えば、課税要件があればきちっと課税するということでございます。

○原口一博 もうこれで時間が参りましたので質疑を終わりますが、私は、相対で、市場外で重要事実を秘匿して株の売買を持ちかけているとすれば、これは大変大きなことであるというふうに思います。
 また、今、証券等監視委員会の御答弁は、犯則調査権についても触れられました。今、私たちは、独禁法の改正案、公取にも犯則調査権を渡そうという法律案を、与党さんも我が党も出しています。しかし、これほど大きな権力を与えるのであれば、国会つまり主権者に対するきっちりとした説明責任が必要なはずです。個別の事案だからといって、行政機関が犯則調査権も含めた刑罰を野方図にさまざまなところに適用していっていいというわけではありません。経済における自由、これを守るためには、まさに国会に対する説明責任、国民に対する説明責任をきっちり果たすこと、このことが重要であるということを指摘して、質疑を終えたいと思います。ありがとうございました。