財務金融委員会

平成16年12月1日(水曜日)

○財務金融委員長(金田英行) 次に、原口一博君。

○原口一博 民主党の原口一博でございます。
 先ほどの中塚委員に対する御答弁で、高木委員長が介入と感じられたことは御自身にはわからないという貴重な御答弁がありました。私、そのとおりだと思います、斉藤社長。
 ですから、委員長がどうして介入と思われたのか、これは大変政治的にも法的にも大事なところでございますので、改めてでございますが、今の答弁から明らかなように、まさに高木委員長を本委員会にお招きして、その真意は高木委員長に伺いたいと思います。
 委員長におかれましては、私からもお計らいをいただきますように強く要請をいたします。

○財務金融委員長(金田英行) はい、わかりました。

○原口一博 ありがとうございます。
 まず、問いの一番でございますが、一体委員長というのはどういう権限を持っているのか、そして、だれに責任があるのか。
 産業再生機構法第十五条では、支援決定等は委員会は取締役会から委任を受けたものとみなすというふうにされています。また、第十六条で委員長は委員会の会務を総理するとされていますが、機構法の中で委員長の果たす役割は何ですか。それから、支援決定等の権限はどこにあるのか、責任者はだれなのか。それを伺いたいと思います。

○株式会社産業再生機構代表取締役社長 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のとおり、一応、産業再生委員会というのは、この事業体の支援決定、買い取り決定、処分決定という三つの大きな決定要項がありますが、これの最高決定機関というふうに位置づけられていると思います。それで、委員長が議長をやっておられる。委員長は当然、委員七名の互選によって選ばれるということでありますけれども、我々の理解では、事業の最終決定権は委員会が持っている。ただ、機構の責任というのは、株式会社でございますし、私、代表取締役社長でございますので、これは普通の会社といたしまして、株式会社産業再生機構の全責任は私が持っているんだと了解しております。

○原口一博 明確な御答弁ありがとうございます。
 まさに、支援の最終決定の責任、その権限、これが委員長にあるわけでございまして、その委員長が――きょう委員長、資料を配付させていただきたいと思います。
 お手元に、先ほど中塚委員が配付された辞任届とそれから要望書をお示ししています。この両方でも、いわゆる経済産業省から強い介入を受けた、あるいは、この要望書の下のパラグラフでございますが、「個別の案件をめぐって経済産業省から強い介入を受けたと感じざるを得ないような事態に直面し、困惑致しました。」ここまで委員長がおっしゃっている。つまり、今斉藤社長のお話のように、実質的な決定権を持つ、そしてその権限を持つ最終決定の責任者が、こういう介入を受けたというふうにおっしゃっているわけで、まさにこれは機構法に照らしてもゆゆしき事実でございます。
 ですから、介入を受けたというふうに思うか思わないかは、斉藤社長の御答弁のように高木委員長にしかわからない話でございまして、斉藤社長はそういう事実とまでは認識をしていないということでございますので、まさに高木委員長から直接お伺いしなければいけないというふうに思います。
 さて、もう一点お聞きをいたしたいと思います。
 お手元に、本委員会に経済産業省が平成十六年十一月付で「経済産業省と産業再生機構及びダイエーとのやりとりについて」ということで提示をいただきました、理事会への提示資料がございます。ここで、産業再生機構ということで、経済産業省がおっしゃることが書いてあります。八月二十日、ダイエー再建のスポンサー候補四グループが入札手続に参加、民間入札の締め切り予定日は十月十二日であった。つまり、民間が最初に十月十二日ということで期限を決めていたということが経済産業省の文書で、ここでわかります。その後十八日に延期と括弧に書かれています。
 そして、九月の二日、先ほど審議があったところでございますが、経済産業省の北畑局長が産業再生機構斉藤社長と面談して云々と。幅広くここで意見交換をされたと。
 その翌日、これも括弧の中をごらんいただきたいんですが、九月三日、民間入札に向けた資産査定と同時並行で機構による資産査定を進める、これもまた括弧に入っているんですが、ただし機構への正式支援要請を前提としない旨ダイエーと主要三行間で合意と。つまり、これは機構と書いてありますけれども、ダイエーさん、民間銀行さんの間でどういうふうに考えられたかということが経済産業省の文書には書いてあるわけでございます。
 そこで、斉藤社長にお尋ねしますが、理事会でも北畑局長は何回も私たちの前で、例えばこうおっしゃっています。民間を押しのけるようなことはしないということだったのにどういうことか、あるいは、間髪を置かずに新聞に出るとはどういうことかと。つまり、所管の局長が、機構が守秘義務違反を犯したのではないか、そういう疑念を持って機構に尋ねたということをおっしゃっているわけです。機構に守秘義務違反はあったのか、あるいはそういうお尋ねはあったのか、まず斉藤社長から伺います。

○株式会社産業再生機構代表取締役社長 まずお答えからさせていただきますけれども、機構に守秘義務違反があったとは一切認識しておりません。
 我々は、守秘義務に対しましては非常に厳格なルールをしいておりますし、新聞等々で報道があるたびに内部の調査をやったり、あるいは、我々は例えば、コピーをとるところは全部、とる人間からコピーの内容から写真に写るようになっていたり、いろいろな手法を使って、情報が外へ出ないように厳格なルールをしいております。
 したがって、私は自信を持って、絶対に産業再生機構から情報が漏れるということはないということを、まず申し上げたいと思います。
 それから、御質問の点で、我々は、事業会社とメーンバンク、金融機関が両方そろって事前申請をやっていただいて、デューデリに入ってくれという要請がない以上、絶対に、我々の方から作業をしかけるということは一回もやったこともありませんし、今までもやっておりません。
 この場合も、現実に代表者が印鑑を打った事業会社の書類をいただき、銀行側からも書類をいただいて、なおかつ、担当者は、このデューデリジェンスというのは普通のほかの事業会社の場合と同じですよ、我々は支援決定ができるかどうかを査定するデューデリしかやらない、それ以外のデューデリはあり得ません、よろしいですねということでスタートしております。

○原口一博 多分、そこが経済産業省との認識が違っていたところだと思うんです。
 つまり、この九月三日、先ほど読み上げましたけれども、機構への正式支援要請を前提としないデューデリを民間と機構とで同時並行でやるんだということを経済産業省の文書は物語っています。つまり、このデューデリの中で、正式支援要請がなく機構が勝手にやったのではないか、あるいはそこに、やっていることについてさまざまな意見を述べることは何の問題もないと。
 逆に、これは十一月十二日の中塚委員への答弁で、北畑局長はこうまでおっしゃっているんです。「機構法の二十二条は、申請主義でございます。ダイエーの方がまず銀行と相談をして機構に申請をするという申請主義でございまして、これが逆回りになっているのではないかということについて議論をいたしました。」また、「機構に申請を要請するか否かという極めて重要な経営上の問題について、六日付の文書で、」これは十月六日付の文書でございますが、「十二日回答期限という文書でございましたから、これは極めて問題だと申し上げました。」ここまでおっしゃっているわけです。つまり、機構法に照らして、機構のパフォーマンスがそれについて大変問題を含んだものであったのではないかということを担当の局長がおっしゃっているわけなんです。これは私は大問題だと思います。また、その後に、「ショートノーティスであり、」ショートノーティスというのはつまり期限が余りにも短くて、そして、「やり方として丁寧さ、丁重さに欠けるということについて、斉藤社長とはかなり激しく議論をいたした記憶がございます。」ここまでおっしゃっているわけです。
 つまり、今おっしゃったのは、デューデリについてはダイエーから要請があった、あって初めてやっている、その御認識と、それは事前審査であって正式要請でないという経済産業省の北畑局長の御認識がずれているわけです。この認識のギャップについて、どのようにお考えになりますか。

○株式会社産業再生機構代表取締役社長 まず、まさしく二十二条に言いますところは、我々は申請主義であるということはもう言うまでもないことでございます。
 それで、先ほども申しますように、九月の十五日でしたか、そのちょっと前ぐらいで、事業会社の代表者の印鑑がちゃんと打ってあって、私もそれに対してカウンターで打ちました。両者のサインがちゃんと入ったアグリーメントが結ばれているわけでありまして、その申請があって初めて我々はスタートしておりますから、時間が逆転はしていない。
 ただ、ちょっと考えますのは、なかなかわかりにくいところがありまして、二十二条に言います申請というのは、実は普通の場合もそうなんですが、我々、支援決定日を大体決めてまいります。そうすると、普通の場合は、取締役会で、その前の日ですとか、ひどい場合はその日に正式の申請というものを出されるのがあります。これをもって二十二条申請になっておりまして、我々が入っていますのは事前の審査でございます、あくまでも。何か少しほかと違ったというのは、確かに並行でやったというのはほかでは余りやらなかったことではありますけれども、しかし、そのときに、並行ではあるけれども我々のデューデリが優先しますよとか、いろいろなことをちゃんと銀行にも事業会社にも説明して、了解をいただいてスタートしたということであります。
 それから、ショートノーティスというお話は、先ほど申しましたように、実は最初の入り口のところから、一週間置きぐらいに何度も、協力を得られない、法務デューデリのところへ入っていっても書類が出てこない。私どもは、二百数十名のローヤーの方とかアカウンタントの方、全国の方を集めて組織をつくっておりまして、これは時間給の方々でまさしく国民の経費で大変高いのでございますが、それでその前一カ月完全にあいてしまっているわけです。空っぽで全然ワークができない。こんな無責任なことはできないので、おやりにならないならおやりにならない、しっかりしてくださいと。おやりになるならこういう条件で、しかも時間が三月三十一日と切られているので、申しわけないけれどもこういう条件でしかやれませんという申し上げをしたわけでありまして、その前に当事者は、私どもと事業会社、私どもと銀行は相当話し合った後で六日の手紙が出ているということで、これは局長には随分説明したつもりであります。

○原口一博 その間の経緯がよくわかりました。つまり、私が今お配りしたペーパーにございますように、八月二十日の時点で民間の入札参加、民間入札の締め切りの予定日も十月十二日になっている。それと並行して機構の事前のデューデリが進んでいる。
 延ばしたのは民間の方であって、期限ということについてこの委員会でも各大臣に聞きました。期限の設定というのは機構のさまざまな業務について大変重要なものである。それは今斉藤社長がお話しになりましたように、大きな費用もそこに発生をするし、また、機構は期限を区切った組織でございまして、後ろがある組織であるということからしても、この期限の問題というのは業務の重要な柱であるという答弁を各大臣がいたしました。
 この認識は斉藤社長も同じでございますか。

○株式会社産業再生機構代表取締役社長 まさしくおっしゃいますとおりでありまして、普通は、事前の審査というのは、場合によっては四カ月、五カ月かけたりすることもあるんでございますが、今回の場合は、もう三月三十一日に買い取り申し込みの期限が切ってありますものですから、逆算しますと、どうしましても最低三カ月以上ぐらいかかるということから、この十月の十二日という日にちはぎりぎりの重要な日であったというふうに思います。

○原口一博 今の御答弁で明らかになりましたけれども、機構が設定したというか、これは合意した期限ですね、一方的に機構が設定した期限でなくて、銀行及び当該の企業と合意をした期限。それを大きく延ばせというのは、大変業務に支障がある、こういうお答えであったと思います。
 それで、ちょっと一個前の御答弁に戻りますが、機構の方のデューデリが優先するということもお答えでしたか。民間のデューデリと並行していますね。機構の方のデューデリが優先するという御認識であったわけですか。そうしますよという。ちょっと私、答弁をうまく聞き取れなかったので、再度お尋ね申し上げます。

○株式会社産業再生機構代表取締役社長 これは、私が直接というよりも、現場のスタッフが、事業会社の役員の方あるいは銀行の方といろいろな話をしている中に、当然、並行デューデリを行っていくとどこかでぶつかることがあるだろうということを考えまして、その場合は機構のデューデリを優先してくださいねという話を申し入れております。

○原口一博 まさにそのことが起こったわけですね。つまり民間ベースにおける支援決定と機構による支援決定とがある意味では火花を散らした。そのときに、今おっしゃった、機構を優先してくださいねというのはお願いであって、それは契約ではないわけですね。ちょっと御答弁をお願いします。

○株式会社産業再生機構代表取締役社長 守秘義務契約というのを結んで、それで入ったということでございます。

○原口一博 ということは、もう一回伺いますが、デューデリについて回答期限を設定するということは機構の重要な業務であると。省庁がそのことについて、ああしてくれこうしてくれと、監督官庁であっても言う権利というのがあるのか。機構の重大な業務について、私もこの機構法をずっと読みましたけれども、各省庁はそこまでの権限は与えられていないんではないか。もしそういう権限を法律で与えてしまえば、さまざまな予期せぬ負担が発生し、あるいはこれは言葉が過ぎるかもわかりませんが、モラルハザードや癒着やブラックボックスが生まれてしまう。行政が政治化してしまえば、そこにはやみが生まれてしまう。行政が政治化してしまえば、そこに恣意的なさまざまな差配が生まれてしまう。これを私たちは国会の中でずっとチェックをしてきました。
 そこで、こういう、行政が回答期限を延ばしてくれと機構に要請をすること、これは機構法の中にどこか条文がございますか。あるいは裏を返して言えば、監督官庁はそういう期限の設定について、それを延ばすように要請する権利というのは、どこかに書いてありますか。あるいは、それはこの機構法が想定していない問題ですか。斉藤社長から伺いたいと思います。

○株式会社産業再生機構代表取締役社長 個別案件の資産査定の途中で主務官庁から期限についての発言が入っていいというようなことは、どこにも書いていないと理解しております。

○原口一博 つまり、法律に基づかないことをやられた。あるいは逆に、これは逆から聞きます。もしそういう中で主務官庁が機構の業務に期限を延ばせということをやってきたときに、何が起こりますか。私たちは何を心配すればいいんでしょうか。

○株式会社産業再生機構代表取締役社長 少し話が長くなりますが、どうも経産省と我々との見方が少し違っていたのは、我々はあくまでも中立機関であり、国の保証したお金を使わせていただく以上、民間でおやりになって資産査定をなさった値段が果たして本当に正しいのか、恣意的でないかどうかということをチェックする立場なんでありまして、何か、民間と我々が争って事業会社をとり合っているというふうな誤解があったんじゃないかと思うんです。
 我々は全然そういう気持ちはありませんで、もともと中立的な仲介者でございますから、民間で査定なさった資産をベースにして、さあ、あと銀行さんに放棄を幾らしてもらって資産を産業再生機構で買い取れということですと、我々は自分で何の査定もしないままに国民のお金を使ってしまうという無責任なことをやる、そういうことは我々は絶対できません。我々は、自分たちが納得するデータをちゃんと押さえない限り国民のお金を使うことができませんというのが我々の立場でありました。
 したがって、我々としてはこういうことを説明して、いろいろ御意見はあったと思いますが、長々とこういうことを説明して、一応御理解いただいたんじゃないかと私は思っております。

○原口一博 御理解をいただいたというふうには、社長は思っていらっしゃるかもわかりませんが、私どもは理事会でもこの委員会でも当該局長にお話を伺っていますので、御理解いただいていないと思っています。
 何となれば、こうおっしゃっているんです。これは我が委員会の理事会での御発言ですが、十月十二日の段階で機構はオペレートしておらず、関係ないんだ、オペレートしていないからまさにその業務のあり方について意見を言ったのであって、幾ら期限のことであろうが、それは不当な介入ではないということを明言されているわけです。
 機構は十月十二日の段階でオペレートしていないというこの認識が私はまさに間違っていると思うんですが、斉藤社長は、十月十二日の段階はもうデューデリをして、逆に言うと、その期限の日ですから、国民に向けて国民負担の最小化やさまざまな産業再生の観点から決断をしなきゃいけなかった、そういうファイナルの時期だったと私は思いますが、斉藤社長の御認識を伺いたいと思います。

○株式会社産業再生機構代表取締役社長 局長のそのオペレートという意味がちょっとよくわかりませんので、余り評価するあれはないんですけれども、一応、現実に、十月十二日時点におきましてはデューデリを十分やっている最中で、それがうまくいかないという状態に陥っていたということでございます。

○原口一博 オペレートという意味は、きょうは御本人がいらっしゃらないのでまたそれを聞かなきゃいけないんですが、つまり、産業再生機構法に言う正式申請があったその後のことをおっしゃっているのではないか。つまり、事前審査の中のさまざまな申し出については、そこは機構の正式なオペレートでない、そういう意味なのではないかと、これは私が解釈を、何回も聞いて解釈をしているんです。
 しかし、そういう解釈をもし仮にしてしまえば、何が起こるかというと、先ほどから何回も申し上げておりますとおり、機構の業務の一番大事なところである国民負担を最小化し極小化し、そして中立公正な業務を行うというデューデリに予見を与えてしまうということになってしまうわけでございまして、私のこの認識について斉藤社長がどうお考えになっているか、お尋ねをしたいと思います。

○株式会社産業再生機構代表取締役社長 先ほどから申しましているように、機構が全員でその中立性、公平性等々を必要以上に主張します一番大きなポイントは、異様なことで曲がって国民負担が大きくなるということは許されない。あるいは、我々は三年以内に資産を国庫に戻すということになっております、そのときに、正しい査定で入らないとまた毀損をして大きな負担を国民にかけてしまう。もう極力そういうことはないようにというつもりで、我々は公平性、中立性ということを申し上げているということであります。

○原口一博 誠実にお答えいただいてありがとうございます。
 この当該企業の問題は、当該球団が実際に外資に売却をされている、そのことも後になってわかるというようなこともございました。官製談合という言葉がありますが、官製ぐるみの粉飾のことが行われるとすれば、まさに国民は負担だけをし、そして産業はいつまでたっても再生しないということになりますので、きょうの御答弁からも明らかなように、一番最終の大事なときに、その業務の中心である期限について不当な介入があったのではないかという疑いがますます強くなりました。
 再度高木委員長にお出ましをいただいて、そして、今の斉藤社長の御答弁に対するさらなる、その決断の根拠あるいはさまざまな事実について本委員会でただしていきたいと思います。
 斉藤社長、きょうはありがとうございました。