財務金融委員会

平成17年2月28日(月曜日)

○財務金融委員長代理(遠藤利明) 次に、原口一博君。

○原口一博 民主党の原口一博でございます。
 この二法案の審議、徹底的に審議をさせていただきたい。その中で、財務大臣、それからきょうは日銀総裁にもお見えいただいておりますので、るる質問をさせていただきたいと思います。
 まず、先般のG7の場で、世界経済の先行き及びリスクファクターについてどのように議論が行われたのか。また、そこで議論された世界経済の先行き、リスクのファクターについて、私たちはどのようにヘッジをすればいいのか。先ほど、我が党の古本議員がお話をしましたが、ドメスティックな経済の指標だけを見ていてはとてもヘッジできないような大きなリスク要因についてもここでしっかりと議論をしておくべきだ、私はそう思っておりますので、まず日銀総裁、先般のG7の場での議論について御紹介をいただきたいと思います。

○日本銀行総裁 お答え申し上げます。
 G7の場及びその他の国際会議の場で最近共通いたします認識は、世界経済につきまして、今年について、昨年に比べ成長率は若干低下するものの、持続的な拡大パスに着実に乗った姿で拡大を続ける、こういう予想でございます。
 リスク要因という御指摘がございました。リスクファクターとしては、まずグローバルなインバランスの問題が存在する、マーケットも強く意識し続けている要因でございます。この点につきましては、今回のG7では、米国は財政赤字の縮小ないし健全化、欧州及び日本はさらなる構造改革に優先的に取り組んでいかなければならないということが確認されたということでございます。
 G7が終わりまして、御承知のとおり、アメリカの政府は、二〇〇九年度における財政赤字半減達成を視野に入れた米国の会計年度での二〇〇六年度の予算教書を公表したわけでありますが、これはG7コミュニケの趣旨を踏まえた米国の姿勢を示しているものだというふうに理解されていると思います。こうした政策は、世界経済のインバランスを緩和して、各国がより長期的に、持続的な成長を達成していく上で必要不可欠なものでございます。今後は、日本を含めたG7各国がそれぞれ掲げた目標、構造改革を含め、着実に実行していくことが重要だということだと思います。
 このほか、G7コミュニケでも、原油価格高騰のリスクが引き続き意識されておりまして、かつコミュニケでも言及されております。市場の透明性やデータの完全性が円滑な市場運営のかぎであるということもあわせ確認されているところでございます。
 原油価格の高どまりは、エネルギー多消費国を中心に、これは実質購買力の低下を通じて経済の減速につながる心配があるわけでありますし、先進国におきましては、インフレ予想に及ぼす影響に注意しなければならないというふうに、これまたリスクファクターでございます。この点は、各国がそのリスクを十分念頭に置いて、適切なマクロ経済政策の運営を行っていかなければならないという状況でございます。

○原口一博 総裁がお話しになりますように、さまざまなリスクファクターをヘッジしながら、その構造改革を我が国は進めなきゃいけない。
 そこで、一番問題となるのは持続的な成長に欠かせない消費、国内の内需の拡大、これをどう持続的にするかということが政策の最初のターゲットであるはずです。
 しかし、その政策のターゲットをこのような定率減税の縮減という形でやってしまうことが、ちょうどあの橋本財構法のときにかえって財政赤字を拡大させ国民の負担はその後かえって大きくなりましたね、そして負担が大きくなるだけではなくて、経済全体の成長も鈍化をし、そして恒久的減税というような減税をして今に至っているという、そこの反省がどこまできいているんだろうか。このことをきょうは明らかにしたいと思います。
 委員長にお許しをいただいて、きょう三種類の資料をお手元に出していますが、まず財務金融委員会配付資料三をごらんになってください。
 日銀総裁と財務大臣、これは対ユーロ、対円に対して、ドルがどのような動きをしているかということを示したグラフです。私は、ニューヨーク・タイムズのレポート、グリーンスパンさんとブッシュさんのみつ月が終わりかけているのではないだろうか、このレポートに着目をしました。すなわち、これまでの連銀総裁とそれから大統領との間の緊密な財政運営あるいは経済運営、こういったものが、ある意味では一つの曲がり角に来ている。
 先ほど総裁がお話しになりましたように、アメリカの財政再建がなければ連銀は金利を上げざるを得ない、こういう状況になっているのではないか。このグラフをごらんになれば、二〇〇一年の〇・八二というのがユーロの底ですね。それから六六%も切り上がってきている。円については三三%。主役はやはりユーロなんですよ。
 ここで私たちがきょう問題にしたいのは、その次のページをごらんになってください、主要国の外貨準備と対米証券投資。世界経済が、一方でアメリカの経常赤字、それから、中国を中心とする、大変大きな勢いで外貨準備がふえている。
 私たちは、ふやした外貨準備はドルに向かうものだと、ドル債を買うものだとアメリカの当局も思っていた節があります。しかし、現実には何が起こっているかというと、外国からさまざまなものを買って外貨準備をふやしても、それをドルで持っていてドルが暴落してはたまらないということで、ドル売りの圧力が非常に大きな勢いでかかっている。民間資本がアメリカに流れて起こったのではなくて、中国の外貨準備をごらんになってください。二〇〇〇年に千六百五十六億ドルだったのが、もう今や五千百四十五億ドルになっている。これがドルに向かうんだったら、中国の元はドルとペッグしていますから、ある意味では今までの予想どおりなんですが、それはユーロに向かっている。
 アメリカは、世界から一年間に六千億ドル集めないと回らない経済、これを維持するためには、先ほども申し上げたように、民間の資本を引きつけるためにアメリカは金利を上げなきゃいけない。アメリカがくしゃみをすれば日本経済はまさに肺炎を起こすという状況は今も変わっていないんです。その中で、世界的規模でこういうことが起こっている。
 私は、今日銀総裁がお話しになった、アメリカの財政赤字がなぜ問題なのか、その一つの大きな理由がここにあるというふうに思うんですが、財務大臣、日銀総裁、このグラフを見て、どのように思われますでしょうか。お尋ねをいたします。

○財務大臣(谷垣禎一) 確かに、委員が御指摘のように、この数年というか、このしばらくの趨勢は、ユーロが高くなっていったことにあるというふうに考えております。
 それで、今委員の御質問は、結局、外貨準備を持って、日本もふえておりますが中国もふえているのが、アメリカに向かわずにユーロに向かっているんじゃないかということでしょうか。
 私は、中国の外貨準備がどういうポートフォリオになっているのか、中国もこれは発表していないですね。(原口委員「いやいや、ここに書いてあるよ。対米証券投資」と呼ぶ)対米証券投資といいますのは、多分、中国政府がということよりも、中国全体がどれだけかということなんじゃないかと思いますが。中国政府は発表していないと思うんです。
 それで、私どもも、日本のポートフォリオの中身がどうなっているかということは、確かに、ドル買いが多いですから、大宗的にドル建てが多いことは事実でございますけれども、この中身がどうなっているか、どういう影響を受けているかというのは、影響するところが大でございますと、私は、発言は極めて慎重でなければならないと思っております。

○日本銀行総裁 ただいまの御質問に関連して申し上げますれば、米国の赤字、なかんずく経常赤字は、この前に問題になりました一九八〇年代の後半に比べますと、今回の方がスケールが大きくなっている。アメリカ経済の大きさ、名目GDPに対する比率も、前回は三%ぐらい、今回は五%を超えて、さらに進もうとしているということが大きゅうございます。したがいまして、その反射効果として、それ以外の国の通貨にプレッシャーがかかる、あるいは外貨準備がふえるということになっております。
 八〇年代後半ともう一つ違いますのは、赤字国が当時は分散していた、今回はかなり米国に集中している、そして、黒字がどちらかといえばアジアにたまりがちだ、こういうふうな感じがある点は違いだと思います。
 しかし、もう一つの違いは、その間にグローバル化が非常に進み、資本の面でも、国境を越えて資本がより円滑に動くようになった。米国において、政府部門は赤字でございますが、米国の民間部門が世界の投資家に望ましい投資機会を提供し続ける限り、ファイナンスがされやすくなっているという面もございます。
 現在のところ、そういう状況で、米国の国際収支のファイナンスが急に不円滑になり始めているという兆候はないわけでありますけれども、いつまでもこういう状況が続くかどうかについて、市場においては根底的な懸念が残っているという状況だと思っております。

○原口一博 財務大臣のお答えより、日銀総裁のお答えの方がより確実だと思います。
 IMF、米国財務省の資料をなぜここに出しているかというと、アメリカの方がこういう統計を持っている。特に、アジアにおいて、例えば、仮に外貨準備を五割ドルで持っていても、一〇%ドルが弱くなれば、その年の五%成長というのはチャラになってしまうわけです。つまり、外貨準備で稼いだお金はドルの急落によって消えていく、こういう状況について、私たちはどういう政策スタンスをとればいいかということを言いたくて申し上げているわけです。
 その次のページをごらんになってください。
 特に、アメリカで起こっていることは、これは長短の金利のところですが、この三ページ目。ドイツの金利は横ばいですね。アメリカの金利はどんどん上がっている。国債も、長くなればなるほど、ドル債の金利は余り上がっていない。短期の金利が上がって、長期の金利が上がっていないのが、私は大きな問題だというふうに思っています。
 その次の四ページを開いてみると、アメリカの十年国債の利回り、これは、ことしの一月一日で四・一八八という数字ですけれども。インフレ連動債、まさに、短期金利が上がって長期金利が上がらない、長短の金利差が縮小している。このリスクを私たちはどうヘッジするのか。アメリカの金融機関にとって、これは大きな問題なわけです。八割以上の利益が、短期の安い金利で調達して、長期の金利の高い投資をやっている、これがまさにアメリカの今の金融の姿だというふうに思います。このメカニズムがどのような要因で狂ってくるか、アジアの金融危機どころの話ではないと思います。
 アメリカの債務問題、今日銀総裁がお話しになったように、過去十五年くらいで、何かあると金融緩和という政策をとってきた。その結果、債務が国全体でGDPの約三倍になっている。これは、この委員会でも何回も議論がありましたけれども、中国やアメリカの経済に、いわゆる外需に支えられてきた日本経済の成長エンジン、このエンジンに、大きな懸念、あるいはリスクの懸念材料が出てきているということではないでしょうか。
 連銀は、あとどれぐらい金利の引き上げをするのか。マネーサプライが減り、投機資金が減れば、日本株を買う資金というのもかなり減ってくるわけで、私は、何も悲観的シナリオをここでつらつらと述べる気は全くありません。しかし、世界の我が国の中では、政策ポジションをどうとっても手の届かないところ、財務大臣、私は、自分たちの政策でやれるところは、それは自分たちでヘッジすればいい。しかし、自分たちの政策の手の届かないところで大きな金融の世界での変化が起こっていることについては、よほど慎重に議論を積み重ねておく必要があるということでこういう数字を出しているんですが、財務大臣、御所見をいただきたいと思います。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

○財務大臣(谷垣禎一) おっしゃるとおりだと思います。
 アメリカがどういう形で資金をファイナンスしているのかというのは非常に重要な問題でありまして、その回転がおかしくなってしまいますと、影響は非常に及んでまいります。
 それから、ちなみに先ほど私申し上げましたのは、この外貨準備で示してあるというのはドル表示をしたものでございまして、この中身がどうなっているかというのはこれだけではわからないわけでございます。日本も八千百十二億ドル、こうなっているわけでありますが、その中身は私どもも発表しておりませんし、恐らく中国も発表していないと思います。

○原口一博 いや、だからそこに私たちの大きな懸念材料がある。去年、ニューヨーク連銀の総裁とも議論をしましたけれども、恐らくアメリカに対して割と経済を引っ張るようなポジションを各国は持つんだろうと私たちも思っていまして、そう期待しているわけですけれども、しかし、今申し上げたような理由でアメリカの経常赤字が積み上がり、しかももう一つ、いとこの赤字という財政赤字が莫大になっていけば、それをヘッジする方向に各国金融当局も動くだろう、民間の資金が流れる、その流れる力よりも、むしろ中央銀行のポジションがますます高まっている、その重要性が高まっているだろう、そのことは否定できませんねということを申し上げているんです。いかがでしょうか。

○財務大臣(谷垣禎一) おっしゃるとおりだと思います。その意味で、今度G7で、先ほど日銀総裁も言われましたけれども、私どもも構造改革の努力を約束したわけですけれども、アメリカにも財政規律を求めて、アメリカもそれを了承したというのは意味のあることだったと思っております。

○原口一博 同じことを日銀総裁に伺いますが、アメリカのドルのいわゆる信頼をつなぎとめるために世界各国がさまざまな協力をしなきゃいけない。我が国は、何回も申し上げますが、外需頼みの今までの経済を大きく内需主導。日銀総裁は二つの道筋を示して、日本経済が安定成長にしっかり到達するために、経済が本来の本格回復をするために何が必要かということをお答えになっていますが、その二つの道筋というのは何ですか。

○日本銀行総裁 まず、民間部門の構造改革、これは間もなくペイオフの全面解禁ができるというところまで前進してまいりました。これからは、企業及び金融機関とも、より前向きに新しい循環メカニズムを相呼応してつくり上げていけるだけのリズム感を出していかなきゃいけない。我々のマクロの政策はそれをバックアップしていくということでございます。
 同時に、金融政策は、特に中長期的な物価の安定を目標としています。物価が恒常的に下がり続けるという状況を脱却しなければいけないわけなんですけれども、ここのところは、経済の持続的な回復の実現、それが表裏一体となって、物価の面でも決してインフレに行かない、しかしデフレからは脱却するという望ましいパスを築いていかなければいけない。そういう前向きの努力がいよいよ今から始まっている。
 今までは、どちらかといいますと、過去の問題処理、金融機関も不良債権問題の処理、そして、同じく物価の下落であっても需給ギャップが大きい状況からの脱却、後ろから前に向いて、向きを変えるための懸命の努力でございましたけれども、これからは前向きに、呼吸が合うように前進していかなければいけない。その中で、引き続き我々は緩和政策を続けていきますし、引き続き、資金が今後はより前向きに有効に使われていくように努力していかなければいけない、そういうことだと思っております。

○原口一博 私もその二つのパスだと思っています。つまり、リズムと、経済成長に対する本当の意味での実感、確信と言ってもいい。資金市場についても、ここをしっかりと改革しなきゃいけない。この二筋だと思っています。
 そこで、どうしてこういったことをやるのか。私は、先ほど古本議員が質問をいたしましたけれども、リズムを壊すだけではなくて消費を直撃する、結果、年金の財源も毀損し、そしてまた新たな増税といったものをやらなきゃいけない。橋本行革法でなぜあれが失敗したかという総括は、もう何回も予算委員会でもさせていただきましたし、あのときも申し上げました。あのとき必要だったのは政府の歳入歳出構造の改革だったはずです。それを単なる歳出カット、そしてそのツケを国民の一番中核のところに押しつけたがために、かえってあの後どれぐらい赤字国債を発行しましたか。百兆、二百兆という額じゃありませんね。それと同じようなことを今やっているんではないかということを、私は申し上げておきます。
 可処分所得を増加させる政策を今こそ打つべきで、特に、今申し上げたようなグローバルな、経済が大きなリスク要因を抱えているときに今これをやるというのは、やはり内側だけを見ている議論だなというふうに思います。
 また日銀総裁に伺いますが、日銀は、私はこれは大反対でしたけれども、まさに日銀が財政政策まで踏み込んだような株の買い入れを、三兆円を枠にやりましたね。これはどうなったんですか。今も続けているんですか。たしか昨年の九月三十日ですか、それぐらいで締め切っていると思いますが、もうそれもやめているんでしょう。

○日本銀行総裁 委員御指摘のとおり、日本銀行によります金融機関からの株式の買い入れ措置は極めて異例の措置、異例の措置ということを我々も強く意識して実行してまいりました。
 先ほども申し上げましたとおり、我々は、後ろを振り返って過去の問題を完全に処理して、早く前向きに物事を進めたい。後ろ向きに処理しなければいけない問題の一つが、金融機関の財務の健全性。その場合に、不良債権の処理の問題はございますけれども、株式の市場価格変動リスクを金融機関が大きくかぶっている状況にあっては、なかなか目的が達成されません。財政政策というよりは、金融機関の財務の健全性のための努力の一環として、我々はそこに異例のサポートをしたということでございます。
 金融機関の株式の保有状況が資本のティア1の部分を超える部分をなるべく早く消すことによってバランスシートの健全化を図りたい、その目標がかなり達成された。同時に、政府の方において用意しておられます、あれは正式の名前は忘れましたが、株式の買い入れ機構、この機能が強化されたということも私どもにとりましては朗報でございまして、既に我々の方の買い入れ措置は完全に終わっております。

○原口一博 日銀の買い入れ措置は終わっていますね。では、政府の買い入れ措置は終わっていますか。

○金融担当大臣(伊藤達也) お答えをいたします。
 買い取り期間は十八年九月までということになっております。

○原口一博 財務大臣、お聞きになったとおり、まだ買い取りをやっているんですよ。こういう状況の中で定率減税の縮減。ティア1を超える中核的な自己資本、五兆円程度を銀行が余計に持っていたわけですね。それを、日銀は財政政策に踏み込み、そして政府も、銀行から申し出があったらトリプルB以上の株についてはこれを買いますという異様な政策をまだ続けているんですよ。右手がやっていることと左手がやることが違いませんか。莫大な資産の移動を国民から金融機関に対してまだ行っている段階で、そしてこういうことをやるんですか。国民に理解できますか。
 後でお話をしますが、年金の財政についても、この二案、これは両方とも年金関連ですね。年金の基礎的な財源のところにする、あるいは年金の事務費、これは公債特例法の改正ですけれども。本当にまじめに年金の部分についてもしっかりと財政改革をやっていますか。一人一人の可処分所得が足りずに年金を支払うことができない、年金の保険料も払えない。それに加えて、皆さんに預けていて本当に自分たちの年金は大丈夫か、それがこの年金問題の本質じゃないですか。
 日銀総裁、今まで三兆円の枠の中で二兆を超える株を銀行から買い入れられたと承知をしていますが、どこに委託をして、日本銀行が選定した格付機関ですね、格付機関を四つぐらい選定して、そこがトリプルB以上だといったところにその株を指定したんじゃないかと思いますが、これはどうやって市場に戻すんですか。いわゆる流動性の高いものから銀行から株を買っているわけでしょう。つまり、それだけ流動性の高い株、それから格付の高い株というのを日銀にいつまでも塩漬けしておくんですか。そこで莫大なモラルハザードが起こっている可能性はないんですか。

○日本銀行総裁 日本銀行が買い入れました株式、買い入れに当たっての銘柄の基準は三つございまして、上場株式であること、そしておっしゃるとおり、格付がトリプルBマイナス相当以上であること、そして、取引所における売買成立日数が年間二百日以上かつ売買累計額が年間二百億円以上、これは流動性の高い株式ということでございます。これを日本銀行が直接買うというよりは、信託銀行に事務を委託するという形で買い入れている、こういうことでございます。買い入れました株式は、おっしゃったとおり、グロスで累計二兆百八十億円に上っております。
 これの今後の処分、つまり、買い入れた株式の処分でございますが、平成十九年の十月以降に開始をして、平成二十九年の九月末までに終了するということにしております。まだしばらく売却開始まで時間がありますし、開始いたしましても、十年間かけて市場にインパクトが少ない形で売却していきたいということでございます。我々としては、できる限り日本銀行の財務の健全性から売却損を回避するということにも十分留意しながら、市場にお返ししていくということでございます。

○原口一博 財務大臣、お聞きになりましたか。こういうことをやっているわけですよ。
 そして、市場に対するインパクトを少なくなんといっても、現実にもう今金銭の信託で評価損益を計算すれば六千四百六十四億円、これは日銀のプラスになっていますよね。だから、将来どうなるかわからない、もうちょっと前まで、株価がどうなるかわからない、そして銀行が株を持ち合っていて、そしてティア1を超える部分が五兆円以上もある、その中でこの政策をやっているんですよ。先ほどの質問の中で、経済が少し上向いたどうのこうのなんという甘いものでまだないですよ。
 私は、単にいわゆるストックマーケットだけがよくなればいいという考え方に立っていません。財政再建もやるべきだ。ボンドマーケットも不良債権化して、まさにさまざまな赤字が積み重なることによって、それも銀行や経済の悪パフォーマンスの一つになるから、財政再建の道筋を示すべきだという考え方です。しかし、だからといってこの所得税の定率減税のところが第一の政策課題に来るというふうに考えるのは、本当に経済や今までの国民の痛みがわからない、そういう人たちの政策だというふうに断ぜざるを得ません。
 日本銀行が選定した格付機関、これはどこですか。

○日本銀行総裁 四つございます。
 株式会社日本格付研究所、株式会社格付投資情報センター、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク、スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービシズ、以上四つでございます。

○原口一博 まさに外資やさまざまな、今日本の中で起こっている、日本経済が塗炭の苦しみを味わっているときに、今おっしゃったSPやムーディーズ。予算委員会で何とおっしゃっていましたか。その人たちの格付で日本経済をはかられてたまるか、その人たちが外から見ているもので信頼できるか、そんな話をしていたんじゃないですか。しかし、現に、今お答えになったように、日本の外側の格付機関にも格付してもらって、そして銀行の持ち株を減らそうと今やっているわけですよ。そのときにやる政策だということを明らかにしておきたいと思います。皆さんは、この定率減税や特例公債の中に年金事務費を入れた、そういったことを強行されようとしている。私は許せないと思います。
 年金についてお尋ねをしますが、きょうは社会保険庁長官がお見えだと思います。
 財務大臣、この年金の事務費については、政府としては、財務省としても今回また新たな御提案をされていますが、財務金融委員会配付資料二の二ページ目をごらんになってください。これは予算委員会で使った資料ですが、年金事務費の費用負担の考え方。つまり、去年よりも事務費については十二億円ふやしておられる、保険料負担と国庫負担で、負担のあり方については変わったけれども、いずれにせよ事務費はふえている。本当にぎりぎりの努力をしたと言えますか。
 一ページをごらんになってください。これは保険料の徴収コストです。これは社会保険庁からきのういただいたものですが、国民年金に至っては、一兆九千六百二十七億円を徴収するのに、徴収額百円当たりに三・一七円もかかっている。政管健保や厚生年金が〇・一三円であるのに対して、これだけのお金がかかっているんです。本当にこれをまだ続けるんですか。
 年金事務費、財務大臣がお話しになるように、国庫であろうが保険料負担であろうが国民のお金に変わりありません。ですから、私は、ここに思い切った切り込みが必要だ、どのようなむだをどのように正したかというその証明が必要だと思います。そうでないんだったら、こんなお金を認めることはできないと思うんです。いかがでしょうか。財務大臣はこの間の議論の経過をお聞きになって、年金事務費についてはもうこれ以上ない改革の努力をしたと胸を張っておっしゃれますか。

○財務大臣(谷垣禎一) 今委員のお配りになったこの表を拝見しまして、徴収費一人当たり、国民年金と政管健保、厚生年金、随分違うじゃないかという御指摘がありまして、私も子細には承知しておりませんけれども、やはりそれぞれの年金の制度のあり方から見て、国民年金は御承知のようになかなか不払いが、未払い、未加入があって苦しんでいるわけです。ある意味で徴収コストが高くなるのはやむを得ない面もあるのかなと思いながら拝見しましたけれども、さらにこういうところは精査をして、もっと縮減できることがあるのではないかということは考えなければならないというふうに思っております。
 ただ、平成十七年度予算におきましては、むだ遣いが多いという国会での御議論もありまして、相当厳しく精査をしたつもりでございます。年金事務費の内容、事務局の借料とか公用車の更新費用であるとかあるいは職員の研修費、宿舎関係、あるいは通知書、納付書の合理化、こういうようなことを相当厳しく見直したことでございます。ただ、システム開発等は年金改正法である程度入れなきゃならないこともございましたので、やむを得ない経費の増加もありましたが、システム経費を除きますと、保険事業運営に直接かかわる経費や内部管理事務経費について対前年度九・八%減と、縮減を行っております。
 まだまだやれるところがあるのかもしれません。それはこれからもさらに努力をしたいと思っております。

○原口一博 私は、そういう言葉ではなくて、現実にどうなったかということをこれから財務大臣や皆さんと一緒に追っていきたいと思います。財務大臣がそういう意欲を示されたということは多とします。しかし、現実にはどうなっているか。きょうは会計検査院にお見えいただいています。
 会計検査院、平成十年から十五年度、年金に関する決算検査報告ということで私たちにも資料を出していただいていますが、主にどんなむだがありましたか。どんなことを皆さんはこの社会保険庁や年金について指摘をなさいましたか。

○会計検査院事務総局第二局長 お答えを申し上げます。
 私ども会計検査院では、従来より、年金に関しまして多くの事項を検査報告に掲記いたしております。
 具体的に掲記事項を申し上げますと、不当事項といたしましては、厚生年金保険の老齢厚生年金等の支給が適正でなかったもの、及び厚生年金保険の保険料等の徴収に当たりまして徴収額が不足していたもの、この二件については毎年検査報告に掲記をしているところでございます。
 平成十二年度から十五年度までの検査報告には、年金の支給については、延べ約三千四百人に係る約二十二億九千四百万円の不適正支給を、また、保険料の徴収につきましては、延べ約五千六百事業所に係る約百六十九億三千三百万円の徴収不足を掲記しております。
 不当事項といたしましては、このほか、十五年度決算検査報告に、国民年金事業に使用する金銭登録機の購入契約と、それから、年金等に関する届け出用紙等の印刷システムの提供を受ける役務契約に関する二件を掲記したところでございます。
 また、国民の関心の極めて高い特定の検査対象に関する検査状況といたしまして、十五年度決算検査報告には、国民年金事業の実施状況につきまして、その適用や保険料に関する事務が効率的に執行されていないなどの状況、それから、十四年度決算検査報告には、社会保険庁が設置いたしました厚生年金老人ホーム等の事業運営の現況につきまして、本来の目的に沿った利用が低いものが見受けられるなどの状況を掲記しているところでございます。
 さらに、事務処理の改善を求めた事項といたしまして、十二年度決算検査報告には厚生年金保険等の適用事業所の全喪処理について、それから、十三年度決算検査報告には、特別支給の老齢厚生年金の受給権者に係る現況届による就労情報の把握及び活用につきまして掲記したところでございます。

○原口一博 財務大臣、これは一個一個読み上げていったら、この時間が終わってしまうぐらい大きいんです。
 その中の一つ、金銭登録機の購入契約、これも随意契約です。この小さな登録機が全部十七万三千四百六十円、全国の二百六十七社会保険事務所において、随意契約によりカワグチ技研から金銭登録機を購入している。よくレジとかにありますよね。これが十七万幾らもする。それを会計検査院は、この購入そのものが全額適切とは認められない契約金額だというふうにしているわけです。
 こういう金銭登録機だけじゃありませんよ。会計法令の趣旨をまさに無視したようなもの。同じ平成十五年度の決算検査報告で、届け出用紙等印刷システムの提供を受ける役務契約について、その導入の必要性がない。ないにもかかわらず入れているじゃないですか。これも、平成十一年、十二年、十三年、十四年、十五年、全部随意契約で、相手はカワグチ技研ですよ。結果は、そういう印刷用紙は要らない、だから手書きでやっている。全部これがむだですよ。財務大臣、私がなぜ年金事務費で年金の中からこの事務費をやめてくださいということを申し上げたかというと、財務省のチェックがなくなって余計ひどくなっているからなんです。
 財務大臣、財務省はさまざまな、二年前から各省庁の予算についてダブルチェックのシステムをお入れになっていますよね。政策評価をし、効果とさまざまな費用を数値化し、そしてそれを厳しく事後的に査定する仕組みをつくられているはずです。それに戻されたらどうですかということを私たち民主党は言っているんです。彼らに、厚生労働省の今の、あるいは社会保険庁の今のような体質でやられていたのでは、年金保険料は幾らあっても足りないんです。だから、こういう資料の二にあるような中途半端な出し方でなくて、全額皆さんの査定のもとに置かれたらどうですかということを申し上げているんです。別に不合理なことを言っているんじゃないと思いますが、財務大臣、いかがですか。

○財務大臣(谷垣禎一) まず、今御議論のあった金銭登録機、カワグチ技研から全部随契で入れているではないかというような問題点につきまして、金銭登録機については業者選定も不適切であったのではないかという御指摘もありました。それで、平成十六年度から一般競争入札で購入を行っておりまして、なお、この金銭登録機は国民年金保険料の戸別訪問等の収納のために国民年金推進員等に携帯させる必要のあるものであったということでございますので、平成十七年度予算においても、一般競争入札ということではありますけれども、購入に必要な額は計上しております。
 そのほか、届け出用印刷システムとか、撤去したりいろいろなことをやっておりまして、今それで委員の御指摘は、もっと予算の査定に当たって財務省の目が届くようにせよということであったと思いますが、今後ともそれはやらなきゃならないと思っております。

○原口一博 いや、財務省の目が届くようにじゃなくて、保険料負担からもうこういう事務費に使うのはやめてください。チェックできていないでしょう。財務省だってチェックできていませんよ。そうしたら、きょう社会保険庁長官お見えでございますから、もう一つのことを。
 大体、なぜこんなものを一人一人に持たせる必要がありますか。十七万幾らといったら、もう今の皆さんの机の上にあるこの端末より高いですよ。汎用性の端末よりも高い個別の機械なんかありますか。システムについても、システムの費用が今回入っているから十二億ふえるんだなんというのは説明になりませんよ。
 社会保険庁長官、今皆さんはレガシーシステムの見直しをされているというふうに聞いていますが、プログラムミスでどういうことが起こりましたか。百二十数億かけて平成八年から十一年にかけてプログラムを、これも随意契約です、財務大臣、随意契約を行って、そして約二十四億もの過払いをして、国民の皆さんに二十四億円分返してくださいということを今言っているんじゃないですか。どんなシステムをつくればこんなミスが起こるんですか。社会保険庁長官、お答えください。

○社会保険庁長官 年金給付ミスに関しまして御報告申し上げたいと思います。
 本件につきましては、先ほど委員からもお話がありましたように、事象としましては二十七事象ございまして、そのうち十六事象で過払いが三十四億五千四百二十三万、それから未払いが二百五十億二千七百九十五万、現在発生をしております。
 このうち、十五年度に判明したものは一件二十四億でございます。現在、十六年度に判明したものとしまして九事象、まだ金額は確定しておりませんが、二万六千三百九十四名について現在対象にしておりまして、かつ、五千三百名につきましては、事象は確定しておりますけれどもまだ金額等の特定はできていない、こういう現状でございます。

○原口一博 財務大臣、お聞きになりましたか。この厚生年金保険等の給付誤り、年金給付システムのレベルアップ、それまでバッチ処理、一括処理をしていたのを即時処理にするというそれだけですよ、それだけで、百二十三億円お金をかけて六千二百四十九人に迷惑をかけているわけです。
 財務大臣、一回これはあなたの年金ですよと言われてもらって、ずっと後になってから、いや、実はあれは過払いでしたから返してくださいと言われたらどうなりますか。返さなきゃいけないわけでしょう。こういうことが大きな年金不信になっているんです。
 社会保険庁長官、私はその当時の契約書を、さっきこの委員会に出していただいたので今、厚いものをこの間に読みました。財務大臣、この契約をごらんになったら平常でいられませんよ。こう書いてあります。この第十条ですね。当該システムの相手方は日立製作所ですが、日立製作所と社会保険庁の間での結ばれた契約ですが、甲は、成果物の引き渡しを受けた後六カ月以内に瑕疵を発見したときは、直ちに乙に相当の期限を定めて修正を請求し、または修正にかえもしくは修正とともに当該瑕疵による通常生ずべき損害に対する損害賠償の請求をすることができると。
 簡単に言うと、システムを納入して半年以内に瑕疵が見つかったら、それに対して請求できる。この場合、平成八年から十一年ですから、今何年ですか。今見つかった瑕疵は、契約書のどこにも書いていないじゃないですか。国民は、こんな契約を結ばれて過払いをされ、あるいは過少払いをされ、そして何も法的措置をとることができないんですか。
 日立製作所は、自主的にこの問題について五千万円分、社会保険庁に自分らのシステムの次なる契約と相殺する形で五千万円払った。本当は払っていないんですよ、次の契約を渡しているわけだから、そこで減らしただけなんですけれども。そういう御答弁があったと思いますが、社会保険庁長官、いかがですか。

○社会保険庁長官 まず、お問い合わせの件の中で、年金給付システムの修正が必要になった場合、要するにプログラムミスが発生した場合でございますけれども、当然のことながら、これを正しいものに変えるのは、すべて委託業者、日立側の金銭で修正をされているというのは、まず一点申し上げたいと思います。
 それから、今回の給付ミスで、十五年度でございますけれども、約一億四千七百万かかっております。これに対しまして、五千万を日立製作所から差し引きでいただいております。その理由は何かといいますと、事務ミスとシステムミスと両方ございまして、その件数比にあわせまして、日立製作所から負担をしていただいているということでございます。
 一方、契約上の問題でいいますと、先ほどお話がありましたように、十五年度以前の契約につきましては瑕疵担保が六カ月、それから十六年度以降の契約については一年に変えておりますが、これは民法六百三十七条における担保責任の存続期間の瑕疵が一年以内ということになっておりまして、その契約に合わせて十六年度から一年に変更しているということでございます。

○原口一博 財務大臣、お聞きになったでしょう。これだけのシステムミスですよ。しかし、私たちは、今のだって契約書のどこに書いてありますか。こうやって国会で問題になったから、そしてろくろく一般競争入札もせずに、ずっと随契、随契、随契でやっているんです。しかも、財務大臣、変えるとおっしゃったけれども、これはまだ続いているんですよ。先ほど財務大臣がお話しになった、この法案の根拠になっている、まさに自分たちも血のにじむような努力をしているんだ、自分たちも改革の努力をしているんだ、今の答弁でもう崩れているじゃないですか。彼らに国民の年金事務費を運用する資格があるのかということを国民の皆さんは問うているんです。
 だから、私は、全部事務費をなくせということを言っているんじゃありません。事務費を認めるのであれば、年金の部分はなくして、すべて財務省のさまざまな、契約書のコントロールの中でやった方がいいんじゃないですかということを申し上げているんです。
 今のような、この瑕疵について、財務省として指導するおつもりはありませんか。まだこういうことをやるんですか。旧のレガシーのシステムをあっちを手直し、こっちを手直し、しかも、あと七項目、どこが悪いかもわからないんですよ。いかがですか。

○財務大臣(谷垣禎一) 私ども、当然、予算の査定というのはしっかりやらなきゃいけないと思っております。ただ、予算の執行自体は執行官庁の責任でありますから、やはり執行官庁が責任を持ってきちっとやっていただくということが当然の基本だろうと私は思います。

○原口一博 いや、それを谷垣さんのお口から聞くとは思いませんでしたよ。だから、さっき言ったじゃないですか、財務省は二年前から執行のフィードバックをして、その執行にふぐあいがあれば予算については切り込むということを皆さんがおっしゃっているじゃないですか。しかも、現にやっているじゃないですか。これほどのことが起こっていて、一元的には執行官庁の責任だなんて言われたら、どれをもって財務省はフィードバックするんですか。皆さんがなさっている、今財務省の皆さんが頑張っていることは絵にかいたもちだとおっしゃったのと同じなんですよ。そんなことを言いたいんじゃないんでしょう。

○財務大臣(谷垣禎一) それは、確かに予算執行調査という制度も取り入れて逐次やっておりますので、そういうようなものはきちっと反映していかなければならないと思っております。それから、社会保険庁改革というのが今進んでおりますから、その社会保険庁改革というのはさらに加速して頑張っていただかなければならないというふうに私も思っております。
 ただ、さっきの繰り返しになりますが、執行自体はあくまで執行官庁が責任を持つ。我々、予算の査定は、さらに執行調査等を踏まえて厳格にやりたいと思っております。

○原口一博 その予算の査定が厳格に行われたのが私が示しているこの資料の二の二ですか、本当にこれですかということを聞いているんです。とてもそうじゃないでしょうということを、幾つも幾つも例を挙げなきゃいけない。三ページ目は、今申し上げた不当事項の役務の部分、会計検査院がるる書いていますね。四ページ目は、先ほどの金銭登録機、この手の話ばかりなんですよ。
 私は、年金の問題を考えるときに、だれがどのような責任をとるかわからないというのが一番よくないと思うんです。きょうは年金局長にもお見えいただいていますが、社会保険庁長官は、年金の運用については自分たちには責任がないんだ、運用は厚生労働省の年金局なんだ、そこで一手にやっていて、平成十四年度で株に運用して三兆円穴が出たのも、平成十五年度で市場運用よりも年金のいわゆる運用が低いのも、それも厚生労働省の年金局に責任があるんだ、このようなお答えだったと思うんですが、それは間違いありませんね。だれが責任を持っているんですか。

○厚生労働省年金局長 お答えいたします。
 委員がおっしゃっておられる年金の運用という日本語でございますが、恐らく後段でおっしゃいましたのは年金資金の運用責任という問題であり、先ほど来、私どもの長官との間での運用という御議論は制度の執行、運用、こういう問題だと思いますので、整理して申し上げたいと思います。
 厚生労働省は、御承知のように、厚生年金保険事業や国民年金保険事業に関することを法律に基づいて所掌事務としており、そのもとで、厚生労働省年金局と社会保険庁の分担でございますが、法律に基づいて、社会保険庁は、厚生年金、国民年金事業の実施に関する事務をつかさどり、いわゆる実施庁と言われております。また、厚生労働省年金局は、厚生年金、国民年金制度等の企画立案を所掌する、こういうことにされておりますので、先ほど来の個々の支給ミス等につきましては、給付を受ける権利は請求に基づいて社会保険庁長官が裁定するという個別法の条文になっておりますので、社会保険庁長官のもとで、社会保険庁の責任において個々の支給決定等々が行われている、先ほどのお話は、その範囲のことでございました。
 今お尋ねの中に新たにまざってまいりましたのが、年金資金運用、年金積立金の運用という概念でございますが、これにつきましては、法律上、年金事業の運営の安定に資することを目的として行われている事業でございますが、厚生労働大臣が行うこととされており、その運用の基本方針を定めて、特定の特殊法人、既に通りました法律によりますと十八年度からは専門の独立行政法人でございますが、そちらで、現在は基本方針に基づいて運用がなされている。したがいまして、積立金運用に関する最終的な責任は、その基本方針に基づいて運用を実施した当該特殊法人の長であると同時に、その基本方針を定めている厚生労働大臣が直接的に最終的な責任を負う、こういう関係にございますので、運用という言葉はちょっと幅がございますけれども、保険料の徴収や年金の裁定、支給、こういう制度の執行面における分野と、年金積立金の運用においての責任主体が、行政的には今分担されている、こういうことでございます。

○原口一博 行政的な説明、ありがとうございました。
 まさにそのとおりで、しかし、どんなに年金基金を毀損してもその人たちが、あるいは、年金運用はそれぞれの信託会社等に運用を委託されていますけれども、そこでマイナスが出ようがペナルティーはないわけです。その割り振りの割合が変わる。このことを上田議員や私どもが国会で指摘してから、非常に残念なことに、その運用の主体は日本の資本ではなくて外国の資本が多くそこに入るようになった、この現実についても踏まえておかなければいけないというふうに思います。
 私は、この定率減税の縮減というものは、あるべき税制の中でしっかりと議論されるべきだ。中川議員が議論をしましたけれども、私たちはどの層に向けた政策誘導をしているのか、あるいはどうすれば日本の社会的な安定や持続的な経済成長が続くのか、そういった全体像から議論をされるべき話ではなかったかと思っています。
 財務大臣に、あるべき税制の姿についてどのようにお考えなのか。私は、歳入の構造改革といったこともこの委員会で何回も申し上げてきました。それは、直間比率も含めた構造改革にいち早く手をつけなければ、逆に言うと、今の税制のゆがみをさらに拡大し、そして多くの人たちの活力を奪うことになるということを主張してきたわけです。
 財務大臣、もう一回さら問いをしますが、財務大臣が今お考えになるあるべき税制というのはどういうものなんですか。そして、歳入構造改革はどのようなタイミングで行おうとされようとしているのか。二点について伺います。

○財務大臣(谷垣禎一) あるべき税制、非常に広い範囲にわたりますけれども、ごく大きな観点から申しますと、少子高齢化、グローバル化といったような現状に私たちは対応することを迫られているわけですが、そういう状況の中で、国民の安心を確保しながら、どうやったら活力ある経済社会を維持していくことができるかという目的に資さなければならないと思うんですね。そのためには、公的部門の改革を進めて、持続可能な財政をつくっていく必要があると思っております。
 こういう中で、あるべき税制の構築に向けての改革は、いわゆる国と地方の三位一体の改革、それから社会保障改革、こういったものと整合性をとってやる必要があると考えております。そしてまた、二〇一〇年代初頭に基礎的財政収支を回復していくんだということを申し上げておりますが、それに取り組む上でも避けては通れない課題ではないかと思っております。
 こういう制度改革に当たりましては、歳出改革の推進、それから民需主導の持続的な経済成長をどう実現していくかということとあわせまして、必要な公的サービスを広く公平に分かち合うという視点から、所得それから消費、資産といった多様な課税ベースに適切な負担を求めていく必要があると思います。特に、個人所得課税の本来の機能、基幹税として所得再分配の機能ももうちょっと担ってもらわなければならないと思っておりますが、そういう個人所得課税の本来の機能、それから消費税の役割、広く負担していただくという意味では、消費税の役割を高めていくということが今後の税体系を考えていく場合の基本的な視点ではないかと思います。
 それで、どういうスケジュールでやるのかということでございますけれども、平成十七年度の予算をお願いしているわけでありますが、これから十七年度、十八年度におきましては、もちろんその前提として、歳出をきちっと見直していくという作業が前提に立つわけでありますけれども、さっき申し上げた三位一体等の関係で、所得税から地方住民税へ税源移譲していくという中で所得課税の抜本的な見直しを詰めていくということではないかと思っております。
 それとあわせて、先ほど申し上げましたような社会保障改革、それから今の三位一体改革もあるわけですが、社会保障改革等を、平仄を合わせながら、必要な行政サービスの水準は何かというものを見きわめながら、それをどう負担していただくかということになると消費税の議論をどうしてもしなければならないと思っておりますが、平成十八年度までに方向といいますか結論を出しておくということが必要ではないかと思っております。

○原口一博 今御答弁を聞いて、多分そこの基本的な認識が私たちと違うんですね。
 恐らく、少子高齢化の中で今最も厳しい状況の中におられるのは、先ほどお話がありましたような、五百万とかあるいは四百万、三百万、そういう勤労世帯。日本は総合課税でございませんから、所得についても、それこそある一定以上の所得の人たちは所得という形では得ませんね。利子だとかあるいは株式の配当だとか、そういったもので頑張っている人たち、資産で頑張っている人たち、それに対して、いわゆる会社から月々いただく給料、そこで頑張っている人たち。今一番痛んでいる、あるいは一番不安に思っている人たちはいわゆる勤労者世帯、そこがさまざまな相次ぐ負担増で痛んでいる。そこが痛んでいる限り、日本経済の持続的なあるいは安定的な発展というのはあり得ないんじゃないかというのが私たちの基本的な考え方なんです。
 だから、社会保障制度全般でいうのであれば、年金のことについても一元化のテーブルに早く皆さんが、年金のブラックボックスを全部明らかにして、三党合意にあるように明らかにして早く入った方がいいというのが私たちの立場ですけれども、もう一方で、市民公益の役割向上、公益を担うのはやはり官だけでないんです。
 私たちの同僚でありました上田さんが埼玉の知事になって、今空き交番がやはりいろいろなところで悩みになっている。この空き交番をガーディアン・エンジェルスの人たちと契約をしたり、警察官OBのNPOの人たちと契約をすることによって、特段の財政をそこに出動しなくてもさまざまな意味での治安の回復が図られている、そういうことが埼玉県で今起こっています。
 ですから、私たちは、あるべき税制の姿を今回民主党案で出していますけれども、市民公益の部分、公益を担うのは官で、官に対して官が動くだけのパフォーマンスをするために税を取ります、こういう考え方ではなくて、逆に言うと、新たに公益を担ってくれる市民公益、経済市民セクターと言ってもいいでしょう。そういうセクターをはぐくんでいくという税制をビルトインしておかないと、景気がよくなれば増税をし、もう一回景気が悪くなればまた今度の税制ももう一回もとに戻せなんというストップ・アンド・ゴーをやっている限りにおいては、本当の意味での公益というのは実現できないんじゃないか。
 私は、今回財務大臣がなさるべき政策スタンスは、市民公益のところを誘導するそういう税制改正といったことを念頭に入れられる、税の市民化、税の自由化と言ってもいいでしょう。そういったことについて何らかの提案があってもよかったのではないか。
 定率減税のところを直撃するのではなくて、むしろ市民公益の部分をふやす、これから団塊の世代の人たちが退職をなさる、その皆さんが次なる人生をさらに社会の公益のためにさまざまなところで実現できるようにする、そういう税制誘導が今必要だったんではないか、いや、必要なんだということで私たちは提案をしているんですが、財務大臣、反論があったら教えてください。

○財務大臣(谷垣禎一) 今の御認識は私も正しい御認識だというふうに思います。
 けさ方、予算委員会の分科会でも同趣旨の御質問がありましたので、私は、近代国会ができますときに結社の自由というのが非常にみずみずしい思想としてあった、それを今に置きかえれば、NPO等がどういうふうに、今委員がおっしゃったように、公益を担うのは官だけではないんだ、民間人が同時に公益を担っていくんだというようなのが恐らく近代国家をつくるときの結社の自由の発想の中にあったんじゃないかというようなお答えをしたわけです。
 今度の私どもの税制改革でも、NPO税制と、今までよりも基準を緩和するというような中身を含んでおりますけれども、一番難しいのは、結局NPOというのは自由に行動していただかなければいけないわけですから、政府がどこまでその中身を見られるかというようなことと余りなじまないわけですけれども、しかし、公共サービスの原資である税というのを減免しようという以上は、やはりその制度が悪用されていない、その仕組みの中できちっと運用してくださるという何かの基準というものが必要でございます。
 その基準をどこに求めていくか。余り国家が全部やるようなことではいけない、そこに問題の難しさがあるんだというふうに思っておりまして、私どもとしては、今度の税制改正で御提案した改正案をぜひ活用していただきたいと思っているわけであります。

○原口一博 市民公益に対する考え方が同じであれば、私は、今回の定率減税の縮減が真っ先に来るということには多分ならないだろうと思っています。それぞれの市民の力、いわゆる勤労者世帯の力をしっかりと下支えする政策こそが大事だというふうに思います。
 日銀総裁、もうこれで結構です。
 金融についても少しお伺いしなければいけないことがあります。先ほどの株式買い取りスキーム、これは銀行が申請をするということになっていますから、トリプルB以上であれば、銀行に恣意的に、この株を売ってくれ、政府に買い取らせてくれというような、そういうモラルハザードが起こる危険性も一方であったわけです。
 西武鉄道の有価証券報告書の虚偽記載問題に関連して、私たちはこの委員会に堤さんを参考人で呼んでくださいということを言っていますが、西武鉄道株式は株式取得機構の買い入れ対象株式に該当しますか。また、対象となるんだったら買い入れ実績はいかがですか。

○金融担当大臣(伊藤達也) お答えをさせていただきます。
 銀行等保有株式取得機構は、国内上場株式または店頭登録株式であり、かつ一つ以上の格付機関からトリプルBマイナス格相当以上の格付を取得している場合、またはこれに相当する信用力を有する場合等の条件を満たす銘柄を買い取り対象といたしており、このような銘柄について銀行から要請されれば機構は買い取りを行うスキームとなっております。
 お尋ねのありました西武鉄道につきましては、上場株式であったものの、公開されている情報によりますと格付機関の格付を取得していない等から、買い取り対象銘柄には該当していなかったものと思われます。

○原口一博 なぜあえてこの質問をするかというと、インサイダー取引をして、いわゆる日銀にしろ金融庁にしろ、これまでにはないスキームを今用意しているわけですね。たまたま今西武鉄道さんの場合はそれに該当しない可能性が高いということですが、ここに多くのモラルハザードが起こる可能性がある、あるいはインサイダー取引といったものがそこに横行する危険性があるということを指摘したくて申し上げたわけであります。
 また、これは、私たちも日本版SECやさまざまな金融サービスの改革に向けて法律をつくらなければいけないというふうに思っていますが、内閣法制局に伺います。
 こういう有価証券報告書の継続開示違反に対して課徴金を導入すること、私たちは今独禁法の改正というのも、これは別の委員会ですけれども、私、提案者になって、経済司法の大改革ということで今進めようとしています。独禁法は非常にゆがんだ形をしていまして、まさに行政指導であったものを制裁にということで、制裁金に一本化をして、そして経済の自由をきっちりと確保したい、私たちはこういうふうに考えているわけですが、内閣法制局にお尋ねをします。
 継続開示の違反に対して課徴金を導入することについて現在検討されているというふうに聞いていますが、問題点、留意点を挙げてください。

○内閣法制局第三部長 お答え申し上げます。
 御承知のとおり、昨年成立した証券取引法の改正によりまして、ことしの四月から、インサイダー取引とか発行開示書類の虚偽記載についての課徴金制度というのが発足いたします。そこで、先般金融庁の方から、継続開示書類の虚偽記載についても課徴金を導入したいのだがどうかという御相談を受けたわけでございます。
 そもそも課徴金というのはどういうことかということを、十分御存じと思いますけれども、ちょっと御説明させていただきたいと思うんですが、これはカルテルやインサイダー取引といった経済的利得を目的とする法令違反につきまして、違反行為により得られる経済的利得相当額を基準とする金銭的負担を課すことによりまして、違反行為がいわばやり得になるということを防ぐということと、これを通じて違反行為の防止という行政目的を達成する、こういうものでございます。
 このような課徴金制度でございますけれども、そういう意味からいきますと、目的のために必要かつ適切な手段だということで、憲法三十一条が規定する適正手続にも合致しておりますし、他方、その趣旨、目的、手段などを考えますと、憲法三十九条後段が規定する二重処罰の禁止との関係も問題にならないというふうに考えているわけでございます。
 要約するとそういうのが課徴金でございますけれども、それでは、この継続開示書類の虚偽記載についてはどうかということでございます。これについては、発行開示の場合とやや事情が異なっておりまして、それにより得られる経済的利得があるのかどうかということ、あるとしてその内容は何か、そしていかにしてその数字を算出するかということが実は必ずしも明らかではございません。そういうことで、課徴金というのは他方で憲法三十一条、三十九条ということで将来問題にもなりかねないということもございまして、これについてはしばらく時間をかけて慎重に検討したいというふうに思っております。

○原口一博 金融担当大臣に伺いますが、まさにこのところを課徴金という形で、継続的開示義務違反について取り締まることができなければ、まさに市場の信頼性、あるいはインサイダーでどれぐらい利益が得られたか、刑事罰もありますから二重処罰の関係もこれは議論をしておかなければいけないと思うんですが、現時点で結構ですから、金融庁のこの証券取引法の一部を改正する法律、私は、市場の信頼性を高めるためには私たちのように行政制裁金というような形にする方がすっきりするだろうと思うし、今のような内閣法制局のお考えであればここをクリアするのはなかなか難しいんじゃないかと思いますが、大臣の基本的なお考えを伺いたいと思います。

○金融担当大臣(伊藤達也) お答えをいたします。
 私どもといたしましても、現在、継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入に向け、法制面の詰めの作業を行っているところでございます。現行の証取法の体系のもとでは、継続開示義務違反に対する課徴金を導入するためには継続開示義務違反により会社に生じる経済的利得を定量化する必要がありますが、継続開示義務違反による利得は抽象的、間接的であり、利得があるとは言えないのではないか等の指摘がなされているところでございます。
 私どもとしては、引き続き法制化に向けて最後まで努力をしていきたいというふうに考えているところでございますが、現段階において法制化の見通しが立っているところではございません。

○原口一博 今回のライブドアとフジテレビとの間の話も、まさにこういったものを、目をそらすために個別のものについて圧力がかかるなんということはあってはならないし、今大臣がお答えになりましたように、私は、利得というよりも、市場に与えたさまざまなダメージあるいは証券市場全体への信頼といったことからすると、また別の整理が必要なんではないかということを申し上げておきます。
 財務金融委員会配付資料の一をごらんになってください。これは、破綻した北朝鮮系信用組合に対する資金援助、回収額でございます。一兆四千億近く公的資金が入り、そのうちの一兆一千四百四億円が金銭贈与でございます。資産買い取りが一千八百十億円、回収額が現在のところ一千四十億円ということでございまして、その次のページをごらんいただくと、朝銀信組の状況ということで、平成九年五月十四日、朝銀大阪が破綻をし、そして朝銀近畿になり、今現在、三つの朝銀系の信組になるまでです。これだけ多くの朝銀関係の金融機関が一次破綻、二次破綻をしている。
 この現状で、一体、今、債権回収の現場でどういうことが起こっているんだろうか。一つ一つをつぶさに今調査をしているところでございます。
 この三枚目の資料の三。これは上にファクスの日付をわざと入れておりますが、二〇〇二年の二月八日十時三十一分に、預金保険機構が私に示していただいた、「RCC所有不動産管理委託物件一覧 西日本地区」でございます。預金保険機構の理事長、お見えでございますので、この三ページ目、四ページ目の資料、これについて間違いはございませんか。
 そして、これを見ると、RCCの所有不動産管理物件が、サバイ総合管理という管理会社、この名前が一番たくさん出てくる。これは一体どういう事情でございましょうか、お尋ねをいたします。

○預金保険機構理事長
 お答え申し上げます。
 今、委員お示しの物件一覧でございますけれども、平成十四年一月末の資料としては、これで間違いないと考えております。
 それから、次のお尋ねでございますが、このサバイの件でございますけれども、御案内のとおり、整理回収機構は、所有不動産のうち、賃貸事務所や賃貸マンションのようにテナント管理等が必要な不動産につきましては不動産管理会社に管理を委託しておりまして、それ以外については整理回収機構が直接管理をしているところであります。
 不動産管理会社に管理を委託している不動産は、ちょっとこれの時点を変えますと、平成十六年十二月末現在で、所有不動産の約一〇%でございますけれども、三十六物件でございます。これらは、整理回収機構が当該不動産管理会社の担当者と常時連絡をとるなど適切な管理に努めているところでございます。
 先ほどの御質問の関係でございますが、整理回収機構は、所有不動産の管理を新規に委託する場合は、公正、透明な手続の観点から、原則としまして、委託に係る不動産の特性、立地あるいは会社の実績、能力等を勘案の上、二、三社を選定し、これらの会社から管理費用の見積書を提出させて、原則として最低価格を提示した会社を選定しておるわけでございますけれども、過去におきまして、自己競落等で保有することとなりました物件のうち、入居者に暴力団等反社会的勢力がいるなど特殊な管理を必要とするものについて、そのような管理に実績を有する企業にその管理を委託してきたところでございまして、さらにそのような実績等を有する企業が限定されていたことから、当該企業、すなわちサバイ総合管理への委託件数が他社に比べて多くなっているものと承知しております。

○原口一博 それは、預保の理事長、私は逆ではないかと。この管理会社自身が自己競落をしている、そういう可能性はありませんか。

○預金保険機構理事長 お尋ねでございますが、一部そういう物件があるとは承知しております。

○原口一博 委員長、今、大変な御答弁ですよ。
 つまり、RCCに送られた不良債権そのものを管理会社が自己競落すれば、それこそ何でもできてしまうわけです。
 財務大臣、金融担当大臣、ごらんいただきたいんですが、この資料の一番最後の十一、メゾン何とかと書いていますが、これがきょう問題にする物件です。ここは、今お話しの管理会社の方が住んでいたのではないかということを言われている物件です。
 さて、これの登記簿謄本、私もさまざまな角度から調べてみました。個別の問題にかかわりますから、プライバシーに配慮しながら質問をいたしますが、五ページをごらんになってください。大阪市天王寺区のこの土地は、大体広さが七百六十二平米。これがこういう共有者であった。
 そして、六ページをごらんになってください。私が注目したのは、この乙区の根抵当やさまざまな債権の設定の仕方であります。限度額が最初、昭和五十七年の三月二日においては五千万円ですよ。五千万円であったものが、その次のページ、七ページをごらんになってください。八番、九番、十番。根抵当権がそれぞれ、平成十二年七月十日、朝銀近畿が債権者になり、この人物に債権額四千万円で設定をされている。九番は、根抵当権が、これも朝銀信用組合が、債務者、この有限会社共進というのに対して、限度額三億円の根抵当権を設定している。そして十番、これは同じく平成十三年八月二十三日に設定をされていますが、共同担保があるというものの、債権者朝銀西信用組合が、株式会社共同物産に対して、極度額七億円で根抵当を設定しているわけです。こんなことが本当に起こるんだろうかと思うんです。
 なぜ、私が資料の、この朝銀の破綻の図を出したか。二ページ目をごらんになってください。
 では、この根抵当が設定されているときというのは一体どういうときなのか。平成十二年の七月十日というのはどういう日なのか、平成十二年の十一月三十日というのはどういうときなのか。
 まさにこの期間は、二ページ目の一番上のところをごらんいただくと、朝銀大阪が、まさに九年の五月十四日に破綻公表され、十年の五月十一日に事業譲渡され、その間、金融整理管財人も派遣されていないんですよ。朝銀近畿に派遣されるようになったのは平成十二年の十二月二十九日です。管財人も派遣されない、その間にこういう根抵当が設定をされ、そして、不良債権であれば、預保の理事長、RCCに行くはずのものがそこへ行かずに、ミレ信用組合、つまり朝銀近畿もこれまた破綻をし、十四年の八月十二日に事業譲渡をされますから、RCCに行くはずのものがそこに行かずに、平成十五年の十二月二十五日には抵当権、根抵当権もこのミレ信用組合が放棄をしているんです。
 ミレ信用組合の資金量というのは五百億ぐらいじゃないですか。五百億ぐらいの信用組合が、これほど大きな債権放棄が本当にできるんだろうか。背後にある被担保債権がどうなったのかということを見ないと、これの流れはよくわからないけれども。
 しかし、ごらんになってください。破綻の直前に必ず出てくるノンバンクの会社があります。十五番のところですね。ここでも、八ページの十五番、根抵当権設定、これは平成十六年の一月二十三日に根抵当の権者、これはオリックス株式会社と書いてありますが、これが新たな根抵当権を設定している。その前にも出てくるんです。七ページ目。これも、先ほど申し上げました平成十二年の七月十日に、二億四千万もの極度額を設定したときに、また根抵当権者が出てきている。
 最初、五千万の担保の価値の土地が、こうやって転がるうちに、しかも、この三つの根抵当権の設定あるいは抵当権の設定者、この人たちは非常に関連が深いんではないかと私の調査では出ているわけです。何が起こっているのか。
 金融担当大臣、私が今一番恐れるのは、金融整理管財人も入らず、しかも次々に破綻をする。破綻金融機関はその破綻の直前に大きなお金を当該の債権者に貸し込み、そして倒れる。倒れた分だけ、その分穴があく。穴があいたところには国民の税金が入る。そしてまたきれいにしてもらって、もう一回大きなお金を貸し込んで、また倒れる。これを繰り返されたのでは国民の税金は幾らあっても足りないんです。
 私が国会で初めて取り上げたときには、この朝銀関係の不良債権は三千億強でした。それがこの数年で一兆四千億も、どうしてこんなに膨らむのか、そしてどうしてこんな不思議なことが起こるのか。しかもそこにRCCの管理会社も絡んでいるんではないか。皆さんにお配りをした絵では、わかりにくいですが、一番最後のページの写真の一番下の絵には管理サバイと書いてあるんです。まさにRCCの管理会社が管理をしているこの物件でこういったことが行われている、非常に不透明な担保設定あるいは不透明な債権放棄が起こっている、この事実について預金保険機構はどのように認識をされているのか。
 私は、かつてRCCの不適切な回収事案というのを国会で取り上げました。RCCがやみと同じようなことをやっていた。やみとは結ばない、国民負担を極小化すると約束をしたRCCがまさに不適切な回収をしていた。私は、そこでRCCの態度は変わった、RCCは生まれ変わったということを信じたかった。
 しかし、こんなことが本当にできるんでしょうか。これだけの土地でたくさんの担保をとって、そして倒れる、債権放棄をするということができるんでしょうか。私は、きょうはお示しした資料はこれだけですけれども、ほかの裏づけ資料を見るにつけ、とても尋常なことが起こっているとは思いにくい。
 預金保険機構、一般論で結構ですから、現実の債権の回収現場のきっちりとした調査あるいは債権回収の妥当性の検査、これがなされているかどうか、預保の理事長と金融担当大臣から御答弁をいただきたいと思います。

○預金保険機構理事長 お答え申し上げます。
 お尋ねの具体的な事例につきましては私どもは承知をしておらないところでございますけれども、一般論ということでお話がございましたので申し上げますと、破綻した金融機関の事業譲渡等に当たりましては、金融整理管財人において厳格な資産査定を行った上で、原則、善意かつ健全と認められる債務者については受け皿金融機関に、残る不良債権についてはRCCに引き継ぐこととしております。
 仮に、破綻前に行われた融資の中に御指摘のような不適切なあるいは不透明な融資が認められるということでございますれば、当該債権はRCCに引き継がれ、RCC、預金保険機構においてその実態の解明を行った上で、徹底した責任追及や債権回収作業を行うこととしております。
 いずれにしましても、預保、RCCは、破綻した金融機関の処理に当たって、その処理に公的資金が費やされているということも踏まえ、法令に違反する事案や不誠実な債務者等に対しましては、法令にのっとり厳しい姿勢で対処してまいりたいと考えております。
 一つ、お許しいただきまして、先ほど私が答弁しました中で、先ほどの不動産管理会社との関係でございますけれども、RCCが保有している物件について、これを売却したという事実はございませんで、担保物件の任意売却に当たってその先にサバイがあらわれたということはあるというふうに聞いております。失礼いたしました。

○原口一博 資料二は、今預保の理事長がおっしゃった金融整理管財人の派遣の前に行われた担保設定であるということを示しています。この資料の二は私がつくった資料ではありません。金融担当大臣、この資料は金融庁の資料でありますから、朝銀の近畿に対して金融整理管財人が送られたのは、十二年の十二月二十九日管財人派遣、この資料は適切であるということを答弁してください。
 そして、具体的な事案についてお答えにならなくて結構です。しかし、ここで穴があいていたら国民負担はウナギ登りに上るんです。そして、これはまだ現在も進行している。ここで皆さんが国民に税をお願いされる前にやるべきことがあるんだというふうに思いますが、金融担当大臣の基本的な姿勢と決意を伺っておきたいと思います。

○金融担当大臣(伊藤達也) 委員からは穴があいてはいけないという御指摘でございました。私どもとしても、二度と同様の問題を起こすことがないように、破綻した北朝鮮系信組の受け皿となった新設組合に対して、朝鮮総連の役員経験者の組合役員からの排除やあるいは監査機能の強化など厳格な措置を定款に定めるとともに、朝銀独自のオンラインシステムからの離脱や、朝鮮総連からの経営の独立性を確保するための役員体制の整備を図ってきたところであります。
 私どもとして、こうした枠組みは有効に機能し、経営の独立性や健全性を確保するために、財務局の監督部門において受け皿組合の監督を専担する者を配置し、業務運営に関して頻度の高いヒアリングを行うとともに、財務局の検査部門においても受け皿組合の検査を継続的に担当する検査官を配置して、そして業務運営全般にわたりコンプライアンスに重点を置いた検査を実施するなど、厳正な監督検査に努めてきているところでございます。
 金融庁としては、今後とも、北朝鮮系信用組合において適切な経営管理体制が確保され、そして経営の健全性が維持されるよう、引き続き厳正な検査監督に努めていく所存でございます。

○原口一博 資料の適正さについては御答弁なさらなかったんで、答弁ください。

○金融担当大臣(伊藤達也) お示しになられた資料については、そのとおりだと思います。

○原口一博 もうこれで終わりにしますが、国民の税金を一発たりともミサイルの原料にはしない、国民の税金を、公的資金をこれ以上理不尽なところには一銭も入れない、その強い決意、これをこの委員会で強く表明をし、私の質疑とします。
 ありがとうございました。