経済産業委員会

平成17年3月9日(水曜日)

○経済産業委員会委員長(河上覃雄) 次に、原口一博君。

○原口一博 民主党の原口一博でございます。
 公取並びに提案者に対して、独禁法の改正、私たちはルールにおける競争が競争の本質だと思っています。かつて、水泳で鈴木大地さんがバサロ泳法というのを生み出して、そして金メダルをおとりになりました。そのときに、世界はルールを変えました。バサロで潜っている時間を限ったわけです。日本の若者が金メダルをとる、そしてルールが変わる。これは経済や金融の世界も同じであります。
 一九八〇年代、日本の銀行は世界の十大銀行の中で大きな活躍をしていました。そこで何が起こったか。新たな規制が、薄利多売をしている日本の銀行に対してBIS規制という規制を入れられた、そして自己資本比率の八%。この経済産業委員会でも何回も御議論があっていますが、貸し渋り、BISでいわゆる貸し出しリスクを一〇〇に置いて国債の保有リスクをゼロに置くのであれば、貸し渋りがふえるのは当たり前なんです。その当たり前のことをルールとして受け入れてきて、そして国民や経済に塗炭の苦しみを味わわせることを唯々諾々としてそのルールの中でやってきた。それがこれまでの古い政治なんです。
 私たちは、経済司法の大改革をやることによって日本の経済の力を根本から立ち直らせたい、そして、公正なルールの中で頑張っている人たちがその果実を得る、ぬえのような談合社会を根本から変えたい、その思いでこの法律案を出させていただきました。幾つも公取案との違いがあります。それを明らかにしていきたいと思います。
 きょうは金融庁からもお見えでございますので、まず金融庁に伺いますが、有価証券報告書の虚偽記載という問題がありました。私は、さっき公取委員長のお話を聞いていて、一日にして三分の一もの株が、一人の人間によって、しかも瞬時に時間外で変わるというものが独禁法の対象じゃないなんという御答弁があるということは、やはり日本の今の経済の動きに対していかに鈍感であるか、古い経済の認識の中で政府案が出されているということを示しているというふうに思います。強く批判をしておきます。
 証券取引法の中で、今金融庁は虚偽記載について課徴金を課すということを検討されていると聞いていますが、金融庁、いかがでしょうか。

○金融庁総務企画局審議官 
お答えいたしたいと思います。
 金融庁におきましては、西武、コクド問題以降いろいろな検討をしておるところでございまして、その中におきまして、金融審議会において今後の対応策として、今既に発行市場あるいはインサイダー取引については課徴金を入れる法案が成立しておりまして、この四月からそれが施行されるという状況でございますけれども、継続開示についてはまだ課徴金制度がないということで、そこについて早急に対応すべきだというような議論をいただいておりまして、現在、いろいろ検討しているところでございます。

○原口一博 経済の公正の基本となる有価証券報告書、これが虚偽記載であったら根本が変わるんですよ。それぞれの会社に対するいわゆる公開された情報で判断する基準そのものが崩れるわけで、私はここに課徴金というか行政制裁を加えていくということはとても大事なことだと思います。
 ただ、先日、私同じ質問をしたときに、内閣法制局は、課徴金を虚偽記載について入れるということについてはかなり問題がある、それはなぜか、いわゆる不当利得の算定というものが非常に難しいからであるというふうに言われました。今そこのところが最大の論点になっているわけです。
 法制局に伺いますが、課徴金の性格、独禁法における課徴金の法的性格は何ですか。そして、課徴金の算定、これはどのように行われていますか。

○内閣法制局第四部長 お答えいたします。
 課徴金の法的性格、独禁法の課徴金でございますが、カルテル、入札談合等の違反行為防止という行政目的を達成するために、行政庁が違反事業者等に対しまして金銭的不利益を課すというものでございます。そのように理解しております。

○原口一博 不当利得の剥奪でしょう。つまり、今お話しになったさまざまな独禁法上の違反行為、これに対して、そこで得た不当利得を剥奪するんだ、そういう意味があるんじゃないですか、いかがですか。

○内閣法制局第四部長 今回、独禁法の改正案を提出しておりますけれども、その中で課徴金の算定率を引き上げる内容を盛り込んでおります。これまでカルテル、入札談合等の違反行為が後を絶たなかったということで課徴金の引き上げを検討しまして、過去の違反事例について、これは公正取引委員会の方で不当利得を、推計ではございますが実証的にやった、そうすると、ほとんどの事例で少なくとも八%程度はいわゆる不当な利得と考えられるものが存在するというふうなことが考えられたということであります。それで、違反行為防止のためには、この不当利得相当額を多少超えて金銭を徴収する必要があるのではないかという御提案でございました。
 この点について、不当な利得と計算されるものに上乗せする金額というものを考えますときに、他の法令の例などを勘案しますと、不正な利得の四〇%増し程度のものは例があるということでございまして、その範囲内のものならば許されるのではないか。許されるのではないかというのは、課徴金というのはいわば強制的に国民から金銭を取り上げるという趣旨のものでございますので、刑事手続以外の手続でやるものでございますので、おのずとしかるべき限度はあろうということからでございます。
    〔委員長退席、高木(陽)委員長代理着席〕

○原口一博 私たちのこの日本の国の独禁法は、戦後アメリカの反トラスト法を母法として制定されて以来、その時々の国内外の経済情勢に大きく動かされて、ある意味では接ぎ木的にできてきているんです。そのためにぬえのような構造を持っている。ぬえのような構造を持っているために、私たち民主党は、自由な経済主体は保護の対象でもなければ制裁の対象でもない、権利の主体である、そこの権利を保障することが、私たちの日本の経済社会が今までの護送船団、指導行政というものから大きく抜け出すその一番の柱であるというふうに考えています。
 そこで、もともと我が国では、制裁は刑事罰則によって行われるものという固定観念が強くて、そして憲法の二重処罰の禁止の規定もあって、制裁であるということを正面から認めるということをずっと議論を避けてきているんです。そのために、市場の公正性、そして、いわゆる悪魔の取り分と言われる官製談合やさまざまなカルテルで奪われている国民の利益、これを担保することができなかったということで、真正面からそこを見据えた法改正が必要であるということを指摘しておきます。
 さて、そこで具体的な事案について尋ねていきたいと思います。
 きょうは法務省もお見えでございますが、新潟市が発注する建設工事の入札参加業者に対する告発が行われ、そして法務省の刑事局、検察の方で、新潟市が発注する建設工事の入札参加業者に対してさまざまな処分が行われたと聞いていますが、この事件の概要は何ですか。そして、平成十六年の新潟市職員らによる、これは偽計入札妨害罪による事案だというふうに思いますが、法務省、事件の概要と告発の概要、これをお答えください。

○法務省刑事局長 お答え申し上げます。
 お尋ねの事件の概要は、平成十四年一月から同十五年八月までの間に行われた新潟市発注に係る下水道工事九件の指名競争入札に関し、新潟市都市整備局下水道部下水道建設課長ら四名が、指名業者に各工事の予定価格に近接する金額で落札させることを企て、同課長らにおいて、各工事の指名業者の役職員らに対し、各工事の予定価格算定の基礎となる設計金額を教示し、当該業者に予定価格に近接した金額で各工事を入札させて落札させ、もって偽計を用いて公の入札の公正を害すべき行為をしたというものでございまして、起訴された人数は、新潟市職員四名及び業者の役員ら七名の合計十一名と承知しております。

○原口一博 同事件について公取に伺いますが、今の刑事局長がお話しになりました法務省の処分、さまざまな行為の中で、公取委からの告発はされていますか、事実について伺います。

○公正取引委員会事務総局審査局長 お答えいたします。
 独占禁止法上の違反行為、犯罪があったと思料する場合には公正取引委員会が告発をするというふうなスキームになっているわけでございますけれども、本件につきましては、告発を相当とする十分な証拠が得られなかったということで、告発は行っておりません。

○原口一博 本当にそうでしょうか。
 中央省庁再編基本法やさまざまな行政改革の中で、政策評価、それぞれの機関が行っている政策について、その効果について国民に明らかにして、そしてそれを国民が評価をするあるいは国会が評価をする、こういう制度ができているわけですが、今私たちが公取に望んでいることは、中立の行政委員会として、どうしてここまでぬえのような談合社会ができ上がってきたのか。そして、この事案は、市の職員がもう日常の業務として営々として、営々としてという言い方は皮肉を込めた言い方ですが、当たり前のようにやってきた。当たり前のようにやってきたことがどうしてチェックができないのか。公取委に今回さまざまな権限が、私たちの案でも付与されています。付与されているからには、今までのパフォーマンスについての総括が必要だと思います。今まで自分たちはどうだったのかという総括が必要だと思います。
 そのことについて、委員長、今までの公取の、犯則調査権がないとかいろいろな法制度上の問題はあったかもわからない。しかし、それにしても、専属告発権も含めてあるいは団体訴権も含めて、本当にこのままでいいと考えていらっしゃるのか。いや、だめだと思うから皆さんも法改正をここで出しておられるけれども、しかし現実に、これから検証していきますが、今回の法改正で、この後皆さんは勧告をして審判手続に入っておられるけれども、その中身を見ても、現実にはそこでも、さまざまなざるが生まれている。これまでの公取のパフォーマンスについてどのように総括をされているのか、委員長から明確にお答えをいただいておきたいと思います。

○公正取引委員会委員長 独占禁止法は、昭和二十二年に制定されて大変長い歴史を持っておりますが、率直に申し上げまして、終戦後からいわゆる高度成長期に至るその期間というのは、独占禁止法についての理解が深まるどころか、むしろそうじゃないような、公正取引委員会の立場から申し上げますと大変厳しい時代が続いておった。国民の間にも独禁法を守ろうというコンプライアンス意識が欠けていたと申し上げざるを得ないと思います。そういうしっぽがまだまだ残っているということでございまして、それが今回の改正の大きな理由の一つでございますけれども、その間の公正取引委員会のパフォーマンスという意味では、これはまさに外部の方々にその評価をしていただかなきゃなりませんけれども、やはり本来の姿からすれば不十分であったというのが、現在の委員長としての私の印象でございます。
    〔高木(陽)委員長代理退席、委員長着席〕

○原口一博 委員長としては踏み込んだ総括をされたと思います。法制度上、あるいは私たちの案の中にあるように、審判のところでデュープロセスをしっかりと確保して、それを担保する経済司法の厚みも足りないんですね。
 私は、ここで法務省に要請をしておきたいと思いますが、独禁法の話は、何も公取だけの話ではないですね。経済司法の中でルールを裁かなきゃいけない。ルールを裁くところが弱ければ、多くの人たちが泣き寝入りをするんです。官製談合という、どこかわけのわからない外に天の声を発する人間がいて、そこに逆らったらもうその中から、その後の日々の糧を失うという人たちがたくさんいるんです。そこに対して司法がどのような見解を持ち、努力をするか。
 私たちは、この法案の中には書き込めなかったけれども、審判手続についても、公取が勧告をし、そして審判をするこのやり方についても、そこのプロセスはできるだけ短くして、早い段階で司法に持っていくべきだ。そのためには経済司法の厚みが必要なんです。法務省のイニシアチブが必要なんです。法務省としての、きょう大臣を本当は呼べばよかったんですが、本会議ということで呼べませんでした。法務省としての見解をただしておきたいと思います。

○法務省刑事局長 独占禁止法所定の審判手続のあり方につきましては、今回の改正法案の附則において、「政府は、この法律の施行後二年以内に、新法の施行の状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、」「審判手続の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」とされているところでございます。法務省としても、政府の一員としてこの検討に協力していきたい、こういうふうに考えております。

○原口一博 いや、協力ではなくて主導するぐらいの心構えがなければ、この審判のところは、経済司法のところへはなかなか行かないですよ。
 結果、この経済産業委員会でも何回も議論されていますけれども、不当廉売。不当廉売は違法でしょう。不当廉売はもうありとあらゆるところにあるけれども、何の取り締まりもない。さっき近藤委員がライブドアの話をしましたが、私は、市場という意味では物すごく問題があると思いますよ。三分の一もの株が瞬時に変われば、しかも市場外でやられて、市場の一般の投資家の手の届かないところで、一万分の一にも分割されてやられれば、何が起こるか明らかじゃないですか。一般の投資家は利益を失うんですよ。市場はゆがむんですよ。その市場のゆがみを監視するのが、証券の世界では証券等監視委員会であり、経済の世界では公取じゃないですか。
 しかし、私たちの案では、公取は独立、中立の委員会だけれども、公取の説明責任をしっかりと果たして、国会の中でのコントロールがなければこれは危ないと思っているんです。そこが政府案と私たちの案の大きな違いなんです。なぜか。埼玉土曜会事件の反省が本当に生かされているのかと私たちは疑問に思っているからです。
 現に、今回皆さんは検察と裁判官とが合わさったような大きな力を持ちます。しかし、皆さんが私たちの法案にしてやったことは何ですか。民主党の案は経団連の案だ、民主党の案はおくれた案だと。中立公正の委員会が政治化してしまえば、そこに何が起こるのか。中立公正の委員会がある政治的意図を持てば、そこで公正が本当に担保されるのか。
 公取の委員長に再度ただしておきますが、当該職員はどう処分されましたか。そして、どのように総括をされましたか。
 私たちの民主党案の中には、コンプライアンスというものがあります。疑いをかけられた企業はみずからその疑いを晴らし、そして法令遵守についてさまざまな規定をしておく、その度合いに応じてリーニエンシーを認めるという考え方です。企業に対してコンプライアンスを求めている者が、その中立公正な、しかも大きな権限を持つ組織が、どのような処分なり総括をされましたか。公取委員長に伺います。

○公正取引委員会委員長 今いろいろおっしゃった中の、どの部分についてどういう処分をすべきかということは、ちょっと私、今理解できなかったんですが、よろしいですか。

○原口一博 何が理解できないですか。あなたが謝りに来たじゃないですか。冗談じゃないですよ。不適切な行為があった、不適切な行為についてどのような処分をし、そして、なぜそういう行為が行われたか、ぜひ明らかにしてくださいということをあなたに申し上げていました。どのところかわからないなんて答えをそれこそ尊敬する竹島委員長からいただくとは、私は不思議でたまらない。当たり前の話じゃないですか。

○公正取引委員会委員長 それはこういう公の委員会で私が申し上げる話かどうか、ちょっとちゅうちょをいたしますが、先生重ねてのお話でございますので。
 これは、先生初め民主党の先生方と、いろいろ御説明しているそのプロセスの一つとして、あるハプニングがあったということは事実でございまして、そのことについて、御迷惑をおかけし、不愉快な思いをお持ちになられたことに対しておわびを申し上げたということでございまして、公の席で対外的に何かやったわけではございませんので、私はそのように申し上げたんです。

○原口一博 全く、竹島委員長、昔財務省にいらしたんですかね、そのころと今、違うんですよ。私たちはレクも、国会議員は国会議員会館でやったレクも全部情報開示の対象なんですよ。外務省の不祥事がありました。あのときになぜああいうメモが出てきたのか。あのメモも開示の対象なんですよ。私たちは公人です。公の、国民の皆さんから税金をいただいて、負託をいただいて活動をしている。そこに対して公正取引委員会がやったことは、どこが私的なことですか。今のような答弁では私は納得はいかない。そんな認識ですか。
 外務省は、さまざまな政治家の、あのときは政治家対外務省だった、その圧力について公開しましたよ。そして、園部さんという方をトップにして、なぜこんなことが起こったのかという総括をなさいましたよ。皆さんは、それだけ大きな権限を持ちながら、今みたいな認識なんですね。驚きました。これはまた別の機会に徹底的に議論をしてみたいと思います。
 先ほどの新潟事件に戻りますが、告発協議会、これは行われたんですか。告発協議会の有無についてお尋ねいたします。

○公正取引委員会事務総局審査局長 告発問題協議会は、告発を適正かつ円滑に行うために、具体的な問題点等について検察当局と意見交換をする場でございます。したがいまして、公正取引委員会の方で告発が困難だというふうな判断をした場合において、告発問題協議会の開催をするといったことは通常ございませんし、新潟の事件におきましても開催していないわけでございます。

○原口一博 告発問題協議会というのはそういうことでいいんでしょうか。本来は、先ほどから何で法務省と皆さんに聞いているかというと、ここも不幸な歴史があるんですよ。お互いがそれこそバレーボールのお見合いのようにお見合ったこともある、やり過ぎてお互いが引いたこともある。だからそれを何とかしよう、このままじゃだめだということで告発協議会ができたんじゃないんですか。いかがですか。

○公正取引委員会事務総局審査局長 告発問題協議会につきましては、公正取引委員会として、悪質な事案、そして行政処分では適正な法執行が担保できないというふうな場合に、そういった案件につきましては積極的に刑事告発をして独占禁止法の抑止力を高めていこうという観点から、平成二年に刑事告発に関する方針というものを定めたわけでございますけれども、その告発を適正かつ円滑に行うために、個別事件における具体的な問題点等について検察当局と意見交換をするという観点から、この協議会が設けられたものでございます。

○原口一博 手元に資料を持っていますが、平成三年の一月十日、「告発問題協議会の設置等について 公正取引委員会」という資料がございます。「同協議会は、検察当局側が最高検察庁財政経済係検事以下の検事、公正取引委員会側が審査部長以下の担当官で構成され、同法違反事件を告発するに当たり、その円滑・適正を期するため、当該個別事件に係る具体的問題点等について意見・情報の交換を行うものである。」とされているわけです。実際に意見、情報の交換はしていないんじゃないですか。検察が公取に入ったんじゃないですか。
 そうすると、皆さんに犯則調査権を付与されたら、犯則調査権が公取委に認められた場合、この告発問題協議会というのはどうするんですか。性格が変わってくるんじゃないですか。

○公正取引委員会事務総局審査局長 お答えいたします。
 告発問題協議会は、独占禁止法上の犯罪があると思料する場合に、それを適正、円滑に行うために協議会を開催するものでございます。
 先ほど新潟の件で、告発していないじゃないかということでございますけれども、新潟の事件は、検察当局におかれまして刑法上の偽計入札妨害罪として捜査された案件でございまして、その件につきましても、それは独占禁止法上の告発とは別の問題でございます。

○原口一博 緊張しないで質問に答えてほしいんですが、皆さんに、今回、民主党案も政府案も犯則調査権が来ますね。そのとき、今のままの形ですかということを聞いているんです。

○公正取引委員会委員長 犯則調査権限を付与され、かつリーニエンシー制度が認められますと、私どもは、より個別事件の解明に当たって立証能力が高まると思っております。
 したがいまして、刑事告発に必要な立証水準をクリアしやすくなるという意味では大変大きな意味があると思っておりますので、ぜひそういうふうに活発に刑事告発をやっていきたい。したがって、個別案件がふえてくるということが当然予想されますので、告発問題協議会もより頻繁に行われることになるだろう、こう思っております。

○原口一博 今回の新潟市が発注する建設工事の入札業者に対しては勧告を行われていますね。どういう勧告ですか。

○公正取引委員会事務総局審査局長 三件、土木工事推進工法というものと開削工法、そして建築、たしか平成十一年度以降新潟市が発注するそういった三つの分野につきまして、地元業者あるいは全国のゼネコン業者が一定のルールのもとに受注予定者を決めて、これを受注予定者が受注できるようにしようという合意のもとにそういった行為を行ってきたといったことを、そういう包括的なルールに基づく談合行為といったものを排除の対象として勧告をしたものでございます。

○原口一博 それで、結果は、新潟市のいわゆる中小の事業者、この事業者は本当に多くの責めを負ったわけです。それに対して、大手のいわゆるゼネコンと言われるところ、この皆さんからいただいた、その後不服申し立てやそれに基づく審判が開始されて、これを見て、やはり相当矛盾があるなと私は思いました。
 事業者の中には、会社分割によって建設事業に関する営業を承継した事業者というのも報告をされています。つまり、会社法制あるいは資本の規制改革が物すごい勢いで進んでいるために、こことセットで議論をしていかないと、本当の意味で、私たちは、仮に皆さんの課徴金制度、私たちの行政制裁金ですけれども、それを重くしたところで実効性がどこまで担保できるだろうか、そういったことについても慎重な議論が必要だと思っています。
 金融庁に伺いますが、私は先ほどのライブドアの議論の中でもつくづく感じるのは、実際に自分の経済活動で得た利益でなくて、さまざまな株を分割し、そしてその株を特殊な金融の手法を使うことによって何百倍、何千倍、何万倍にもする。果たしてこれは、日本経済が予定をしている、あるいは日本経済が本当にそういうものを中心としていく、金融のあるべき姿なんだろうかと私は思っています。
 独禁法では、従来、持ち株会社を規制していました。規制をしていた理由は何ですか。

○公正取引委員会委員長 純粋持ち株会社が禁止されていた大きな理由は、戦前の日本における財閥、これが重要な分野を、言ってみると支配した、それで数々の弊害があった、こういうことを二度と生じさせないようにというのが一番大きな理由でございました。

○原口一博 それでは、今その財閥はどうなっていますか。それを解禁した理由は、純粋持ち株会社の設立を解禁した理由は何ですか。

○公正取引委員会委員長 これはやはり経済の国際化、国境を越えて、特に大企業は競争しなければならない。それから、それぞれ欧米においても経営のモデルというものが変わってきた、かつ独禁当局の物の考え方も変わってきた。ただ大きければ即悪という考え方、そういう考え方はとられずに、大きいものが悪いことをした場合に、要するに行為規制をするという考え方に大きく変わってきたという背景のもとで、日本の企業の国際競争力を高めるためには、やはり欧米で効果を上げている持ち株会社というものも解禁すべきである、こういう御議論がありまして改正したわけでございますが、いわゆる一般集中規制は残して、それに該当しないようなものについては解禁をするということを、たしか平成九年に法律改正をさせていただいたわけでございます。

○原口一博 そこでとどまっているんですよ。今何が行われているかというと、日本は親子上場が頻繁に行われている。ここで起こっていることが、コングロマリットディスカウントというか、今委員長がおっしゃったように、でかけりゃ悪いというわけじゃない、でかいというだけで悪いというわけではない。だけれども、コングロマリットディスカウントというのは何かというと、個々の相場の価値を足したものが時価総額と一致しないということが起こっているわけです。
 今回のライブドアの話もそうですが、結局、本当は価値が十あるものを八で買って、そして分割して売り抜く。このコングロマリットディスカウント、日本の四メガ銀行なんというのもある意味ではこういうものだと言う人がいますけれども、でかいけれどもそれぞれの中で反駁している、でかいけれども共通のルールが持てない、でかいけれどもそれぞれの価値を高くすることができないところは、敵対的買収のえじきになってしまう。
 そこで何が必要かというと、会社を分割して、スピンオフして、選択と集中で株式交換、スワップをしていく、この仕組みが、ルールが必要なんです。ところが、日本においては、市場の市民権というものが非常に確立をされていない。
 私たちは、百五十九通常国会で消費者基本法というのを、委員長、議員提案で成立させていただきました。自由民主党の岸田さん、それから公明党の大口さん、私が提案者になりました。これは何かというと、消費者の権利を八つ明定して、消費者は権利の主体であって保護の対象ではない、その権利の主体の消費者のさまざまな権利を保障するのが中央政府や市場の責務であるという法律なんです。ところが、独禁法の一番根幹であるこの株のところで親子上場が横行して、株式の市民権といったものがないために、一般の投資家はここからはじき出されてしまっているんです。その意識をぜひ委員長、持っていただきたいんです。
 今のような状況の中で親子上場をそのまま認めてしまえば、私は、このことこそ独禁法が中心として議論していかなきゃいけない問題だ。二重計上の問題があります。子の株式と親の株式と両方上場して、ダブルカウントしている。親の会社と子の会社がそれぞれ利益が相反する場合もある。逆に言うと、今回の事例のように、少ない株式で大きな株式の会社を支配することもできる。これでは、市場の公正は、そして投資家や消費者や国民の利益は守れないんです。
 基本的な認識を委員長に伺っておきたいと思います。

○公正取引委員会委員長 独占禁止法で親子の上場問題をどうこうするということについては、私はちょっと十分に理解ができない。
 御提案の問題点はわかりますけれども、それを解決する場は独占禁止法ではないんではないか、別な、金融関係なり商法関係の世界なんではないかなと思いますが、独禁法上は、子供が上場しているいないにかかわらず、競争を制限するかしないかの場合には、親子であればこれは同一主体というふうにみなしますので、そういう意味ではもちろん親子は関係ありますが、その子供が上場しているか非上場か、これは我々は区別する必要がないというふうに思っております。

○原口一博 本当に議論がかみ合わないんですけれども、上場するというのは、マーケットで判断をしてもらうということなんですよ。判断をしてもらう根拠がゆがんでいたら、判断が間違う、そして、そのツケは結果的には国民の方へ行ってしまうという認識を持ってくださいということを申し上げているんです。
 現に、TOPIX、私は驚きました、年金基金もTOPIX運用しているじゃないですか。TOPIXで、こここそ独禁法のことじゃないですが少し触れると、年金基金がTOPIX運用しているために、TOPIXが二重計上で膨れ上がっていたら、現実にそれがしぼんだときに何が起こるかというのは、私たちはもう想像にかたくない現実でございます。
 私はここで何を竹島委員長に申し上げたかったかというと、金融は金融、経済は経済、証券は証券、そういう世界をもう超えてきている。むしろ逆に言うと、資本によるさまざまな支配といったものが、新しい金融、社会の中で起こってきて、そこに対して有効な手段を持たないと、国民を守れない、国益を守れない、自由な経済を守れないということを申し上げたかったわけでございます。ぜひ研究をしてみてください。
 さて、民主党の提案者に伺います。不当廉売に対してであります。
 公取は、不当廉売に対して警告をするにとどまるなど、私たちからするとこれで本当にいいのかなという対応をされています。不当廉売について、民主党としてどのようにこれから対処していくのか、基本的な考え方について伺います。

○衆議院議員(近藤洋介) 原口委員の御質問にお答えいたします。
 不当廉売を初めとする不公正な取引方法というのは、とりわけ中小企業に対する影響が大変大きな問題であり、我が国の雇用の八割と技術を支えている中小企業に対して致命的な影響、不利益を与えている大変重要な問題であると認識しております。その上に立って、この不当廉売や差別対価について、過去二十年間を見ても、一件の審決もされていないという状況に現在あるわけでございまして、これは大変な問題だということで、我々もこの法改正を進める上で議論を進めてまいりました。
 そのため、私どもとしては、不当廉売を初めとする不公正な取引方法に対する抑止力を強化していくことが重要であるという前提に立ちまして、具体的には、不公正な取引方法を行政制裁金の対象とすること、さらには、その不公正な取引を行ったこと自体に刑事罰を科すことなどを真剣に検討してまいりました。残念ながら、今国会のこの法改正にはその点が盛り込めなかったわけでございますが、極めて重要な認識だと思っておりますので、二年後といいますか、独占禁止法、現在党内でこれから議論を進めます新たな改正案の中にきっちり位置づけていきたいと考えているところでございます。

○原口一博 公正な市場と消費者の利益を守る、それから経済主体を守るためには、この不当廉売の規定というのは必須だと思います。しっかりと議論をして、法律の中に盛り込めるように強く要望をしておきます。
 それから、提出者に対してですが、政府案に盛り込まれている審判手続の改正、私はここのところはかなり問題だと思うんです。まさに有無を言わせぬ、デュープロセスの要請を犠牲にしたこのやり方は、結果として何をもたらすか。金融庁にはちょっと耳が痛いかもわかりませんが、皆さんは護送船団行政をやめる、事後チェックだと言っているけれども、現実にはどうなっているか。金融庁の方ばかりを見て、そして恐れおののきながら経済主体が活動をやっているとしたら、それは私たちが本来目指すものではないわけです。
 私は、この独禁法、よく自由民主党の皆さんがこの案を出されたなと思うんです。皆さんは経済主体を守ることを党是とされてきたんじゃないでしょうか。自由な経済活動を守ること、そこは私たち民主党は中心としているんです。
 政府案に盛り込まれている審判手続の改正について、提案者の評価を伺っておきたいと思います。

○衆議院議員(高山 智司) 原口委員の質問にお答えいたします。
 まず政府案の方ですけれども、政府案では、排除命令、そして課徴金命令を違反業者に対して出すこととしておりまして、またこの両命令を同時に出すことも可能というふうになっております。そして、その後不服のある事業者は、改正後の新たな審判手続で争うこととされておりますけれども、その間もこの命令の効力は維持されるというふうになっております。
 課徴金を課すためには、むしろ刑事手続に倣って適正手続を確立することが重要だというふうに我々民主党の方は考えておりますけれども、政府案では、現行の事前審判手続より迅速な処理手続を優先する余り、適正手続、デュープロセスの要請が随分犠牲になっているのではないかというような印象があると思います。

○原口一博 ですから、私たちのように、従来の課徴金を行政制裁金と改めて、行政上の制裁としての性格をきっちり出すべきなんです。また屋上屋を重ねて、そして結果、そのデュープロセスがうまくいかなければ、ごねたところが強い、あるいはそれこそ大きくて力を持っている人たちだけが逃げて、現実にはそれこそ公取の今の体力に合ったところだけが摘発をされる、告発をされるということでは、とても公正な市場というのは、私たちの競争環境というのは保てない、そのように思います。ぜひ、与党の皆さんもここのところで踏ん張らなきゃいかぬと私は思いますよ。
 さっきの新潟の官製談合を見てみても、私たちは一方で議員立法で品質管理法というのを議論しています。さまざまなたくみの技術が、ただただ価格による入札だと、新しい技術が未来に継承されない、あるいは開発の意欲、モチベーションが失われる、結果として悪かろう安かろう、そしてその負担は国民に行ってしまう。これではだめだということで品質管理法というのを議員立法で用意をして、今与野党で協議をしています。しかし、この品質管理法はもろ刃のやいばで、まさにコンサルタントのところをきっちりオープンにして説明責任を発注者に強く負わせないと、官製談合のアリバイ法になってしまう、その危険さえ含んでいる法律でありますので、理念法とはいえども、私たちは注視をしていきたいというふうに思っています。
 そこで、官製談合への取り組みというのは、政府案ではほとんど見られないわけです。特定の電気会社の入札事件も、結果はあれはどうだったのか。中央省庁の発注者にその問題があるんです。中央省庁の発注者は逃げて、そしてその受注者だけが追いまくられるという官至上主義、官僚社会主義こそ私たちは打ち破っていかなきゃいかぬというふうに思っています。
 民主党案は、この点では政府案とは全く趣を異にしていますが、民主党がこの点について検討条項を設けた意義とねらい、今後、私はこれだけでも十分だとは思っていません。内部告発制度についても、告発を逆に抑制するような法律案が昨年通ってしまって、結果としては臭い物にふたということになってしまうと国民が損するんです。七百兆にも及ぶ今の国債、経済のリスクは国債の暴落リスクですよ。ここのところにきっちりとメスを入れる、その決意と中身を伺っておきたいと思います。提案者。

○衆議院議員(近藤洋介) お答えいたします。
 官製談合の防止、撤廃というのは、私ども民主党独禁法改正案の目玉、柱の一つであります。六十兆円を超える公共調達に対してメスを入れることが喫緊の課題だという認識に立ちまして、官製談合情報を提供した事業者に対しては措置減免の制度を新たに盛り込みました。と同時に、別法として官製談合防止法の一年以内の施行ということを盛り込んでいるところでございます。既に党内では、官製談合防止法の中に発注者側に対して罰則規定を盛り込むこと、さらには唆し罪というものを盛り込むこと、このことも検討しています。この点については、自民党の中でも、独禁法調査会の中で、官製談合防止法を見直すということを文言で入れているやに聞いておりますので、ぜひ、議員立法で、しっかりと与野党で議論させていただきたいと思っているところでございます。

○原口一博 最後に、委員長並びに理事にお願いをいたします。
 先ほどの竹島委員長が私どもに対して不適切な言動をされた問題について、それは公の場でどうこうする話ではないんだと。私は、処分とそして総括を求めました。それに対して、それは私的に謝っているから終わりだと思えるような答弁をされたことは甚だ遺憾であり、この理事会でも議論をされていることじゃないですか。委員会やあるいは理事会といったものを、あるいは国会というものを軽視する発言だと思います。明確に、理事会でお願いをしたいと思いますが、この答弁について精査をして、そして、このようなことでは絶対にならない、委員会としての姿勢を打ち出していただくように求めて、質疑を終えます。いいですか、委員長、理事会で。

○経済産業委員会委員長(河上覃雄) 後刻理事会で協議をいたします。