
■ 財務金融委員会 |
平成17年4月20日(水曜日) |
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| ○財務金融委員長(金田英行) 次に、原口一博君。 ○原口一博 民主党の原口一博でございます。 今回の法改正について幾つかの観点から質問をさせていただきたいと思います。 まず、財務省に冒頭お伺いをしておきます。 G7において、中国人民元の為替レートの柔軟性に関して我が国が示した姿勢。この委員会でも何回も指摘をさせていただきましたが、ドルにペッグをする、為替が非常にフレキシビリティーを持っていないことによって、経済の安定、市場の安定といったことのみならず、中国の国内においては、沿岸部と内陸部の格差、それから輸入業者と輸出業者の格差、さらに加えて言えば、富める者と貧しき者との格差、あるいは産業構造の改革の進展を遅らせ、ひいては、隣国でそういう状況になると、我が国のさまざまな産業についても大変大きな影響を与えるばかりではなくて、世界経済についても大きなリスクヘッジの要因になるというふうな認識を私は示して、これはよその国の内政に干渉する問題ではなくて、通貨の問題というのは、自国の単なる主権の問題にとどまらず、広く世界の経済の秩序にかかわる問題だという認識を持って発言をしてきたわけですが、今回、G7においてアメリカを中心としてさまざまな国から、フレキシビリティーの低さについて、つまり、元がドルとペッグをしていることについて、いつまでそれを容認していけるのかといったことについて議論があったと思います。そこで我が国政府がとった姿勢についてお尋ねをしたいと思います。 ○財務省国際局長 お答え申し上げます。 今回のG7におきましても、委員御指摘のとおり、今回、世界経済の見通しの議論の一環といたしまして、中国経済についての議論が行われました。その中で、為替レートの柔軟性についても意見交換が行われたわけでございます。 我が国といたしましては、今回、あるいはこれまでのG7声明にございますとおり、為替レートの柔軟性を欠く主要な国、経済地域にとって、そのさらなる柔軟性が国際金融システムにおいて市場メカニズムに基づき円滑かつ広範な調整を進めるために望ましい、こういう基本的考え方に基づきまして、中国政府が国内の諸情勢等を勘案しつつ、人民元の問題について適切に対応できるよう、今後ともさまざまな場において意見交換等を進めていきたいと考えております。 今回の一連の会議におきましても、こうした考え方に基づきまして対応してまいったところでございます。 ○原口一博 七カ国財務大臣・中央銀行総裁会議の声明の骨子、ポイントにありますように、「我々は、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきであることを再確認。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。我々は、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力していく。この文脈において、我々は、為替レートの柔軟性を欠く主要な国・経済地域にとって、その更なる柔軟性が、国際金融システムにおいて市場メカニズムに基づき円滑かつ広範な調整を進めるために望ましいことを強調。」 ここで言う「為替レートの柔軟性を欠く主要な国」というのは、どこを指しているんですか。 ○財務省国際局長 G7の慣例といたしまして、こういう場合に個別の国の名前を直接発言するということは慣例とされておりませんので、申しわけございませんが、国名について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。 ○原口一博 私は、そういう慣例がG7で本当にあるのか疑問であります。 なぜならば、その議論の中で、フレキシビリティーを欠く国というのはまさに中国であり、そしてこれは外交的な配慮で、まさに名指しをすると中国がかえって態度をかたくしてみずからの意思決定をおくらせるかもわからないということでこういう声明文になっている。それを主導したのが我が国であるということは、私は、これは直接また財務大臣ともスタンスを議論しなきゃいけないと思います。 私は、外交のさまざまなところでは自分たちの意思を明確に示すということがとても大事なのではないかと思います。今回の法改正の中でも、例えば、相互主義といいながら、日本では米国の会計基準を認めていますが、アメリカの側では日本の会計基準が認められているかというと、そうではないわけです。その中で、この三番目の改正の柱が出てきている。東京市場、日本の市場をさまざまな人たちにオープンにし、そしてそこに資本を呼び込むためには必要な改正だと思いますが、その前提として、ルールにおける競争で我が国が負けてくることは絶対にあってはならないということを指摘しておきたいと思います。 さて、そこで、法案の部分について少し議論をしたいと思いますが、財務省、今ので何か反論ありますか。――ありませんか。 証券取引法改正について、本年三月三日の金融審議会における証取法の改正についての議論について、どういう議論が出たのか。 私たちは、先ほど田村委員が質疑をしましたように、証券の継続開示義務違反、このことについてしっかりとした市場の透明性、公平性、それから岩國先生がよくお話しになりますが、エクイティーというのは平等である、すべての株主に対して平等性を認めている、あるいはその権利を保障するということが大事だと思いますが、その法案は出ずに今回のTOBの規制が出てくるということにやや唐突感を感じます。 この三月三日の金融審議会において、皆さんは急遽、TOB規制についてのペーパーを見せて、その一日の審議会でもってこの法案化をされているように外形的には見えます。そこでどのような議論がされたのか。 先ほど伊藤大臣が、過度な規制はやはりよくないと。私もそのとおりだと思います。 保険業法、私たちが反対した大きな理由は、グランドキャニオンにもうさくを立てるようなことはやめよう、わざわざさくを立てるんじゃなくて、そこはやはり自己責任だと。今までの古い依存と分配の政治をやってきたのは、官僚機構とさまざまな癒着によって、そのさく自体が腐っている、腐っているさくに寄りかかったところ真っ逆さまに落ちるというのはかないませんね、そんな法改正はやめましょうというのが私たちの規制改革の基本的な考え方です。 今回の新たな規制はびほう的ではないのか、あるいはパッチワーク的ではないのかという批判もあります。 三月三日の金融審議会における今回のTOB規制についての論点、金融審議会で出された論点は何ですか。 ○金融庁総務企画局長 お答え申し上げます。 本年の三月三日の金融審議会では、今回提出させていただきました法案の改正内容について御議論をいただきました。 その際、今御指摘の公開買い付け制度の適用範囲の見直しにつきましては、一律に立ち会い外取引を規制することは取引の障害となりかねず、規制の対象をきめ細かくしていくべきであるといった御意見などが出されております。 そのほか、これは今の御指摘とは別ですが、上場会社の親会社に対する情報開示について、情報開示の徹底の観点から法律で義務づけるべきであるなどの御趣旨の御指摘をいただきまして、基本的には、今回提出させていただきました法案の内容について御理解をいただいたものと承知しております。 ○原口一博 いや、私が議事録から見る限りは、さまざまな指摘がされていて、さらに検討すべき課題があったのではないかと思います。 証券取引法の見直しについての、例えば、立ち会い外取引制度について問題となるグレーゾーンのところを明確化することについてですが、年金の代行返上のようなケースでは、一時的に証券会社が保有してそれをまたすぐ売却するというような事例も多く見られる、このような取引や既に規制の対象外になっている自己株取得については、実態面から見て規制の対象外にする必要性があるとか、あるいは、取引制度自体のあり方を考える必要があるとか、TOB制度で、一般事業会社の場合には五日間、金融機関、機関投資家の場合には一カ月後にならないと結果がわからないので、株主の動きについてよりタイムリーに把握できるような仕組みが検討されるべきだとか、さまざまな観点からの意見がここで出ていますね。 私は、こういう法改正の基本的な姿勢を、何か問題が起こったからそれでもってそこだけふさぐということを法改正の姿勢にすべきではないというふうに思います。 大臣にお伺いをいたしますが、ライブドアの問題についてでございます。伊藤大臣は、ライブドアの問題が市場外取引云々の話で問題になった二月八日の前後でしたか、ライブドアの公表された資料によればこの取引は適法であるということをおっしゃいました。 そこでお伺いします。金融庁の基本的な姿勢ですが、事前の合意について契約が成立していればこれは市場外取引ですね。いかがですか。 ○金融庁総務企画局長 お答え申し上げます。 事前に合意が成立をしているかどうかという問題でございますけれども、立ち会い外取引が行われる前に相対で売買がもう既に成立をしている場合というのは一体どういうケースであるかということは、なかなか難しい判断だと思います。 いずれにいたしましても、ここの部分については個別のケースにもよるというふうに考えておりまして、どういう場合が事前に契約が成立をしているかということについては、ケース・バイ・ケースだというふうに考えております。 ただ、いずれにいたしましても、今の現行法上、事前の交渉などによって取引が……(原口委員「委員長、済みません、事実について聞いているので、ケース・バイ・ケースのことを聞いているのではありません」と呼ぶ) ○財務金融委員長(金田英行) 正確に答えてください。 ○金融庁総務企画局長 はい。いずれにいたしましても、事前の交渉などによって取引が相対取引に類似しているといったことをもって直ちに取引所市場外の取引と解釈をして、公開買い付け違反として罰則を適用するということは、基本的には困難ではないかというふうに考えております。 ○原口一博 専門家なんですけれども、質問したことだけに答えてください。いいですか。そうじゃなきゃ、わざわざ金融庁の方をお招きする理由、ないじゃないですか。私、個別のケースについて聞いているんじゃなくて、今は事実、法律の解釈について聞いている。 事前の合意について契約がもし成立していれば、これは市場外の取引でしょう。違うんですか。 ○金融庁総務企画局長 先ほど御説明をいたしましたとおり、現行法上、事前の交渉などにより取引が相対取引に類似をしている、相対取引というのはいわば事前にいろいろな交渉で契約の条件をいろいろ決めるということもあるわけでございますが、そういったことに類似をしているということをもって直ちに取引所市場外の取引として解釈をして、今回の公開買い付け規制違反として罰則を適用することは基本的に困難ではないかと思います。 ○原口一博 いや、私は、事前に交渉があるかないかというのを聞いているんじゃないんですよ。いいですか、事前の交渉がある、そのことで問題になるということを言っているんじゃないんです。交渉の結果、事前に契約の成立の合意があれば、それは市場外取引でしょうと。別に矛盾ないじゃないですか。こんなところで、いろいろな議論をする話じゃないので、時間稼ぎ、やめてください。 ○金融担当大臣(伊藤達也) 私の答弁が十分でなければ、また局長から答弁をさせていただきたいと思います。 事前の合意が成立をしている、それが具体的にどういう場合かということなんですが、もう一つ大切なことは、契約が成立をしているかどうかというところでありまして、契約が成立をしているということであれば、合意があって契約が成立しているということであれば、これは市場外の取引ということになるんではないかというふうに思います。 ○原口一博 大臣の方が明確に答えていますね。市場外というのは、事前の合意について契約が成立していれば市場外の取引だと。そうでしょうということをただ確認するだけで三分も四分もかかるというのはかなわぬと思います。 そこで、東京高裁の資料を見ると、事前の合意について十分な疎明はないというような判断をしています。つまり、私は、大臣がおっしゃった、ライブドアの公表された資料によれば適法というのは、私は、ちょっとこれはやや前のめり過ぎるのかなと。 事前合意まで配慮して発言をされたものではない、事前合意による契約の成立のことまで、そこでうかがい知ることは恐らくできなかったと思いますが、それで結構ですか。 ○金融担当大臣(伊藤達也) まず、言葉の使い方として、基本的に、適法というような言葉を使った、あるいは発言をしたということではございません。 私は、従来より個別の取引に関してはコメントを差し控えさせていただいておりまして、その中で、一般論、制度論として、立ち会い外取引というものが取引所における取引に該当することから、現行法上、基本的にTOB規制の適用対象とはならない旨の説明をさせていただいたということでございます。 ○原口一博 ということは、いつもおっしゃっているような、一般論として説明をされたということですね。そういうふうに善意に解釈をしておきます。 それで、ニッポン放送は、証券監視委員会に、事前合意による契約の成立があったのかどうかということの調査の依頼というものをしていると思いますが、これは事実ですか。 ○金融庁総務企画局長 恐縮でございます。監視委員会がおりませんので、詳しくは承知しておりませんが。個別の問題なのでお答えがなかなかできないお話でございますが、そういう報道があったようには記憶しております。 ○原口一博 なぜこんな話をするかというと、けさも私どもの部門会議で意見が出ましたけれども、持ち合い解消やさまざまな目的のために、八時五十分の出合いのところでこういったことは一般的に行われていた。そして、こういう規制をライブドアの問題についてかけるのであれば、八時二十分から十六時三十分まで一貫した規制をすればいいわけで、実態上に差がある中で、一部の問題が大きく出たからといって、それを糊塗するような形で法改正を進めていくと、市場に対するさまざまな、また予期せぬ影響が起こるんではないかということを考えて議論をしておるわけでございます。 次に伺いたいことは、先ほど委員の質問の中にもありましたが、大量保有報告書に関する措置がなぜ見送られたのか、その理由について教えてください。 ○金融庁総務企画局長 大量保有報告書制度につきましては、先ほど先生から御指摘ございました三月三日の金融審議会におきましても、証券会社、銀行、信託会社等に認められている特例報告のあり方、これについて検討する必要があるというような御指摘がございました。 これにつきましては、さまざまな御指摘があったこともございまして、その場で結論が出たということではございませんで、いずれにしても、そういった御指摘も踏まえて、今後いろいろな形で検討がなされるというふうに考えております。 ○原口一博 先ほどの、やはり田村委員の質問に尽きていますよね。さまざまな、基本的な理念や基本的な法制度、どこからどこまで何をやるかということの基本が、従来のものから、今新たにブラッシュアップしようとしているので、その間にいろいろな矛盾が出てきているんだと思います。早急に全体のストラテジーを決めて、そして、パッチワーク的な法改正ではなくて全体像の、市場の公正性、それから投資家の権利の保障と。 これまでの古い、やはり中央集権型の護送船団方式を象徴する言葉に、保護という言葉が至るところに出てきますね、大臣。この保護というのは、客体は投資家であったり消費者であったり、あるいはさまざまな客体であるわけですけれども、では、その保護の主体はだれなのか。役所が保護の主体なんでしょうか。 私たちは、さまざまな法律を、それぞれの経済主体の行動の自由あるいは権利といったものを明記して、その権利の保障という形にさまざまな文言も変えていかないと、どこか上の方に偉い当局がいて、そこが保護してあげますよというような法体系そのものが、もう矛盾をしているんじゃないかというふうに思います。さまざまな市場の公平性や透明性や、あるいはエクイティーというか、そういう平等性をしっかりと保障する、権利を保障するために何をやるかという議論が必要だということを申し上げて。 株式分割についても、今回、ライブドアの件を見てみると、分割を発表して実際に分割されるまで時間がかかりますね。その間に株価をつり上げる、そういう行為が行われている。こういう問題について、東証は要請をしているというふうに思います。 株式分割について、東証がさまざまなプレーヤーに対して要請をしたということについて、金融庁はその中身について承知していらっしゃいますか。 ○金融担当大臣(伊藤達也) お答えさせていただきます。 その前に、委員から大変重要な御指摘があったというふうに思います。これは、お上が、官が、契約者あるいは投資家、利用者というものを保護してあげるということではなくて、やはり権利を保障していくということが極めて重要でありますし、金融行政の使命としても、市場の持つ可能性あるいは金融機能というものを利用者の方々が遺憾なく活用できるような、そういう環境というものを整備していく。そして、そうした環境の整備の中にあって、利用者の方々の必要な保護ルールというものを整備して、それを徹底させていくということが重要だというふうに思っておりますので、こうした使命は変わらないものでありますし、また、官のあり方ということについて十分意識をして、認識を持って行政には当たっていかなければいけないというふうに思っているところでございます。 株式分割についてのお尋ねがございました。 株式分割自体は、きのうの本会議の質疑でもありましたように、個人投資家の方々を市場の中に呼び込んでいく、あるいは日本のマーケットの厚みというものを深めていく、そのために非常に有用な制度だというふうに思っておりますが、大幅な株式分割につきましては、株式分割の権利落ち日以降、新しい株券が発行されるまでの特定の間、需給のバランスが崩れることによって価格変動が大きくなる可能性がある、こうした問題点が指摘をされているところでございます。これを受けまして、三月七日、各証券取引所から上場会社に対しまして、株式数が株式分割前の五倍を超えることとなる株式分割については段階的に実施することを求めることなどを内容とした要請文の通知が行われたものと承知をいたしているところでございます。 金融庁といたしましては、まずこうした要請文が市場関係者などに着実に浸透し、そして実行されることが必要であると考えているところでございます。 ○原口一博 従来の答弁より随分前向きにされたことを評価したいと思います。前だと、これは株式分割だから会社法や商法の問題ですというような御答弁があったようですが、私は、やはり市場の公正性をしっかりと監督するその責務が中央政府にあると思います。その責務を自覚した上での御答弁をいただきたい。強く要請をしておきます。 MSCBについても、転換社債型新株予約権つき社債、MSCB、ムービング・ストライク・コンバーティブル・ボンドのことですが、株式分割の直前にCBを取得した者が利益を取得する、これも東証は、先ほどお話がありましたのと同様に、詳細にディスクローズするようにということを言っているわけでございまして、ここについても、やはり市場監督者としての明確な姿勢と自覚が必要であるというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。 ○金融担当大臣(伊藤達也) 株式分割にかかわる問題が指摘されたことを受けまして、先ほどもお話をさせていただいたように、三月七日、各証券取引所から上場会社に対しまして、CB発行後六カ月程度の間の株式分割の自粛などの要請が行われたものと承知をいたしているところでございます。 金融庁といたしましては、大幅な株式分割の問題点を含めて、日常的に証券取引所と意見交換を行っているところでございますけれども、まずはこうした要請というものが市場関係者に着実に浸透して、そして実行されることが必要であるというふうに考えているところでございます。 ○原口一博 今回のライブドアの件について、やはりもう一つ問題を指摘をしておかなきゃいけないのは、貸し株です。 ライブドアの貸し株をリーマンに行って、リーマンは、市場で売ることでライブドアの価格を下げてこれを購入して、これを売り抜くと。つまり、真っ当に資金を導入する能力があるなしにかかわらず、本来の市場の価値と違うところでそういうスキームをつくるといったことは、私は、市場の透明性や公平性といったところから考えてみても議論のあるところだと思っています。 私は、貸し株全体を規制するべきだということを言っているんじゃありません。キャッチオール規制というのは規制のないことよりさらに悪い、規制改革の方の責任者としてはそう考えています。しかし、このスキーム全体が果たして当該株主に開示されていたのか、このことはとても重要なことだと思います。そうしないと、株主の権利の保障といったことはできないんじゃないか。貸し株全体を規制することはできないけれども、取締役の善管注意義務に反して株主の利益に背くようなことはできないんじゃないかというふうに思うんですが、これは一般論で結構ですから、基本的な認識を伺っておきたいと思います。 ○金融庁総務企画局長 お答え申し上げます。 先生今御指摘のように、貸し株というのは、一般にいろいろな形で行われております。したがいまして、それ自体を一律に規制するということは私どもは適当ではないと思っております。 ただ、先ほどの先生の御指摘のような点、まずディスクロージャーという意味で、貸し株自体は今回のケースでもディスクロージャーされている、そういった貸し株を行ったということについては開示がされているということでございますが、いずれにいたしましても、そういった全体のいろいろな形でのガバナンスといいますか、そういった観点は非常に重要だというふうに考えております。 ○原口一博 ちょっと答弁が、一生懸命聞いているつもりなんですが、うまく理解できません。結局、どこに問題があると思われていますか。 ○金融庁総務企画局長 お答え申し上げます。 今先生が御指摘になったように、貸し株を利用して、今回の場合には貸し株とMSCBをセットにして行われたということでございますが、仮にそういったことを利用して意図的に株価を下落させるなんということになれば、これは証券取引法上問題があるというようなことになるかと思います。 いずれにいたしましても、そういった疑惑がないような形で行われなければいけないと思いますし、そこの部分については、一方で、貸し株をしているということのディスクロージャーは行われているということだと思います。 ○金融担当大臣(伊藤達也) 委員からディスクローズについてのお尋ねがあったというふうに思いますが、基本的に、証取法で貸し株自体を制限する規制はないわけでありますけれども、貸し株を行った者、そして借り株を行った者それぞれについて、ディスクローズの観点からいいますと、株券等保有割合が五%を超える場合には大量保有報告書の提出が義務づけられているわけであります。そしてさらに、先ほど局長からもお話をさせていただいたように、相場操縦の問題でありますとか、また、借りた株を株式市場で売却する場合には、証券取引法第百六十二条第一項の空売り規制の対象となりますので、空売りである旨を明示することが義務づけられることとともに、公正な取引を確保するための価格ルールとして、空売りの直前の価格以下での売りつけが禁止をされているわけであります。 このように、貸し株につきましては、証券取引法上の大量保有報告書の提出の義務づけでありますとか、あるいは空売り規制及び相場操縦的行為の禁止規定により、株式市場の透明性や公正性、公正な取引というものが確保されているものと私どもは認識をいたしております。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今後とも市場の公正性を確保する観点から、貸し株の株式市場への影響も含めて株式市場の動向というものを注視していきたいというふうに思います。 ○原口一博 私は明確に言っていて、法律で貸し株を規制することはできませんねと。その中でも、今お話しになったような違法行為についてはいろいろなネットがありますねと。 ただ、今度は株主の立場からすると、取締役の善管注意義務やそういったものにこのスキームが、こういうスキームをやりますよということを開示していなければ、ほかの株主は不当に自分の株価を低くされるわけですから、株主の立場から責任を問うことはできますねという簡単な質問をしているんですけれども。 ○金融庁総務企画局長 お答え申し上げます。 今先生御指摘のように、これこれこういう貸し株をしているという開示をしておりますので、そういう意味での株主に対してのディスクロージャーができておりますので、株主はそれを見ていろいろな判断をするということだと思います。 ○原口一博 私は、このライブドアの問題の話は例であって、一般的に、スキーム全体について開示をされていない場合は株主が責任を問うことができますねと。つまり、何を言いたいかというと、法律やさまざまな規制でキャッチオールするんじゃなくて、後は株主のそれぞれの権利の行使によってとめるところができますね、そこの間の仕切りはしっかりしておきましょうねということを言っているんです。言っている意味がわかりますか。 さっきから何回も言っているのは、私たちが一番考えなきゃいけないのは、市場に対してキャッチオール規制をかけることはやめましょうと。何か問題があったらもう事細かく皆さんが、こんな規制もなかったから金融庁はどうするんだ、こんな規制がなかったからどうするんだということを責められて、そしてすべてに網をかけるような規制をするんじゃなくて、そこから先は株主が自分の権利の保障のために、善管注意義務違反でこのスキームがもし開示をされていない場合、責任を問うことができますねと。 つまり、それぞれの自己責任でやれるところを広げていくことがやはり必要で、規制のあり方について議論しているので、ちょっともうこれ以上……。非常に調子が狂うんですが。 私は今、一方で、連合審査を昨日決議していただいて、会社法という形で、商法、会社法とこの証券取引法は密接につながっていますので、一つの問題意識を申し上げておきます。 それは、大臣、会社の支配と従属関係の形成の中で、企業結合法制の中でさまざまな諸類型が出てくる中で、従属会社の少数株主の権利をどのように保障していくのかという立場では、やはり今回の会社法の改正も企業結合法制のところがすっぽり抜けて、そしてさまざまな大改革を行われているために、実際に市場にこれが持ち込まれたときに何が起こるかといったことについては、よほど慎重に議論をしておかなきゃいけないんだというふうに思うんです。 私は、支配従属関係の形成の類型を、大体二つあるのかなと思っています。 それは一つは、支配会社がその所有する一〇〇%子会社の株式を一部公開することによってその関係が生ずる場合。それでも三つぐらい類型があると思いますが、一〇〇%子会社が第三者割り当てあるいは公募等の方法で増資を行う場合。あるいは、支配会社がその所有する一〇〇%子会社の株式の一部を売却し、これはこの法律案の証取法の二条の四項、売り出しの方法で増資を行う場合。それから三番目は、支配会社がその所有する一〇〇%子会社の株式の一部を、支配会社の一部の株主に対して利益配当いわゆる現物配当、または実質上の減資に伴う株式売却の対価として分配するという場合。つまり、スピンオフやあるいはスプリットオフといったことについてもきっちり議論をしておく必要があると私は思います。 また、類型の二つ目は、もう言うまでもなく、これは会社買収と言われるもので、既に存在する経済的に独立した会社の発行済みの株式の一部を他の会社が取得することによって、前者を従属会社、後者を支配会社とする関係が生ずる場合。これもやはり四つぐらいあって、ある会社が経済的に独立していた他社の株式を、有価証券市場、証取法の二条十四、または店頭売買取引、証取法の二十七条の二、を通じて大量に買い付ける場合。そして二番目は、ある会社が経済的に独立していた他社の株式を、公開買い付け、これは証取法の二十七条の二第一項、の方法により大量に買い付ける場合。あと二つあって、経済的に独立していた会社の大株主である少数の個人から他の会社が、いわゆる支配株式、支配持ち分の譲渡を受ける場合。それから、企業提携を目指して、支配会社となるべき会社を新株受取人とする第三者割り当て増資が行われる場合。 大体、ツーパターンのうちのそれぞれ三と四で、七つぐらいのパターンがある。このそれぞれのパターンについて、企業結合法制のところを市場の公正性やあるいは透明性といった形で一個一個検証していく作業が必要であるというふうに思います。 特に、ここで一つだけ問題提起をしておきたいのは親子上場の問題です。 今回のライブドアとフジサンケイグループ、それからニッポン放送の株式取得の問題も、親子の上場ですね。小さい価値を持っている親会社の株を押さえることによって大きな会社を支配する。この親子上場についてはまだ国会ではほとんど議論をされていなくて、子会社が上場をするということは、さまざまな資本を導入して新たな技術や人材を取り込む、そういう大きな意味がありますから、上場自体を否定しているわけじゃなくて、そこの結合のところのルールがしっかりしていないと、例えばコングロマリットディスカウントと申しまして、後で議論をしますが、今回のカネボウの件もそれに当たるのかもわかりませんけれども、実質、自分たちの親会社の負債を子会社に回してみたり、あるいはその逆が起こってみたり、株主、市場の方からすると、何をもってその会社の力とするのかというのがわからなくなる。 こういうこともきっちり議論をしておかなきゃいけないというふうに思うんですが、これは所見をいただければそれで結構でございますので、伊藤大臣の御意見をいただいておきたいと思います。 ○金融担当大臣(伊藤達也) 企業結合法制について、今委員から、類型も示されながらいろいろな問題点について御指摘がされたわけであります。 その中の多くの部分が商法に関係する部分でありますので、そうした点についてコメントをするということはなかなか金融担当大臣の立場としては難しいところがございますが、委員がその前段として、証券取引法と商法というものはそれぞれに連携をして、そしてそれぞれの役割を果たしていかなければいけない、それはまさにそのとおりだというふうに思います。 証券取引法は投資家保護を目的としたものでありますし、また商法は、株主の権利を保護していく、それが目的の一つになっているわけでありますから、それぞれが連携をしながら市場の発展に寄与をしていくということを実現していかなければいけないというふうに思っております。私どもといたしましては、市場の公正性、透明性というものを確保していく観点から、商法を所管する法務省とも十分連携をとりながら、そして、株主の権利保護、投資家の保護に資するような制度設計に努めていきたいというふうに思っております。 親子上場の問題については、確かに衆議院ではまだ深い議論が、されているかどうかということについて私自身十分な記憶がございませんが、参議院においてはこの問題について議論がなされているものと承知をいたしております。 ただ、そもそもどのような企業に上場というものを認めるのか。これは、上場申請を受けて、一義的には、やはり市場開設者である証券取引所が判断をしていく問題ではないかというふうに考えておりますが、ある投資家にとって、親会社の企業グループ全体として投資魅力に乏しい場合であっても、グループの一部に投資魅力のある企業が存在する可能性があることから、そのような企業が親会社とは別に上場をすることには一定の意義があるのではないか、このように考えているところでございます。 ○原口一博 これはさらに議論を深めていかなきゃいけませんが、市場の側から見ると、一番大事なのは、どういう連結になっているのか、あるいはどういう関係になっているのか、特に重視されるのは、やはり有価証券報告書というものだと思います。そこで決算の実態やグループの実態がどれだけ的確に反映されているかということで、私は、この有価証券報告書の継続開示義務違反に対する、いわゆる私たちが言う行政制裁金、金融庁や政府がおっしゃっている課徴金制度の見送りというのは、まさにそこの根幹を揺るがすことであるというふうに思っています。 私は、この課徴金制度についても、ぜひ与党の皆さんにも申し上げたいのは、独禁法の議論の中でも随分議論をさせていただきましたが、やはり非常にぬえ的な性格を持っているというふうに思います。現行独禁法の措置体系の中には、課徴金と刑事罰との関係等をめぐる大きなゆがみがあります。私は、このゆがみの是正が本来一番最初に来るべきものだというふうに思って、私たち民主党の独禁法案を取りまとめさせていただきました。 日本の独自の法体系や独禁法がたどってきた歴史的な経緯を見てみると、例えば、後で証券取引等監視委員会についても議論をしますが、公取委の法執行体制、公共調達をめぐる不公正で不透明な競争制限行為による害悪が蔓延をしています。これは、今までの委員が議論されたように、証券とも並行している、証券も同じような状況だというふうに思います。現行の独禁法においても、制裁措置体系がうまく機能していないというのは否定しがたい。つまり、違反行為に対する抑止行為がなければ、市場の公正性というのは結局担保できない。談合やカルテルというものを許してしまえば、悪魔の取り分といって、談合している団体にとっても損であるし、社会にとっても損であるという大きなロスが生じてしまいます。 そこで、内閣法制局、先ほどの田村委員の議論からすれば法制局は要らないということになると思いますが、法制局に伺います。 課徴金は独禁法の中で、憲法三十九条後段の二重処罰禁止規定からはみ出ないために設けられた制度ではないかと思いますが、私は、そもそもこの憲法三十九条後段の二重処罰の禁止規定というのは、一つの事件について二重に刑事処罰されないというものを規定したものであって、今回、課徴金と言われる行政上の措置と刑事処罰とが二重に科されるということを禁止したものではないというふうに理解をしていますが、法制局の見解を伺いたいと思います。 ○内閣法制局第三部長 お答え申し上げます。 御指摘の憲法第三十九条後段は、同一の罪について、重ねて刑事上の責任を問われないというふうに規定しております。 ここで言う刑事上の責任とは何かということでございますが、これは基本的に刑事罰を想定していることは当然でございます。しかしながら、行政機関が科すものであっても、その趣旨、目的、性質等が実質的に刑罰と同一視されるようなものであれば、それはやはり憲法第三十九条後段が規定する二重処罰の禁止、あるいはその趣旨に触れるのではないかというふうに理解しております。 ○原口一博 そうであれば、皆さんが課徴金制度というものの中で、今お答えになった答えが本当に正しいのであれば、課徴金は実質の不当利得の簒奪という範囲を超えてどんどん大きくなっているじゃないですか。皆さんが右手でやっていらっしゃる独禁法の改正と、今回証券取引法の改正で課徴金ということを見送られたことが、右手のやっていることと左手のやっていることが違うじゃないですか。今の解釈であれば、課徴金は不当利得の簒奪の部分にしか当てはまらないんじゃないんですか。いかがですか。 ○内閣法制局第三部長 お答え申し上げます。 今の独禁法改正案でございますが、これは、従来の不当利得相当額の金銭を徴収するという制度では違反行為の防止のために不十分であったという実態を踏まえまして、不当利得の相当額、これは違反行為に係る売り上げの約八%ぐらいと聞いておりますけれども、これに若干の割り増しを行いまして、違反行為に係る売り上げの一〇%相当額を課徴金として徴収するということでございまして、その中心部分には、やはり不当な利得があるということを前提にいたしまして、その不当利得相当額を基準として課徴金の額を決めているということでございます。そういう意味では、従来と同じ考え方でございます。 ところが、今回の継続開示書類の虚偽記載につきましては、先ほどちょっと申し上げましたとおり、それによって得られる経済的利得があるのかどうかということから始まって、その水準をどうやって算定するのかということが必ずしも明らかでないということで、独禁法改正案における課徴金の議論と必ずしも同列には論じられないというふうに考えております。 ○原口一博 同じ課徴金でも世界が違えば解釈が違うなんということがあってはならない。 今、皆さんお聞きになったとおり、課徴金をめぐるぬえ的な性格が結果的に何をゆがめているかというと、市場をゆがめて、公正性をゆがめているんですよ。ですから、私たちのように、市場をしっかりとガードするための、事業者にかかる行政上の制裁金という形にすれば、もとは六%の課徴金だったのが一〇%になっているわけですね、独禁法の皆さんの改正案では。その説明はつかないじゃないですか、だんだんだんだんつかなくなってくるじゃないですか。 大臣、今回の証取法の改正でも、やはり継続開示義務違反というのは、後のカネボウでの議論にもかかわりますけれども、会社の存続を左右する大きな問題ですね。その問題について何らそこをカバーするサンクションがなければ、やり得になってしまうわけです。今お話のあったような法制局の解釈をすれば、結果、何が生まれるかというと、不当利得の算出が難しいものについては、四十年間の継続開示義務違反をやっていた企業がありましたけれども、これの不当利得の算出なんてどうやってできますか。その裏返しからいえば、そういうものの算出ができないことについては何も行政上の措置を加えることができずに、結果としてやり得になってしまうということを許すだけじゃないんでしょうか。金融担当大臣の基本的な御認識を伺いたいと思います。 ○金融担当大臣(伊藤達也) 市場の信頼というものを確立していくためには規制の実効性というものを確保していくことが非常に重要でありますし、また、委員が御指摘をされているように、違法行為を抑止していくために、私どもとしても、全く新たな行政上の措置として、違反者に金銭的負担を科す制度である課徴金制度というものを導入いたしたところでございます。 このように、課徴金制度というのが新たな制度でありますので、こうしたことにかんがみまして、昨年の法改正においては、課徴金の水準については、違反行為の抑止に必要最小限の水準として経済的利得相当額にとどめるとともに、金額の決定についても、裁量を排し、法律に基づき一義的、機械的な課徴金額が定まるような仕組みとされたところでございます。 また、委員が経済産業委員会で独禁法の審議に合わせて御質疑をされた、その様子については私もその議事録をよく読ませていただきましたし、また、かつて経済産業委員会に所属をさせていただいて、官製談合の議員立法にも携わらせていただいておりますので、課徴金制度という新たな行政上の措置の有効性、これをどのように考えていくかということについては十分に検討に値するというふうに思っております。 私どもといたしましても、先ほど御説明をさせていただきましたように、継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入については、法制面についての詰めも行わせていただいたわけでありますけれども、さまざまな問題があり、それを慎重に検討していかなければいけないということでありましたので、この導入自体を断念しているわけではございませんけれども、今、私どもとして、この四月一日から施行された課徴金制度というものを適切に運用させていく、そして、その制度の目的を達成すべく全力を尽くしながら、継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入のあり方についても今後さらに検討を深めていきたいというふうに思っております。 ○原口一博 だから、きょう私がここで法制局とやっているのはその法律上の詰めなんです。 現に、これはおとといですか、経済産業委員会の参考人質疑で、政府の独禁法改正の基礎的な理論を構築された根岸参考人も、私と同じように、憲法三十九条の二重処罰禁止規定については同一の犯罪について重ねて刑事上の責任を問われないということを規定したものであって、趣旨、性質、手続などが基本的に異なる行政上の措置である課徴金と刑罰としての併科が憲法三十九条に反するとは考えていないということをおっしゃっています。 私は、ここのところを詰めないで去年の証取法の改正で課徴金という制度について入り込んだことは、ある意味では独禁法が持っているぬえ的な構造と同じ悩み、パラドックスを私たちが抱えるのではないかということを強く主張しておきたいと思っています。 現に、今回の法改正のときも、当初は、不当利得の徴収という説明を放棄しながら、社会的な損失の負担という概念を根拠に制裁できないかという説明が私たちにもされていました。しかし、最終的には違反行為の抑止を全面的に打ち出す。つまり、一方で、制裁なのか制裁でないのかということを依然としてあいまいなままにしているわけです。ここを整理しないままでは、やり得というか、市場の公平性を担保するのは……。 私は、基本的に、経済的な活動は自由であるべきだと思います。自由であるべきだと思うけれども、その経済活動の根底になる部分を揺るがすことについては強い規制が必要だ。だから、私たちは、大きな行政制裁金も必要であるし、皆さんがおっしゃっている課徴金ではなくて、もともと経済制裁的効果を意図してつくられた制度であるにもかかわらず、その法的性格が制裁でないという、今の法制局の部長さんのような説明をしていたのでは、そこは、真に私たちが目指す市場の公平性が得られないのではないかということを申し上げているんです。 内閣法制局、今までの政府答弁の積み上げがありますから、皆さんがそこから出ていろいろな議論をするというのは難しいと思います。しかし、そこの今までの内閣法制局の、あるいは憲法の要請との矛盾点が拡大しているところを超えるのは、大臣、やはり政治だと思うんです、政治がルールをつくるわけですから。 私たちは新たに、この国会の審議の中で、この課徴金制度について、私たちが言う行政制裁金制度について、与野党知恵を出して、どういう制度であれば公平性が保てるのか、透明性が保てるのか、市場の信頼が確保できるのかということを共同提案させていただきたいと思っています。大臣の御所見を伺って、次の質問に行きたいと思います。 ○金融担当大臣(伊藤達也) 私どもとしても、国会での議論、立法府での議論というものを注視していきたいというふうに思っておりますし、また、委員がいみじくも言われたように、今御議論された点については、今までの我が国の法制のあり方、その考え方とは違う考え方の中で、新たに市場の公正性を担保するための仕組みというものを導入できないか、こうした観点から御指摘がされているものでありますので、そうした意味からすると、一方でやはり、今までの刑罰規定との関係でありますとか手続の問題でありますとか、さまざまな問題についても十分議論をしていく、このことも重要なことではないかというふうに思っているところでございます。 いずれにいたしましても、私どもとしても、継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入については今後も検討していきたいというふうに思っておりますし、この制度の持つ重要性ということについても認識をいたしているところでございますので、この四月一日から施行された課徴金制度というものをしっかり運用して、そしてその目的を達成することに全力を挙げながら、継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入の問題についても検討を深めていきたいというふうに思っております。 ○原口一博 あと、やはり証券取引等監視委員会についても、私は、一九九二年七月に設立された証券取引等監視委員会、国家行政組織法上の八条委員会ですけれども、証券取引法第九章で、犯則事件の調査、そういう権限を委員会に与えているというのは一定の理解をしますが、しかしその後は、我が方の法律についてもその後の法律で担保するようにしておりますが、委員会は金融庁設置法により金融庁に対して勧告をする。勧告でとどまっている。本当にこれで迅速かつ適正な、しかも効果的な市場の監視といったことができるんだろうか。 証券取引等監視委員会の告発事件の一覧というのを見ますと、これは平成十五年の八月付の「証券取引等監視委員会の活動状況」という中でも五十三件ですね、この資料が正しければ。皆さんが発表された中ですから正しいと思います。多くのものがやり得になっている、多くのものがやはりやみに消えている、この状況についてしっかりとした実効性を上げるというのは政治の責任なのではないでしょうか。 私は、今のような陣容もそうですけれども、体制では、八条委員会という審議会と同じような委員会の形ではとても実効性は上がらない、したがって、私たちが提案しているような本来の意味での日本版SECというものをつくらなければいけないというふうに考えていますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。 ○金融担当大臣(伊藤達也) 市場監視機能の問題、権限の問題についてお尋ねがあったわけであります。 現在の監視委員会は勧告権だけである、この勧告権だけでは弱いのではないか、行政処分権というものを有する必要があるのではないか、こうした御指摘でありますけれども、私どもといたしましては、平成十五年度の事務年度を見ましても、監視委員会から二十六件の勧告が行われて、そして金融庁においては、これらすべてについて、証券会社に対する業務停止命令やあるいは業務改善命令、そして役職員に対する業務停止等の行政処分を厳正に実施してきたところであります。 このように監視委員会の勧告に基づく厳正な行政処分が実施されているということを踏まえますと、監視委員会に勧告権しかなく、行政処分権がないことから有効な市場監視機能というものを果たせないということではないと考えており、引き続き、現在の枠組みというものを最大限活用することにより、市場に対する国民の信頼確保に向けて努力をしていきたいと考えております。 ○原口一博 やはりその辺が、自民党政権の大臣である伊藤大臣と私たちの基本的な考え方の違いかなと思います。 やはり行政が大き過ぎるんですよ。行政の仕事がやはり大き過ぎる。できるだけ私たちは、経済司法の大改革を、独禁法もこの証取法も、あるいは会社法も含めてやっていきたいと思いますが、本来司法が小さかったために、さまざまな争いを行政の中で解決して、事前に規制をし、そして指導していくというやり方が、やはりこの速い経済の動きやあるいはグローバル化する経済の動きについていけない。できるだけ多くのものは早く司法に出してしまう、そして司法的な手続の中で、司法という光の中で処理をしていくということを行政のさまざまな手続の中にもやっておかないと、これから小さな政府、それは、国民の皆さんから大きな税金を預かってさまざまなことをやるということがもうできません。 そういう要請からだけではなくて、さまざまな自由やさまざまな権利を保障するためには、私は、大きな公共、小さな政府という姿が大事だと思います。そういう中からすると、いまだもってこういう証券取引等監視委員会で市場をチェックするというやり方は改めていくべきだ、本当の構造改革と言うんだったらここが原点ではないかというふうに思います。 さて、カネボウの有価証券報告書の問題について、これは虚偽記載に当たりますよね、金融庁。 ○金融庁総務企画局長 お答え申し上げます。 個別事案に係るコメントということでございますので、差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、こういった証券市場に対する信頼性を確保するというのは非常に大事だというふうに思っておりまして、適切なディスクロージャーが行われることが重要だというふうに考えております。法令違反に該当する事実が判明した場合においては、適切に対処いたしたいというふうに思っております。 ○原口一博 質問するたびに驚くような答弁するのはやめてください。 東証が、これは平成十六年十月二十八日、東証の監理ポスト割り当て、カネボウ株式会社ということで発表しているわけですね。その主な理由は、いわゆる上場会社が財務諸表等または中間財務諸表等に虚偽記載を行い、かつその影響が重大であると当取引所が認めた場合、それに当たると判断したからだというのが公表されているじゃないですか。公表されていることについても、個別の案件だからコミットできないというのはどういうことですかね。 ○金融庁総務企画局長 お答え申し上げます。 東京証券取引所でいろいろな形で公表が行われていることは御指摘のとおりかと思いますが、東京証券取引所の方のいわゆる虚偽記載と証取法上の虚偽記載というのはそれぞれ要件が違っておりまして、東証の方も、これはまだ虚偽記載のおそれがあるということで、これからいろいろ検討をするということになっておりますので、そういう意味では、先ほど申し上げましたように、こちらの証取法上の虚偽記載とは異なるということでございます。 ○原口一博 東証は虚偽のおそれがあるというふうには言っていませんよ。読みましょうか。「同社は、本日、同社の「経営浄化調査委員会」の調査結果として、同社が」つまりカネボウですね、「平成十三年度及び平成十四年度において売上の過大計上及び経費の過少計上等を実施し、両事業年度の有価証券報告書に虚偽の決算結果を記載した事実が判明したこと等の開示を行った。」本人たちが開示しているのじゃないですか。何でこれが虚偽のおそれですか。いいかげんな答弁はやめて……。 与党の理事と委員長にお願いします。議事を混乱するような恐るべき答弁はやめさせてください。 ○財務金融委員長(金田英行) 増井総務企画局長。今の指摘を十分踏まえて答弁してください。 ○金融庁総務企画局長 申しわけございません。御答弁申し上げます。 東証の上場廃止基準につきましては、上場会社が財務諸表等または中間財務諸表等に虚偽記載を行い、かつその影響が重大であると当取引所が認めた場合ということになっておりまして、おっしゃるように上場廃止基準に当たるかどうかという検討をしているということでございます。 ○原口一博 虚偽記載をしていたのですね。虚偽記載をしていた事実は判明した、東証もそう言っているのですけれども、金融庁もこの事実を承知しているのですね。 ○金融担当大臣(伊藤達也) 今局長が慎重に答弁しておりますのは、虚偽記載の意味合いが違うということであります。東証が言っている虚偽記載と、今局長の方から答弁をさせていただいたのは証取法上の虚偽記載の問題、これの構成要件が違いますので、そのことを説明させていただいたということであります。 そして、委員が御指摘をされたように、その虚偽の記載があり、決算の訂正というものがなされるということで、その概要について訂正報告書が提出をされて、そして今後株主総会の議決を経て、監査の証明を添付の上、正式な訂正報告書というものが提出をされるというふうに私どもとして承知をいたしているところでございます。 ○原口一博 だから、虚偽の決算結果を記載した事実というのはもう判明しているのです。 では、証取法とそれから東証の基準とどう違うんですか。今説明したと言われているけれども、今の説明では全然わかりません。 ちょっと、時間だけが過ぎる気配がしましたので、次に行きたいと思います。整理しておいてください、もう一回聞きますから。 産業再生機構、「カネボウ株式会社による過年度決算の訂正発表について」という産業再生機構が出されたこのペーパーは、ほとんど信じられないペーパーですね。その一というところで、「事業再生計画は、支援決定前に機構が実施したデューディリジェンスの結果に基づき、今般の決算訂正にかかる内容を予め織り込んでいるため、今般の決算訂正は、現在のカネボウの企業価値評価を引き下げるものではなく、機構の支援の前提に影響を与えるものではありません。」と。どうしてこんなことが言えるのですか。皆さんはカネボウの化粧品部門についてのデューデリをやっていたのでしょう。しかも、申請主義によって。違いますか。デューデリがいつ始まって、そしてその対象は何だったのか教えてください。 ○内閣府産業再生機構担当室長 お答え申し上げます。 カネボウにつきましては、機構は昨年の三月十日に、カネボウ本体より化粧品部門を分離することを柱とします最初の機構の支援決定をいたしてございます。また、その後、カネボウ本体、化粧品部門を除きます本体を含めましてまさに全体の事業計画を確定いたしましたことから、五月の三十一日に、改めて三月十日の支援決定を一度撤回いたしまして……(原口委員「時間がないんです」と呼ぶ)はい。デューデリでございますが、その支援決定の前の時点から始まっているということでございます。 ○原口一博 だから、支援要請が来たのはいつで、デューデリを始めたのがいつなのかというのを教えてください。 ○内閣府産業再生機構担当室長 支援要請は基本的には支援決定の直前に、今回の場合来てございます。委員おっしゃいますデューデリ、いわゆる機構の調査と申しますか事前デューデリというものがございまして、そういうことでございますと、大体それは数カ月前から始まるというのが一般的でございます。 以上でございます。 ○原口一博 その対象は化粧品事業だけでしょう。 ○内閣府産業再生機構担当室長 三月時点までにおきましては主に化粧品事業が対象であったというふうに承知してございます。その後、まさに事業本体をどうするかということになったということでございます。 ○原口一博 いや、その後どうかというのを聞いているのではなくて、つまり皆さんが支援決定をした対象案件は何で、そしてそれはどういうデューデリに基づいて行われていたのか。そしてその支援決定が正しいか正しくないかというのを判断するのは私たちであって、皆さんがそれに対して説得力のある資料を出すでもなく、その後大幅な粉飾決算が明らかになったにもかかわらず、「今般の決算訂正は、現在のカネボウの企業価値評価を引き下げるものではなく、機構の支援の前提に影響を与えるものではありません。」なんというのは矛盾じゃないですか。これは、カネボウの経営浄化調査委員会が半年近くにわたって調査をして、その結果、決算が五年にわたって不適切であったというか粉飾であったということがわかっていたので。 私はこれは不思議でたまらないのは、本来市場から撤退をしているはずの企業が何で再生機構にいるんですか。その説明が全然つかないじゃないですか。教えてください。 ○内閣府産業再生機構担当室長 再生機構の支援決定は、まさにメーンの銀行と事業者が再生機構に支援の要請を行うというのが前提でございます。再生機構は、個々の事業者を支援するか否かにつきましては、対象事業の再生可能性について、まさに三年以内に事業者が生産性向上基準や財務健全化基準を満たすこと等の支援基準に、これは法律に基づいておりますが、基づき産業再生委員会において厳正に判断をいたしまして、再生可能性が高いと判断されれば支援決定を行うことといたしてございます。 ○原口一博 それでは、重ねて聞きますが、これはカネボウの事業全体を支援しているんでしょう。化粧品部門だけじゃないじゃないですか。いかがですか。 ○内閣府産業再生機構担当室長 お答え申し上げます。 全体でございます。 ○原口一博 だとすれば、今回の五年にもわたる莫大な、まさに債務超過と言えるような状況は、もう皆さんが支援決定をするときにあらかじめ織り込んでいたのですね。そうでしょう。そう書いてある。 ○内閣府産業再生機構担当室長 再生機構のいわゆるデューデリジェンスと申しますのは、先ほども御説明申し上げましたけれども、その当時時点のまさに債務の状況についての状況を明確にするということでございます。 委員お尋ねの件につきましては、まさに産業再生機構が、昨年でございますが三月から五月にかけまして支援決定をいたします過程の中で、例えば、四月の十九日にカネボウが経営浄化調査委員会を設置いたしまして、また、昨年の十月二十八日にその経営浄化調査委員会の調査結果が出てきたというようなことでございまして、過去の件につきましては、カネボウ本体がまさにその現状を見つつ調査を進めてきたというのが実情でございます。 ○原口一博 いや、もうそういう論理は多分通用しないんだと思いますよ。つまり、今あなたがおっしゃっていることは、平たく言えば、過去のことについては問わない、とにかく駆け込んでくれたものは、その財務諸表がどうであろうが何であろうが、何をやっていようが再生するんです、国民のお金でと。そんなことが通用するわけない。まさに市場の、最初から再生機構と当該会社の間に、ある一定の合意がなきゃこういうことはできない。 私たちの内部告発から得た情報によると、ある総理経験者が当該大臣に対して、ここは絶対に再生させろとねじ込んで、本来は市場から撤退をするようなそういう案件について国民の税金が使われている。その疑いについて私たちに詳細にお話をしていただいた方がいらっしゃいました。事実についてはわかりません。 もう質疑時間があと数分になりましたので、このことについては、ぜひ委員長、私たちがこの支援について、これはメーンバンクもあるはずで、金融庁のさまざまな検査についても、その妥当性について調査をしなければいけませんので、理事会で具体的な項目を出しますので、当該委員会に必要な資料の提出をお願いしたいと思います。 ○財務金融委員長(金田英行) 原口君の申し出につきましては、理事会で協議させていただきます。 ○原口一博 さて、もう時間が尽きました。 株式会社というのは一体だれのものなのか。今回、敵対的買収と言われていますが、敵対的買収そのものが悪いのではありません。敵対的というのは、いわゆる保身を図ろうとしている古い経営陣から見た言い方であって、そのこと自体が是だとか非だとかいうものではない。 私たちが一番必要なものは、株主の権利の保障をどのように透明性を図ってやっていくか、そのことであるということを申し上げ、課徴金制度についてはぜひこの国会で成立をできるように私たち民主党も努力するということを申し上げて、質疑を終えたいと思います。 ありがとうございました。 | |